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小渕国務大臣 川奈におきまして橋本総理とエリツィン大統領との非公式の首脳会談、クラスノヤルスクに次いで二度目でございます。
非公式か公式かということでございますが、私も役人出身ではありませんけれども、公式となると、それぞれのスタッフをすべて双方に並べまして、一言一句、それを法的に確かめながらやっていくというような形になりますが、非公式という形の中で
お互いの本音をぶつけ合うという
意味で、首脳同士の話し合いとしては非公式という会談は極めて有効なものだというふうに思っております。
それから、特にロシアの場合には、それぞれ民主的な議会もございますし、いろいろ政治の仕組みも、
我が国と同じような形になりつつあると思いますけれども、やはりある
意味でのトップダウンといいますか、大統領自身の決断なり判断なりというものが極めて重要だということで、そういった
意味で、今回も、二度目ではございますけれども、非常に有効であったのではないかというふうに思っております。
それから、なるほど当
委員会におきまして、すべからくすべての話についてお話し申し上げるということの必要性はわかりますが、また、逆に言いますと、先生方からも、すべて逐一交渉の内容にわたって詳細に報告せよ、こう言っておりません。したがって、どこまでどうお話しするかということについては、実は極めて難しいことでございます。
例えば、先ほど
渡辺大臣の御発言もありました。その話は、境界線の問題といわゆる施
政権の問題でございますが、この問題も、こうしたものが存在をした、あるいは存在をしたことで、かつて
我が国の外務
大臣、責任者がそのように答弁しておったということは、切り返しになるかもしれませんけれども、そのことをもって
相手方がすべてそのことを認識するとは言いがたい点も、過去、日ソ、日ロの交渉の経過を見ますと非常にそういうことで、
一つを取り上げてそれが事実だということを言われましても、
相手方がすべての交渉の経過を認識し、それを納得してくれればよろしゅうございますけれども。
もともとをただせば、それこそプチャーチンと我が江戸幕府との話し合いによる交渉から始まりまして、戦後でも、鳩山総理が、日ソ共同宣言によれば、平和
条約によって二島が返還されるということも約束済みでございますが、フルシチョフの
段階においては、既にそのことも交渉の中で、ロシア側はかなり否定的なことを申された
経緯もありまして、
一つ一つ我が方からいってこれが正しいものだということを申し上げても、交渉でございますので、その点については、これから始まる交渉について、できる限り
我が国としての国益を踏まえて、
我が国の主権を守りつつ、どういうふうな話し合いに入っていくかということでございます。
大変歯切れの悪い御答弁をほかの
委員の先生方に申し上げて恐縮でございますが、ぜひこの点は御理解をいただき、前向きに、二〇〇〇年までに何としても平和
条約を
締結するという方向に向かって、首脳同士の話し合いはこれからかなりの回数行われますので、
一つ一つ積み上げていく努力をいたしてまいりたいと思いますので、御支援をいただきたいと思っております。