○岩國
委員 こうした林野庁それから国土庁との緊密な連携というものを、これはもう長官、先頭に立ってぜひいいチームワークをつくっていただきたいと私は思っております。
私は、かねがね尊農建国ということを言ってまいりました。これは、尊皇開国という言葉がありましたけれ
ども、この尊皇開国、あのときは天皇の皇を書いておりました。私は、農業の農を書いてみました。尊農建国、農業を大切にしてこれからの国を建てていく。それは、農水省と建設省と国土庁と、その三つを私は入れたつもりでずっと話してきたのです。ばらばらな縦割り
行政じゃなくて、農水省と建設省と国土庁がしっかり手を組んでくれれば、地方を守る、
環境を守るという仕事が農業を
中心にしてできるのではないか、そういう思いでそういうことを唱えてきたことはあります。
ぜひ
環境庁としても、これから
住民の皆さんと手を組んで、
自治体と林野庁と国土庁と一緒になってこういう仕事を進めていただきたいと思います。
私ごとですけれ
ども、私の大学時代の友人に山内君というのがおりました。彼は
環境庁の
局長として、命を絶ちました。彼は、私が出雲市長時代に何度か手紙をくれました。彼の最後の手紙は、岩國君、今度、こういうことをやっているから、花の
調査を君のところでもやってくれぬか。覚えていらっしゃると思いますけれ
ども、
環境庁は花の
調査をしておられた時期があります。それは、彼が私に書いてくれた最後の手紙でした。
彼がそんな心優しい友達だということは、私は卒業してからもそれほど
意識したことはありませんでしたけれ
ども、友人として、最後まで心優しい人生を彼が終わってくれたということを、私は今でもよく覚えております。
昨日私は、予算
委員会で、大蔵省の松野元証券
局長の証人喚問の場におりました。同じような学校を卒業しても育つ場所が違うとこれだけ人間が違ってしまうのかというふうな思いを持ちながら、そうした山内君のことを思い出しておったわけでありますけれ
ども、ぜひ、そうしたきめの細かい、そして
環境庁らしいこれからの
行政への取り組み、指導というものをお願いしたいと思います。
例えばみどりの少年団、こういったものは、文部省がやることなのか、どこがやることなのかわかりません。しかし、私も、出雲市では、みどりの少年団の育成に一生懸命取り組んできましたし、中学二年生は全員
環境探偵団に入り、子供たちの目線で
環境のいいところ、悪いところを見つけていく。
そして、造林のための予算も復活いたしました。木を守る人を残していかなければ、お金をどれだけつけてもこれから山は残っていかないと思うからです。細々とでも各
自治体が、そういう造林という仕事を通じてその地元の人にある程度の予算、仕事をつくっていくことをしなければ、山は残らないと思います。ある日突然政治家が思い出したように、やれ十兆円だ、三十兆円だと、どんなに金をつくっても、山を守る人がいなかったらお金が生きていかないのですから。また、木造校舎についてはいろいろな議論があるかもしれません。しかし、木のぬくもり、木の香り、木のやわらかさ、それと小さいときから子供たちを親しませることによってこれからの
環境行政の礎ができる、私はそのように思っております。
生け垣に対する補助、あるいはこれからのそういうリサイクルを通じて、その
自治体において、木に換算して何万本の木を救ったことになるのかといったわかりやすい啓蒙の仕事。出雲市の場合には、一年間に木に換算して三万本の木をリサイクル運動を通じて
達成してきております。
どうか、そういうきめの細かい、緑を大切にする
行政を展開していただきたいと思います。
もう時間がなくなってまいりましたけれ
ども、最後の
質問に移らせていただきます。
CO2の
排出権の取引についてお伺いしたいと思います。
今回の京都合意で注目すべきことは、最終
目標達成のために、自分の国の中の
努力だけではなくて、国境を越えた協力
関係という発想が始まったということに、私は一番意義を見出しております。そうした、他国との間で柔軟性のある取り組みがこれから始まろうとしている。
しかし、問題は、具体的に日本はどう取り組むのか。日本は、御承知のように資源はない、マーケットは小さい、よそのマーケットを使わなければならない。そして政治力も非常に限られておる。この資源とマトケットと政治力において乏しい我が国が、二十一世紀の、あるいは二十二世紀の次の時代のために仕事と暮らしを守っていこうとするならば、この
排出権の取引においても相当手回しよく、根回しよく取り組んでいかなければならないと思います。
そういう
排出権という、ある
意味では企業にとっての生存権の大切な要素というものの取引においておくれをとってはならないし、決してよそ以上に過分な利益を得るべきではないとは思いますけれ
ども、そうした非常に厳しい外交競争、政治力の競争等の中において不利な
立場に置かれてはならないという思いからお伺いするわけですけれ
ども、先進国間での
排出権の取引について、売り手としてはどういう国を想定していらっしゃいますか。まずその点をお伺いいたします。