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山本一太君 馳
委員からもあったんですけれども、
国連機関の
支援の問題というのは本当に私も
広中先生のおっしゃるとおりだと思います。飢餓議連か何かで今超党派の署名を集められているものは、もう見た瞬間にサインをして送らせていただきました。
さっき、今自民党でこういう
議論がと申し上げたのは、別に自民党内だけでこういうことをやっているということを言いたかったのではなくて、
田先生の方からどうも立ち消えになったらしいという
お話があったので、今の
議論の
状況を私が知る範囲でちょっと
お話ししたということで、もちろんこの問題は超党派で考えていかなければいけないというふうには思っております。
国連機関について、特に人道
機関、UNDP、ユニセフ、UNFPA、それからWFPも入るんでしょうか、UNHCRももちろん大きなあれなんでしょうけれども、そういうところに対する拠出金は、当初の案では三割から四割削られるという厳しい
状況になっています。
それで、
大蔵省の方は意外とやはり態度はかたいということで、今はフリーディスカッションだから別に何を言ってもいいと思うんですけれども、多分、
外務省の
予算をかなりたたいて、さらに絞り込んで、それで多少戻してあげたよということを言いたいみたいな、そういう形でどうも
議論が進んでいるようです。ある程度は戻ってくるかもしれませんが、今の
状況だとかなり厳しいと思うので、
広中先生の方も飢餓議連の署名という形でやっておられるんですけれども、やはりこの問題は、党派を超えてある程度のモメンタムを起こさないとかなり危ないかなということ。
例えば最後に
予算が来たときに、同じパイの中の奪い合いになると思うんですね。その中で、uNHCRには緒方
先生がいるからどうしようとか、UNDPについてはTICADⅡでも
協力してもらっているし
日本が最大の拠出国だということもあるとか、UNFPAは昔からの大変強力な議連がありますから、そんな中で多分パイの奪い合いになるということなので、ここら辺のバランスは結構難しいのかなという感じがしています。
いずれにせよ、
先生がおっしゃったように、今こういう
機関に三割、四割のお金を削るということは国際社会に間違ったメッセージを送るということになると思います。いろんな
意味で
協力をして、もちろんこの小
委員会でこれを取り上げるというのはちょっとなじまないとは思うんですけれども、やっぱりこれはぜひ全党的に少し行動できるところから起こしていかないと危ないんではないかなという気がいたしました。
それで、国民の関心の話なんですけれども、この問
JICAの藤田総裁とある雑誌で対談したんですが、総裁がおっしゃったのは、総理府の
調査とかでアンケート
調査をすると、
日本の一般の人
たちの六割か七割が
ODAに対して好意的だという
お話だったんですけれども、私がそのとき総裁に申し上げたのは、これは本当の
支援ではありません、何か
援助するといいことがあるんじゃないかなとか、特に阪神大震災以来いろんなボランティアに対する認識なんかも高まっている中で、ふわっとした
支援ですと。
例えば毎週選挙区に帰っていろんな会合に出ている中で言いますと、一般の方は
ODAに関心がありません。それに、
広中先生が恐れていた現象はもうありまして、これだけいろんなところで
予算をカットするのに何で
ODAにこんなに金を使うんだと、
うちの村に
ODAを支給してくれと言う方もふえていますので、どうやって世論
形成をしていくかというのは、
ODA政策の中でも広報とかいろんなところになると思うんですけれども、すごく大事な問題だと思います。世界の
ODAの世論
形成について
日本がリーダーシップをとるというのは
方向としてはすばらしいことだと思うんですけれども、具体的にどういう方策があるかというのはよくこの小
委員会でも
議論できればいいかなというふうに思いました。
それから、あと
一元化の話なんですが、これは
上田先生がおっしゃったり
広中先生もおっしゃって、それから
田先生の
法案を私も見せていただいて、
外務省のもとに置くというよりは総理府の方がいいということなんですけれども、
援助の
政策の
一元化というのはやっぱり
外交の
一元化にもすごく密接に関係があると思うんですね。だから、
外務省が信用できるできないとか、
外務大臣が兼ねるのはちょっとよくないんじゃないかとか言う前に、一番最初に出てくるのは、
外交との関係を考えると
外務省のもとにあっても不自然はないといいますか、常に
外交とリンクした形で
ODA政策を立案できるということでは私は特に問題があるとも思えないということなんです。
いずれにせよ、
田先生おっしゃったように、少なくとも
政策的な
へそとなるボディーがどこかに必要だということについては、そのまま
外務省に置くのか、それとも庁が難しければどこかでうまくコーディネートするところをつくるのか、あるいは
先生おっしゃったように内閣府というか総理府に何か
機関を持ってくるのか。
ただ、昔から
援助庁の構想というのはありまして、例えば自民党でいうと加藤六月
先生が、もう今は新進党、どちらかわからないんですけれども、(「新進党」と呼ぶ者あり)新進党ですか。済みません、いろいろ政党名がどんどん変わっていくものですから。政調会長だったときに、中央公論か何かに、
援助庁をつくるべきだなんという
議論をなさったときにも、たしか総理府だったと思うんですけれども、総理府に置いたときの弊害というのもあると思うんですね、また組織の
縦割りが持ち込まれるんじゃないかとか。ただ、それはいろんな
オプションを
先生がおっしゃったように考えていけばいいのであって、
外務省の下にあるというのは私はすごくナチュラルだと思いますけれども、それが不適当な部分が多いのであれば例えばほかのボディーにくっつけてやると。
角
田先生がさっきいわゆる食糧
支援のことを言われまして、いつも農林部会でそれは一生懸命やっているんですが、
先生のおっしゃることは、
政策的な一貫性をきちっとしろと。片っ方で森林伐採をしていて片っ方でこんなことをやっているんじゃなくて、
政策的な一貫性をきちっと担保するために
一元化せよという
お話だと思うんですけれども、それは私も
先生のおっしゃるとおりじゃないかなと思いました。
福本先生が例のAITのことをおっしゃったりなさったんですけれども、今度この小
委員会でもまた何か外部の方を呼ぶということで、
福本先生から、実際に
プロジェクトに携わった方の話も聞いたらどうかという
お話がありました。
先生もいろんなお知り合いの方がいらっしゃるということなのでぜひ相談していただいて、例えば私が思ったのは、
JICAの、
プロジェクトを終わった本当にバランス感覚のあるいいリーダー、OBとか、あるいは現職の方が
プロジェクトリーダー
会議なんといって一年に一遍戻ってきますから、その中から
お話を聞くということもあると思うんです。
先生から、どなたかいい方がいれば、ぜひ
現地の
プロジェクトの実情を話せる方をここにお呼びしたらいいんじゃないかと思います。
あといろいろあるんですけれども、長くなるので、もう一点だけ言いますと、
情報公開の話がありまして、これも別に
政府の肩を持つわけじゃないんですが、昔に比べると随分
情報公開は進んでいると思うんです。例えば、
白書とかあるいはいろんな
評価の
報告書とかいうのは意外とつくられていまして、各議員には送られているということもあるんですが、余りにも厚かったりするものですからなかなか読む時間もないというのが実態なんですけれども、私の感覚からいくと、もうこの
情報公開の話というのはちょっと認識を変えてもらわなきゃいけないんじゃないかと思うんです。
それは一般論として言えるんですけれども、それはもちろん政党とか
政府にも責任があるかもしれませんが、消費税のときもしかり、住専のときもしかりなんですけれども、どんな
プロセスを持って、例えば公聴会をやったり説明しても、やっぱり一般の方々が説明不足だと言う
傾向はあると思うんです、
情報公開がなされていない。
例えば、
ODAは悪と考えている人
たちからすると、
ODAというのはどうも密室だ、あの
プロジェクトの
情報はわからないというのは、実はそうじゃなくて、例えばインターネットやあるいは問い合わせをすればわかることも随分あると思うんです。もうハウ・マッチ・イズ・イナフ、そう
いうことを考えますと、私は少し意識
改革をし
て、もちろんこちらも政治がリーダーシップをとって
情報公開の努力をしていかなきゃいけないと思うんですが、やっぱりタックスペイヤーである国民の側が自分
たちの責任で
情報をとる。実は、あなた方がイニシアチブをとれば
情報をとるところはいっぱいあるんですと、少しこういう認識になっていただかないと、どんなに例えば
情報の入り口を用意しても、そこに来ない
うちに全然説明不足だという、その認識をみんなが改めて、一人一人のタックスペイヤーが見ていかなきゃいけないという雰囲気をつくらなければいけないんじゃないかなというふうに思っていますので、それは問題提起をしたいと思います。
あと、
田先生のおっしゃった無償資金
協力が少ないという
お話ですが、これも長くなるのであれなんですが、過去に比べたらだんだん伸びてきていることは事実です。
円借款が多過ぎるという
議論はいろいろあると思うんですが、ここは
福本先生と私が意外と一致しているところだと思うんですけれども、
円借款は
援助の中では私は必要な形態だと思うんです。
円借款も必要、技協も必要、無償も必要。このバランスでやはり最も効率的な
開発ができるのではないかと思います。
アジアについては、随分
日本の企業と結びついているとかいう非難もありましたが、
日本の
東南アジアに対する
援助は、経済効果という点ではいろんな問題があるかもしれませんけれども、かなりの効果を上げていると思います。東工大の渡辺利夫
先生の円効果じゃないですが、もちろんいろんな問題があると思うんですけれども、ある程度経済発展には貢献していますので、有償が全くいけないかという
議論についてはちょっとリザベーションというか保留したいなと思います。