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山本一太君 ありがとうございました。
ささいなことなんですけれども、
大臣がニューヨークに来られて邦人
職員との
懇談に出られまして、二十八人ぐらい集まっていましたが、全員と握手をされたと。小さいことですけれどもこれは私の同僚がみんな感激をしておりまして、ぜひ内部の人間についても優秀な人はどんどん登用する、こういう御姿勢をまた続けていただければというふうに思います。
今
大臣は、若い
方々もとおっしゃいましたけれども、今の
アナン事務総長は一番下のP1という位から始めて、いわば町
会議員の選挙に出て総理
大臣になったという方でございますので、ぜひ若くて
国連に入ってくる邦人スタッフについてもできるサポートを
政府の方で考えていただければと、このように思っております。
もう
一つ申し上げたいことは、ニューヨークの
国連代表部にも随分優秀な
方々が多くて、デー・ツー・デーでいろいろ邦人
職員との間のコミュニケーションを図っていただいて、いろんな
意味でポストの面から相談に乗っていただいております。ただ、まだ
外務省の代表部の
方々の意識の中に、
国連のスタッフを
日本の
国連外交を進めていくためのパートナーというよりは、やや自分たちとは違うという意識が、もちろん違うんですけれども、どうも強いように思われます。
これは実名を出してどうかと思うんですけれども、私は三年ほどUNDPにいた中で、今の
小和田大使はスーパー
大使だと思いまして、とにかく大変な
大使なんですが、別な
意味で瀬崎
大使という方がおられました。この方は副常駐代表だったんですけれども、ニューヨークに来るJPO、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサーにほとんど全部約束をとって会われました。JPOの方が来ると私のUNDPのオフィスに来るというのが恒例になっておりまして、みんな私の
部屋に来て、そこから直接瀬崎
大使に電話をしてアポイントメントをとるということで、そのJPOの人たちが今でもその瀬崎
大使の話をするということがありまして、そういう
意味の意識を持った活動をぜひ
外務省の
方々にもやっていただけるといいんではないかなというので、ちょっと今思い出しましたので
一言つけ加えさせていただきました。
随分時間が過ぎてしまいまして残り少なくなってきたんですけれども、
ODAのことについて簡単にお聞きしていきたいと思います。
御存じのとおり、
ODA一〇%削減ということになりました。
大臣よく
御存じのとおり、先般初めて
大臣が
国連総会に行かれて
アナン事務総長に会ったとき、私も御同行しましたけれども、
最初に
アナン事務総長から出た言葉は、
ODAのことをよろしく頼むということでございました、覚えていらっしゃると思いますけれども。
国連からはとにかく悲鳴が上がっておりまして、事務総長は総理に書簡を送るし、あるいは緒方高等弁務官は独自のキャンペーンを
日本に来られて総理に直訴されたり、いろんなことをされていて、図らずも、皮肉にも、いかに
日本の存在が
国連で大きいかということをこの
ODAの一〇%カットが示した形になっていると思います。
特に、
国連の社会
人道分野の自発的拠出金、UNDPとかユニセフとかUNFPA、人口基金とか、あるいは世界食糧計画、WFPですか、そこら辺の拠出金は軒並み四割近くのカットになるということで大変に危機感があるところであります。これについてはもう
大臣十分御
認識をいただいていると思うんですけれども、
国際社会に対して、先ほどの
常任理事国入りの問題とも絡みまずけれども、誤ったメッセージを送ることのないようにぜひそこは
外務省としても、もちろん大蔵省との交渉もあると思うんですが、やはり最大限の御
努力をいただきたい、このように思っております。
もう
一つ忘れてはいけないことは、どうも
国連機関の方は随分
認識が浸透してきたかのように思われるんですが、実は技協と無償の分野もこの
ODAの一〇%カットの影響をもろに受ける分野でございまして、
国連の削減分が百五十億か百六十億であるという感じだとしますと、ちょっと正確な
数字は覚えていませんが、JICAの方も百三十億か百四十億円ぐらい減ると。無償資金協力に至っては二、三倍、三百億以上減るということになりまして、協力隊なんかも削減をするし、無償の新規のプロジェクトもなかなか採択できないという
状況になっておりますので、
国連機関の方はぜひお願いしたいんですが、こちらの方も一応
大臣のおなかの中におさめていただいて、技協、無償についてもある程度また御考慮をいただければというふうに思いますので、
一言申し上げさせていただきます。
ちょっと時間がもう迫ってきたものですから、最後に申し上げたいことは、今の
外務省の予算の件は
大臣が
中心になって大蔵省の方と交渉をいただいているというふうに思うんですけれども、きのう
河野太郎から電話があって、大蔵省については私がばんばんやるから、
一太さんは
外務省の方からお願いするだけでいいという電話がありましたので、大蔵省の方はきょうはお呼びしませんでした。
もう
大臣御存じのことかと思いますけれども、援助は、マルチであろうがバイであろうが、あるいは借款であろうが無償であろうが技協であろうが、全部必要だと思います。大蔵省で使っているお金、借款のお金あるいは国際
金融機関に対する拠出がむだに使われているということは、これはないと思います。
ただし、全体の援助ファミリーの中で、やはり困っているところがある。大蔵省の説明はいろいろあると思うんですけれども、少なくとも今までの実績を見ればOECFのお金も多少は余裕があるでしょうと。世銀やアジ銀に出しているお金もこのぐらいは余っているでしょうというものはあるわけなので、これは緊急避難的に、どれも必要な援助ファミリーのお金なんですけれども、一部やはり
日本の国益を考えて、今回は技協とか無償とか、そこら辺のところに一たん集めてもらう。
そういうコンセプトで大蔵省との協議を、もちろん
大臣はそういう御
認識でやっていただいていると思うんですけれども、ぜひとも進めていただきたいと思います。その点については大蔵省の方に直接やるべきですので、これ以上は申し上げません。
最後に、もう時間になりますので、
ODAの
改革について、
改革懇談会のことなんかもいろいろあるんですが、これから
ODAの取り組みについてどういう形で進めていくのか。量から質への転換とか、実施体制の一元化とか、あるいは国会と
ODAのかかわり、援助大綱を強化するのか、あるいは法律みたいなものを考えるのか、そういうことも含めて全体として
ODAにどう取り組んでいくかということを簡潔にちょっと
お話をいただいて、私の
質問を終えたいと思います。