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小川勝也君 先ほどは、
財政構造改革というのは、中途半端で時期も悪いけれ
ども待ったなしだからやらなきゃいけないと、そういう御
答弁をいただいたすぐに、議論をしていますという話でございました。
地方分権も僕は待ったなしたと思いますよ。
大蔵大臣がやるつもりだったらこれはやれるというのが政治の仕組みなんじゃないでしょうか。
大蔵大臣はもう並の政治家じゃないんですから、いつまでもいつまでも議論してないで、もうやろうと思ったことはやってくださいよ。それぐらいのことじゃないと何も進まないと思います。
結局、枝葉末節な論議とか小手先の
改革に終始していて、先ほ
ども申し上げましたとおり、一律の
カットというのは、政治の哲学とリーダーシップと責任が欠如しているあらわれだ、そして先ほどの行革の中身にもありました官僚主導型社会から脱却できないでいる、このことを証左しているのだと思います。
そんな中で、きょうは島村農水
大臣にもおいでいただきまして、本当ならば、どういう国を目指すのか、国にとって大事なことは何かという議論をした上で、じゃ
財政をこうしようかという話になるのが普通だと思うわけであります。ところが、今は時期は悪いけれ
ども改革しなきゃいけないということで一律
カットだと。これは何の哲学も優先順位もない話なんです。官僚が決めてきたことをそのまま実行する。
地方分権も、
三塚大蔵大臣は、議論はしていただいているようですけれ
ども、実行は全然やっていただけない。
そんな中で、大げさな話になるかと思いますが、一つのことをきょうはぶつけてみたいと思います。一つは、先ほどの米の問題にもありましたとおり、食糧の問題であります。何度も
農林水産大臣のもとに現地の実情をお話しさせていただきまして聞いていただきました。
それは、特に米農家の話であります。当然
大蔵大臣も御
案内だと思いますけれ
ども、
政府は、国際化に対応するために経営規模を大きくすることが国際競争に打ち勝つ道だということで、農水省の指導がありましていわゆる営農面積を拡大いたしました。当然拡大するためにはただでは済みません。いわゆる
借金をして田んぼをふやして大きな経営にする。例えば十五ヘクタールであるとか二十ヘクタール。
そして、そのときの営農計画というのは、
借金をして、ありがたいことに据置期間というのがありますね、
借金に。五年たったら返しましょう、あるいは何年たったら返しましょうというような
制度の資金だったと思います。そしてそのとき、農水省の指導をいただきながら、その米が何年先にはこのぐらいの価格になっているだろうという
試算を当然いたします。そのときの価格が二万一千円だと私は聞いております。一俵当たり二万一千円で売れるからということで資金計画をつくって田んぼの面積をふやして、特に面積をふやしたのは、言うまでもなくやる気のある、意欲のある優秀な後継者がいるところが
中心であります。
ところが昨今、一万五千円だと言われていた米価が、いろいろな事情がありまして、これは農水
大臣全部御
案内だと思います、一万二千円台で取引されております。そうしますと、もうどんなことがあっても経営が成り行かないわけですね。それで、当然のことながら、米をつくっておられる方からは、年が越せないので何とか頼むという陳情があります。それはそれで当然大切なことなので、私は島村農水
大臣にもお願いに伺いました。
しかしながら、その米の価格をめぐる問題、あるいは食糧安全保障の問題、米の備蓄の問題、そして米以外の食糧の自給率の問題などというのは、本来、国に幾らお金があるかという前に議論をする話だと思うんですね。国家としての存立の基盤に直結する話なので、私は、これは
財政が厳しいから大蔵が厳しいからということではなくて、
国民のコンセンサスを堂々と得る時期だと思うのであります。そして
国民が、いや、国際化の時代だから、もし米が来なくなったらそのときはそのときじゃないかという結論になればそうかもしれませんけれ
ども、僕はそうならないと思うんですね。
金がないからということで片づけられない問題というのが幾つかある。私はそれを今まで農林水産省が逃げてきたと言わざるを得ないと思うのであります。
国民に、
日本という国は米の自給率をどこまでにしましょうか、そのほかの穀物の自給率はどこまでにしましょうか、食糧全体の備蓄あるいは自給率はどこまでにしましょうか、そのために
財政はどこまで出動しましょうかという大もとの議論を僕は避けてきたんだと思う。それを都会型の農業議員と呼ばれました島村先生にお願いをしたいわけでございますが、御決意をお伺いしたいと思います。