○海野義孝君 最後の部分でデリバティブズの問題についてもお触れになりました。これは午前中も
楢崎先生が御質問になったので私の質問をやられたなと思ったんですけれ
ども、私は今後の
検査の盲点というか一番問題点はデリバティブズだと思うんです。これはもう世界的にも、いわゆるベアリングズ社が倒産したというのはデリバティブズの失敗でありましたし、今後はこういったことは簡単に出てくる
可能性がありますので、ここ一点にやはり今後の大蔵あるいは日銀さんの
検査体制は
強化すると。
御承知のように、
アメリカの場合はいわゆるSECの中にそういうプロフェッショナルの集団が現実に
検査スタッフとしているわけなんです。私もそういう仕事をしましたけれ
ども、これは絶対に発見できるわけです。ということは、要は一部始終を
経営トップが毎日見ていればいいんですよ。それをデリバティブなんかわからないからといってすっ飛ばしているから問題が起きてきたときにはもう手おくれでどうにもならない、下手すれば
会社が吹っ飛ぶぞと、こういう時代に入っていますからグローバルスタンダードを日本でも即刻取り入れて
検査機構についてもやっていただきたい、このように思うんです。
それから、もう
牛嶋先生にお渡ししなくちゃならぬ時間になったんですが、甘えてあと二つだけどうしても申し上げないと私の気が済まないことがあります。
一つは、どうしても不可解な問題は、私が
証券出身だから
山一のことを攻撃しないということじゃないんですが、北拓の問題です。
これは大変私にとってわかりづらい問題でありまして、北海道拓殖
銀行と北海道銀が合併するという話は四月に持ち上がったわけです。私はこれはお互いの
会社から出てきた話で
大蔵省は関知しないということじゃないと思いますよ。ところが、これが数カ月したころからもやもやし始めました。私
どもが
大蔵委員会で北海道を視察に行ったときにも、地元の
金融界の御
説明ということで道銀の頭取でしたか副頭取は見えたけれ
ども、拓銀からは見えなかったんです。私は、ははあ、これは大変だなと思ったら、その日、まさにその日に何かこの話が御破算になったというような話が出たんです。
私は、最後に
大蔵大臣にお聞きしたいのは、あるいは山日
銀行局長にお聞きしたいのは、不良債権の問題は一定のルールでやっているからそれ以上、倒産したときには三倍、十倍になるけれ
ども、それはわからないというような
お話をされていたのでは、これから例えばいわゆる預金保険機構の抜本的な
強化であるとか
公的支援ないしは
公的資金の投入であるとかということのためには、これでは国民というよりも権威ある参議院、国会が納得しないと私は思うんです。これは党派の問題じゃないんです。グローバルでもう
金融問題は
考えないと、多数で自民党が押し切ったとかそんな時代じゃないんです、私に言わせれば。
そこで、この点で一番のポイントになったのは例の中堅の建設業である東海興業なんです。ゼネコンなんですよ。これが倒産した。これは要するに縁を切ったと、拓銀が、メインが。そうしたら物すごい不良債権が出てきた。北海道
銀行がこれは話が違うじゃないかと、そこから始まったんですよ。
ですから、不良債権の問題ということは、現にこれから預金保険法の
改正やなんかの中でだめ
会社同士が一緒になるなんて言っているときに、はいわかったなんということを認めるような
大蔵省じゃないとは思うけれ
ども、何でもかんでも預金保険法を急いでくれなんということがちらちら聞こえるけれ
ども、私はこんなことをやったら日本の恥さらしたと。日本はここまで追い詰めても一向に改まらないと海外から言われると思うんです。現に海外の雑誌なんかをごらんになったら、もう笑い物になっているんですから。
私は、よくよくもうこの辺で心を入れ直さないとこれは大変なことになると。どんなことを言ったって、為替、株式、債券、ジャパン・プレミアム、こういうようなまさに市場原理に基づく完全競争によってちょうちょうはっしと行われているこの
資金は二千兆円とも言われているんですよ、全世界で一日に動いている金が。そういう中での問題ですからよくよくこの問題は、今回成立しなかったのはそこにやや不透明な部分があったんじゃないかと。
もっと言うと、私は後で申し上げようと思ってここに資料ありますけれ
ども時間がないから言いませんが、
大蔵省から
金融機関、
証券界、保険、天下りとは言いませんけれ
ども、そこに再就職を求めた人たちのリスト、そういう中で現実に最近の
金融の合併問題とかそういったことにノーと言っておる中に大蔵出身の人がいるということなんです。一方ではやってくれと言っている、一方では大蔵からだめだなんて言っている。調べればすぐわかることです。こういう時代になっているということを本当に真剣に
考えてやっていただかないと、取り返しがつかない。
預金保険法の
改正の問題もいろいろ声が聞こえできますけれ
ども、こんな欠陥的な預金保険法の
改正なんかをやったら、早晩またその上に糊塗するような
法案をつくらなくちゃならぬというようなことは物笑いです。
以上で私の質問を終わりますけれ
ども、
銀行局長、最後に
大蔵大臣、私の申し上げたことが間違っているか、あるいは
大蔵大臣がお
考えになっていることが時間的に間に合うか、その点ひとつ所見をいただいて、私の質問を終わります。