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西村(眞)
委員 この対処についてはいろいろあると思います。
中国北京
政府のように、封切りもしていない映画に対して異議を述べるということまでする必要はない。ただ、事実を
指摘できる能力は外交官は持たねばならない、このように思うんですね。
中国側だけの資料を言いますと、このアイリス・チャンさんは、三十万人以上虐殺して、レイプして、それは天皇が皆殺しの命令をしたんだ、
日本ではそのことを隠ぺいして全く教えていないし、教科書でも無視していると書いてあるわけですけれ
ども、事実を
指摘するだけの能力は、
我が国の
歴史、そして国益を守るために、外交官は直ちに思い起こさねばならないと思うのです。
ちなみに、
中国側の資料だけでいいますと、
中国軍の陣中新聞、これは一九三八年四月三十日の日付、陣中新聞の名前は抗敵報です。ここには南京で四万二千人が
日本軍に殺されたと書いてある。一九四三年、米中合作映画「
中国の戦争」、これは、この映画からの映像が長崎の資料館に展示されて、映画からの映像で事実ではないということで騒ぎになった映画ですが、この映画では南京において四万人が殺されたと言っております。終戦直後の
中国国防部発表の日中戦争における戦死者は、終戦直後、百七十五万人と
中国国防部は発表しております。一九九五年まで、
中国人民抗日戦争記念館、これは盧溝橋にありますけれ
ども、これには日中戦争による死者は九百三十二万人と発表されております。しかし、同年、一九九五年、江沢民氏がモスクワで日中戦争によって三千五百万人が殺されたと発表した途端に、
中国人民抗日戦争記念館の九百三十二万人の数字が三千五百万に変わっております。
中国側資料においては、大体四万人なんです。
それで、こういうことを直ちに
指摘できる能力が外交官になければ
情報戦に負ける。心理戦というものが平時において恐ろしい力を発揮して
我が国を追い込んでいったのは、さきの大戦に至るまでの反日キャンペーン、浙江財閥の宋兄弟によるアメリカ議会における反日演説等々で我々は身にしみておるではありませんか。これに対して対処できる能力を外交官は持っていなければなりません。
ついでに言うならば、先ほどインディペンデント・オン・サンデーの写真ということを例に挙げました。アラン・ジョベールという方の「
歴史写真のトリック――政治権力と
情報操作」、これは朝日新聞から刊行されております、写真というものが発明されてからの近現代史で、写真ほど危険なものはないという
指摘がある。
天皇陛下と犯罪者を並べて写したあの記事もそうですけれ
ども、アイリス・チャンさんの「レイプ・オブ・ナンキン」の写真を見たら、
中国軍が匪賊の首を切ってさらしものにしている写真が、
日本軍がやったとなっておるのです。
日本の新聞記者が撮った、平和が戻った村々で、収穫をしに行くために和気あいあいと女性と子供が橋を渡っている写真が、レイプされるために連行される
中国人女性ということになっておるのです。
したがって、外務
大臣にここで強く要望をいたしますが、プロジェクトチームを外務省また在外公館に勤務する方に対してはつくったらどうですか。
これは、今申し上げました南京のあの当時の安全区には、米国を初めすべての領事館が在外公館を持っておったのです。アリソンというアメリカの書記官は、二月一日に、
事態は至って改善された、
日本兵は優雅になったという記録を残しております。そして、ラーべ自身が、南京陥落時の住民人口を二十万から二十五万と見積もっているのですね。それで、安全区の
委員長はラーべですけれ
ども、ほかの二十五人の
委員はほとんどアメリカ人宣教師なんです。だから、アメリカの公的記録の中にその事件の実相を示すものがあるはずです。だから、外務省が各国在南京領事館に関する資料を収集して調べる必要があるだろう。
そしてもう一つ、今、中共軍と
国民党軍の資料を調べれば、先ほど言ったように、抗敵報というその当時の記録で四万二千人という死者数をみずから述べておるわけですから、そして「
中国の戦争」という一九四三年につくられた映画でも四万人になっているわけですから、これは事実に近い数字としてわかってくる。
それから、「ラーべの日記」の全文を我が外務省は読むべきだろうと思います。全文です。つまみ食いされたものではなくて、全文です。
そして、毛沢東のゲリラ戦術というものは何であったか、やはり事実を調べるべきです。三光作戦なんか言われていますけれ
ども、毛沢東のゲリラ戦は、逃げるときに常に村々と食糧を焼き払っていくわけです。こういう戦法をみんな
日本軍がやったということになっているのです。
それから、国共内戦の実態。あの残酷な国共内戦で何人が死んだのか、これはみんな
日本人がやったと言うのでは、たまったものじゃない。
それからもう一つ、中共成立後に、毛沢東の共産党政権を維持するために何人が粛清されて死んでいるのか。スターリンの粛清の人数は出てきましたけれ
ども、
中国大陸だけはまだ出てきていない。ポル・ポトは出てきましたけれ
ども、
中国大陸と
北朝鮮だけはまだ出てきていないのです。
これを調べて、反日プロパガンダというか自分たちが平和な
時代の政権のもとに、自
国民を何千万も殺している政権がその罪を自
国民から目をそらすために
日本がやったというふうに仕向けているわけですから、これは心理戦争に対処する平時の非常に重要な国益の擁護のための外交活動でございますから、どうかプロジェクトチームをつくって、いやしくも外交官ならこの問題にぴんと反応して事実が頭から出てくるように、そして出典も出てくるように、直ちにそのような訓練、知識の蓄積が必要ではないか、このように思いますので、外務
大臣に要望して、御所見をいただいて、質問をやめたいと思います。よろしくお願いします。