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西山登紀子君 今の
局長の御答弁だと、利用者の
ニーズによって登録ヘルパーがぐんぐんふえたんだと、こういうふうな認識であるというふうに思うんですね。私はそうではないと思っております。利用者が登録ヘルパーがいいからもっとふやしてくださいというふうに言ってきたのかということであります。
そこで、名古屋の場合に例をとりまして、今配らせていただきましたけれ
ども、重度のお年寄りを見ている家庭の場合にどのようなヘルプ、
介護が求められているのかということで、少し問題を具体化してみたいと思うんですね。
今お配りしておりますのは、十一月二十日の名古屋の地方
公聴会で、南区というところがあるんですが、そこの南
医療生活協同組合みなみ訪問看護ステーションの方が御報告なさった
調査結果のごく一部を配らせていただいた。私は、この実態
調査はなかなかできないことをおやりになっているので、ぜひ
国会で紹介したいというふうに思ったわけです。
この訪問看護ステーションは六十五人の五十一歳から九十八歳までの方を訪問していらっしゃるわけですが、五人のスタッフで常時回っていらっしゃるわけですね。
この
調査は何の
調査かといいますと、全介助五人、一部介助三人一八人の方を二十四時間ずっと密着
調査した、どんな
介護をしたのかということを五分置きに時間でずっとカウントしていったという記録でございます。ですから、このグラフを見ていただきますと、もうほぼ二十四時間ずっと拘束されて
介護に当たっているというのがこのグラフなんですね。食事や排せつや清潔、身辺の整えもいろいろ全部入れてもう常時二十四時間神経の休まる暇がない、それが
介護の実態です。
二枚目にはその数字がずっと分析されているわけですけれ
ども、食事に百十分かかっているとか、排せつに四十一分かかっているとか、身辺の整えには五十三分かかっているとか、合計いたしますと、その二十四時間の緊張の中で実際具体的な
介護は三百三十六分、約五・六時間相当の
介護をいろいろな形でやっている。
三枚目は、その中でも
状態像によってその
介護の時間が違うわけですけれ
ども、うんと寝たきりで全く訴えのないお年寄りと訴えのあるお年寄りでは、むしろうんと寝たきりの訴えのない方の方が
介護時間は少なくて、訴えのある人の方が四百四分、それに対して二百二十五分というふうに違うわけですね。排せつのお世話だって、寝たきりで訴えのない方の方がむしろ時間は少なくて済むと。こういうふうな非常に実態に即したリアルな
調査、これは二十四時間、五分ごとですからなかなかできない
調査だと思います。
こういう
介護に当たっていらっしゃる、在宅の
介護に外からヘルプに入る、支援に入るということなんですけれ
ども、そういうときに求められているヘルプは、家事援助はもちろんですけれ
ども、食事を食べさせたりおむつをかえたり、重度ですからそういう身体
介護もやっぱり求められているということになります。
それでは、それに登録ヘルパーのヘルプの内容がこたえられるのかという問題になるわけですね。
名古屋からいただいた別の
資料を見てみますと、市職の常勤のヘルパーとそれから登録ヘルパーの方の活動の時間帯なんかを分析いたしますと、寝たきりの高齢者に対し、市の常勤のヘルパーの世帯は三〇%なんですけれ
ども、登録ヘルパーの場合は一一%しかありません。登録ヘルパーの方が寝たきりの
介護に当たっていらっしゃるのは一一%。それから、市の職員のヘルパーは五割身体
介護に当たっていらっしゃるんですけれ
ども、登録ヘルパーは身体
介護は一七%しか行っていらっしゃらない。つまり、あと八三%は登録ヘルパーの方は家事援助、もちろんその家事援助も大切なんですが、家事援助に当たっているということになります。ですから、市の職員、常勤のヘルパーの方は寝たきりの高齢者や重度や重症者への対応というのが非常に重要な
部分を占めているということがおわかりいただけると思うわけです。
ところが、名古屋市の南区の場合は市のヘルパーはたった八人しかおりません。寝たきりのお年寄りは五百二名もいるわけです。ですから、圧倒的にこの常勤ヘルパー、身体
介護に当たれるヘルパーが足りないということが言えるのではないかと思うわけです。
登録ヘルパーはどんどんふえていく、常勤は五年間で一人しかふえない、こういう名古屋市の
一つの例ではありますけれ
ども、こういう
状況が改善されないと、あるいは大半をこういう登録ヘルパーにゆだねるというような傾向があるわけですが、これで本当に要
介護者
ニーズにこたえられるというふうに思われるでしょうか。私は、これでは要
介護者の
ニーズにこたえられない事態が生まれているというふうに思うんですが、どうでしょうか。