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逢沢委員 自由
民主党の
逢沢一郎でございます。
与えられた時間の中で
橋本総理大臣並びに関係閣僚に質問をさせていただきたいと思いますが、まずその前に、冒頭、同僚の
深谷議員からも
指摘がありましたが、きょうは残念ながら
野党三党が欠席のまま
予算委員会を
開会する、こういうことになりました。
深谷議員が一時間半にわたり真蟄な質疑をなさったわけでありますが、いまだに欠席の
状況が続いております。
そもそもこの
予算委員会は、
野党側が、
臨時国会の冒頭にぜひ開こうではないか、そう強く要求をしてきた、そういう経緯、改めて思いをいたさなくてはなりません。
そして、言うまでもないことでありますけれ
ども、
橋本総理が掲げられた六大改革の前進、あるいは今日の
景気や経済や外交問題、一刻たりとものんびりできない、また、悠長なことを言っていられない、そういう内外の環境をしっかり踏まえて、
国会が
国民の期待にこたえていかなきゃいけない、大事な
国会であるということを考えれば考えるほど、きょうのこの欠席は大変残念な思いでいっぱいであります。しかし、我が党といたしましては、正々堂々、粛々と
予算委員会での質疑を続けさせていただきたい、そう考えるところであります。
さて、まず冒頭、
橋本総理が掲げられる六大改革についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
総理がまさに命がけで取り組んでおられるこの六つの改革、私も、確かに日本の浮沈をかけた大きな改革である、そう認識をするものであります。どうしても日本の未来のためにやり抜いていかなきゃならない、私
たちもそういう強い思いを持つわけであります。
恐らく、そうですね、二〇〇五年あるいは二〇一〇年ぐらい、我々はこういう会話を交わすことになるのではないでしょうか。それは、あのとき
橋本総理を
中心に、本当に大変であったけれ
ども、大胆な改革を実現させておいて本当によかった、だから今の元気な日本、活力のある日本があるじゃないか、そう話し合っているに違いないんですね。もしあのとき、手をこまねいて、改革を先送りしたり、あるいは改革を断念したということが仮にあったとすれば、恐らく今ごろ日本は、極東のみすばらしい、ちっぽけな、あるいはだれも関心を払わない、そういう国になっていたかもしれない、恐らく我々は将来そういう会話を交わすに違いない、私にはそう思えてならないわけであります。
私は、今回の六つの改革に対応するに当たって、一つの大きな夢を持っております。
それはどういう夢かと申しますと、二十一世紀には日本が一つの国家経営のモデルを世界の国々に示す、示せる、そういう国になるという大きな夢なんですね。簡素で効率がいい、そして、よく働く政府、また、
国民の側から政府の仕事がよく見える、透明度が高い、したがって評価のシステムが確立をしている。そういう意味合いで、世界の人々や国々から評価をされる、注目をされる、そういう国になりたい、あるいはそういう国に必ずなれる、私はそう申し上げておきたいというふうに思います。
ここまで、六つの改革というのは、私なりに評価をさせていただければ、かなりいいペースで、またいいリズムでやってくることができたんじゃないか、そう思います。金融システムの改革でありますとか、あるいは規制緩和を通じた経済の構造改革、かなり成果を上げてきたというのも事実でありますが、しかし、やはり改革全体をにらむとすれば、これからが正念場ということは改めてお互いが認識を持ちたい、そんなふうに思います。
改革を通じて新しい日本、元気な日本をつくってほしい、そういう強い思いを
国民の方々は持っておられる。その
国民の方々の強い思いが、
橋本総理への強い期待、あるいは高い期待、そのことに結びついているわけであります。
先ほど、最後に
深谷議員がおっしゃられた、どうぞひとつ、
橋本総理におかれましては、引き続き力強いリーダーシップを発揮をしていただくように、心からお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
さてしかし、いろいろこの改革の
議論が進んでまいりますと、
国民の間にいささかの不安やある種の不満があるというのもまた事実だろうと思うんですね。それは、その改革後の世界がどうなるかという不安、あるいは、改革というのはもちろん現状の変更を伴うわけでありますから、ある種の不満というものも出てこざるを得ない、もともとそういうものなんだろうと思うんですね。そういう不安だとか不満をより大きな希望や期待や夢に変えていく、また、変えていけるかどうかが実はこの改革の成否を占う、成功するかどうかの私は一つの大きなポイントなんだろう、そんなふうに思うんです。
今回の改革は、非常に大きい、広範なだけに、
国民の一部には、まだまだ改革の後の世界がどんな姿になっているのか、必ずしも十分みずからの頭の中にイメージが描き切れない、そういう感じが、いろいろな
立場の方とお話をしていて私も感じることがあります。そこで、この改革後の世界はこういう日本の社会、日本の国になるんだよということを十二分に語っていくということがさらに求められているのではないかな、そう思うのですね。
例えば、先ほど
深谷先輩も
議論をされたわけでありますが、規制緩和という問題があります。規制緩和というのは必ずしもプラスのイメージだけで
国民は受け取っていない部分がある、それは私もよく承知をいたしておりますが、例えば移動体通信があれだけ伸びたという事実がありますね。あるいは、電話料金だって随分下がってまいりましたし、総理はお忙しいから御存じないかもしれませんが、総理の地元の倉敷にもついに地ビールが、実は規制緩和の成果の一つですね、誕生をいたしました。そういう新しいビジネスがどんどんふえて、雇用もふえているではないか、そういうプラスイメージをやはりもっと自信を持って
国民に伝えていく、そういう努力を私
たちはやっていきたいな、そんなふうに思います。
また、あれはことしの五月であったというふうに思いますが、政府は経済構造の変革と創造のための行動計画というものをまとめられたわけでありますが、そこでいただいた資料を拝見いたしますと、例の新規に成長が期待ができる十五の分野、この一覧がございます。これが失敗に終わるということがないように、所要の措置をとっていかなくてはならないわけでありますが、例えば、その十五の期待ができる成長分野の雇用でありますとか市場規模を合計いたしますと、今日では例えば雇用の総計が千六十万人なのが、二〇一〇年には千八百万人程度が見込める、あるいはトータルの市場規模も、今二百兆円ばかりであるけれ
ども、それが五百五十兆を超えるだろう、そういう一つの推計、予測もあるわけであります。こういうものも、改革というものがどういう未来をもたらすかということを
国民に正しく認識をしていただく、いいイメージを持っていただく、そういうことに大変プラスではないかな、そんなふうに私は思います。
もちろん、改革には痛みが伴うわけでありますけれ
ども、その痛みを乗り越えてとにかく頑張っていこうではないか、そういうふうに
国民の
皆様と我々が心を一つにして前進ができるかどうかは、繰り返しになって恐縮でありますけれ
ども、改革をやり遂げた後にはこのようなすばらしい日本が広がる、あるいは元気な経済社会ができるんだということをしっかりと認識をしてもらうことだろう、そんなふうに思います。
そういう意味で、
橋本総理にお伺いするわけでありますが、六大改革の成功が、あるいはその後がどんな日本になるのか、率直に語っていただきたいというふうに思います。