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1997-12-02 第141回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年十二月二日(火曜日)    午前十時十分開会     —————————————    委員異動  十二月二日     辞任         補欠選任      風間  昶君     加藤 修一君     —————————————   出席者は左のとおり。     理 事                 佐藤 泰三君                 橋本 聖子君                 福本 潤一君                 萱野  茂君     委 員                 板垣  正君                 尾辻 秀久君                 高木 正明君                 永田 良雄君                 長峯  基君                 楢崎 泰昌君                 加藤 修一君                 勝木 健司君                 鈴木 正孝君                 星野 朋市君                 笹野 貞子君                 照屋 寛徳君                 吉岡 吉典君                 島袋 宗康君    国務大臣        外 務 大 臣  小渕 恵三君        国 務 大 臣        (北海道開発庁        長官)        (沖縄開発庁長        官)       鈴木 宗男君    政府委員        内閣審議官    安達 俊雄君        総務政務次官   熊代 昭彦君        北海道開発庁計        画監理官     青木 東雄君        防衛施設庁長官  萩  次郎君        防衛施設庁総務        部長       西村 市郎君        防衛施設庁施設        部長       首藤 新悟君        沖縄開発庁総務        局長       玉城 一夫君        沖縄開発庁振興        局長       若林 勝三君        外務省北米局長  高野 紀元君        外務省欧亜局長  西村 六善君        外務省条約局長  竹内 行夫君    事務局側        第一特別調査室        長        加藤 一宇君    説明員        警察庁交通局交        通指導課長    渡邉  晃君        総務庁北方対策        本部審議官    川口  雄君        自治省行政局行        政課長      伊藤祐一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する  調査  (日ロ首脳会談平和条約締結交渉に関する件  )  (北方四島ビザなし交流促進に関する件)  (沖縄経済振興二十一世紀プラン具体化等に  関する件)  (普天間基地代替海上ヘリポート建設対策に  関する件)  (沖縄自由貿易地域制度拡充に関する件)  (沖縄経済振興対策に関する件)     —————————————    〔理事佐藤泰三委員長席に着く〕
  2. 佐藤泰三

    理事佐藤泰三君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員長が都合により出席できませんので、委員長の委託により、私が委員長の職務を代行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、風間昶君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君が選任されました。     —————————————
  3. 佐藤泰三

    理事佐藤泰三君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 橋本聖子

    橋本聖子君 おはようございます。自民党の橋本でございます。  まず最初に、北方領土問題について外務大臣にお伺いしたいと思います。  申し上げますまでもなく、戦後五十二年もの間、北海道からすぐ目と鼻の先にあります我が国固有領土北方領土は、ソ連、そしてソ連崩壊後もロシアに不法占拠されたままになっておりまして、領土返還は道民のみならず国民皆さんの念願でもあります。  その中で、近年の北方領土をめぐる日ロ交渉の厳しさを踏まえまして、先月のクラスノヤルスクで行われました日ロ首脳会談やそれに続く東京での日ロ外相定期協議会談を通じて、北方領土問題は解決に向けて大きく前進したものというふうに思っております。対ロ外交にとり、まさに快挙であったことと私は確信しております。このように、政府北方領土問題解決に向けまして大きく前進することができましたのは、やはり橋本内閣の全閣僚の皆様北方領土返還に向けての熱意のたまものだと深く感謝いたしております。  まずここで、改めまして外務大臣お尋ねいたしますが、さきに行われましたこれら一連の会談成果と、そしてそれの御説明をお伺いしたいと思います。
  5. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 委員指摘のように、日本ロシアの間に残る最大課題平和条約締結ということでございまして、この点につきましては、先般のクラスノヤルスク会談におきまして、エリツィン大統領橋本総理大臣との間の非常に個人的な信頼関係あるいは友情が深められまして、日ロ関係の現状と将来につきまして建設的かつ幅広い意見の交換が行われました。  御指摘のように、特に北方領土問題の関連におきましては、両首脳東京宣言に基づき二〇〇〇年までに平和条約締結するように全力を尽くすということが合意されまして、この両首脳発言ぶりにつきましてはテレビを通じまして広く世界に報道されておるわけでございまして、そういった点で大きな前進だろうというふうに考えております。  したがいまして、私といたしましても、その会談を踏まえまして外相会談等を行いまして、これが実現のために、そしてまたそのときに合意をされました事項につきまして着実にこれを実施するために精力的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
  6. 橋本聖子

    橋本聖子君 さき日ロ首脳会談では、二〇〇〇年までに平和条約締結するように日ロ両国全力を尽くすことが合意されたというわけですけれども、平和条約締結に向けまして、今後どのようなロをなされる御予定か、御決意のほどをもう一度外務大臣お尋ねしたいと思います。
  7. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 今御答弁申し上げましたように、首脳間で、そうした力強い両首脳の御意思によりまして東京宣言に基づいて二〇〇〇年までにこれを締結しようということが決定をされたわけでございます。したがいまして、その後プリマコフ外務大臣も訪日をされまして、私との間でその実効性を上げるための趣旨の会談をいたしました。  これからのスケジュールといたしましては、来年早々にこの平和条約締結に向けてのハイレベルの交渉をやろうと。従前も次官レベルでこれを行ってまいりましたけれども、直接的に外務大臣同士がトップになりましてやっていこうという合意になりまして、そのスキームについては、どうするかについてはその時点では決定しておりませんでしたが、来年一月に事務次官レベル会談モスクワで行うと。そしてプリマコフ外務大臣は、でき得ベくんば次回はモスクワ外相会談を開きたいと。  その時期を二月ごろに設定したいと言っておられるわけですが、国会もちょうど予算審議のさなかでございますので、お許しを願えればこの二月に参りまして、御承知のように四月に今度は日本で非公式と言いながら極めて重要な首脳会談が行われる予定でございますので、それに向けてそれこそ精力的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
  8. 橋本聖子

    橋本聖子君 次に、北方領土周辺海域での安全操業問題についてお尋ねいたします。  一九九三年より、ロシアの国境警備隊の取り締まりが大変厳しくなりまして、ある意味では日本の漁船が安心して操業できないという状況にあると思います。この問題によりまして、漁業を主要な産業としております根室、別海、標津、中標津、羅臼、この一市四町は大きな打撃を受けておりまして、地元皆様から、よくそういうような大変なお話を耳にしております。  政府も、これまでロシア政府との厳しい交渉を行ってきておられると思いますが、今現在この問題につきまして、クラスノヤルスク非公式首脳会談日ロ外相定期協議を受けて何らかの変化があったというふうに思いますけれども、そのことにつきまして、そしてまた今後の見通しについても、もう一度外務大臣お話を伺いたいと思います。
  9. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 日本周辺を取り巻く漁業問題につきましては、日中、日韓ございますが、日ロ間にもこの北方領土周辺漁業問題がございます。実は昨年来大変これに精力的に取り組んでまいりまして、かなり双方とも合意に近づいてきておるわけでございますが、最後の段階におきまして、双方漁獲量その他、詰まっていない点もございまして、今精力的にこれまた取り組んで、できれば冒頭申し上げたような三つの漁業交渉を何とか締結して、そして日本周辺安全操業が可能なように努力をいたしておるところでございます。  詳細につきましては、ちょっと事務当局から御報告させていただきます。
  10. 西村六善

    政府委員西村六善君) 北方四島周辺枠組み交渉でございますけれども、現在、今大臣がお答えをいたしましたとおり、外務省及び水産庁におきましてロシア側と鋭意協議をしている最中でございます。  法律的な側面経済的な側面と二つあるわけでございますけれども、法律的な側面につきましてはほぼその合意ができているところでございますけれども、その他の面につきまして問題がまだ依然として残っている次第でございます。その問題の解決のために、さらに鋭意努力をしているところでございまして、今月もそのための交渉をいたす方針にしているところでございます。
  11. 橋本聖子

    橋本聖子君 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、北方四島とのビザなし交流について、いま一度お尋ねいたしたいと思います。  まず初めに、平成四年度から始まりましたビザなし交流の実績について、総務庁から御説明をいただきたいと思います。
  12. 熊代昭彦

    政府委員熊代昭彦君) 総務庁といたしましても、東京宣言に基づいて二〇〇〇年までに平和条約締結をするように全力を尽くすという日ロ・クラスノヤルスク合意実現を何が何でも図らなければならないということでございまして、外交交渉を支える環境整備の一環といたしまして、御指摘ビザなし交流を一層推進していく覚悟でございます。  平成四年度から交流開始以来これまで六年間に、四島訪問が二千二百六十三人、四島在住ロシア人受け入れが二千二百三十九人で、合計約四千五百人の相互訪問実施されているところでございます。この交流事業を通じまして、全般的にはロシア人との間に相互理解が深められるということで、相当の成果が上がっているというふうに考えているところでございます。  ビザなし交流につきましても、国会議員参加それから青少年交流開始などの充実を図ってきているところでありますけれども、今後は、これまでの成果を踏まえつつ、専門家同士交流というもの実施をするなど、交流の質を高めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  13. 橋本聖子

    橋本聖子君 次に、このビザなし交流成果につきまして外務大臣お尋ねいたしますが、どのような御認識をされていますか、もう一度お話を伺いたいと思います。
  14. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) いわゆる四島交流は、今、熊代政務次官から御説明申し上げましたように、平成四年から実施をされて今年で六年目を数えております。今御答弁がありました中で、国会議員先生方も二十五名の方が既に訪問を行っております。北方領土問題が解決されるまでの間、相互理解の増進を図り、領土問題解決に寄与するという観点から大変意義があるもの評価いたしております。  このような成果を踏まえまして、政府としては今後とも、北方領土問題に関する我が国基本的立場を害さないという前提で、四島交流を円滑に実施し、その拡充につき検討してまいる考え方であります。
  15. 橋本聖子

    橋本聖子君 もう一つ外務大臣お尋ねしたいと思います。  先ほどのビザなし交流のプログラムの中なんですけれども、スポーツの中でバレーボールですとか綱引きなど、日本人とロシア人とのスポーツレクリエーション交流が含まれておりますけれども、これはなかなかの好評だというふうにお伺いをしております。  ですが、四島では平成五年の大地震で多くの建物が倒壊しまして、十分なスポーツレクリエーション施設が今はないように聞いております。さまざまなスポーツレクリエーションを通じて日ロ両国民が交流を深めることができるように必要な援助を行ってはどうかと思いますけれども、やはり心と心の触れ合いというのはこれから大きな力になっていくと思いますが、外務大臣にその話についてお尋ねしたいと思います。
  16. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 全く御指摘のとおりだろうと思います。スポーツというものは政治的ないろいろの利害を超えて、こういう交流を通じて両国民親善を増進するということは大変すばらしいことだろうと思いますし、今御指摘にありましたように、この往訪でも随分現地に行っていますし、また受け入れでも北海道におきましていろいろなスポーツ大会を通じて親善、友好を深めておるところでございます。  今御指摘のように、現地において地震その他自然災害の中でそういう施設崩壊したりしておるというお話でございましたので、よく調査をいたしまして、我が国としてできることはお手伝いさせていただきたいと思っております。
  17. 橋本聖子

    橋本聖子君 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、開発庁長官お尋ねしたいと思います。  沖縄が昭和四十七年に本土復帰をいたしましてことして二十五年目を迎えました。先日、政府主催沖縄本土復帰二十五周年式典が行われまして、私も式典参加をさせていただきまして、大変すばらしく感激をいたしました。また、その中での総理式辞にも大変感銘を受けました。  沖縄さき大戦我が国唯一地上戦が行われまして、多大な戦禍をこうむりました。また一方で、我が国が戦後復帰に向けて着実に歩み始めている中、二十七年もの間、米国の施政権下に置かれていた状況にありまして、本土の目覚ましい発展を受けることはなく、そのために経済本土との格差是正自立的発展基礎条件整備をすることが今なお基本的な課題として存在しているように思います。  橋本内閣発足以来、沖縄の諸問題を国政の重要課題として位置づけ、さまざまな課題に精力的に取り組んでこられましたが、改めまして復帰二十五周年を振り返ってみて、政府の取り組んできた政策について率直にどのように思っておられて、またその評価、そして総括長官にお伺いしたいと思います。
  18. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 先般、十一月二十一日の復帰二十五周年の政府主催式典に御出席をいただきましてありがとうございました。また、この委員会委員先生方にも御出席をいただきありがとうございました。まずもって御礼を申し上げます。  今、委員から復帰二十五周年を振り返って政府が取り組んできた政策についての評価総括をという話でありますが、私は、さき大戦唯一地上戦が行われた沖縄、特に二十万余の人が亡くなり、そのうちの十三万余の人が沖縄軍人軍属さらには民間人であるということ、大変重い、深い、言うに言えない苦しい歴史があった、こう認識しております。  ですから私は、二十七年間のアメリカの施政権下にあった現実、そしてやっと二十五年を迎えた沖縄、この二十五年間に一次、二次、今三次振計が進行中でありますけれども、約五兆円の予算沖縄に投入しておりますけれどもまだまだ沖縄に対しては社会資本整備等なすべきことが国としてある、こう思っておりますので、今後ともより沖縄振興に誠心誠意尽くしていきたい、こう思っております。  さらにまた、沖縄皆さん方の心だとか目だとか思いというものを我々も真摯に受けとめて、同時に沖縄日本の平和と安全のためにも大変な貢献をされている場所でもありますから、そのことも十分勘案をしながら、しっかり政策を展開していきたい、こう考えております。
  19. 橋本聖子

    橋本聖子君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。  先日の復帰二十五周年記念式典式辞の中でも、沖縄発展基本的アプローチ経済振興策についての考えが示されまして、こうした考え方もと沖縄経済自立化に向けて重点施策具体的体系化を図り、沖縄経済振興二十一世紀プラン取りまとめられていかれると示されておりますが、この点につきましてお伺いしたいと思います。
  20. 安達俊雄

    政府委員安達俊雄君) 先日の記念式典におきまして総理が提案されました沖縄経済振興二十一世紀プランでございますが、同じく式辞の中で、総理が今後の沖縄振興策についての具体化方向を示されました。私どもとしては、総理が示されましたこの具体化方向もとに、今後沖縄政策協議会においてさらに検討を深めていくものになるもの理解しております。  取りまとめの時期につきましては、総理から来春を目途にというお話があったわけでございますが、具体的な日程については今後検討をされていくものと考えております。  なお、政府沖縄振興策を考えるに当たりまして重要な参考の一つとなります総合研究開発機構最終報告が三月に行われるということもございますし、また関係省庁政策協議会もとで各種の調査研究等を行っておるわけでございまして、年度末の取りまとめが非常に多いということもございますので、この二十一世紀プラン取りまとめについては、その後、四月以降になるのではないかというふうに考えているところでございます。
  21. 橋本聖子

    橋本聖子君 このプラン具体化方策、また現行の第三次振興計画との関係、位置づけにつきまして長官お尋ねしたいと思います。
  22. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 沖縄経済振興二十一世紀プラン、これは十一月二十一日のこの記念式典式辞総理が話されたことでありますので、この具体化方向に向けて沖縄政策協議会においてもさらに検討を深めていく、こういうふうに考えておりますし、また今、安達審議官の方からも話がありましたけれども、きちっと連携をとりながらやっていきたい、こう考えております。  いずれにしましても、沖縄開発庁としても沖縄がやはり真の自立できる体制、さらには沖縄は今失業者が多いということでいつも困っているという状況も聞いておりますから、雇用の確保だとかそういったこと、さらには沖縄県民生活の向上、やはり所得が一番低いということも大きな問題でありますので、そういったものをトータルで考えてしっかりと政策を練っていきたい、こんなふうに思っております。  同時に、橋本先生にも御理解いただきたいんですけれども、歴代の内閣がそれなりに沖縄問題に熱心に取り組んで努力をしてきた、こう思うのであります。しかし私は、今の橋本総理は特に沖縄問題に熱心である、こう思っております。施政方針演説所信表明で絶えずこの内閣の最重要課題一つ沖縄問題であります、こう披歴をされておりますから、私はこの言葉をきちっと裏づけしていくのがまた内閣の一員としての責任だとも思っております。  幸い、小渕外務大臣も第十代の沖縄開発庁長官でもありますからひときわまた沖縄理解もありますので、これも全員野球といいますか、全員沖縄問題に対して一生懸命取り組むんだということはそのシフトからいっても評価理解される、こう思っておりますので、今後とも一生懸命沖縄のために努力をしていきたい、こう思っています。
  23. 橋本聖子

    橋本聖子君 ぜひよろしくお願いいたします。  次に、海上ヘリポートについてお尋ねをいたします。  普天間飛行場返還に伴いましてヘリポートを建設するということになっておりますけれども、先月五日にキャンプ・シュワブ沖に建設する政府案が県及び名護市に提出をされました。その後、地元説明会、また広報のパンフレットをつくるなどして大変な努力をされておりますけれども、県民方々にもその姿勢は十分に理解されるものと信じております。  政府としまして、万全な対策を今後引き続いてとられていくことと思いますけれども、環境面また安全面など海上ヘリポート建設における諸問題もたくさんあると思いますけれども、どのような対策がなされていきますか、防衛庁の方にお尋ねをしたいと思います。
  24. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 普天間飛行場代替ヘリポートにつきましては、いろいろな条件を考えました結果、自然環境騒音、安全といった面を考慮いたしまして、現時点における最善の選択肢ということで撤去可能な海上施設を追求するということとしております。  この海上ヘリポート先ほどお話がございましたように、まず騒音の面では、地元居住地から最小限でも一・五キロ以上離れたところに設置するということで環境庁が告示をしております航空機騒音に係る環境基準、これを十分満たせるものとしたいと考えております。  それから風、波等でございますが、風それから波浪につきましては百年確率、百年に一回起きるかどうかのものを対象として考えております。  それから津波につきましては、沖縄に過去来襲しました最大津波であるチリ地震津波に対しても耐久性を確保できるというものを考えております。  それから自然環境でございますが、若干藻場サンゴといったところにかかる部分があるんですが、できるだけその被害最小限にすると同時に、藻場は他の海域へ移植、それからサンゴにつきましても、防波堤などに着生促進させるという増殖、再生のための適切な措置を講ずることによって影響最小限にしたいと思っております。  また、排水の問題でございますが、これは水質汚濁防止法にのっとって適切な汚水処理施設をつくることとしております。  また、漏油対策でございますが、十分な強度を持った燃料タンクをつくる予定にしておりますが、万々一被害があった場合でも外に漏れ出ないような方策によって、油水分離装置を設置することで適切に処理をしてまいりたいというふうに考えております。  現在、地元の御了解を得るべく努力をしておるわけでございますが、今後御了解が得られた場合には具体的な計画を作成するわけでございますが、それに伴いまして、さらに細かい安全性生活自然環境への影響等々、十分に地元方々の御意見を踏まえて総合的な見地から最終的な決定をしてまいりたいということを考えております。
  25. 橋本聖子

    橋本聖子君 ぜひ万全の体制でよろしくお願いいたします。  質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  26. 福本潤一

    福本潤一君 平成会福本でございます。  最初に、北方領土問題に関する質問外務大臣にさせていただきたいと思います。  橋本委員からの質問にも、今回の橋本首相、また日ロ外相定期協議における成果を新聞もメガトン級の大成果というふうに言われておられますが、政府はこれまで原則として政経不可分、拡大均衡という基本的考え方対ロ外交を行ってきたと思いますが、経済においてロシアにさまざまな援助をするとかいう形で対ロ外交基本方針が若干変わってきておるのかどうか、そこのところを明確にお答えいただければと思います。
  27. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 対ロといいますか、従来は対ソでございますけれども、鳩山首相の日ソ共同宣言以来、日本ソ連邦との間で国交が回復いたしてまいりました。それから今日の過程で、今委員指摘のようないろいろの考え方も存在したことは事実でございます。  しかし、今やこの冷戦構造崩壊をいたしまして、ソ連ロシアとなり、日本との関係を深めていきたいというお気持ちも非常に強くなってきておりますので、今回、エリツィン大統領橋本総理のデンバー以来の考え方に基づきまして首脳会談によりまして、これから日本として平和条約を結ぶための努力をいたしていくということだろうと思います。  過去は過去としていろんな経過はありましたけれども、新しい出発として、どうしても二十世紀で起こったことですから二十世紀のうちに解決をいたしたいということでございますので、経済面では橋本・エリツィン・プラン、これを着実に実行していくということと同時に、先ほど来申し上げておりますように、東京宣言もととして平和条約締結に向けて新たなる出発をいたしていきたい、このように考えております。
  28. 福本潤一

    福本潤一君 基本的には北方領土問題の解決に向けて大きく前進したという成果が得られておるということですし、西暦二〇〇〇年までに平和条約締結する、そのために全力を尽くすという取り決めがなされておるわけでございますが、ロシア側の方もこういう意見で、エリツィン大統領もとに国内一致した形での考え方であるというふうに考えてよろしいのかということと、また、その計画に沿って今後さまざまな交渉が必要だと思いますが、この交渉に当たって大臣はどのように進めていかれる予定であるか、その予定をお伺いしたいと思います。
  29. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 先ほど来も御答弁申し上げておりますが、今回の両首脳は、東京宣言に基づき二〇〇〇年までに平和条約締結するために全力を尽くそうということで合意をいたしたわけでございまして、その右合意は、日ロ両国のプレスを通じまして、直接世界に向けて発表いたしておるところでございます。  また先般、日ロ外相会談のときに、プリマコフ外相が、クラスノヤルスクで発表された合意内容は歪曲された流言や二通りの何らかの解釈がなされるとの疑念は一切残すものでないということを言明いたしておりますので、政府としての考え方は基本的に確固たるものがあると思います。  そこで、こういうことを実現するためには、双方とも国内世論も含めましていろいろな政治勢力が存在するわけだろうと思います。特にロシアにおかれましても、新しい議会制度が持たれて、国会というものも存在をいたしております。したがいまして、我々もこれからそうした国会議員皆さんに対しまして、我が国の立場をより理解し、ロシアの中におきましてもこのエリツィン大統領の決意の実現に向けて国内世論もそうした方向に向かっていくように最善の努力をしていかなきゃならぬ、このように考えております。  政府といたしましては、外務大臣が先般参られまして、今後の方針につきましても私との会談でその方向性が示されておりますので、来年の四月のエリツィン大統領の再度の訪日という時間帯まで決して時間は長いとは言えない状況でございますので、私自身もモスクワに参りまして、外務大臣との話し合いを進めながら、四月に向けて全力投球で臨んでまいりたい、このように考えております。
  30. 福本潤一

    福本潤一君 四月の首脳会談に向けての全力投球ということでございますし、ロシア側に対する経済協力、北方四島の領有権は日本にあるけれども占有が今ロシアにされているという中で、北方四島に対する経済協力は今まで基本的にはしてこられなくて、人道支援で若干の支援をされてきたという段階だろうと思います。  それで、北方四島に絞って若干お話を聞きたいと思いますが、平成四年からビザなし交流ということで、国会議員も二十五名行ったという段階でございます。私も七月に色丹、択捉、国後三島を視察させていただく機会がありましたが、地元住民の感情というのは四島の中でもかなり温度差がある。  最初色丹に行きますと、地震で、四島全体で一万人以上のうち一千人近くが地震後の死亡者も含めると出てきている。建物の惨状、また道路もほとんど舗装されていません。今日本におる人が帰ってきてあそこへ住むとしたら急にはなかなか住めないなというぐらいの中で、ロシア本国からは給料も送られてこない、ある意味では現物支給、それも滞りがちという形でロシア方々は住んでおられる。ですので、色丹の方々は、もう日本に返ってでも経済的には安定した生活がしたいという思いで、交流に関してもすごく日本に対して親善的な対応をしていただきました。  今度択捉へ行きますと、択捉の方は余り国会議員は歓迎していないという言い方をされた上で、ここの択捉島には、日本が領有権を主張するけれどもアイヌの人たちがもっと先住民だというような言い方をして、返還、到底そういう方向は我々は望んでいないという言われ方をしておったわけでございます。  各島でそういう意見の相違、かなり温度差があるということは、外務大臣、私も一週間程度の滞在でございましたけれども、御承知でございましょうか。
  31. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 実は、外務省からも、いわゆる外務省高官と言われるんですが、初めて丹波審議官がみずから島に渡りまして、現地皆さんともいろいろお話をされたようでございます。  そこで、今御質疑のありました点については、私自身もいろんな方々からそのようなお話も聞きますし、また、今初めて福本委員からのみずから体験されたお話をお聞きいたしておりました。  これは、島自身も、先ほどのお話のように、北海道により近いところとそうでないところもありますし、また、ビザなし交流でも、その交流の人たちが島によってもいろいろ違うというような点もあります。今御指摘のように、何といっても日本との経済的な交流が非常に近いところは日本の実態もよく知っておってこの感情もまた理解が深まっておると思いますけれども、ほかの島においては、今御指摘のような点もあると聞いておりますので、でき得べくんば四島全体にわたりまして我が国の立場が住民の皆さんあるいはそこを治めておられる為政者の皆さんにも理解が深まるように今後とも努力をしていかなきゃならない、このように考えております。
  32. 福本潤一

    福本潤一君 そういう中には、もう日本返還されるのが既成事実のような形でとらえて不安を感じているロシア方々までおられます。日本ビザなし交流で行った方が、ここで私は生まれ育ちましたと言いましたところ、ある村の村長さんは、女性の村長でございましたけれども、もう既に現実に戦後五十二年の間ロシアが占領しているという形になっておりますので、私もここが生まれ故郷です、同じふるさとですねというような形で外交的な発言も含めてされておられましたけれども、そういう意味で、もう既に四島を自分のふるさとだと考えておられる方がおる。そして、二〇〇〇年には平和条約締結ということになりますと、その前に何らかの形で大きなインパクトがあるんではないかということで、逆にロシアの人の不安感というのも現実に生まれてきている。  そうすると、返還後どういう形の状況であるのかというのがかなり大きなインパクトになってくると思われますので、日本返還がどういう形でスムーズになっていくかも含めて、その返還後も安心して住めるんだよということがある程度伝わる形にならないと、返還交渉もスムーズにいかないんではなかろうかと思われますので、返還後の生活が安心できるのかどうかということも含めて御答弁いただければと思います。
  33. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 御指摘の点は、今後最終段階で四島が我が国領土として条約上きちんと定められるということになる過程におきましては、住民として既に長きにわたってそこで居住しておられる方々のお気持ちというものも非常に大切だと思います。  したがいまして、こうした問題も含めながら、最終的な結論に導く過程で十分話し合っていかなきゃならない課題だと考えております。
  34. 福本潤一

    福本潤一君 返還交渉の方が最優先でございますから、今のような答弁ぐらいしか聞けないのかもわかりませんけれども、現在住んでいる人との交流に、このビザなし交流というのは非常に大きな役割を果たしています。ある意味では親善日ロの国際結婚まで生まれかねないような、かねないという表現が適切かどうかわかりませんが、親善交流が予想以上に大きく進展しているなと。  ただ、この成果はかなり大きいのでございますが、ここへ行く船でございます。現地にはホテルもない。コーラルホワイト号という三百五十トンの船でございますが、我々も二段ベッドで生活して、小さな船に五十人程度乗ってホテルがわりに使っている。それで、島に着く桟橋のところで揺られながら生活をしている。行った人たちの交流の深まりはあるわけでございますが、余りにもちょっとひどい船ではなかろうか。  一週間おりますと、海が荒れると大体船酔いで嘔吐したり悲惨な状態になりますので、これだけの大きな親善交流、またロシアの人からの日本に対するいい印象みたいなものも生まれている、この船も若干適正規模といいますか、今のではひど過ぎるのではなかろうかと思いますので、今後、国会議員の方で行かれる方々もかなり悲惨な目をされるおそれがありますし、ぜひともこの交流のための手段、方法、船に関する改善を考慮いただければと、これは総務庁の方ですか、お願いしたいと思います。
  35. 川口雄

    説明員(川口雄君) ビザなし交流に使用している船舶でございますけれども、現在コーラルホワイトという三百五十四トンの民間船をチャーターして行っているところでございます。今、先生御指摘のとおり、四島の交流参加者とかあるいは関係者の間からも同様の要望が来ているところでございます。  この事業に使用する船舶につきましては、交流事業の規模とか内容でありますとか、先生御指摘北方四島の方にホテルもないとか、北方四島の現状等を考慮いたしますと、船に宿泊施設でありますとかあるいは厨房施設、そういったものを有して、かつ適正な規模のものが必要だと考えておるところでございます。  こういった観点から船の選定の作業を進めてきたところでございますけれども、適当な船舶の手当ての見通しがついたということで、平成十年度の概算要求を行っているところでございます。船の居住性は若干よくなると思います。
  36. 福本潤一

    福本潤一君 そういうことで、改善の方向に向かって推進していただけるということで受けとめさせていただきます。  そういう意味では、この交流日ロ友好に、また北方四島返還にも大きな相互理解の一手段にもなっていると同時に、北方領土返還に関心のある人は強い運動を起こしておられます。日本全体でいうと、沖縄は昭和四十七年には返ったけれども北方の方はほとんど可能性がないのではないかと思われるところ、現実にはソ連崩壊し、ロシア政府経済的にも自立不可能になって、その支援を受けるロシア住民もほとんど給料も得られない。日本返還した方が生活は安定するのではないかという中で不安を抱えながら生活している状況ということで、ある意味では返還に対してかなり前とは状況が違ってきている。  それを受けて橋本首相も、大いに返還運動も含めた日ロ平和条約締結に向けての推進をしていくと思いますので、経済的な問題とまた不可分な形で進んでいくと思いますが、今後強力な推進をしていかれることを要望して、北方領土問題に関する質問を終わらせていただきます。  続きまして、沖縄経済振興策並びに基地の問題が大きなテーマとなっておりますので経済振興策の問題で、特に鈴木長官は就任後参議院では初めての実質審議になると思います。前外務大臣は池田外務大臣ですが、沖縄の心を心としてと、それと似たような表現を今、鈴木長官もされて所信に述べられましたけれども、今後、難題が山積しております沖縄に対してどういう形で経済振興に取り組んでいかれるか、まず決意をお伺いしたいと思います。
  37. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 私は、国会議員になってから一貫して衆議院では沖縄北方委員会に属しまして、平成六年には委員長もやらせていただきました。  先ほど先生が北方領土ビザなし交流で行かれたと言いますけれども、実は、戦後五十年で初めて国会議員ビザなし交流で行けるようになりまして、その国会議員の第一号は私でありました。沖北の委員長としてあの四島に行って、今感銘深く先生の御質問等を伺っておりました。  それで、ちょっと先生、先ほど総務庁からの船の話を言いましたけれども、もう少し詳しく言いますと、今使っているコーラルホワイトが三百五十トンです。来年からは五百トン近い、正確には四百五十トンですけれども、一回り大きな船をチャーターできるというふうになっておりまして、その予算要求をしております。先生の居住性の話がありましたから、これも人道的配慮からも私は間違いなく船は大きくしなければいけない、こう思っておりますので、予算に向けてまた先生の御支援もいただきたいな、こう思っております。  それで、沖縄問題ですけれども、私は、一貫して沖縄に取り組んできた理由が一つあります。それは、さき大戦で二十万余の人が亡くなって、一番亡くなったのは沖縄の人です、十三万余です。約六万五千人の人がいわゆる沖縄県外の人ですけれども、そのうち一万一千人が北海道人であります。万の数のつく犠牲者は北海道人でありまして、今平和の恩恵を受けている者として、平和を享受している者として、この先人の思いといいますか、先人のまさに命をかけての平和に向けての努力というものを私は絶えず考えなくてはいけない。私自身、戦後生まれの政治家として、このことは絶えず頭に入れ、胸に入れてやってきたつもりです。  これからも、この平和のとうとさを考えるときに、沖縄に相当な御負担をいただいているわけでありますから、沖縄のやはり皆さん方の心というものをしっかりと踏まえて私は取り組んでいきたい、こう思っております。
  38. 福本潤一

    福本潤一君 北海道在住の長官の方から、北海道にかなり力が入っているのは当然でございましょうけれども、沖縄の方にもきちっとした長官としての対応をしていただけるというので、心強く思います。  具体的に行革会議等で、沖縄総合事務局というのが内閣府に今後位置づけられる可能性が強いという形での答弁をされておりますが、そうしますと、沖縄総合事務局の役割、位置づけ、組織の規模を含めて今後かなりの変更も考えられるのかどうかということをまず最初に行革絡みでお伺いしたいと思います。
  39. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) あす最終的な行革取りまとめが行われると思いますけれども、現段階では、沖縄につきましてはいわゆる内閣府の中に沖縄担当相、特命大臣を置くということで、とりあえずの了解をいただいております。  地元なりあるいは各界からは、何とか沖縄開発庁をそのまま残していただきたい、あるいは内閣府にそのままの姿、形で残してほしいという要請がありましたけれども、橋本総理を初め行革会議の意見、また与党等の意見の結果は内閣府に位置づけるということであります。同時に、その内閣府の中に沖縄振興の担当大臣を置くとともに、沖縄振興担当部局を設置しさらに今ある沖縄総合事務局を置くということでありまして、機能的には私は何ら変化するものでもない、今回様のレベルは維持できる、こう思っております。  特に、この沖縄総合事務局は今六省庁を一緒にしてやっておりますので、まさに行革の先端を行っている、縦割りを排除した極めて機能的な組織でありますから、私は、行革会議でもこの組織は生かすべきだという声も多々あったやに聞いておりますので、この沖縄総合事務局の機能というのはさらにレベルアップさせていかなくてはいけない、そのことが沖縄振興につながっていく、こんなふうに思っています。
  40. 福本潤一

    福本潤一君 開発庁が沖縄振興計画、また予算の一括計上、執行、三位一体で推進していかれるという形で今後も続いていかれるということになると思いますが、そのときに、基地の問題で地元に行くと、何回行ってもシュワブ基地沖の基地は反対だというときに、東京の方では、海上型がいいか据え置き型がいいかとか、埋め立ての方がいいんじゃないかというような議論になって、沖縄現地を実感している人間との温度差が強くあります。  そういう中で、沖縄に関する橋本首相の思い入れというのはかなり強いようで、首相補佐官に岡本さんを任命したり、あと特別相をつくったり、外部から見るとかなりわかりにくい組織機構が多重に置かれておるんじゃないか。そういう中で、岡本首相補佐官ももう辞任と。これは副知事が承認されなかったことも含めてですが、どこがどこの担当をして具体的に役割、機関はどうなのかとか、あと報告書等も多様になっておるようでございますので、これは内政審議室でもよろしいので、今回そういうさまざまなことを答弁してもらっていると時間がなくなりますので、私の個人的な報告でもよろしいので、各種の機関また協議機関、そういう補佐官、どこの権限がどこまで行っているかというようなものを、私の方に後日でも御報告いだだければと思います。よろしいというふうに理解させていただいて、御答弁はまた次のときにしていただこうと思います。  二十五周年式典に私も参加させていただきましたけれども、現在、橋本首相はかなり思い切った振興策を考えておられるということで、さまざまの振興策を私も一覧リストで挙げて見てみますが、その中で、特に特別の自由貿易地域制度を設けると。これは友党であります公明も沖縄に一国二制度的な思い切った経済特区を必要とするというふうな要望を官房長官に申し入れて、鋭意努力するという返答を引き出しておるわけでございます。  この中で、現在既に沖縄にはFTZ、那覇地区のFTZが進行しております。私も伺っていろいろ調査してみますと、半分の企業は撤退したり、ほとんどFTZのメリットというのは感じないまま現在まで来ているということになりますと、式典総理が「新たに特別の自由貿易地域制度を設ける」というふうに述べられておりますが、これは現行の那覇のFTZと具体的にどこがどう違うかというのを言っていただきますと、地元の方にこの新たな特別の自由貿易地域というのが具体的に今まで余り成功していない那覇FTZとこう違うんだよというのがわかりやすいと思いますので、その点を御答弁いただければと思います。
  41. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 先生御指摘のとおり、二十一日の沖縄復帰二十五周年記念式典総理式辞は、「新たに特別の自由貿易地域制度を設けることとし、」、「相当程度、税負担を軽減する措置を講じる」と言及されました。沖縄開発庁としましても、この総理方針を踏まえて、現行の自由貿易地域制度との違い等について具体的に今こういったことを考えていますよというところまで行ってませんけれども、特別の自由貿易地域制度の内容を詰めていきたい、しかも時間をかけずにやっていきたいと、こんなふうに思っております。  また、県からも国際都市形成に向けての一つ取りまとめも出ておりますから、それともあわせ政策展開をしていきたい、こう考えております。
  42. 福本潤一

    福本潤一君 この二十五周年の式典、盛大ではあったわけでございますけれども、東京からチャーター便二便で中央政府関係の人間が大挙行って、地元の人たちは反対運動を起こしたり、ある意味ではその式典に不参加地元党派がかなりの数に上っておったわけでございます。その理由に、この経済振興策地元としては全県FTZ並びに例えば法人税の軽減ということを具体的に要望していると。ただ、自民党・政府、与党税調の中で、一国二制度は考えられないとか、また具体的に経済振興に地元が要望しているのと違う形での返答が返ってきているということがあるようでございます。  このFTZの具体的な中身の中で、法人税軽減とか地域限定にするんではないか期待が裏切られている面があると思いますので、その点、基地を背負って戦後大変な経済状況のまま進んできたわけでございますので、思い切った法人税軽減等をやれということを開発庁長官からも働きかけるということを私としては期待したいと思いまして、そこの一点に絞ってまた答弁をお願いしたいと思います。
  43. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 十一月三日に県がまとめられたこの産業振興策においては、「全県自由貿易地域制度の導入については、二〇〇五年を目途」という一つ方向づけが出されておりますし、「当面、那覇地区の活性化や新たな地域への拡大展開」という表現も入っております。  沖縄の自立に向けて何が一番有効なのか、さらには今沖縄が一番希望しているのは雇用の問題ではないかと思っておりますから、企業が入るためにはやはり法人税等税制の思い切った措置をとらなくてはいけないという問題もあろうかと思いますので、まず速やかに、今月には政府税調、また与党税調等の議論もまとまりますし同時に予算の内示もあるわけでありますから、それに向けて少なくともすぐできるものはこれだというものを明確に示していきたい、こう思っております。
  44. 福本潤一

    福本潤一君 明確に示すという形で今後進んでいくわけでございましょうが、法人税軽減等も含めた思い切った経済特区化ということがなければ、従来の那覇のFTZ失敗例のような形に終わる可能性までありますので、ぜひとも強力な推進を図っていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  現在、沖縄の振興策、さまざまな形で出ておりまけれども、沖縄経済振興二十一世紀プランというのと、第三次沖縄振興開発計画という振興策に関する二つの計画、この関係を整理してお話しいただければと思いますので、開発庁長官、よろしくお願いします。
  45. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) この沖縄経済振興二十一世紀プランにつきましては、これもまた二十一日の式典での総理式辞でありますけれども、今後は沖縄政策協議会、これは官房長官をヘッドにして各閣僚が入ってさらに沖縄県の知事さんも入っての協議会でありますけれども、ここで検討を深めていきたい、こう思っております。  同時に、第三次振計は第三次振計で今進行中でありますから、これは厳しい財政事情ではありますけれども整々と進めていきたい、こう思っております。
  46. 福本潤一

    福本潤一君 そういう意味では、今回、地元住民の振興策としてはもう一国二制度に踏み出すぐらいの勢いでやらなければ、沖縄経済振興という形で現実には結びつかないんではなかろうかという大きな危惧の念が起こっているようでございますので、ぜひとも強力な推進をお願いしたいと思います。  あと、具体的に沖縄水資源問題というのはかなり大きな深刻な問題でございますが、北谷に海水淡水化施設をつくられました。我々も具体的に今後その稼働状態というのを見ていきたいと思いますが、それによって水資源安定度はどういうような状況で推進されていっているかというのを、具体的なお話をいただければと思います。
  47. 若林勝三

    政府委員(若林勝三君) ただいま御指摘いただきましたように、北谷に海水淡水化施設というのがございます。これは水道用水の安定的な供給を図るための水資源開発の一環ということで建設された施設でございまして、本年の三月に完成いたしたところでございます。この施設の供給能力といいますのは、一日四万トンの水を供給できるという能力を持った施設でございます。  これが、完成から十一月末までの八カ月間、どういうふうに活用されたかということで見ますと、一日当たりの供給量は平均一万トンということになって、かなり余裕のある形で運営されております。これにつきましては、もともと海水を淡水にするわけでございますので、相当水をつくるコストが高いということは想像にかたくないわけで、現実にも高いわけでございます。  したがいまして、河川水等の他の水源をまず利用するということとして考えられておるわけでございまして、ことしは幸いにして降雨の状況が非常によかったということから、この淡水化施設の稼働率が四分の一にとどまっているわけでございますけれども、そういう意味で、水確保ということでまさかのときのための手段とそれを確保するということで、この施設を設置し運営しているところでございます。
  48. 福本潤一

    福本潤一君 若干のコスト高はあるといえ、日一万トンという、毎秒〇・一トンぐらいに近い量が生まれて、水資源安定に役立っている。沖縄は特に、地下に浸透した水が硬水でカルシウム等の含まれた水が多いようでございますので、こういう淡水化というのが非常に有効な地域というふうに認識しておりますので、今後とももっとこの淡水化を強力に推進していただければと思います。  普天間飛行場の方の話を若干先ほども出しましたけれども、東京で浮上式がいい、据え置き型がいいというような議論とは違う形で地元は議論が進んでいる。その中で、具体的に反対が多い結論になったときに、これは地元としてはなかなか受け入れがたいという中で、政府も、反対でないような形の働きかけを地元の自衛隊員を使ってやったり、あと一国二制度、FTZの特区化地域に名護地域を入れるとか誘導策をかなりしておるようでございますが、反対が多数となったときに政府としてはどういうふうにこれに対応していくのか、お答えいただきたいと思います。
  49. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 十二月二十一日に予定をされております住民投票、これは地方自治の立場からやられるわけで、私どもが直接とやかく申し上げる立場にはございませんが、とにかく私どもの基本的な立場は、地元の頭越しには話を進めないということでございますので、そのため地元方々の御理解、御協力を得べく最大限の努力をしたいということが現在の立場でございます。  その結果によってはどうかというお話でございますが、今、私どもはできるだけ皆様方にお認めいただきたいというのが精いっぱいのところではないかと思っております。
  50. 福本潤一

    福本潤一君 その中で、自衛隊の人たちにそういう選挙に対する運動要請等を具体的に行っているということを考えますと、地元沖縄県民の感情から見ると、そういう形の運動というのはかなり大きなしこりを残すのではなかろうかと思われますので、そういう対応の方向性を今後変えることも含めて検討していただければと思います。  では、時間がないので、あと最後に、伊江島の方に代替ヘリポートを移設する案が浮上と日経新聞の十二月一日に出たり、選挙を迎えての、住民投票を迎えてのこういう対案かなと思いますけれども、これは具体的にどこでこういう形の検討をされているのか、またそういう形での伊江島移設というのがぽんと出て、単なる選挙に対する対応策ではなくて、具体的にもう政府は反対が強いというのを踏まえた上で検討していっているのか、そこらの点を具体的に伺いたいと思います。
  51. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 現在決まっておりますのは、SACO最終報告で、沖縄本島の東海岸沖で撤去可能な海上施設ということしか決まっておりません。それで、私どもは十一月の五日に、キャンプ・シュワブ沖が建設適地だということで基本案を地元方々に提示しておるということでございまして、名護市の移設が困難なときには伊江島補助飛行場であるというような検討対象としたことはございません。
  52. 福本潤一

    福本潤一君 ということは、この十二月一日付の新聞報道は誤りであるというふうに考えてよろしいですか。
  53. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) そのとおりでございます。
  54. 福本潤一

    福本潤一君 じゃ、ミスリードということで、これは新聞報道の誤りというふうに確認させていただきます。  今回、基地の新しい移設に関しましては、私何度行きましても地元住民の反対が圧倒的に多い。さまざまな手で、賛成反対じゃなくて、条件つきの賛成反対をまたつくったりしていろいろな形で推進しているようでございます。沖縄は、基本的には基地の県内移動というのを望んでいるのではなくて、基地の撤廃を求めているところがありますので、その点を踏まえた上での推進方を今後依頼したいというふうに最後に言わせていただいた上で、私の質疑を終わりたいと思います。  以上です。
  55. 萱野茂

    ○萱野茂君 北方領土問題の質問をするときにどうしても忘れて通れない、避けて通れないのが北方領土の島々のアイヌの地名のことであります。  以前、私、委員会質問したときに、択捉島のアイヌの地名が三百十七ありますよ、そうして見ると北方領土それぞれはアイヌの国であったことは間違いないと。今ロシアという強い国と日本という強い国が、持ち主であったアイヌの頭越しに、おれのだおれのだと引っ張り合いしているように聞こえるわけであります。今、福本委員も本当はアイヌの国であったのではということを島で聞いたというお話がありましたが、私も去年六月に行って、その話は島の人から直接聞いております。  それはさておき、橋本内閣が発足してから最も高い評価を得ているものに、対ロシア外交があると言われています。ユーラシア外交を掲げる内閣の意欲、課題はたくさんありますが、私もそれなりに評価をしたいと思っております。  そこで、十一月の首脳会談、その後の外相会談を含めて、この一連の動きについて端的に伺っておきたいと思います。  会談は、日ロ平和条約締結に向けて初めて期限が明示され、その行程に向けての行動計画案がロシア側から提案されたと言われております。事実、そうであるとしますと、平和条約締結への筋書き自体は東京宣言から見て大きく前進したものと思います。  この場合、会談自体平和条約締結の時期を二〇〇〇年と明示したものであったのか、また会談合意といいましょうか共通の認識といいましょうか、この中には北方領土問題の解決を含む平和条約締結であったのかどうかということが一つです。  もう一つ政府がこれまで日ソ、日ロの問題解決の原則としてきた領土返還が、平和条約締結の前提という道筋が貫かれていたのかどうか。またエリツィン大統領は、この日本側の原則にどれほどの理解を示しておられたのか、その辺をお伺いしておきたいと思います。
  56. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) クラスノヤルスクで行われました日ロ首脳会談では、東京宣言に基づき二〇〇〇年までに平和条約締結することに全力努力する合意がされたわけでございます。言うまでもありませんが、東京宣言には、領土問題を解決することにより平和条約を早期に締結するという交渉を継続することが明記されておるわけでございますので、この領土問題の解決なくして平和条約締結に至らないという結論になるものだろうと考えております。
  57. 萱野茂

    ○萱野茂君 次に、日ロ両国領土問題の解決の基軸を法と正義に基づいて図っていく、この場合の法とは国際法なのだと思いますが、この国際的なルールの尊重は我が国の問題でもあります。  したがって、領土問題の解決の前提として、我が国においても今後関係国内法の整備を意識した対応が必要ではないかと思っております。例えば、行政組織の問題、財産権の問題などさまざまであろうかと思いますが、二つの問題だけを指摘しておきたいと思います。  地方自治体の行政区域は地方自治法五条の定めによりますが、これによりまして、北海道支庁設置条例がございます。これは昭和二十三年に定められたもので、この別表の中で根室支庁管内の区域が定められております。北方領土日本の行政区域とするものでありますが、この別表には現在も北方四島に加えて、北方領土以東の千島列島の各部、すなわち得撫郡、新知郡、占守郡の三郡が明記されております。  御承知のように、この北方四島以東の千島列島は残念ながら一九五一年のサンフランシスコ条約において放棄したのがこれまでの政府の統一見解で明確であります。このような国際法にそぐわない領土の範囲なり行政区のあり方は、日ロ関係信頼関係にとって好ましいことではないのではないでしょうか。事実関係を精査し、速やかに是正することが国際法を遵守すべき日本の立場と思いますが、自治省、いかがでしょうか。この辺を伺っておきたいと思います。
  58. 伊藤祐一郎

    説明員伊藤祐一郎君) ただいま御指摘ございました北海道の支庁設置条例でございますが、地方自治法第百五十五条第一項の規定に基づきまして今御指摘ございましたように昭和二十三年に制定されておりまして、北海道支庁の位置でありますとか、名称及び所管区域が定められております。  御指摘のとおり、北海道の支庁設置条例中、この支庁の一つであります根室支庁の所管区域の中に北方四島以東の得撫郡、新知郡、占守郡が含められておりますが、同区域は御案内のように北海道の支庁設置条例附則におきまして、当分の間これを適用しないとされているところでありまして、現在は同条例の適用外とされているところであります。  この条例の改正につきましては北海道庁におきましても認識ございまして、北海道におきましては、今後、支庁制度全体のあり方について検討していく予定でありますが、御指摘の点もその中で検討していくと聞いております。  自治省といたしましても、北海道から御相談がありますれば、事情をよく聞いた上で適切な対処をしてまいりたいと考えております。
  59. 萱野茂

    ○萱野茂君 次に、日ロ両国は二〇〇〇年には平和条約締結ということでありますから、行政組織についても北方領土返還を至近距離において見直すことが必要ではないかと思っております。  申し上げましたように、北方領土北海道の行政区にありまして、そしてこの北海道に直接かかわる政府の行政組織として北海道開発庁がございます。ところが、北海道開発法なり北海道開発庁設置法においても、北方領土と行政組織の関係はどうも明確ではありません。開発庁の第五期北海道開発計画では「北方領土については、国土の一環として開発整備すべきものであることから、」、この段階において、「本計画に所要の訂正を行い、」としてあります。また、平成三年度からは北海道開発計画の一環として北方領土調査を行っているとしています。  政府北方領土についての主権を主張するのであれば、本来北海道開発庁北方領土に関する法的地位ないしは行政組織の役割を明確にすべきものと思っております。  本日は北方領土を選挙区としております鈴木大臣がお見えでありますので、領土返還がなされた場合の北海道開発庁の役割について、大臣からお答えがあればと思ってお伺いします。
  60. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 北方領土返還後の北海道開発庁の役割ということでありますけれども、二〇〇一年からは今回の行革会議で決まった新しい省庁再編によってのスタートになりまして、この際、私は沖縄及び北方担当大臣が一義的にはこの北方領土の方は担うと思うんです。  ただ、北方四島のあの自然状況からいきましても、今ある開発局が残りますから、この北海道開発局のノウハウを生かすことがまた四島のためになると思っておりますので、そういった意味では領土返還がなされれば逆にこの北海道開発局、国土交通省のもとにできるこの内局が大きな役割を果たしていくのではないか、こう私は思っております。
  61. 萱野茂

    ○萱野茂君 大臣には直接目の前の島でありますので、ぜひ在任中に返還できますように頑張ってほしいと思います。  次に、日米共同訓練に伴います住民への被害対応について、防衛庁、防衛施設庁に伺っておきたいと思います。  航空自衛隊は、去る十一月三日から十四日の間、航空総隊総合演習と言うのだそうですが、それぞれの空域における日米の共同訓練を行いました。訓練空域は三沢、秋田、小松の各沖でした。主要基地は千歳、三沢、横田、嘉手納、岩国の五つの基地であったと聞いております。参加戦闘機は実数で百十機ほどとも伺っております。米空軍からは第五空母航空団、空中給油航空団などが参加し、これまでの共同訓練とは比較にならないほどかなり大きいものであったかと想定されるわけであります。  問題は、この訓練期間中、十一月四日と十二日の二日の間でありますが、北海道の日高管内、ここは私が住まいしている地域でありますが、この管内の軽種馬牧場で戦闘機が発しました衝撃音に驚いた飼育中の軽種馬が暴走し、多数の被害を出しました。被害の範囲は日高管内五つの町の広い範囲で、被害頭数は三十八頭ほど、この中には既に流産したものが二頭、廃用処分したものが一頭ありまして、実際の被害は四十頭を超えるものであると聞いております。  この訓練については、事前に北海道庁が事故の未然防止について北部航空方面隊など各機関に要請をしてあったにもかかわらず、この事故でありました。原因は空路に当たる千歳−襟裳岬の第三十六警戒群が役割を担っていたからでして、この訓練に参加した日米いずれかの戦闘機によるもので、民間機でもなく、ましてや第三国の戦闘機の侵入によるものでないことは言うまでもありません。  防衛庁では早期に原因を把握し、防衛施設庁は被害の全貌を把握し、補償などに誠実に対応することが国民の信頼と理解によって成り立つ日米安全保障条約によって欠かせないことと思いますが、その対応を伺っておきたいと思います。
  62. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 今お話しございましたように、十一月四日及び十二日、浦河町、三石町において、航空機による衝撃音に驚いた軽種馬が暴走して牧さく等に接触して負傷したという連絡が北海道庁から札幌防衛施設局に対してございました。  先生おっしゃいましたように、被害発生当時、三沢沖訓練空域等において日米共同訓練が実施されておりましたので、私どもの方から航空自衛隊及び米軍に直ちに照会を行いました。航空自衛隊からは、自衛隊機に関しては被害が発生した時間帯の位置、飛行状況から今回発生した被害の原因である可能性は低い、こういう回答を受けておりますが、米側からはいまだ回答を受け取っておりませんので、繰り返し回答が得られるよう努力しておるところでございます。  先生おっしゃいましたように、日米共同訓練の期間中に軽種馬に被害が発生したということは、これは問題があるのは当然でございます。被害が米軍機によるものであるということが確認されました場合には、地位協定第十八条第五項、それから民事特別法の規定によりまして適切に補償を行ってまいる所存でございます。  なお、現在までのところ、私どもの出先が確認しております被害状況は、申し出がありましたのが三十二頭、そのうち軽種馬二十四頭がけが、三頭が流産、二頭が歩行障害、被害が認められなかったのが三頭、今のところそのような確認が行われている現状でございます。
  63. 萱野茂

    ○萱野茂君 いずれにしても、軽種馬農家というのは今決して楽ではありません。大事に大事に育てて、目の前にお金になろうかというもの、それから今商談成立させるべく進行中とかいろいろそうした中でのこういう事故というのは、まさに農家にとっては死活問題であろうかと思います。  そういう意味で、今お伺いしたところによれば、せめてそういう農家に対しての補償とかそういうこと、何とかなりそうにも聞こえたんですけれども、その辺ひとつ確認して、補償する用意があるのかないのかをお伺いしておきたいと思います。
  64. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 先ほど申しましたように、被害が米軍機によるということが確認されますれば、当然のことながら協定、法律に基づいて私どもの方で補償をいたします。ただ、その確認がいつどのように行われるかということが問題でございまして、現在米側にも確認を求めておるというところでございます。
  65. 萱野茂

    ○萱野茂君 軽種馬というのは本当に神経が細かいというか、小さな音、少しの動き、人が違う帽子をかぶって違うジャンパーを着てきただけでも走るとか、いろいろなそういうことがある中で、この衝撃波といいますか、衝撃音というのは大変なことだと思います。ぜひひとつ補償の面で、地元でもありますが、地元云々ではなくて、本当に大事なことですので、よろしくお願いしておきたいと思います。  次に、一言防衛庁の方へ申し入れしておきます。  十二月二十一日の普天間基地移設に伴います名護市の市民投票についてでありますが、賛成票をふやすための行為を防衛庁が自衛官に呼びかけることが報道されております。もし仮にこの報道が本当であるとするならば、自衛隊員が第三者である市民に対してそのような行為を行った場合、それは明らかに政治活動であり自衛隊法違反であるばかりか、文民統制の根幹にかかわるものであると思われます。そして何よりも、このようなことはこれまで政治活動に関与せずとして教育を受けてきた自衛隊員の諸君が最も困惑することになりはしないだろうか。自衛隊と市民の信頼関係を大きく損なうことになってはいけませんので、この辺を一言申し添えておきたいと思います。先ほど、福本委員からもこの点の申し入れがありましたが、ぜひその辺、誤りのないような御配慮をお願いしておきたい。そして、私の質問を終わります。
  66. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 今回、防衛庁長官から出されました文書は、沖縄出身の隊員に対して、関係方面で現在考えておる海上施設の基本案についてもし不明な点があれば、よく説明をして理解してもらえ、こういう趣旨でございます。自衛隊員の中には、自衛官のほかに私どもの施設庁の職員もいるわけですが、四百五十名ほどの那覇施設局でありますが、そこの諸君の仕事というのはまさにこのことを地元の方に理解してもらうというのが仕事なものでございますので、そういう意味で私どもそれなりの理解を求める努力はさせていただいているということでございまして、政治活動に関与するというつもりは毛頭ございません。
  67. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 外務大臣最初に一言要望的な質問をしたいと思います。  これはNHKが発行した「これがソ連の対日外交だ」という大分前に出た本ですけれども、この中に、戦後の日ソ間で最大の懸案事項となる北方領土問題はどこから始まったかという記述があります。  それによると、一九四三年、昭和十八年十月五日、ホワイトハウスでルーズベルトがソ連の対日参戦を促す条件として、この文書によれば、「千島列島はロシアに引き渡されるべきである。」、こういう決定を下したということであります。これはもう随分早くから学者の間の研究対象で、例えば「広島法学」という雑誌で、五百旗頭教授がこの問題は書いている。要するにアメリカの公開文書でそういう文書が明らかになったということであります。  私も数年前、条約課とこの文書を持っているかいないか、相当の期間いろいろやりとりをやったことがありますけれども、改めて私は大臣に、これはやはり日本の外交史上非常に重要な文書です。恐らく現在まだ外務省は入手していないだろうと思いますけれども、改めて入手しておいていただきたいというのを冒頭一言、北方領土ということが今問題になっているときですので、要望的に述べておきたい。
  68. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 御指摘の米側の資料は米国政府内部の資料であることは考えられておりますが、その文書につきまして今直ちに入手するというようなことは考えておりません。
  69. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 外交姿勢としてわかりました。ここでその点について論議はしません。  では、本題に入ります。  沖縄県は、二〇一五年までに基地のない沖縄実現し、平和的な沖縄の振興を図ろうという方向を示し続けております。政府は、この二〇一五年までに基地のない沖縄実現しようという沖縄県の目指しているところを支持されるか、これは支持するわけにいかないということなのか、外務大臣、まず端的にお答え願います。
  70. 高野紀元

    政府委員(高野紀元君) 今委員指摘沖縄県としての御計画、これについては私ども従来から承知しておりまして、これについては十分慎重に検討しているわけでございますけれども、私どもといたしましては、昨年の十二月の末に日米の両国政府決定いたしましたSACO、いわゆる特別行動委員会最終報告、これを現在着実に実施することが最も現実的な方向というふうに考えている次第でございます。
  71. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 僕の質問は極めて単純ですからね。二〇一五年までに基地のない沖縄を目指す、これが支持できるかできないか、それに答えてください。
  72. 高野紀元

    政府委員(高野紀元君) 繰り返しで恐縮でございますが、私どもといたしましてはそのような沖縄県としての御計画、御要望は十分承知しておりますが、現在の政府の立場といたしましては、昨年暮れに合意を見ましたSACOの最終報告をできるだけ早く計画どおりに実施するということが最も重要だというふうに考えている次第でございます。
  73. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 日本語として通用しない答弁です。まあ言いにくいんでしょうね、沖縄県の県知事を先頭に県民的な要望になっているのを支持できないとは言いにくいから、そういう答弁だったとしか言いようがありません。  さて、それでは今問題になっている普天間の移転問題ですね、海上ヘリポート。これは二〇一五年までに基地のない沖縄という沖縄県の目指すものとの関係では、それ以内を期間としての計画なのか、それまでには解決しそうにない計画と見るべきなのか、これも私は外務大臣にお答え願いたいんですね。
  74. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 現在、私どもが基本案で御提案しております東海岸における海上施設は撤去可能ということを大前提にしてございます。
  75. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 あなたもわけのわからぬ日本語を言うんだね。撤去可能だなんということは答えてもらわなくたってあなたの出しているパンフレットにちゃんと書いてある。その撤去の時期がいっか、これが沖縄県民の大問題なんですよ。それ答えられないんですか。必要なくなった場合の撤去、沖縄県は県知事を先頭に二〇一五年に必要ない状態にしようと言っている。どうですか、もう一度答えてください。
  76. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 私どもの立場としては、必要がなくなれば撤去するというところでしかお答えできません。御了解ください。
  77. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 それで沖縄県民に通じますか、そんな答弁で。  外務大臣、こういう態度じゃ僕まずいと思うんだね、本当のこときちっと言わなきゃ。それが支持できないならできない、こういう理由であなたらの二〇一五年までは支持できないということを堂々と言わなきゃだめだと思いますよ。どうですか、外務大臣
  78. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 大田知事さんのお考えにつきましては承知をしておるところでございます。この基地の縮小、統合、整理、これは大変大切なことだろうと考えて対処しておりますけれども、この日本を取り巻く安全保障の問題につきましての状況というものは、今定かに承知をすることはできない状況でありまして、そうした基地がなくなるような環境整備ができることのために外務省としては全力努力をしていくということだろうと思います。
  79. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 報道によると、この移転をめぐっていろいろなことが書かれている。そしてその中の一つには、六日にも北部地域の振興計画が発表されるという報道です。これどういう内容のものかということも重要ですが、その際、これは海上のヘリポート基地受け入れとの関係でそれが実行される、こういう報道があるわけですね。  私は、本当にだれかそういうふうに考えておられ、だれかがそういうことをしゃべってこういう報道があったのかどうなのか疑わざるを得ない報道なんですが、これはどうなんですか。この北部振興計画というのは海上ヘリポート受け入れとの取引なんですか。これはどなたですかな。
  80. 安達俊雄

    政府委員安達俊雄君) 北部地域の振興の対策につきましては政府で現在鋭意検討中でございますが、その内容がまだ最終的に固まっておるというわけではございません。したがって、そうした振興策の位置づけ、御質問になられました位置づけにつきましても、申しわけございませんけれども今御質問にお答えできる段階ではございません。  ただ、政府は現在、キャンプ・シュワブ沖海上ヘリポートを建設することについて地元皆様の御理解、御協力をお願いしているところでございます。その一方で地元からは、国としてこの地域の振興に少しは力をかしてくれていいじゃないか、そういう切なる要望が出ているわけでございまして、私どもとしてはこのいずれもが両立することを心から期待しておるということでございます。
  81. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 要するに、両方が別々だというのならそれはそれでいいんです。私がお伺いしたがったのは、振興策は海上基地が条件だと言っているから、そういうことがあり得るのかどうなのかということです。  それも含めて開発庁長官、お伺いしたいんですが、あなたもそれに似た発言をしたという報道があるんですが、これも私は本当なら大変な発言だと思いますけれども、お答え願います。
  82. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 私が、先週二十九日ですか、沖縄に行った際に記者懇談したときの新聞記事に基づいての今の御質問かと思うんですけれども、正確に言いますと、私はあの際の懇談ではこう言っております。  北部振興については、従来からそれぞれ町村から承っている件がありますから、これはこれできちっとやっていかなくてはいけませんと。ただ私としましては、やはり予算国民の税金を使うものでありますから、少なくとも国益、国策にかなう協力をしてくれたところには傾斜配分というのがあってもいいのではないか、こういう言い方をしております。その際、私は海上ヘリポート云々の話は一切しておりません。
  83. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 国策に協力するかしないかでその開発援助を左右する、そういうことはあっていいんですか。
  84. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 私は、少なくともとうとい国民の税金を使う場合、国益、国策に資するものはそれなりの対応をしてやるのが民主主義だ、こう思っております。
  85. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 時間がありませんからそれを突っ込んで論議する余裕ありませんけれども、沖縄への開発援助というのは国策に協力するかしないかで左右されるようなことがあってはならないんですよ。沖縄日本でただ一つ戦場になった、そして戦後もアメリカに占領された、そしてまだ日本で一番大きい基地が残っている、経済の開発もおくれた、だからこの沖縄のおくれに対する日本の責任として開発をやっているはずですよ。それを、国策に協力するところへは手厚い援助をやる、そんなことは、それは沖縄県民をばかにするのも甚だしいと思いますよ。  私は、前にここで言ったことがありますけれども、沖縄県民というのは戦争中から大変なひどい目に遭った。沖縄のあの米軍占領のときに、軍はどういう文書を出しているか。沖縄を米軍が占領したことは思うつぼだと、こういうことを文書で残していますよ。昔から勝手なことを言い続けて犠牲にしてきて、そして今そのために経済発展がおくれた地域に、国策に協力するかしないかで左右する、そういうことは絶対あっちゃなりません。  もう一つ、「基地交付金を上積みへ」、「名護市に毎年二十−三十億円」、こういう記事もある。私はこんなばかなことがあるはずないと思うけれども、どういうわけで出たか知りませんけれども、これ事実、名護に二十億、三十億の基地交付金を出すんですか。これはどなたにお答え願えますか。
  86. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 先生、ちょっとこの新聞記事の関係で、私が国策に協力してくれたとかあるいは国益にかなうものというのは、たまたま私の選挙区の別海の例を出して前段説明しているんですよ。どうも新聞記事はスポットで取り上げるものですから、前後の細かいやりとりがないものですから、何かしら沖縄の部分に焦点を当てて私が言っているんでないかととられがちでありますけれども、このときはもうたくさんの記者さんがおりますし役所の人たちも一緒に立ち会っておりますから、ぜひともこれ先生、トータルで御判断をいただきたいということを私はお願いしておきたい。スポットでとらえてしまったら、間違った判断になります。  沖縄が、今までもこの日本の平和のために大変大きな役割を果たしてきました。同時に、二十七年間アメリカの施政権下にあったということで、一次、二次、今三次と振計をやっておりまして、少なくともほかの地域に比べたならば、補助率も高く、あるいは予算も傾斜配分をやっていることは事実であります。この点も私はぜひとも評価をしていただきたいしまた御理解もいただきたい、こう思っております。
  87. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 今の交付金の関係でございますが、いわゆる基地交付金というのは自治省が出されておりますのでちょっと私どもわかりませんが、私ども防衛施設庁でも基地周辺対策のための別途の交付金を出しております。自治省の方は固定資産税見合いということで、私どもの方の交付金はいわゆる基地の運用態様ということを対象とした交付金であります。  どれぐらいふえるかということは、まだ新しくつくられる海上施設の内容が固まっておりませんので計算のしようがないわけでございますけれども、抽象的な話で申しわけありませんが、もしその海上施設が名護市の沖合に実現するとしますれば、自治省の交付金も私どもの交付金もかなりな額増加するであろうということは間違いないところでございます。
  88. 吉岡吉典

    ○吉岡吉典君 時間ですから最後ですが、今、宜野湾市が受け取っているのは、普天間とキャンプ端慶覧とで五億一千万円だそうですよ。そのうちの普天間の一部が移転して、その結果、今度は二十億、三十億になるという、そんなばかな話はないと思うんですよ。  私は、こういう宣伝がどこかから無責任に行われて、その結果、何か基地を受け入れればもう天国のような状況になるみたいな宣伝をやって、そしてそれを断ったらそういうものがもらえないようなマスコミ操作をやって基地を受け入れさせようというのは、戦争中に、沖縄県民に、米軍の占領、上陸は思うつぼだという宣伝をやったことと同じことを今また繰り返そうとしていると思いますよ。そういう虚偽の宣伝は一切やめて、県民の意思を問う、そういう態度をとってもらいたいということを要望しまして、時間が来ましたから質問を終わります。
  89. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 先ほど来、普天間基地の移設の問題、そして海上航空基地の問題で質問も繰り返されておりますけれども、私も、重複するかもしれませんが、この問題について取り上げて質問したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  小渕外務大臣、それから鈴木沖縄開発庁長官、非常に沖縄に対する今まで、今日まで思いがあって沖縄に全面的に協力していただいているというふうなことについては私も理解しているつもりでありますので、よろしくこれからも沖縄振興のために頑張っていただきたいということを要望しておきたいと思います。  それで、普天間飛行場にかわる海上航空基地、ヘリポート建設の是非を問う沖縄県名護市の市民投票に向けて、防衛庁が、沖縄出身の自衛官や同庁の職員約三千人に対し、賛成票をふやすのに協力を求めていると。久間章生長官名の文書を送る準備をしているということが十一月二十七日に報道されていることがわかったわけです。また、それとは別に、沖縄出身隊員のいる部隊長あてに統幕議長名の協力要請文を出したということも報じられております。  事実は報道のとおりであるのかどうか、それを確認しておきたいと思います。
  90. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 先ほども申し上げましたが、沖縄におきます問題、政府は当然のことながら、防衛庁、防衛施設庁においても最大の業務でございます。  私どものところの那覇防衛施設局四百五十名は、この沖縄問題は当然のことながら、現在、名護の海上施設のことで奔走をしておる状況でございます。  先般、防衛施設庁長官名で、沖縄出身隊員、その隊員の中には自衛官もおりますれば私どものところの職員もおるわけですが、二十六日以降、各組織を通じて大臣の書簡が発されたところでございます。  その中身というのは、特に賛成投票をさせろとかそういうことではありませんで、私ども施設庁の職員も、この例のパンフレットとか基本案というのを持って皆さんのところへ説明に走り回っておるんです。要するに、施設庁職員四百五十名ではとても足りませんものですから、そのほかの自衛官の中でも、沖縄にいる人あるいは沖縄出身者で地元に知り合いがいる人がいたら、現在何をやろうとしているのか、防衛庁、政府は何を考えているのか、そういうことをよく宣伝をしてくれといいますか理解をさせるようにしてもらいたい、こういう趣旨でございまして、現にこのことの作業は私どものところの那覇施設局が毎日のようにやっている作業であります。
  91. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 名護市民の賛成、反対という立場で、今、名護市民を巻き込んで、ヘリポートの問題は全県下にまたがった大きな問題であります。という立場からすると、これは沖縄県民のいわゆる政治的なものが非常に濃厚に出てきているということになりますから、当然のこととして、これは自衛隊法の第八条、そして憲法の十五条二項、そういうもろもろの法律に違反し、これは不適切な問題ではないかというふうに私は考えております。  一々条文を読み上げる暇はありませんけれども、上官の命令に従うというふうなことになってくると、結果的には、皆さん方としてはそういう問題が起きているから協力してくれというふうなことであるかもしれないけれども、この時期にあえて三千名の自衛隊員あるいは関係職員にやるということは、やはりそれは自衛隊法の第六十一条とかそういったふうなものに触れる可能性がありますから、それは厳に慎んでいただきたい、これは要請をしておきたいと思います。  その辺について、適法であるというふうな形で処理しようとしているのか、今多くの方々がこの問題についてやはりおかしいのではないかというふうな意見があるわけですから、それは皆さん方としてどういうふうに思っていらっしゃいますか。
  92. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 法律の各条項に照らしてということでは直ちにお答えできませんけれども、先ほど申し上げましたように、那覇における海上施設の建設、これはまさに防衛庁の一組織である私どもの施設庁、それから那覇防衛施設局、ここの本来の公務でございますので、現地において住民の方々に知識、広報活動をやることは、私どもの本来の仕事であると思っております。  さらに、私どもだけではとても足らないわけでございますので、沖縄にいる自衛官あるいは沖縄出身の自衛官の方にも、もし知っている人がいたらよくその方々に何をつくろうとしているのかとか、その中身をよく理解させるように協力してもらいたいと、こういうことでございますので、私どもは特に法令に違反するような行為には当たらないというふうに考えております。
  93. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 県民がそう受け取っていないということは、ひとつ申し上げておきたいと思います。  最近の政府側の発言を見ると、海上基地の受け入れの引きかえに振興策を講じるというふうなものが非常に目につく。先月二十一日の政府主催復帰二十五周年式典での橋本総理式辞の中でも、殊さらに思わせぶりな北部地域の振興に言及をされております。また、鈴木沖縄開発庁長官が去る十一月二十九日の名護市の活性化促進市民の会の集会に出席されて、「国益にかなうことで何がしかの負担をしてもらったところに、十分な配慮をしたい」というような振興策実現を約束されておる。  先ほどお話がありましたけれども、こういったふうなことによって市民等を惑わすような結果になりつつある、そういったことについて、これは事実であれば非常に残念と言わざるを得ない。沖縄の振興開発の重要性を、しょうとしておられる方でありますから、やっぱり公正、公平でなければならないと思います。  そういうふうな観点からすると、わざわざ名護市まで行かれて国益であれば予算配分するなんというような発言は、とんでもない話じゃないかというふうに思っております。もう一度何らかの形で、これはまずい発言じゃないかと私は思っておりますので、ひとつその辺の御見解を承りたいと思います。
  94. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 今、島袋先生お話のありました二十九日の会合、これは名護市の促進市民の会に私が呼ばれまして言った話でありまして、確かに私は、「国益にかなうことで何がしかの負担をしてもらったところに、十分な配慮をしたい」、こう申し上げました。私は、これはまさに公平の原則だ、こう思っているんです。それは私自身、県道一〇四号越えの実射訓練を私の選挙区の矢臼別に持ってきました。あそこも酪農地帯で、やはり酪農家の皆さん方は相当に懸念しました。しかし、そういった酪農対策もちゃんとやりますよという裏づけの中でこれまた認めてもらったことも事実なのであります。  しからば私は、名護の皆さん方は、特にこの活性化促進市民の会の皆さん方条件つき賛成で動いておられる方でありますから、やはり国策、国益に沿うことに協力してくれた人たちあるいはその地区に対してはそれなりの責任を持って対応する、これは当然の義務だ、こんなふうに思っているんです。  そういった意味では、ぜひとも先生にも、少なくとも私自身公平な判断に立って物は言っているつもりでありますから、御理解をいただきたい、こう思っております。
  95. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 沖縄の振興開発は、沖縄振興開発特別措置法と閣議決定された沖縄振興開発計画に基づいて行われる政府の当然の責務であるわけであります。その当然の責務の遂行に当たって、殊さらに基地問題と絡めるやり方は極めて邪道と言わなければならない。今後そのようなことがないようにしていただきたい。  また、沖縄の米軍基地の整理、縮小も、その過重な負担を押しつけている現状を改善すべき責務を有する政府のしばしば公約しているところであるわけであります。しかし、沖縄の米軍基地の整理、縮小は、過去幾度か日米間で合意がなされておりまRけれども、遅々として進展しない。やはり一九七四年、一九七五年の日米合同委員会においても、返還合意施設の未返還を初め、今回のSACOの最終報告による合意事項の実現も極めて厳しいと言わなければならないというふうに思っております。なぜ日米間の返還合意がいつも空手形で終わってしまうのか、政府は厳しく反省すべきであると私は考えております。  沖縄県内の移設を前提とした返還合意であり、負の条件づきの返還合意だからでありまして、狭小の沖縄県土のどこに移設の適地があると言えるのか、沖縄の米軍基地は過密だからどこかへ持っていってくれというのが沖縄県民の偽らざる気持ちであるわけでありまして、さき県民投票においても基地の整理、縮小に賛成された方が圧倒的に多かったわけであります。  県内移設をしない、米軍基地を縮小する方法というのは一つしかないのである。それは、在沖米軍の兵力を、要するに米軍基地を縮小するということはやはり米軍の兵力を削減する、それ以外にはないわけであります。同じような兵力の維持のもとで県内移設を条件としても、県民受け入れものはあり得ないわけです。  ですから、今後折衝する場合には、やはり兵力の削減、それなくして沖縄の現状打開というのはあり得ない。その点について、政府としてはこれからどう取り組むのか、お聞かせ願いたいと思います。
  96. 高野紀元

    政府委員(高野紀元君) 私どもといたしましても、沖縄における在日米軍の施設・区域が極めて過大な御負担を沖縄県民皆様方に与えているという認識のもとに、その整理、統合、縮小ということについては全力を挙げて進めなきゃならないという決意でございまして、その意味で、先ほど来申し上げましたSACOの最終報告を着実に実施していきたいという考え方でございます。  他方、先般、日米間で合意を見ました日米安保共同宣言で確認してございますとおり、引き続き不安定要因が存在する国際社会の中で在日米軍の重要な役割があるわけでございます。そういう中で、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与しているという認識でございまして、現時点においてその削減や撤退を求めるということは考えていないということでございます。  他方、国際的な安全保障情勢において起こり得る変化に対応して、両国の必要性が最もよく満たされるような防衛政策並びに日本における米軍の兵力構成を含む軍事情勢について米政府と緊密かつ積極的に協議していくという考えは従来から有しているわけでございます。
  97. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 時間ですから、終わります。
  98. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 それでは、先に沖縄開発庁長官にお伺いをいたします。  私は、今後の沖縄の振興策をどのように樹立をし推進するのか、まず長官の決意をお伺いしたいのでありますが、特にこの振興策の中でもFTZ、フリーゾーンのことについて特定をしてお伺いをいたします。  去る十一月七日に、沖縄県が国際都市形成に向けた新たな産業振興策を政府に提出いたしました。その中で、フリーゾーンに触れた部分は、「全県自由貿易地域制度の導入については、二〇〇五年を目途とし、諸条件が整い次第、可及的速やかに実施する。」と、こういうふうに触れてございます。  長官は、まず県が策定をした国際都市形成に向けた新たな産業振興策について、どのように受けとめておられますか。
  99. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 十一月七日に県の方からこの国際都市形成に向けた新たな産業振興策がまとめられまして、沖縄政策協議会に提示をされました。この提示を受けながらも、さらには二十一日の記念式典総理みずからが、「新たに特別の自由貿易地域制度を設けることとし、」「相当程度、税負担を軽減する措置を講じる」と明確に言及されております。  沖縄開発庁としても、この県の提案さらには総理方針を踏まえて、同時にこれは関係する役所もたくさんありますから、きちっと連携をしながら成案を得ていきたい、こう考えております。
  100. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 少なくとも、沖縄開発庁長官として、県が提示をされた産業振興策、十一月七日の振興策、それは尊重して、政府政策に反映をさせていく、こういう決意はあるでしょうか。
  101. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) できる限り、可能な限り私はこたえていきたいと、こう思っております。
  102. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 十一月二十一日の復帰二十五周年式典における総理式辞の中で、「新たに特別の自由貿易地域制度を設ける」と、こう言っております。なかなかよくわからない。正直申し上げまして、県内の反応もいまいちというかむしろ経済界を含めてがっかりした、そういう受けとめ方が多いんじゃないかと思います。私自身もよくわかりません。長官は、この新たに特別の自由貿易地域制度を設置すると、これはどういう内容というふうに受けとめていらっしゃるんでしょうか。
  103. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 私なりに考えますのは、やはり沖縄が自立するためには何がしかの制度というものを設けてやらなければいけないと。それは、一つは税制の面でもあるし、さらには観光立県としての沖縄もありますから、人が来るためにはどうしたらいいかという、これは規制緩和の問題等もありますので、ここら辺を私は意味しているのかなと。要は沖縄に雇用の機会がふえたりあるいは企業が進出してくるその環境をいかにつくれるかという、一つの大きな話をしてくれた、私はこういうふうに思っております。
  104. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 長官沖縄開発に一番大きな責任を持っておられる職務にあるわけでありますから、この総理式辞で言っている自由貿易制度、これは全県下を目標としたものですか、地域限定でしょうか。
  105. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 沖縄県の県案もとりあえずは那覇地域となっておりますから、そして二〇〇五年を目途に全県下についての検討ということでありますから、私は県の方針に沿って国も対応していくべきだ、こう考えております。
  106. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 そうすると、県案のように段階的に全県に、こういう考え方だというふうに理解していいんでしょうか。
  107. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) とりあえず県が言っているのは、二〇〇五年を目途に全県フリーゾーンということを言っておりますから、今出てきている案は那覇地域ということでありますから、私はあくまでも県の要望に沿って対応していきたいと、こう思っています。
  108. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 政府は最近、海上ヘリポートの建設と絡めて、非常に巧妙かつ露骨にヘリポートと地域振興策を絡ませる戦術に出てきております。  単刀直入にお伺いいたしますが、開発庁長官はこの海上ヘリポートの建設と北部振興策、これはリンクするものだというふうに考えておるんでしょうか。端的にお答えください。
  109. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 私は、先ほど来質問に答えていますけれども、国策、国益に沿うものにはそれなりの配慮があってしかるべきだ、こういうふうに基本的に考えております。
  110. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 長官は十一月二十九日、沖縄タイムスとのインタビューで北部振興策と関連して、「予算国民の税金を使うのであり、国策、国益に協力してくれたところに傾斜配分を考えるのが公平だと思う」、こういうふうに述べておりますが、その真意はどういうことでしょうか。
  111. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 少なくとも痛みを伴う、あるいは分かち合うと言うならば、私自身の例として、先ほども言ったんですけれども、矢臼別に県道一〇四号越えの実射訓練を移転いたしました。やはり私の地元でもいろんな意見がありましたけれども、国がきちっとした政策的な配慮をしてくれまして、地元皆さん方もわかったということで納得してもらった部分もありますから、そのことも私は頭にあったものでありますから、公平の原則として国益、国策にかなうところには傾斜配分がある、これは民主主義にのっとった公平な判断だと、私はこう思っております。
  112. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 それではお伺いいたしますが、長官は今、米軍基地の密度、本土沖縄ではどれぐらいの差があると思いますか。沖縄は何倍ぐらいの基地密度があると思いますか。
  113. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 少なくとも駐留米軍の七五%が沖縄に集中しているというのは承知をしております。同時に、基地の整理、縮小、統合を願っている沖縄皆さん方にこたえるためには、SACOの最終報告をきちっとやらなくては基地の整理、縮小、統合になりません。このSACOの最終合意が整々と実現したならば二〇%の基地の削減が図られるわけでありますから、私は沖縄皆さん方の声にこたえて物を言っている、こういう考えであります。
  114. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 現在、基地密度で言うと沖縄本土の二千二百倍なんですよ。長官がおっしゃるSACOのその合意が全部実現しても千六百四十八倍なんです。二〇%二〇%とおっしゃいますけれども、二〇%全部返還されても現在の七五%が七〇・六%に減るだけなんですよ。  しからば聞きましょう。長官、その沖縄の米軍基地の整理、縮小というのは国益ですか、国策ですか。
  115. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 少なくとも沖縄皆さん方が基地の整理、縮小、統合を願っているその声にこたえたのが私は橋本・クリントン会談での普天間の全面返還だ、こう思っているんです。ですから、私は間違いなく国益に沿った判断だ、こう思っています。
  116. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 沖縄の米軍基地の整理、縮小を図ることが国益である、そうですよね。だから、その国益を実現するために県民の最も望んでいる整理、縮小を徹底的に図っていく、実現していくことが政府としてとるべきことだと、私はこう思います。  さて、海上ヘリポートの建設は国策や国益なんでしょうか。
  117. 鈴木宗男

    国務大臣鈴木宗男君) 当面考えられる手段としては最善だという判断をして提示した、こう私は考えています。ただ、この問題は私の所管でありませんから、今のは私の見解として申し述べておきます。
  118. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 余りよくわからない。時間がありませんので進みますけれども、防衛施設庁長官にお伺いいたします。  私どもは、県道一〇四号線越えの実弾演習の本土への移転に伴う痛みの分散ということについては非常に心を痛めております。県民が望んでおったのは、県道一〇四号線越えの実弾演習の廃止であります。  そこで、お伺いいたしますが、五カ所の陸上自衛隊演習場に分散されることになりましたが、移転先の演習場ごとの演習日数、参加した米兵数、発射した砲弾の数、各演習場への往復路の輸送手段、演習に要し政府が負担した費用についてお伺いいたします。
  119. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 北富士演習場におきましては、七月三日から九日間までのうち、天候により射撃ができなかった日を除いて六日間射撃をしております。参加米兵、支援要員を含め約百三十名。矢臼別、九月十九日から二十八日までのうち十日間、参加米兵、支援要員を含め約三百八十名。王城寺原、十一月十一日から二十日までのうち二日間を除く八日間の射撃日数で、米兵数は支援要員を含め約百九十名。  発射弾数は、北富士については五百五十発と米側から通知がございますが、その後についてはまだ通知がございません。  各演習場への往路、復路の輸送は、人員は民間の航空機、車両、物資は民間の船舶、それから車両で行っております。矢臼別の場合の移転訓練におきましては、一部自衛隊機の輸送機及び車両により実施をしております。  なお、日本側の負担額でございますが、これは特別協定に基づきまして日本側が経費を負担するということになっております。まだ米側から支払い実績の精査あるいは負担額の要求が来ておりませんので、現在どれぐらいになるかというお答えができる状況にはございません。
  120. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 極めて不誠実な答弁だと私は思いますね。あらかじめ具体的な質問要旨もお上げしてあるのに、しかもマスコミ等では既に矢臼別や王城寺原の実弾発射の弾の数も報道されているわけでしょう。予算だってもう既に当初の予算をオーバーしているとマスコミで大々的に報道されているじゃないですか。どうしてそういう情報をきちんと国民に明らかにしないんですか。そういう防衛施設庁の態度というのは、とてもじゃないけれども了解できない、納得できない。  ところで、当初の負担すべき演習費用として、予算は幾ら組まれておるんですか。
  121. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 先ほど弾の数はマスコミでわかっているじゃないかというお話でありますが、私どもは発射弾数を数えておりませんので、米側から通知があるまではわかりません。  それから、移転訓練経費としては、平成九年度予算において三億七千万を予定しております。
  122. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 少なくとも国会質問が出ているんだから、聞きゃいいじゃないですか。そういう努力もしないで、米軍から通知がないからわかりませんじゃ、話になりませんよ。それで、口だけで演習場地域の皆さんの痛みだとか沖縄の人の痛みだとか言っても、そんなのは納得できるはずないじゃないですか。  ところで、十一月二十九日に発生した、ギンバル訓練場に出入りしていた米軍輸送車両による国道での大量の赤土まき散らし事件の全容と政府の対応についてお伺いします。
  123. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) 十一月二十九日、ギンバル訓練場において訓練を実施しておりました海兵隊の部隊が、訓練を終えて同訓練場からキャンプ・ハンセンに向けて帰隊する際、車両に付着した赤土の除去が不完全であったということで、ギンバル訓練場付近の路上に泥土が残ったということで地元から通報がありまして、米軍はその日の夕刻に道路の清掃作業を行ったというふうに承知しております。  私ども施設庁といたしまして、翌日の午前、私どもの事務所からキャンプ・ハンセンの管理部隊に対して泥土汚染対策を徹底してやるようにということを申し入れ、十二月一日にも那覇防衛施設局から沖縄の海兵隊司令部に同様の申し入れを行っておるところでございます。
  124. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 この事件だって単なる赤土のまき散らしじゃないんですよ。既に国民の税金で六千七百万円もかけて米軍専用の泥土の除去装置をつくった。つくったけれども、それを使わないでまき散らしているでしょう、とんでもない話ですよ。  ところで、この事件について石川署が道交法違反で捜査中と報道されておりますが、現段階の捜査状況について、警察庁。
  125. 渡邉晃

    説明員(渡邉晃君) 本件事案につきましては、現在沖縄県警察におきまして現場道路の状況を確認し、資料化するとともに、関係者からの事情聴取等を行いまして、法令違反の有無、車両の特定、そういった点も含めまして事案の解明に努めているところでございます。
  126. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 演習に参加した部隊は特定されているわけでありますから、鋭意適切な捜査を希望しておきたいと思います。  ところで、施設庁、その米軍恩納通信所跡から発見されましたPCBなどの有害物質を含む汚泥の問題、ドラム缶六百本分、これを保管するために航空自衛隊の恩納分屯地に移して保管するという方針、その過程で国道五十八号線わきの国有地に仮保管施設をつくろうということで工事を着工した。地元は猛反対であります。それから、議会も反対であります。  これはもう国道から、国道五十八号線のわきで、わずかしか離れていない。しかも、近くには老人ホームがある、創価学会の研修施設がある、こういう不特定多数の人が出入りするような場所に猛毒のPCB等の仮保管をする、地元の同意も得ない、こんなことが許されていいんですか。そういうふうにして沖縄の人だけに犠牲を強いる、あるいは沖縄の人たちの生命、身体の安全に危害が及ぶ可能性が高い、こういうことじゃ私は許されないと思いますよ。  この仮保管施設、これをやめるという考えはありませんか。
  127. 萩次郎

    政府委員萩次郎君) この恩納旧通信所跡地が米軍から返還をされまして、その後汚泥の中からPCBが発見されたということで、県とか村から早期の処置を依頼されていたものでございます。  そこで、おっしゃいましたようにこれをドラム缶に入れて、さらにそれをコンテナに入れて一時保管場所、恩納分屯基地に一時保管をするということで、その一時保管場所ができ上がるまで恩納分屯基地の別のところに仮保管をしようということでございます。  別に、国道五十八号線の沿線ではございませんで、恩納分屯基地の中の道路のわきの国有地であります。その部分について恩納村議会が心配であるということを言っておられますので、現在このPCBを既にドラム缶に詰め、コンテナに詰めてこの旧恩納通信所の跡地に置いてあるわけですが、これをそのままそこに置いておいて、航空自衛隊の基地の中に一時保管場所をつくるかどうかということで、沖縄県、恩納村両方から早く撤去してくれと言われておりますので、どうすべきか今後関係者と相談をしてまいりたいと思っております。  いずれにしても、恩納通信所跡地の土中からはすべてもう撤去済みでございます。
  128. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 国有地だからそういう危険な有害物質を置いていてもいいということにはなりません。国道に面してなくてもわずかしか離れていない。しかも、さっき言ったように、老人ホームもある、創価学会の研修施設もある、地域住民も通る、いわば生活道路ですね。そんなところに仮施設をつくられたんじゃたまらないじゃありませんか。  外務大臣がお見えでございますので、大急ぎで。  ヘリポートを建設するときに、私は先に質問主意書を出して回答を得たんですが、恐らく一案二案あって、どちらかの案での海上施設であっても現在の制限水域の用途などに変更が生ずるのではないか、私はこう思います。  それで、質問主意書の政府の回答によると、変更が必要となった場合には新たな日米両政府合意が必要だと、こう言っておりますが、その合意形成を進める機関、作業、これはどういうふうになされるのか、それを説明していただきたいと思います。
  129. 高野紀元

    政府委員(高野紀元君) 安保条約に基づきます地位協定第二条の規定に基づきまして米国が使用を許されておりますキャンプ・シュワブ沖の水域についての従来の日米両政府間の合意は、地位協定第二条第一項(a)に記されております「個個の施設及び区域に関する協定は、第二十五条に定める合同委員会を通じて両政府締結しなければならない。」という規定がございます。これに基づきまして合同委員会において行われたものでございます。  一般論として申し上げますと、海上ヘリポートの建設に伴い、その用途制限等に関し、右合意の内容を変更する必要がある場合には、再度合同委員会を通じて必要な手続がとられることになると考えております。
  130. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 終わります。
  131. 佐藤泰三

    理事佐藤泰三君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時三十二分散会