○円より子君 調停というのはそのときにうまくいかなくてもまた何度でも受けられるという
制度なんですけれども、また半年ぐらいしてから調停にいらっしゃいというような話よりは、すぐに
裁判に持ち込みなさいと言われるケースが大変最近増加しておりまして、そのあたりももう少し親切に調停
委員の方が言っていただけたらいいなと思うんです。
先ほどからちょっと
裁判官の立ち会いに私がこだわっておりますのは、
裁判官が立ち会ってすごくうまくいったとか、
裁判官に対する印象のいいものが随分寄せられております。ちょっと読ませていただきたいんですが、私は、こういった「ハンド・イン・ハンド」という、これは手に手をとってという
意味の英語なんですけれども、こういった題名の機関誌を二十年間ずっと発行しております。
これは離婚した女性や別居中の方や、また夫と同居中でも夫から離婚を言われて困っているという方たちが毎月とっていらっしゃるんです。会報誌の購読料すらずっと払えないなんて方も、学歴が高くて結婚前はかなりの年収を取る仕事をしていた方でも、やはり専業主婦になってしまうと、そして別居して夫から生活費が来ないと会報誌の購読料すら払えないなんて方が多いんですが、この会報をとっていらっしゃる方が今全国に千五百人いらっしゃるんです。
そこで相談窓口のアンケート
調査をしたことがあるんですね。この相談窓口の中には、行政相談もありますし、それから家裁の相談窓口もありますし、家裁の調停のこともありますし、弁護士さんのこともあります。そのアンケート
調査がたくさん来たんですけれども、その中の一つに、わざわざアンケート用紙には書けないからといって便せんにお書きになっている。これは、とてもその相談窓口と
裁判官がよくて、その方は調停で家裁を利用したことが本当に自分の人生に役に立ってよかったということを書いていらっしゃるんですね。そして、とてもよい人材に恵まれたと。そのよい人材というのが家事相談員と女性
判事と
調査官だったというふうに書いていらっしゃる。
ちょっと読ませていただきますと、
裁判所というイメージはとても恐ろしくて最初は戸惑いましたが、相談員の方は三十歳代か四十歳代前半の女性で第一印象がとてもよかったです。わずか十分程度でしたが、話が通じるという思いを抱きました。てきぱきと
手続を教えてくださって、その人のおかげで調停へ持ち込みましたと。話が通じるという、そういった思いを抱けるというのは、短い時間でもとても大事なことだと思うんですね。長い時間幾らとっても、この人はわかってくれない、
事務的だとか、冷たいという印象を持ってしまったらどうにもならないと思うんです。
それから、今度は家裁の調停
委員との面接がずっとあったんです。面接というか調停があったんですが、明治生まれと思われるおじいさんとおばあさん。このままの話を読んでいます。私の記憶ではということで、世代の差を感じさせられるような態度や発言ばかりが目立って失望しました。常に、我慢すればやっていけないことはないでしょう、我慢我慢と、そればかりを言われたと。それから、あなたがわがままだからだとか、女は男に従っていればうまくいくんだとか、とにかく延々と調停の間じゅうこういった話だったと。常に、自分の話をしようと思うと、はい、もう時間切れです、終わりですというふうに言われて、自分の気持ちをもう少しわかってもらおうと思って次の調停までにせっせと書面で書いてそれも出したけれどもだめで、調停をしたことでストレスが募って大変だったというんですね。夫との離婚ということに直面しているときというのはもうそれでなくてもストレスがたまって体調が悪くなるときに、調停をやって逆にそうなるというのは大変気の毒だと思うんです。
ところが、この人の場合も、女性の
判事さんが最後の日に登場して、この
判事さんの印象は鮮烈でしたと。夫婦
関係の調整事件という一つの流れの中で出会えて忘れられない方となりましたと書いていらっしゃるんです。私たちの夫婦の問題を的確に分析されて、次のステップとして
調査官とのカウンセリングも提案してくださいました。調停で足踏みばかりしていましたので、夫婦間の話も進展しないままいらいらしていましたが、
調査官がじっくりと耳を傾けてくださいましたと。あと省略いたしますが、彼女はその
裁判官に出会ったこと、また
調査官に出会ったこと、最初の窓口の女性、大変いい方に出会えたと思います。でも残念ながら、調停は彼女にとってストレスがたまる、逆効果しかなかったということですね。
これはたまたま一つのアンケートを御紹介しましたけれども、残念ながらこういうケースが結構ありまして、
裁判官によってもう本当によかったというケースが多いんです。だから、なぜ
裁判官がちゃんと立ち会われないのかなと思います。
原則といいますか、どの本を読んでも、調停というのは調停
委員二名そして書記官と
裁判官が立ち会うとなっているんですが、やはりお忙し過ぎるんじゃないかなと思うんで、もう一度その点についていかがですか。