○笠井亮君
預金者保護の部分というのは異論がないんじゃないかとおっしゃったんですが、そこも違うんです。
預金者保護は大事だというのは間違いないんですけれども、それについて、先ほど
銀行局長が言われたみたいに、七兆円という形で
国債発行というので備えをやるというふうなことでやること
自体は私たちはうまくないと。
預金者保護というのであれば、
預金保険機構の中でやはりきちっとやる、やりくりする。それは当事者であり、
関係金融機関であり、業界がきちっと持つべきだし、体力があるんだというところなので、
預金者保護はいいんだけれども、それに
公的資金を使うということになるとそこはだめだというのが、もう私は一番冒頭に、
大蔵大臣に伺う前にスタンスは申し上げたつもりなんですけれども、その点が一つあります。
それから、その上で
金融機関に
自己資本強化のために
資金を出すという方向についてですけれども、これもいわば
一般の、要するに健全なところにも出すということについては、私が取り上げさせてもらったのは、いわば象徴的に非常に明確に出ていると。
預金者保護どころか、あるいは
破綻救済どころか、要するに健全なところを支援することになるんじゃないかという形で取り上げさせていただいたんですけれども、それも含めて、
金融機関に
自己資本を
強化するという枠組みで、結局十三兆ですか、そういうことをつけること
自体これは
公的資金じゃうまくない、これは問題外だというのが基本的な立場だということです。
なぜかということなんですけれども、大体今の
金融悪化の問題ということを見ますと、皆皆んの中からも御
指摘があったと思うんですけれども、護送船団方式ということがあって、いわばその失敗の結果だというふうなことが言えると思うんです。これからさらに研究させていただきますし、さらに後でも自民党の
対策本部の
関係者がいらっしゃったらその辺も伺いたいんですけれども、私が理解している限りはそういう護送船団方式を形を変えてまたやるものになるんじゃないかというのが今の要するに
優先株の買い取りを含めた問題として見ている点なんです。
私は、これらに関連してアメリカの経験を二つ、よく研究したいし、見ていく必要があるんじゃないかと思っているんです。
一つは、六年前ですけれども、アメリカでやはり同様な
事態があって、そこから抜け出したのがアメリカの活性化の転機だというふうに言われている問題があると思うんですけれども、あのときはアメリカの中でも大分議論があって、要するに
国民の税金は使わないという大原則を打ち立てて
金融界の負担で抜け出したということが私が理解している限りあると思うんです。やはり政治がそういうルールをきちっとつくったので
信頼が増したんじゃないかというふうに思うんです。そういうルールをつくって、その立場で臨んでいけば
金融界に体力はあるんじゃないかと。そうしてこそやっぱり
経済も世界の荒波に耐えるものになるし、政治への
信頼も高まると。ところが、今のやり方というのは逆に
経済を一層ゆがめて政治への
信頼を悪くするものだということになるんじゃないかというふうに非常に思っておりまして、それは食いとめなきゃいけないんじゃないかというのが一つです。
もう一つ、先ほど楢崎
理事がおっしゃった点で、アメリカの一九三〇年代ですか、RFCの経験ということで、あのときは
優先株買い取りで一番大きかったモルガンかなんかを先頭にして買い取っていって乗り切ったという話が言われていると思うんですけれども、私はその辺でもよく勉強したいと思っております。
一つは、当時アメリカというのは千も二千も
銀行が倒産するという大変な
事態があったわけですけれども、今日の
日本もそういう
事態になるという
認識があるのかないのか、アメリカの経験を参考にされるというのであればその辺の
認識を伺いたいと思います。
それから、当時のアメリカの経験というふうに言うならば、やっぱり大恐慌や大不況という中で異常に苦闘する中で
金融制度が大がかりな改革をしたというのがアメリカであったと思うんですよ。
徹底した
銀行の
規制が確立
強化されて、そして戦後の
金融市場の発展の法的な枠組みをつくる、そういう適応をすることになったという点があるんだと思うんですけれども、私たちとしてはそこをむしろ
日本としてもよく学んでいくべき点なんではないかということを思っているので、その辺でまたRFCの御研究もされている上でのいろんな今回の
制度ということもあると思いますので、例えればと思います。
それから
最後に一つ、これはぜひ私は自民党の
委員の方どなたでも結構なんですが伺いたいんですが、これまで
金融政策を決定するに当たっては金制調で
審議があって、私はそれが十分だと思っていません、非常に不十分なものだと思ってはいるんですが、しかしそういう専門家も含めて議論をされて、そして十分でないけれども
概要が公表される中で時々の
金融政策決定に至ってきたと思うんです。だから、ある程度議論の中身がわかったというのがあったと思うんですね。今回、
安定化策をつくるに当たっては、自民党の中で
対策本部をつくられていろいろ議論されたと報道では拝見しているんですけれども、その議論に立って今度
政府が受けてやられるという形で、今までとちょっと経過が違うかなと思っているんです。
そこで、その辺の議論の中で、例えば私がさっき伺ったような当初十兆円という構想がある中で二十兆、三十兆という枠になってきた。規模の問題を含めてどういう議論と
検討を経て
対策本部としてはああいう結論になられたのか、そして今の
政府のあれにつながっているのかというあたりを、御苦労があったと思うんですけれども、それはそれでまた立場は違いますが、その辺の中身を御紹介いただければというのが希望なんですけれども、そんなふうな立場で思っています。