○福留
委員 私も、長官の今の御
意見と全く同じような
意見を持っております。
アメリカのグリーンスパンFRB議長が、九七年七月、議会で証言されたそうでありますが、今の高成長下の米国
経済においてインフレが顕在化しない原因は、情報化と技術革新によるコスト削減とクイックレスポンスであること、特にコンピューターや通信機器への
投資が年率二五%のベースで伸びており、この情報、技術による生産性の向上が企業の大幅な収益増に寄与しており、この結果として、今米国
経済は百年に一回あるか二回あるかぐらいの好循環である、こういうふうに言っておるわけでございまして、確かにそのとおりだろうと思います。
そして、それに引きかえ、我が国が今
経済がある
意味で言えば失速状態になっているのは、バブルの崩壊後のその対応の中で情報通信分野への
投資が大きく立ちおくれてしまった、これが
一つの要因ではないかと私は考えているわけでございます。この情報通信分野への
投資が伸びることが、やはり
経済の
活性化につながっていくのだろうと思いますし、それが企業、さまざまな分野における効率化にもつながっていくのだろうと思います。
そういう
意味で、規制の緩和というのは大変重要なことになろうかと思いますが、その
一つの分野として、先ほど申し上げました電子商取引ということが、今盛んに話題になっているわけでございます。
電子商取引というのは、エレクトロニックコマース、つまり、さまざまな
経済活動をデジタル一情報に置きかえていく動きがあるわけであります。通常、企業と
消費者の間で言えば、私たちが買い物をするときには現金を使って、またお店に行って買い物をするわけですが、それを、最近急速に普及しておりますインターネット等を利用して買い物をする。また、企業と企業の取引においては、さまざまな契約、またいろいろな設備仕様の打ち合わせ、設計等を含めて、企業間の取引もデジタル情報ですべて行っていくというふうなことがこれから急速に広がっていくだろうと言われているわけでございます。
先ほど申し上げました
観点から、こういった電子商取引というものは、二十一世紀の社会においてなくてはならないものだろうと思いますし、これが進展していくことが、やはり
経済の
一つのかぎを握っていくのではないかと思っているわけでございます。
さて、その一方で、この電子商取引というのは、
経済的な要因もさることながら、
消費者の立場からしてみても、これから来るべき高齢化社会等を考えてみましても、自宅にいながら買い物ができるというふうなこと、また欲しいものが世界じゅうどこからでも手に入るというような
意味で、利便性という
意味でも
消費者には大変プラスになってくる
部分があります。しかしながら、その一方で逆に、この新しいものに対してさまざまな
消費者トラブルというものも生じてくるおそれがあるわけでございます。
日本においても、昨今、インターネットやパソコン通信を使いました通販ビジネスが始まっておりますけれ
ども、いまだ発展途上という感じでありますし、今後多くの問題が生ずる可能性もあるわけでございます。このトラブルの実態も、私も先ほど当
委員会で行われました
国民生活センターへの視察に参加させていただきましたけれ
ども、現地においてもPIOINETを利用してのそのことが紹介をされておりましたけれ
ども、
国民生活センターにおいても、さまざまなそういう苦情が、また相談が来ているところだろうと思います。
具体的な問題としては、例えば、携帯電話の安売りということでお金を送ったのに
商品が届かないとか、有名ブランドのスニーカーを購入したが届いた
商品がにせものだったとか、それからまた、申し込んだけれ
ども、金だけ送ったけれ
ども全然相手側もわからなくなってしまったとか、さまざまなトラブルがあるようでございます。これは、いわゆる電子商取引というネットワーク上の取引のために、相手を突きとめにくく、結局泣き寝入りをしてしまうというふうなケースになってしまうようでございます。
これは、私は事前に情報をいただいておりますので、私の方から申し上げますけれ
ども、
国民生活センターや各地の
消費生活センターなどの
消費者相談窓口に、昨年度で百件、今年度で既に七十七件ほど寄せられているということでございます。
こういった
観点から、
経済企画庁としても、先ほど申し上げたとおり、こういった分野については
経済的な
観点からも積極的に推進すべきである。その前提として、
消費者の保護を図りつつ、そしてこの
消費者の保護というのは、
消費者を保護するだけではなくして、インターネットを通じてのいろいろな買い物についても、私も個人的にそれにアプローチをしたことはありますけれ
ども、やはりどこか不安がつきまとうわけであります。個人的な情報がどこかで盗まれてしまうのではないか、またこれが本当に確かなものであろうかどうか、そういう不安があると、どうしてもそれを利用する気になれない。そういった
消費者の保護があれば、またこういった分野の需要が拡大するということも考えられるわけでございます。
そういった
観点からも、この
消費者保護ということは、電子商取引のさまざまなシステム開発、さまざまな
仕組みの開発と相まって、同時並行で進めていかなければならない問題だと思いますけれ
ども、
経済企画庁としては、こういった電子商取引についてどのようなお考えを持って、そしてどういうふうに具体的に今お進めになっていらっしゃるか、お聞かせ願いたいと思います。