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田端委員 このODA予算の
削減の中で、一〇%のしわ寄せの中でどこにしわ寄せが来ているかといいますと、国際機関のところにしわ寄せが来ているわけであります。
例えば国際機関に対しての、今まで七百二十八億円あったのが五百六十六億円、マイナス百六十二億円であり、マイナス二二・三%である。これだけ平均、国際機関を減らせるわけですから、でこぼこもあると
思いますが、その中で見ていきますと、大きいところは、一番大きいのが国連環境基金、これがマイナス四五%です。それから世界食糧計画、これもマイナス四五%。あるいは国連児童基金、ユニセフというものですが、これがマイナス四一%。国連難民高等弁務官計画、マイナス三九%等々、四〇%前後の
削減である、これは非常に大変な問題かと
思います。
そのほか、例えば技術協力でJICAの予算も大変減っておりますが、中でも、今まで海外から大変に期待も大きく評判のよかった青年海外協力隊、これが千三百五十人であったのが千五十人と、三百人も減らすということになっております。
こういう中身を見ていきますと、これはもう大変なことだなと
思います。
総理は、六月の国連環境開発特別総会の演説で、二十一世紀に向けた環境開発支援構想、ISDを打ち出しているわけであります。つまり、人類の安全保障を理念として、大気汚染とか水質汚濁とか
地球温暖化とか、そういった行動計画を実施するということを世界に宣言したわけですね。
そして、ODAも量から質、こうおっしゃっていますが、その質というのは環境ODAに振って、そして世界に貢献していこう、こういう趣旨の演説をされています。「我が国は、厳しい財政事情にありますが、その中で環境ODAにはできる限り配慮します。第二のイニシアティブとして、途上国のために、「二十一世紀に向けた環境開発支援構想」を
推進することを宣言します。」こういう国連演説をなさっている。しかし、言っておきながら、こういうふうに三〇%、四〇%というカットをしていく。これでは、国際的に言っていることとやっていることはもう全然ちぐはぐじゃないか、こういうことになると
思います。
私、先日、大阪で街頭演説をやりました。その街頭演説を私がやっているところへ、ユニセフの人たちが、同じ黄色いTシャツのようなそろいの服を着た方が、二、三グループ、二、三十人いましたが、グループになって共同募金を呼びかけるわけです。そして通行人の方に、ユニセフヘの共同募金をお願いするということを、カンパを呼びかけているわけです。
私も思わず、
自分の街頭演説をやりながら、しかし、御通行中の
皆さん、今そこにいるユニセフの人たちは大変です、来年度予算がユニセフ四〇%カットされるのです。それでこの人たちはこういう街頭に出て、
皆さんに少しでも真心のカンパをお願いしたいということで行動を起こしているのです。だから私も、国
会議員の一人としてこの問題には正面から取り組んでいきますけれ
ども、府民の
皆さんにも御協力くださいということを私も言わざるを得ない
思いに駆られて、演説の中でそんな話もしました。
そういう
意味で、三〇%、四〇%のこういうカットの中には、ユニセフというのは、児童の健康とか教育とか、そういうことに一番力を注いでいる団体であり、黒柳徹子さんという方はユニセフ大使として世界を駆けめぐって、またユニセフカードなんかつくって、ワンセット千九百何ぼで
国民の
皆さんに買っていただいて、その中から義援金を捻出してユニセフに送っていられる。大変功績のある方だと
思いますし、国連難民高等弁務官の方も、ここも三九%カットしていますけれ
ども、これは
日本の緒方貞子さんが代表で頑張っているところじゃないですか。そこを三九%カットするというのはどういうことなんだろう。
日本人が世界の先端に行って闘っている。頑張っている人に後方支援で援助するのじゃなくて、後ろから鉄砲で撃つような
感じのことをしむけているのじゃないかな、こんな、極端な言い方かもわかりませんが、しかし実際そういう
思いがいたします。
外務
大臣のところに、そういった
意味で、各機関からあるいは国連の方からいろいろな請願、陳情が来ていると
思いますが、どんなものでしょう。