○細川
委員 今お答えをいただきましたが、国際
船舶に限定をされるということで、ぜひ運用をきちっとしていただきたいというふうに思います。
次に、
船舶職員法改正案に関連をいたしまして、GMDSSの問題についてお伺いをいたします。
このGMDSSにつきましては、既に一九九二年に任意に導入をされておりまして、九九年の二月一日にはこれが全面的に導入をされるということになっております。ところが、
船舶が遭難した場合の遭難警報につきましては、誤った警報が発せられる、いわゆる誤警報の問題、あるいはGMDSSの機械がまだ全面的に導入されていない、
設置率が大変低いというようなことが問題としてありまして、果たして九九年に全面導入が妥当なのかということについて大変議論があるところでございます。
そこで、誤警報についてまず申し上げておきたいと思いますが、
船舶が遭難したときに発せられる警報については、誤った警報かたくさん出ている、まずほとんど誤警報だということでございます。GMDSSの主な設備であります中短波のDSCについて申し上げれば、昨年、九七年、日本の近海では一〇〇%が虚偽または誤発射の遭難警報だということでございます。これは、いわゆる通信の
関係の
船舶通信士労働組合の
調査でそうなっておりますし、
海上保安庁に聞きましても、九七年は、三百件のうち二件を除いて誤警報であった、九五%が誤警報であったということでありまして、いわば一〇〇%に近いような誤警報の実態でございます。
この事実につきまして、「人と船」という雑誌がございまして、ことしの一月号に掲載されております対談で、ある船長が次のように述べていることからも、これは事実であるというふうに思います。どういうふうに述べているかと申し上げますと、八割から九割はエラーですからね、それが二十分、三十分鳴り続くといった
状態なんですよ、そのたびにストップボタンを押しにいくんですけれ
ども、もう少し地域を限定するとか、エラーだったら何とかエラー信号を取り除くような手法はないものかどうか、ディストレスシグナル、遭難信号の信頼性というものが今ものすごく問われていて、
現場では問題視されていますね、こういうふうにある船長がその対談で述べておられまして、通信士の人だけではなくて船長も大いにこれを問題にしているわけでございます。
また、国際的な
機関でありますIMOあるいはITUの間でも、この誤警報の
防止のために、遭難警報の伝送とか中継の手順が問題になって議論が行われているところでもございます。そういうことでありまして、この問題が、何年も前から提起をされているにもかかわらず、いまだ
解決をされずに国際的にも問題になっているということでございます。この誤警報の問題は、遭難警報があっても、これは誤警報だということで警報をリセットにするとか、これがたび重なりますと受信機そのものの電源を切ってしまうというようなことがあります。そうなりますと、本当に遭難警報があったときに一体どうなるのか、実際に遭難に対して救助ができないのではないかという、大変ゆゆしき問題としてとらえなければいけないというふうに思うところでございます。それが誤警報の問題であります。
一方、この装置の
設置率につきましては、昨年の九七年一月現在では二五%前後だというふうに言われております。そうしますと、あと二年、九九年までには五〇%にもいかないだろうというふうにも思います。そういうことでは、全面導入というふうなことを言っても、グローバルな制度としては目的を達成することができない。こういうことで、この
設置率につきましては、
船舶もこのようにおくれておりますし、ましてやDSCの海岸局についてはもっとおくれているというふうに言われております。
そこでお伺いをいたしますが、こういう誤警報の問題、あるいは
設置率の低さを見れば、九九年の二月からの全面導入というのは当面見合わせることにして、従来のモールスによる遭難通信
体制というのを併存させていく、こういうことが航海の安全にとってよりよい方策ではないかというふうに私は考えるものでありますけれ
ども、この点についてどのように
対応をされていくのか、お答えいただきたいと思います。