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1997-10-16 第141回国会 参議院 法務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年十月十六日(木曜日)    午前十一時三十分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         風間  昶君     理 事                 釜本 邦茂君                 清水嘉与子君                 大森 礼子君                 橋本  敦君     委 員                 遠藤  要君                 岡部 三郎君                 志村 哲良君                 長尾 立子君                 服部三男雄君                 林田悠紀夫君                 松浦  功君                 魚住裕一郎君                 円 より子君                 菅野 久光君                 千葉 景子君                 菅野  壽君                 照屋 寛徳君    国務大臣        法 務 大 臣  下稲葉耕吉君    政府委員        法務政務次官   横内 正明君        法務省矯正局長  東條伸一郎君        法務省入国管理        局長       伊集院明夫君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 恒男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国政調査に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (派遣委員報告)     —————————————
  2. 風間昶

    委員長風間昶君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、法務及び司法行政等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 風間昶

    委員長風間昶君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 風間昶

    委員長風間昶君) この際、下稲葉法務大臣及び横内法務政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。法務大臣下稲葉耕吉君。
  5. 下稲葉耕吉

    国務大臣下稲葉耕吉君) このたび法務大臣に就任いたしました下稲葉耕吉でございます。  委員長を初め委員皆様方には平素から法務行政の運営につきまして格別の御協力をいただいておりまして、厚く御礼申し上げます。  内外に困難な問題が山積いたしておりますときに法務行政を担当することになりました。その貴任の重大さを痛感いたしておる次第でございます。  法務行政に課せられた使命はもう申すまでもなく法秩序の維持と国民権利の保全ということに相なるわけでございますが、法秩序が揺るぎなく維持されまして、国民お一人お一人の権利が十分に守られてこそ国民幸福追求が可能になり、国の平和と安全を図ることができると思うのでございます。  私は、法務行政に課せられた使命をこのように認識いたしまして、法務行政のすべての分野につきまして意欲的に適宜適切な方策を講じて、全力で新しい時代の要請にこたえてまいりたい、このように思います。  なお、今国会に提出し御審議をお願いすることとなります法案の内容につきましては、今後逐次御説明いたしますので、何とぞ十分な御審議をいただきまして、速やかな成立をお願いいたしたいと思います。  委員長を初め委員皆様方の一層の御指導、御鞭撻、御叱正を賜りまして、法務大臣としての重責を果たしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。(拍手
  6. 風間昶

  7. 横内正明

    政府委員横内正明君) このたび法務政務次官を拝命いたしました横内正明でございます。  下稲葉法務大臣補佐役として、法務行政の発展のために誠心誠意努力する所存でございますので、委員長を初め委員皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手
  8. 風間昶

    委員長風間昶君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題といたします。  去る九月三日から五日まで本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。清水嘉与子君。
  9. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 委員派遣につきまして御報告申し上げます。  去る九月三日から五日までの三日間、司法行政及び法務行政に関する実情調査のため、秋田県及び宮城県を訪れました。派遣委員風間委員長浜四津理事橋本理事遠藤委員釜本委員大森委員円委員菅野委員千葉委員照屋委員及び私、清水の十一名でございました。  秋田県におきましては、子供人権について地元の有識者の方々から御意見をお伺いし、秋田地方法務局実情を視察いたしました。  初めに、菊地禮司秋田大学教育学部教授から、いじめを自分よりも弱い者に対する身体的、心理的攻撃としてだけでなぐ、閉ざされた集団の中で発生する不当な攻撃であると把握すべきであること、いじめの背景として、少子化に関連して家庭、地域社会教育能力の低下や画一的な方向での競争の激化があること等の意見が述べられました。  次に、不登校児相談ボランティアである木村志義秋田教育相談委員から、不登校児の頭痛、腹痛、吐き気等は疲労こんぱいした心身を守る生理的な現象であり、それに対しては人間の科学に基づいた合理的で心豊かな指導が必要であること、いじめる側の子供も心が傷ついているのでケアが必要であること等の意見が述べられました。  次に、加藤堯人権擁護委員から、秋田地方法務局管内人権擁護委員は三百名で、個人としての人権侵犯救済等活動のほか、団体として啓発活動に従事しているが、財政面で負担を強いられていること、夫婦、親子など家族間の酷使、虐待等事件が多いこと、相談件数増加傾向にあること等の意見が述べられました。  最後に、渡辺俊雄子ども人権専門委員からは、日常活動としては相談活動が非常に大きな比重を占め、自宅においても相談を取り扱っていること、相談内容いじめだけでなく、学校不適応、不登校、親からの虐待、体罰の訴えなどがあること、全国的な動向を把握するため、全国会議の継続的な開催が望ましいこと、委員管内に九人しかおらず、全国的にも倍増すべきであること等の意見が述べられました。  秋田地方法務局管内は、本年三月に開通した秋田新幹線等幹線高速交通整備地域開発が急速に進められており、登記事件数増加し続けております。さらに、本人が登記申請をする傾向が顕著で、窓口における照会も多く、事務量に見合う適正な要員の確保が課題となっております。管内における登記事務コンピューター化は、平成十年二月の角館出張所を皮切りに移行作業の開始が予定されております。  宮城県では、関係機関から管内概況につき説明を伺い、東北少年院及び宮城刑務所実情を視察いたしました。  管内民事事件では破産事件が急増しており、また民事調停事件増加傾向が続いております。これらはサラ金関係クレジット関係多重債務者増加によるものですが、管内民事事件数全国の五・二%にすぎないものの、民事調停事件数は九・三%にも達しております。これは話し合いによる解決を求める東北人気質のあらわれであると言われ、管内の大きな特徴ですが、調停事件を効率的に処理するため、窓口相談にも努めているとのことでございました。  少年事件では、平成八年中ごろから強盗等凶悪犯恐喝等粗暴犯が大幅な増加を示しております。その特徴は、集団で行うこと、過去に非行歴のない少年が突然重い非行を犯すことなどですが、さらに少年たちは気楽に遊び感覚凶悪事件を起こすというまことに憂慮すべき事態が発生しております。  また、犯罪特徴として、殺人等凶悪事件覚せい剤等薬物事件贈収賄事件及び脱税事件等財政経済事件が依然として後を絶たず、さらに集団密入国事件外国人による広域連続窃盗事件が発生するなど、広域化悪質化傾向を強めており、楽観を許さない状況にございます。  東北少年院は東日本における職業訓練施設であり、自動車整備科溶接科電気工事科建築科及び配管科の五コースが置かれております。また、近隣に宮城刑務所青葉女子学園及び仙台少年鑑別所が設置されており、医療等共助体制がとられております。社会復帰後、職業訓練を受けた関連職種に就職できるようにすることが課題となっております。  宮城刑務所犯罪傾向の進んだ者約八百人を収容しており、そのうち殺人強盗致死傷等凶悪犯が四割強を占めております。ここでは、老朽化した施設改善と慢性的な人員不足の解消が課題となっております。  法務教官少年を、刑務官受刑者改善、更生じて社会復帰を図るという国の重要な職務に従事しており、その増員を初め勤務条件改善する必要性を痛感いたした次第でございます。  最後になりましたが、今回の調査に当たり、現地関係機関から御協力をいただきましたこと、並びに最高裁判所及び法務省当局から御便宜をお図りいただきましたことをこの席をおかりして厚く御礼を申し上げます。  以上でございます。
  10. 風間昶

    委員長風間昶君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十分散会      ——————————