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平田耕一君 十分苦しいことは御認識をいただいているわけでありまして、ありがたいというふうに思います。私
自身、実は自分の経歴からして、地元へ金曜日に帰りますと、土日というのは大体一時間ごとにいろんな会社の方が訪ねてみえて、資金繰りの相談やら、こういう話をいただいているわけでありまして、大概苦しい。そして、民間
銀行もできれば逃げたいんですね。ここに五千万貸しておる、小さな会社ですから五千万貸しておると。追加資金額まれても嫌なんですね。ですから、
政府系
金融機関を紹介したりほかのところを紹介して逃げようとなさっておられる。
追加融資ということについては、皆、
長官がおっしゃられたように、してあげなければいけないなという思いでいい
言葉をかけていただけるんです。でも、そういたしますと、あと一千五百万借りられる、二千五百万借りられるという
状況を提示をいただきますと、今本当に困っていて、仕事がやる気がある、まじめだ、見通しも何とか持っていけるという人
たちも追加資金は要らないんですよ。追加資金をもらえば、今月々二百万返している元利ともの金額が二百五十万になり三百万になっていくわけなんですね。
追加資金は本当は要らないんですね。この事業を維持していくために頑張ってきた、これからやっていこうと思うとさらに
お金をたくさん返さなければいけないのか、じゃやめようかとか、おれは一線を引いて息子に渡す、残っている資産は今売りましょう、そして身軽にしてやりましょうと、こういう選択をする
中小企業者の何と多いことか。
したがいまして、個々の
状況にもよるかと思いますけれども、本当に
中小企業者のことを思うんであれば、もちろん臨時の融資も大変大切なことでありますけれども、
長官がおっしゃいました、実は不動産担保がもう時価割れしておって
銀行も担保を外すに外せない。外せば
銀行も役員からしかられるというふうな話もありますし、担保割れが表面化いたしてまいりますので大変困っているというようなことがあります。
できれば私は、何らかの形で月々の返済額を減少させるような方策をぜひお
考えをいただきたい。これで、
お金で年末を乗り越えるんじゃなくて、気持ちで乗り越えていくことができるわけであります。本当の救済策をやってくれたな。これが本当だということは皆やっている
人間はわかるわけです。結局借りたものですから返すわけです。商売人はそんなことは百も知っていますから返すわけですけれども、どうぞひとつ、一年でも半年でもおまえ
たち元気になるまで据え置いてやろう、この間あるいは新しい融資と足して五年返済を十年返済にして月々返済を半分にしてやろうとか、そういうことを具体的に大至急これは御検討いただきたいというのが一点。
それからもう一つは、根本的に助けてやることの方策にもう一つ、これも御高承なんでありますけれども、実は金利であります。
民間から借りましても、やっぱり小ロットは金利が高うございます。大
企業といえば優遇金利ということで、長期プライムレートで今二・数%だろうというふうに思います。でも、
中小企業はそういうわけにはまいりません。昔から健全なところで一ポイントでしょう、悪いと一・五ポイントも高い金利で借りて我慢してきているわけであります。そして、もちろん大
企業も
政府系の
機関とかあるいは社債の発行だとか、いろんな形で固定レートを持っているわけであります。大変高い金利のものは大
企業にもあるでしょう。でも、大
企業は現在、さらなる資金調達をして金利を薄めていくとか、あるいは償還を繰り上げるとか、強引に返済をしてしまうとかいって対応力があるわけです。
御
承知のように、
中小企業の
設備投資というのは、まあ十年に一回
設備投資しようかというぐらいですから、かなり思い切った借り入れをしてやっておるわけです。したがいまして、そう頻繁に長期の借り入れをするわけでもない。たまたまこれだけ低金利が続きますとそのことが目立ってまいりまして、大
企業と
中小企業の格差というものが歴然として目についてまいります。
それで、お調べいただきましたら、今
政府系の
国民金融公庫、商工中金、それから
中小企業金融公庫で四・五%以上の長期金利の残高が
中小企業向けに五兆円あるということであります。そして、その資金を借りておる
企業は、五兆円で五十万件なんです。一社で一件とは限りませんから五十万以下ではありますけれども、恐らく四十万社以上の
企業が四・五%以上の金利。もちろん五%以上のものは五%以下にしなさいよという法律をつくっていただいて、この秋でしたか延長していただいたわけでありますけれども、それは四・九%に張りついておる。四・五%以上の金利のものが五兆円あるというような今の
状況を、私も報道というものの大切さといいますか、どういう受けとめ方をするかということにつきましては、随分思いがあるんです。
例えば、これはいろんな方から異論があるかもしれませんけれども、林野庁の三兆円の借り入れの金利が高いから借りかえようとか、国鉄長期債務の中の何ぽかを借りかえようとか、大きな組織、大きなシステムの中の高い金利というのはどんどん借りかえて健全にしょうという声があっても、トータルとして五兆円もある
中小企業の高い金利のものについては一顧だにされなかった。個々には出先でやっていただいておるかもわかりませんけれども、国政の場で取り上げられることは、お
考えいただいておっても抜本的な
対策として打っていただくことができなかった。
こういうことでありまして、これは財投の見直しもされるようでありまして、財投資金が行っているわけですから、資金運用部の金利設定の仕方というものも、もっと過去から私はその
事業者に道を開いていただくべきものであったというふうに思います。
要は二点。マル経とか特別融資枠とか、これはとりあえずありがたいんですけれども、さらにできれば根本的に繰り延べを検討してやっていただきたい。金利についても、そういうものについては一度抜本的に
考えていただきたい。この二点につきましてお願いを申し上げたいというふうに思います。
経済対策は、じゃとりあえずそれを加えようといってきょう発表するわけにはまいらぬだろうというふうに思いますけれども、近い将来にわたってのお
考え、お気持ち等がございましたら、経企庁
長官なり、関連がありますれば
大蔵大臣にもお聞かせをいただきたいというふうに思います。