○北脇
委員 新進党の北脇保之でございます。
私も、
金融持ち株会社の
法案についての
質問の前に、
山一証券が
自主廃業に至った、この件について
質問をいたします。
最近の出来事に限っても、日産生命の
破綻に始まって、三洋証券、
拓銀、そして今度は
山一証券ということで、
銀行のみならず証券会社、そして保険会社も
破綻を来しているということで、今回の出来事は
国民に大変大きな衝撃をもたらしました。そして同時に、この
日本の
金融システムの不安というものが
日本発のデフレとなって、東南アジアや韓国、そしてさらには好調と言われている米国経済にも飛び火をして、世界的な不況をもたらす引き金になるのではないか、こういう大変大きな心配もされているところでございます。
そういう
意味で、今、この経済、財政の衝に当たられている
政府は、
日本国民の生活を守るというだけではなくて、世界経済の安定を維持するという
意味でも大変重大なところに来ているということを指摘せざるを得ないわけでございます。その
意味で、今回の事態、責任は大変重大である。この対処を誤らないように、幾つかの
質問をさせていただきます。
私どもは、一連の
金融改革、特に
ビッグバンのことについては、従来から賛成の立場をとっております。ただ、外為法の審議がされたときにも申し上げたことでありますが、
ビッグバンをやるためには、やはりその前提条件となることをしっかりこなしていかないと大変なことになるという警告を発してきたところでございます。
その前提条件は何かといえば、一つは情報公開。今でも不良債権がどれだけあるのだということがどうも信用できない。
政府の発表どおりじゃないんじゃないかということで、この情報公開の点についてもまだまだ不十分でございます。
それから、不良債権の処理をきちっと進めること。これについても再三申し上げてきているわけではございますが、株価や地価の下落を伴っておりますので、不良債権がまるで逃げ水のように、償却をしたと思ってもまたさらに不良債権が発生してしまう、こういう
状況でございます。
それから、三番目に私どもが指摘した点は、
金融機関が
破綻したときの
預金者、投資家の保護のためのセーフティーネットをきちっとつくるべきだ、これがないと
ビッグバンということについても不安が解消されないんだ、このような点を指摘をしてきたわけでございますが、そのいずれも十分に達成されないままに、
山一証券という四大証券の一角を占める百年の歴史を持つ名門証券が廃業のやむなきに至ったということで、これは大変な事態である、このように思います。
そこで、具体的な
質問に入りますが、先ほどの
並木議員も同僚として
質問をした点ではあるのですが、一つは飛ばし。二千六百四十八億円に上る簿外債務の大半はこの飛ばしが原因になっている、このような報道がされているわけでございますが、私は
大蔵省の検査に不備があったと言わざるを得ないというふうに思います。
先ほどの
並木議員の
質問に対する答弁では、簿外債務というものはそもそも帳簿が存在しないのだから、それを検査で発見することはできないんだというお答えでしたけれども、これはほとんど
意味をなさない答弁だと思います。
と申しますのは、平たく言えば、証券、
銀行にしたって、常に適正な、適法な運営をしているとは限らないんで、だからこそ検査というものがあるわけですから、検査を受ける側は、違法もしくは不適法なことをやっていれば、それを必死に隠そうとするわけです。そこを見つけ出して是正していくのが検査の
意味であるわけですから、帳簿がない、
提出がなかったからわからなかった、これではほとんど検査の
意味をなしていないということだと思います。
そこで、一つは、
山一が飛ばしをやっていて簿外債務を抱え込んでいるということは、数年来、
金融界では常識だったと言われているわけですね。そのことを
大蔵省は知っていたのか。
金融界でそういうふうに言われているということを知っていたのか。もし知っていて、それを徹底的に追及しなかったとすれば、これは
大蔵省の怠慢であります。もし逆にそれを知らなかったとおっしゃるのだったら、
金融界の
市場の関係者がみんな知っている、言っているということを知らないという、そのような監督当局で果たして責任が全うできるのか。情報収集能力において非常に問題があると言わざるを得ない。このことを知っていたのかどうか、知っていたとしたらどういう
対応をとったのか、このことについてお答えをいただきたいと思います。