○
西山登紀子君 私は、母体
施設の特徴を生かした
在宅介護支援センターのありようが問題だというふうに言っているわけではありません。その特徴を生かしながら、しかしこの要綱が言っているその地域の要
介護老人の
実態の把握だとか、それからこの台帳をきちっとつくって処遇を一回きりじゃなくて系統的に見ていくだとか、そういうふうなそもそものこの
介護支援センターの
目的が、それぞれの母体
施設の特徴を生かしながらもっと徹底的にやれるようにすべきではないかと思うわけです。
その点で、
在宅介護支援センターの特徴というのがなかなか知られておりませんので、具体例を少し御紹介したいと思うんです。
京都市の
在宅介護支援センターこぶしの里というセンターが実はことしで五年目を迎えます。先ほど新しい
事業だとおっしゃいましたけれども、このこぶしの里の特養
老人ホームなんですけれども、九二年に積極的に
介護支援センターをつくってやってみょうということでやられて、九六年の四月に五年目を迎えたということで、まとめをつくっていらっしゃるんですね。私も見せていただきまして、これは非常に入念なまとめをつくっていらっしゃいます。
九五年度ですけれども、年間相談件数というのは延べ六千十六件、実数でいきますと六百八十四件ですね。
申請などの代行は五百六十四件やっております。さらに、電話の相談は九五年度で四千五百件、来所は八百四十八件、訪問は四百五十九件、
夜間の相談件数は三十四件、休日の相談件数は六百三十二件受けているわけです。
相談内容の内訳ですが、先ほども申し上げました母体
施設の特徴ということはここでもうはつきり出ておりまして、
在宅福祉
サービスは四千四百六十件ということで、この特養
老人ホームの持っている機能、デイ
サービスだとかショートステイだとかあるいはホームヘルパーの派遣だとか、そういうものが中心にやはり福祉
サービスの相談の中に入っていると。そのほかには、医療の相談が二千六十三件だとか、
介護用品の相談は百三十五件だとか、綿密に数字でつかまれているわけでございます。
私は、とりわけ重要だと思いましたのは、このまとめの中に、数字の集計だけではなくて
ケースの中身が報告されているわけですね。
在宅介護支援センターの職員でいる看護婦さんだとかあるいはソーシャルワーカーというのはどんな仕事をしているのかということを
ケースで紹介がされているのを見まして、この
介護支援センターの活動というのは本当に重要だなというふうに思ったわけです。
一つの
ケースだけ御紹介をいたします。
六十七歳の独居
老人で
生活保護を受給をしている、糖尿病性腎症のため人工透析を受けている、視力がほとんどないということで入退院をいろいろ繰り返していたわけですけれども、退院後はどういう
サービスを受けているかということで、この
介護支援センターがその方の相談を受けていろいろとケアに当たっていらっしゃるわけです。ヘルパーが週三回透析時の送迎、透析日と日曜日の食事の援助、買い物、掃除、
医療機関の往診、
訪問看護・
訪問看護ステーションの利用、民生
委員・
老人福祉員の援助等々、このセンターの職員がケアに当たっています。そしてその後、透析に必要な水分や食事管理が困難になって、入浴ができなくなったので特養
老人ホームこぶしの里の配食
サービス、デイ
サービスの通所のお世話をして、最後は
在宅で八カ月
生活を送られた後、亡くなられたわけです。
今、私が御紹介をいたしましたように、この
介護支援センターのお仕事というのは非常に密接に一人のお年寄りにきめ細かく、しかも途切れることなく相談を継続していらっしゃるということはこれでよくおわかりいただけたのではないかと思うわけです。
そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、こうしたセンターの経費なんですけれども、今出ているのが九年度で年間約千百七万円です。これは八割が人件費で飛んでしまう。あと残りが少し、いろんな管理運営費ということで使われているわけですけれども、国の補助がこれだけですから、仕事をすればするほど母体の持ち出しにならざるを得ないということなんです。この点で今、私が紹介いたしましたような大事な仕事、この要綱にもありますような
在宅介護支援センターの本来の仕事が十分これで行えるかというとそうではないというふうに思うんです。もっと充実させるべきだと思いますが、大臣のお
考えをお伺いいたします。