○戸田
邦司君 そういう人を育てていくというか、仕組みをつくっていくというのは本当はノーベル賞をとるより難しいかもしれない。ですから、これはぜひ具体的に真剣に
考えていただきたいと思います。
余り時間もありませんので私の方から一方的に
お話をしておきますが、もう
一つの問題は
研究者の国際交流の問題。
これは国内でも余り交流していないんですね。産学官、
研究者の交流というのはなかなか難しい。学から官に来るのも非常に難しいと言われている。テーマごとにある時期そういうような交流を進めていくというようなことはぜひ必要なことだと思います。
外国人が
日本の
研究機関で満足して帰ったなんという話は余り聞いたことがない。この間、中国人の
日本への留学生の問題がありまして、私、中国人からも直接聞きましたけれども、
日本に留学すると大体
日本嫌いになって帰るというんですよ。だから、それは
環境なり扱いなり、そういうところがしっかりしていないために外国の
研究者が
日本で非常に住みやすいと思わないんじゃないかと思います。そういった点も含めて御配慮をいただきたいと思いますが、その辺は基本計画にかかわる
部分でもあります。
最後に
一つ、「もんじゅ」の話をお伺いしたいんです。
私は原子力船「むつ」の
開発の過程もずっと眺めきていますし、それから、先日新たに「みらい」という海洋観測
研究船に生き返ったということは、本当に
日本の海洋
科学技術にとって大きなプラスになるんじゃないかと思うんです。
原子力船「むつ」というのは、私も船体その他全部詳細に見させていただいたことがありますが、不幸なことに、
開発の過程で実際に放射能漏れを起こして漂流したなんてことがありますし、また、計画そのものが漂流しかかっていた。途中で行政サイドの意向というのが余りはっきりしないで、政治サイドで予算の
関係で相当議論された。その間に時間がたって、余計金がかかったというような点もあるかと思います。
「もんじゅ」もあそこまで金をかけてやってきて、それで技術的な問題、管理の問題が
先ほど出ておりましたが、技術的な問題であのまま挫折してしまうというわけにはいかないと私は思いますね。この「もんじゅ」の懇談会の
報告を見ますと、いろいろ
指摘されておりまして、目的を達成しないまま、問題があるからというだけで「もんじゅ」の
研究開発を中断すること自体これまでの成果を無にすることに等しく、大きな損失と言えますと書いてある。私も全く同感であります。
そこで、
科学技術庁に申し上げたいんですが、なぜ行政サイドはもっと行政サイドの意向をはっきりと
社会に発表してアピールしないのかと。今、何となくこの懇談会の
報告でどうなるでしょう、それから、今度アンケートを出してみます、そういうことを
考えてそれから再検討します、こういうような言い方になって、何か今まで一生懸命いいことをやってきたんだけれども、ちょっとつまずいて怒られたら、いやいやこれは皆さんの意見を聞いて、意見に従ってやりますという姿勢にとられかねないような姿勢が今の
科学技術庁の姿勢ではないかと私は思っております。「もんじゅ」をどうするか、この一点だけお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。