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1997-12-11 第141回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年十二月十一日(木曜日)     午後三時四十五分開議 出席委員   委員長 塩田  晋君    理事 稲葉 大和君 理事 栗原 博久君    理事 松下 忠洋君 理事 山本 有二君    理事 菅原喜重郎君 理事 西  博義君    理事 生方 幸夫君 理事 平賀 高成君       今村 雅弘君    岩永 峯一君       大石 秀政君    阪上 善秀君       下地 幹郎君    砂田 圭佑君       田中 和徳君    田村 憲久君       竹本 直一君    桧田  仁君       平沢 勝栄君    松本 和那君       目片  信君    望月 義夫君      吉田六左エ門君    赤羽 一嘉君       石井  一君    一川 保夫君       木村 太郎君    笹木 竜三君       冨沢 篤紘君    中野  清君       石橋 大吉君    辻  一彦君       日野 市朗君    藤木 洋子君       北沢 清功君    小坂 憲次君       樽床 伸二君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国土庁長官) 亀井 久興君  出席政府委員         阪神淡路復興         対策本部事務局         次長      田中 正章君         国土庁防災局長 山本 正堯君         厚生省社会・援         護局長     炭谷  茂君  委員外出席者         文部省教育助成         局財務課長   田中壮一郎君         厚生省社会・援         護局保護課長  田中 敏雄君         厚生省老人保健         福祉局老人福祉         計画課長    青柳 親房君         厚生省保険局国         民健康保険課長 柴田 雅人君         水産庁資源生産         推進部栽培養殖         課長      弓削 志郎君         通商産業省環境         立地局立地政策         課地域産業振興         室長      西川 泰藏君         中小企業庁計画         部計画課地域中         小企業振興室長 黒岩  進君         気象庁地震火山         部火山課長   濱田 信生君         郵政省通信政策         局地域通信振興         課長      勝野 成治君         労働省職業安定         局業務調整課産         業雇用構造調整         室長      小島 繁夫君         建設省住宅局住         宅総務課長   小神 正志君         建設省住宅局民         間住宅課長   八木 寿明君         消防庁防災課防         災情報室長   寺村  映君         特別委員会第一         調査室長    清水 紀洋君     ――――――――――――― 十二月一日  地震等自然災害に対する国民的保障制度創設  に関する請願小坂憲次紹介)(第九〇〇号  )  同(堀込征雄紹介)(第九〇一号)  災害被災者等支援する法律の速やかな成立  に関する請願藤木洋子紹介)(第九〇二号  )  同(平賀高成紹介)(第九八三号)  同(藤木洋子紹介)(第九八四号) 同月三日  災害被災者等支援する法律の速やかな成立  に関する請願土肥隆一紹介)(第一一一九  号)  同(中路雅弘紹介)(第一一二〇号)  同(北沢清功紹介)(第一二〇八号)  地震等自然災害に対する国民的保障制度創設  に関する請願北沢清功紹介)(第一二〇九  号) 同月四日  災害被災者等支援する法律の速やかな成立  に関する請願中川智子紹介)(第一三三五  号)  同(赤松広隆紹介)(第一四六九号)  同(石毛鍈子君紹介)(第一四七〇号)  同(坂上富男紹介)(第一四七一号)  同(中川智子紹介)(第一四七二号)  同(葉山峻紹介)(第一四七三号)  同(生方幸夫紹介)(第一六〇七号)  同(金田誠一紹介)(第一六〇八号)  同(桑原豊紹介)(第一六〇九号)  同(児玉健次紹介)(第一六一〇号)  同(佐々木秀典紹介)(第一六一号)  同(志位和夫紹介)(第一六一二号)  同(中川智子紹介)(第一六一三号)  同(中路雅弘紹介)(第一六一四号)  同(畠山健治郎紹介)(第一六一五号)  同(濱田健一紹介)(第一六一六号)  同(平賀高成紹介)(第一六一七号)  同(吉井英勝紹介)(第一六一八号)  同(志位和夫紹介)(第一七〇八号)  同(辻元清美君紹介)(第一七〇九号)  同(東中光雄紹介)(第一七一〇号)  同(川内博史紹介)(第一八一八号)  同(志位和夫紹介)(第一八一九号)  同(辻第一君紹介)(第一八二〇号)  同(平賀高成紹介)(第一八二一号)  同(横光克彦紹介)(第一八二二号)  地震等自然災害に対する国民的保障制度創設  に関する請願村井仁紹介)(第一三三六号  )  同(木島日出夫紹介)(第一六一九号)  阪神淡路大震災を初めすべての大規模自然災害  被災者生活再建のための公的支援法律早期  実現に関する請願中桐伸五君紹介)(第一八  一七号) 同月五日  災害被災者等支援する法律の速やかな成立  に関する請願中川智子紹介)(第二〇四五  号)  同(保坂展人君紹介)(第二〇四六号)  同(土井たか子紹介)(第二二〇〇号)  同(中川智子紹介)(第二三五三号)  同(生方幸夫紹介)(第二四三一号)  同(佐々木憲昭紹介)(第二四三二号)  同(坂上富男紹介)(第二四三三号)  同(瀬古由起子紹介)(第二四三四号)  同(平賀高成紹介)(第二四三五号)  同(藤木洋子紹介)(第二四三六号)  地震等自然災害に対する国民的保障制度創設  に関する請願羽田孜紹介)(第二〇四七号  ) 同月八日  阪神淡路大震災を初めすべての大規模自然災害  被災者生活再建のための公的支援法律早期  実現に関する請願小林守紹介)(第二六九  〇号)  災害対策基本法に基づく災害者救済緊急施策の  実施に関する請願並木正芳紹介)(第二九  五七号)  災害被災者等支援する法律の速やかな成立  に関する請願穀田恵二紹介)(第二九五八  号)  同(平賀高成紹介)(第二九五九号)  同(藤木洋子紹介)(第二九六〇号) は本委員会に付託された。     ―――――――――――――十二月八日  災害被災者支援法案審議と速やかな成立に関  する陳情書外四件  (第  四一二号)  自然災害に対する国民的保障制度創設に関する  陳情書外二件  (第四一三  号)  災害対策推進に関する陳情書外二件  (第四一四号  )  震災対策関係施策充実強化に関する陳情書  外一件  (第四一五号)  総合的な火山対策充実強化に関する陳情書  (第四一六号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  災害対策に関する件  派遣委員からの報告聴取      ――――◇―――――
  2. 塩田晋

    塩田委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  去る十二月三日、兵庫県に阪神淡路大震災復旧復興状況等調査のため委員を派遣いたしました。  この際、私が派遣委員を代表いたしまして、便宜この席から調査概要について御報告申し上げます。  派遣委員は、自由民主党稲葉大和君、同じく砂田圭佑君、新進党の菅原喜重郎君、同じく石井一君、民主党の生方幸夫君、日本共産党平賀高成君、社会民主党・市民連合北沢清功君、太陽党小坂憲次君、無所属クラブ樽床伸二君、そして私、塩田晋の十名であります。  また、現地参加委員として自由民主党阪上善秀君、日本共産党藤木洋子君、現地参加議員として赤松正雄君、宮本一三君、土肥隆一君の御参加をいただきました。  それでは、調査内容について申し上げます。  まず最初に、兵庫県公館に向かいました。  ここで、貝原兵庫県知事笹山神戸市長牧神戸商工会議所会頭から、復旧復興状況概要説明を聴取いたしました。  引き続き、被災者生活再建、住まいの復興産業復興長期的発展を目指すための施策等について要望がなされました。  その後懇談に入りまして、総合的な国民安心システム被災者に対する公的支援のあり方、震災関連プロジェクト推進恒久住宅への移転とコミュニティーの確立新規成長産業集積促進等のためのエンタープライズゾーン構想雇用の現況と今後の見通し等について発言があり、兵庫県、神戸市等の対応が示されました。  次に、神戸港に行き、港湾施設復旧状況説明聴取、湾内の視察を行いました。  主要な港湾施設復旧工事を完了し、震災前との比較では、入港船舶数九割以上、取扱貨物量八割以上に回復荷役労働者雇用回復傾向にあります。  次に、神戸ルミナリェ視察いたしました。  これは、イタリアの電飾による祭礼を起源とするもので、震災復興のシンボルとして、定期的に、十二月に開催されるものであります。  次に、神戸復興計画中心プロジェクトである東部新都心地区視察いたしました。  中央区と灘区の臨海部工場跡地等利用対象区域百二十ヘクタール、居住人口三万人、就業人口四万人とし、研究開発機能文化機能等も備えるものであります。  次に、灘区の災害復興県営岩屋北住宅視察いたしました。  ここは、コレクティブハウジングと称し、高齢者向けに食事や団らんなどお互いに支え合う共同の場を設けた集合住宅であります。  次に、中央区の脇浜仮設住宅に参りました。  ここでは、集会室において居住者の皆さんとの懇談の場を設けまして、意見交換を行いました。その内容は、被災者に対する個人補償実施医療費の免除、恒久住宅への早期移転及び移転費用等要望があり、四度目の冬を迎えた被災者の切実な訴えがなされました。  最後に、同じく中央区の春日野道商店街約四百メートルを徒歩で視察いたしました。  この商店街店舗は、震災前の八割以上が復興しておりますが、全店舗再開を主眼にして活性化のための事業を一層進めているとのことでありました。  なお、視察中、各方面からの要望書等もいただきました。  限られた時間でありましたが、この現地調査において得られた成果委員会審査の場で十分に生かしたいものと考える次第であります。  報告を終わるに当たり、今回の調査に御協力いただきました兵庫県、神戸等関係者皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。  お諮りいたします。  兵庫県、神戸市及び神戸商工会議所からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録末尾に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 塩田晋

    塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔要望事項本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  4. 塩田晋

    塩田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。砂田圭佑君。
  5. 砂田圭佑

    砂田委員 自由民主党砂田圭佑でございます。  先般は、ただいま委員長が御報告ありましたとおり、当委員会において、阪神淡路地震激震地であります神戸市を御視察をいただきましたことを感謝するものでございます。いろいろ御認識を深めていただいたことと存じます。  現地をごらんのように、既に社会資本についてはほぼ復興がなされているところでございます。しかし、被災市民生活は、震災後二年十一カ月が経過をいたしましたけれども、それぞれ国や民間からいろいろの御支援をいただきながら、市民は自立の精神のもと、懸命に生活再建を目指して頑張っているところでございます。しかし、被災者個々の事情により、月日がたつにつれまして、被災者一人一人の抱える問題は大変多様化し、複雑化しております。  家を再建したけれども二重ローンで苦しむ人、土地はありますがいまだに住宅再建を果たせない人、店は再建をいたしましたけれども近隣の住宅がいまだ復活せず営業不振に悩む人、震災により失業した生計めどの立たない人、今なお仮設住宅ひとり暮らしを余儀なくされている人、かけがえのない家族を失いいまだ立ち直れない人、たくさんそういう方々がおられます。インフラの復興が果たされた今も、被災者は多種多様の悩みを抱えながら努力をしているのが現状であります。  したがって、行政からの支援もおのずから多様に、しかもきめの細かいものになっていただかなければなりません。その点を十二分に御理解を賜りますように、質問に先立ちましてお願いを申し上げるところでございます。  まず最初に、何といっても被災者生活をするについて、働く場所があるかないかということは大変な重大問題であります。雇用問題についてお伺いをいたします。  震災により被災地企業離れが進み、生活再建に欠かすことのできない生計の糧を失った人が多数あり、特に中高年齢者にその傾向が顕著であります。政府としてどのようにその問題についてお取り組みをいただいているのか、御答弁をお願い申し上げます。
  6. 小島繁夫

    小島説明員 兵庫県におきます十月の有効求人倍率は、全国平均の〇・七〇倍に対しまして〇・五四倍と厳しい状況になっております。また、年齢別に見ますと、四十五歳未満の方は〇・八一倍とそれなりの水準にまでなっておるわけでございますが、四十五歳以上の方につきましては〇・二四倍とかなり厳しい水準になっております。  このため労働省といたしましては、被災地における雇用維持、失業の防止を図るため、雇用調整助成金に関しまして、被災事業主支給対象とした高率助成等の手厚い特例措置を講じ、事業主雇用維持努力支援しているところでございます。  また、不幸にして離職された方々の再就職促進対策といたしまして、求人年齢の上限の引き上げの指導、また、特別求人開拓班設置によります個々求職者のニーズに応じた積極的な求人開拓合同就職面接会の開催、また、特に状況の厳しい仮設住宅居住者に対しましては、全員の就業希望というものをアンケート調査いたしまして、その結果に基づいて個々求人開拓実施し、仮設住宅巡回相談に回るというようなきめ細かな職業相談職業紹介に努めておりまして、これによりまして早期の再就職促進を図っておるところでございます。  また、さらに、事業主の雇い入れを促進するため、特定求職者雇用開発助成金に関しまして、被災者につきましては、年齢要件を引き下げたり助成率を高くするといった特例措置を講じておるところでございます。
  7. 砂田圭佑

    砂田委員 雇用問題は何といっても被災者の、特にこれから長期にわたっての生活再建という意味では大変重要な要素でありますので、格段の御配慮をお願いを申し上げる次第でございます。  次に、前回の質問のときにも申し上げ、かねがねお願いをしているところでございますが、被災者が、土地はあるけれどもなかなか住宅を復活することができない。三年たってやっと何とか生活めどがついた段階で、これから住宅建設に取りかかろうという方も多く見受けられます。  そういう中で、災害復興住宅融資住宅金融公庫からかねてそういう融資がなされておりますけれども、これが当初の予定では、平成十年一月十六日で期限切れということであります。その後、御努力をいただいて、平成十年三月末までそれを延長していただいておりますけれども、まだまだこれから住宅を建てようという方々がたくさんあります。どうか、その後、平成十年三月以降についてもこの制度を延長をしていただくように、住宅金融公庫にぜひともお願いを申し上げますが、その辺のことをひとつ御説明いただきたいと思います。
  8. 八木寿明

    八木説明員 住宅金融公庫被災者皆様に対しまする災害復興住宅融資につきましては、ただいま御指摘のとおりでございますが、平成十年以降の扱いにつきましては、現在、平成十年度の予算編成中でございます。建設省といたしましては、この十年度の予算を通じまして、被災者住宅復興を引き続き支援する観点から、現在の災害復興住宅融資とほぼ同内容融資が引き続き行えるように最大限の努力をしてまいる所存でございます。
  9. 砂田圭佑

    砂田委員 被災者住宅再建生活再建というのは、経済と住宅とは、これはもう二本柱であります。これからも、何が何でも住宅建設をし、そして生活の場を安定させるということが被災者にとって大変重要なことでありますので、ぜひとも格段の御処置をお願いを申し上げるところでございます。  さて、あの大震災でいろいろなところにいろいろな影響がありましたけれども、特に仮設住宅には今五百人以上の要援護者、お年寄りでどうしても支援をしていただかなければ自分一人では身動きできないという方々、その五百人以上の中には百人近い老人性痴呆症の方もいらっしゃると聞いております。また、一般住宅在宅の中でも、生活が困難になった要介護高齢者というのが多数いらっしゃいます。  兵庫県、神戸市において、特別養護老人ホームを初めとする社会福祉施設整備が急がれているわけでありますけれども、厚生省として、その点どのように被災地における要援護高齢者対策にお取り組みをいただいているのか、お伺いをいたします。
  10. 青柳親房

    青柳説明員 ただいま被災地におきます要援護老人につきましてのお尋ねでございました。  被災地である兵庫県、神戸市におきましては、要援護高齢者方々介護需要対応いたしますために、特別養護老人ホーム等整備あるいは訪問介護、いわゆるホームヘルプサービスのことでございますが、これらの在宅福祉サービス充実することによりまして、介護サービス基盤整備を図ってきておるところでございます。  厚生省におきましても、特別養護老人ホーム入所に当たりまして、例えば定員を超えて入所するような被災者の方に対して弾力的に対応するというようなことを認めるほか、施設在宅サービス整備につきまして、兵庫県あるいは神戸市からの御要望にできる限りこたえるように努力をしてきておるつもりでございます。  今後、引き続き在宅福祉サービス等充実に努めてまいりますとともに、特別養護老人ホーム等整備につきましては、これは老人保健福祉計画実現を最優先とするという大方針があるわけでございますけれども、兵庫県、神戸市におきまして、現在いわゆる入所をお待ちの高齢者方々の心身の状況介護者状況あるいは在宅サービス利用状況といったことを調査をしておられますので、この結果を待ちまして検討をしてまいりたいというふうに考えております。
  11. 砂田圭佑

    砂田委員 一般福祉充実は当然でありますけれども、震災が原因で一段と促進をされて、要援護者の必要というのはまとまって神戸市に発生をいたしております。ぜひとも厚生省におかれましても一段の御努力お願いを申し上げる次第でございます。  次に、文部省にお伺いをいたします。  あの震災はいろいろなところに影響を与えたことは前段申し上げたとおりでございますけれども、大震災被災をした児童生徒にとって、父母を初め親族や知人の死亡、家屋の倒壊、父母就業形態変化応急仮設住宅での生活変化など、通常では経験することのない児童を取り巻く環境変化大変促進をされました。外傷後ストレス障害や精神的不安を伴った問題行動があらわれるなど、今なお被災による心の傷がいやされていない状況にあります。  児童の心の理解とそのケアには、継続的かつ長期的な、きめ細やかな取り組みが必要であると考えております。当時、学校にカウンセラーの方が来られて適当な御指導をいただいたことは大変成果を上げているということを、教育委員会などの報告を受けているところでございます。そして、震災後、教育復興担当教員という配置をしていただいて、児童の心のケアに取り組んでいただいているわけであります。児童の心の傷という非常に微妙かつ重要な問題であり、決して三年たったからもう大丈夫、後はほったらかしてもいいという性質のものではございません。  そこで、復興担当教員配置について、今後どんなふうに文部省がお取り組みいただくか、そこのところをお聞かせ願いたいと思います。
  12. 田中壮一郎

    田中(壮)説明員 お尋ねの、震災によりまして精神的なダメージを受けました子供たちカウンセリング等を担当いたします教員につきましては、震災直後の平成七年度から加配を講じておるところでございまして、各学校におきましては、これらの先生方中心となりまして、児童生徒一人一人の心の理解ケア取り組みまして、適切な対応がなされており、円滑な教育活動推進に大いに役立っているというふうに伺っておるところでございます。  このため、文部省といたしましても、平成九年度におきましても、兵庫県の実情や要望を踏まえまして二百七人の教員定数加配を行っておるところでございます。平成十年度につきましても、今後、兵庫県からの具体的な要望等を踏まえまして、引き続き適切に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  13. 砂田圭佑

    砂田委員 ぜひとも、将来の日本を背負う児童たちのためにも適切なケアお願いを申し上げておきます。そのために、ぜひとも復興担当教員配置を今までどおりに続けていただくことを切望するものでございます。  我々自由民主党では、阪神淡路大震災の経験を生かして、震災時における被災者生活再建支援するため、被災者生活再建支援基金法案を何とか制定しようと現在大変努力をしているところでございます。このことについて、政府、特に国土庁にはぜひとも御理解をいただき、御協力をいただきたいと思います。  この法案の基本的な考え方、理念は、自然災害によって生活基盤に大きな被害を受けた人たちに対し迅速に助成をして、被災者生活再建支援するということが考え方であります。そしてまた、この法案の趣旨を周知徹底することによって、震災直後に起こりがちな略奪やパニック、そういうものを未然に防止する効果も期待をしてこの法案を何とか成立させたいと思っているところでございます。  まず、こういう法律の基本的な考え方について、国土庁長官はどのように御認識あるいは御感想をお持ちでございましょうか、お聞かせいただきたいと思います。
  14. 亀井久興

    亀井国務大臣 砂田委員、ただいま自民党でさまざまな御議論をいただいている、そうしたことでございましたが、申し上げるまでもございませんけれども、議員提案法案につきましては国会で御審議をいただくことでございますので、政府としてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。  ただ、将来の災害に備えました被災者生活支援する基金制度につきましては、阪神淡路大震災の教訓を生かしました新たな防災施策確立を目指しまして内閣総理大臣設置をいたしました防災問題懇談会におきまして、被災者生活を迅速かつ弾力的に支援するため、基金制度創設検討が必要、このように提言されております。検討すべき重要な課題であると私どもも認識をいたしております。  また、この基金制度につきまして、全国知事会を初めさまざまな御議論があることも承知をいたしておりますけれども、制度の目的あるいはまた個人補償問題等関係もございますので、さらには財政的な、国、地方を通じましたさまざまな制約もございますので、総合的に、慎重に検討をしてまいりたい、このように考えておりますが、阪神淡路大震災で、国といたしまして精いっぱいの御支援をしてきたつもりでございますので、そのことを将来の基金のあり方についてもひとつ参考に、参考にと申しますか、そのことを踏まえて検討をしてまいりたい、そのように考えております。
  15. 砂田圭佑

    砂田委員 この法案の中身について少し概略を申し上げたいと思います。  まず、この法案の基礎になりましたのは、全国の知事会で、何とか震災からあるいは震災直後の国民の気持ちを安定させたい、そういうような思いから知事会で検討が進みました。  その結論として、いろいろな自然災害でありますから、暴風雨あるいは豪雨、あるいは台風、洪水、高潮、地震、津波、そういうものに対して、一たんそういうことが起こって市民生活が脅かされた場合に、その地域で発行する被災証明をもって一つの基準として、当面の生活費、言うなれば、災害救助法で出されるおにぎりとか毛布とかいうようなものと同じような意味で当面の生活費を支給しようという考え方であります。したがって、壊れた財産を補償しようとかいうような性質とは全く違ったものでございます。  災害救助法の中にも給付金の規定はありますけれども、過去に一度も適用されたことがございません。そういう意味で、災害が起これば必ず現物支給というのが慣例になっているわけでございますから、我々は、当面、そういう被害に遭った方が生活をするために、おにぎり、毛布のかわりにそういうものを支給しようというのが基本的な考え方であります。  そして、都道府県で基金を積んで、その基金を運用しながら、万が一災害が起こったときには、国が二分の一負担をして、そして支給をしようと。過去の震災の例では、大体平均二十四億ぐらいのそういう支出が一般災害ではあるそうであります。我々の阪神大震災のような大地震ではとても間に合いませんけれども、この何十年間、平均的にそれくらいの救助費が要るというところでありますから、国と半分ずつ出し合えば、ふだんから積んでいる都道府県の基金と相まって、十分それにこたえられるだろう、それを原資としようとするところであります。  特に、この中にうたわれております、それでは被災を受けた方に幾らの支給をするのかということについても、我々の案では、百万円を超えない範囲、その中で、全壊とか半壊とかいろいろなケースに見合って支給をしていこう、それは政令で決めていこうというのが基本的な考え方であります。  ただ、大蔵省などの意見では、百万円の給付金が高過ぎる。あるいは、百万円を出せば、また阪神大震災に遡及をするのではないかというようなことで、もう一つは、憲法にうたってあります私有財産、それを国が補償したりすることはできないというような考え方でありますけれども、先ほど申し上げたどおり、この震災が起こって、百万円の金額がそんなに、個人の財産を補償するほど膨大なものかということはお考えをいただければすぐわかることであります。前回も申し上げましたが、私は、六百八十万円のマンションがつぶれて、それを全く同じ規格、全く同じ設計で建て直しました。二千八百万円の今回の建設費であります。そのことを考えても、百万円のお金がとても個人の財産を補償するなどという大それた額のお金ではないことは、今の経済状況からは常識ではないか。その辺のことはぜひとも考えを改めていただきたい。政府の方でも御理解をいただきたいと思うわけでございます。  この点についてお伺いをいたしますけれども、この百万円の補償金が本当に、それほど個人の財産を補償するほどのものであるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  16. 山本正堯

    山本(正)政府委員 お答えをさせていただきます。  先生ただいま、自民党で今現在検討しておられます被災者生活再建支援法案についてのお尋ねでございます。  私どもの大臣からも御答弁を申し上げましたとおり、議員立法のことでございますので、さらにまた、いまだ党の中で御検討中ということでございます、国会において御審議がなされるということでございますので、これに関連するコメントは基本的には控えさせていただきたいと思っております。  ただ、今現在私どもが阪神淡路でやっております生活再建支援給付金につきましては、御案内のとおり、生活再建支援するという目的で、高齢者または要援護の方で非課税の世帯で仮設等々から恒久住宅へ移られた方といった方々に限定をさせていただいて、きめ細かい生活再建の資金として一定の給付金を給付させていただいている、こういう実例がございます。先生御案内のとおりでございます。  こういうふうな措置は、こういうふうにきめ細かいさまざまな条件のもとで、生活再建支援が真に必要な方々に対しまして生活再建の資金として給付が行われているものというふうに理解をいたしておるわけでございまして、こういう例にもございますように、制度の目的、給付金の性格等々から判断すべきものではないかな、こういうふうに思っておるところでございます。  以上でございます。
  17. 砂田圭佑

    砂田委員 時間がありませんので、最後に申し上げますが、この法案は、阪神淡路に決して遡及をしようというものではございません。あくまでも、この大地震を経験した被災者が全国に向けて、いつどこで起こるかわからない自然災害への恐怖から国民が少しでも安心して暮らせる、そのことを願って被災地から発信されたものであります。  どうか政府におかれましても、財政事情の厳しいことはもちろんでありますけれども、国民生活の安定はそれ以上に重要な要素でありますので、十二分に御理解をいただいて、御協力をいただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
  18. 塩田晋

  19. 石井一

    石井(一)委員 亀井国土庁長官、御就任おめでとうございます。あなたとは最後にスコットランドでお会いしたままでき一つお会いいたしますが、私の質問は、質問といいますよりも、被災地の声をある程度代弁し、政府の、長官の新しい決意をお伺いをいたしたい。原則的には国土庁長官としての政治家の声をいただきたいという希望でありますが、細かい問題については政府委員の御答弁でも構いません。ただ、その答弁は簡にして要を得たものにしていただきたいということを、冒頭、お願いしておきたいと思います。  阪神淡路大震災平成七年の冒頭に起こりましてから、国土庁長官は、小澤潔、これはもうほんの数日で、小里貞利、そして参議院の鈴木和美、伊藤公介、そして亀井さんになりまして、この間、五代目の国土庁長官として震災に対処をしていただくわけであります。  それぞれ大変な努力をしていただきまして、既に累積で四兆二千四百億円の復興に対する国費の投入がございます。七年冒頭に起こったこの災害に対して、平成六年度の予備費から始まりまして、補正に次ぐ補正を八回、本予算も入れて組み入れまして、現時点においてはかなり公的な部分について、あなたも九月に行ってそういう感想を述べておられましたが、復興をいたしております。  政府はできるだけのことをやったという御認識ではなかろうかというふうに思うのでありますが、中央被災地とには大きな温度差がありまして、この温度差にどう今後対応するのか。これまでのような、一般的な、予算をつけインフラを整備するということではなく、きめ細かく、現実的にこれに対処しなければ真の復興はどうしてもできない。役所はそれぞれ勤勉にやられますけれども、法律だとか予算だとかということになりして、そこから以上伸びないということになりますと、復興はいつまでたっても終わらない。後で触れようと思いますけれども、今の状況のままだと仮設住宅は永遠に続くだろう、そういう心配すらございます。  公的なものはもう相当進んだ。八〇%、九〇%と言っていいでしょう。しかし、補助率とか何かを見ましても、それが私的な部分になりますと、もうすべて個人の能力に任せる。例えば学校をとりましても、公立てあれば全部国費なりなんなりで処理できるが、私立ということになると補助率が二分の一になるとかいうふうな形で、余りにも公私の格差が大きい。したがって、私的な部分というのはどんどん取り残されるというふうなことがある。ここをどう今後対応していくかという問題がある。  それから、これまでの国土庁長官が、四代、五代にわたって、私は予算委員会中心にこの国会のあらゆる委員会でこれまで質問してまいりましたが、共通して言われましたことが二つか三つかあります。一つは、個人補償はこの国ではできないということ。それから、第二点目は、先例がなければ新たに踏み込むということはなかなかやらないということ。それから、ここでやってあげたいんだけれども、これがほかへ波及した場合は非常に大きな問題があるので、やはりオールジャパンに通用しなければ、全国区でないといかぬ、こういう思想。ここから踏み出ていないために取り残されておる問題というものが今山積しておるというふうな現状にあります。  例えて言いますと、この間視察に行きまして委員の皆さんみんな、住宅に住んでおる自治会長、こんな小さい小さいおばちゃんですけれども、一生懸命周りの世話をしておる、いわゆる年金だけで生きておるという人なんですが、その人の説明を聞いたりいたしましたら、恒久住宅ももうかなりの戸数が建ちました。そして、あと三日、四日しました十二月十五日、第四次の発表がございまして、このときに一万七千百六十五戸の募集をしておりますから、本来これで終わろうとしておるわけですが、しかし、もう三日前ですから市役所の情報などを入れますと、おおむね六千戸落選しておる。そうなりますと、ここで本来計画では終わらなければいかぬのですけれども、六千人という者がまだ仮設に残るという状態になります。しかも、住宅が完成するのは来年いっぱいかかったり、再来年の四月というふうなことになりますから、この仮設の状態というのはもうぼつぼつ、二年であと一年延長して、これでぼつぼつけりをつけなければいかぬということでありますが、当面、ここ二年や三年どうにもならぬという状態にある。  まず、厚生省についてのときにお答えいただきたいのですが、県からもこの三月に再度延長の申請をしてくるというふうに思いますが、この点については認めてやらざるを得ないと思いますし、三年たった仮設ですから、ある程度補修をしたりいろいろな問題というふうなものがあると思いますけれども、こういうふうなことにつきまして配慮をいただきたいというふうに思います。  そこで、これに関連をして申し上げるわけでありますけれども、仮設に住んでおる人々は、調査をしましても、もう最低の生活。そうしてほとんどが高齢者高齢者は五割を超えておるでしょう。所得も百万円というのが三二%、二百万円までというのが二五%ぐらいで、これもまた過半数を超えておる。こういう社会的に弱い人だけがここへ今残っておるという現状であります。今の状態では、住宅が当たっても三カ月分のアドバンスの家賃を払うことができない、あるいは引っ越しのための費用がない、こういう状態になっておるわけです。  ところが、今の制度の中ではそれはカバーできません。そうなると、家が当たっても動けない、こういうふうな状況が起こってくるわけでありまして、私が指摘しておりますことは、机の上で計画をし、住宅を建てて、そうして移りなさいと言っても、現実に動かない状況がある。そこに対して何らかの現実的な対応でこれに踏み込んでいくという姿勢がない限り、四兆二千億を入れてかなりの部分ができても、その光と影の部分、その影の部分というものに手を加えない限り、今後の復興というものはどうにも進まぬ状況になっておるということを御指摘しておきたいのであります。  余り私が勝手に演説してもいけませんから、まず、私が今話しましたことにつきまして、国土庁長官としての御感想と、また関連して役所の担当の皆様方から、前向きに検討するという答弁ならもう答弁要りません、しかし、被災者の立場からああそうしていただいているんだなというふうな中身のある答弁があれば、補足していただきたいと思います。
  20. 亀井久興

    亀井国務大臣 石井委員はお地元のことでもございますし、また国土庁の長官としても私の先輩でございますから、もうすべてをおわかりいただいた上でいろいろ御高見を今お述べになりまして、拝聴しながらいろいろ私としても感ずるところがあるわけでございます。  まず、仮設住宅のことでございますが、私も九月に就任をいたしましてからすぐ被災地にお伺いをいたしまして、よくその被災地の現状というものも拝見をいたしてきたところでございます。この委員会といたしましても、つい先日いらっしゃったばかりというように承っておりますが、まだまだ確かに仮設住宅住まいの方がたくさんおられるということも十分承知をしておりますが、仮設住宅と申しますのは、あくまでも恒久住宅に移るまでの間、仮の住まいということでございますから、一日も早く恒久住宅に移っていただく、そのための施策を講じるということが特に重要であろう、そのように思っておるところでございます。  そのために、国といたしましても、今まで公営住宅の大量供給並びに家賃の大幅な引き下げ、こうしたことについては精いっぱいやってきたつもりでございますし、また、御承知のように地方公共団体が阪神淡路復興のための基金をつくっていただいているわけでございまして、その基金を通じて仮設住宅から恒久住宅に移っていただく。そうした方々で、特に今御指摘のございましたような高齢者の方であるとか、あるいは力の弱い被援護世帯の方々、非課税の世帯、こうした方々に対して生活再建の資金を給付を始めておるということでございまして、御承知のように月額一万五千円から二万五千円の給付を五年間実施する、そういうことにいたしておりますし、また、それにさらに加えまして、世帯主が四十五歳以上の被災世帯に対しましても月額で一万五千円から二万円の支援金を二年間給付する、そういうことで今月から支援を始めている、そのように聞いておるところでございまして、そのことに対して、国といたしましても地方財政措置をとって精いっぱいの支援をしているところでございます。  今委員が御指摘になりました、その現地皆様方のお苦しみというものは私も十二分に承知をしておるつもりでございますので、国としてどこまでできるのか、そのぎりぎりの限界を常に考えながら対応をしてまいりたい、そのように考えております。
  21. 田中敏雄

    田中(敏)説明員 応急仮設住宅の供与期間の延長等についてでございますけれども、現在の仮設住宅の供与期間は、一応来年の三月までということになっておりますけれども、今できるだけ速やかに恒久住宅移転していただけるよう努力はしておるところでございますが、来年の三月の時点ではまだ相当数の方が必要とされる状態であるというふうに見込まれておりまして、今後公営住宅等の整備状況等も踏まえながら、必要な応急仮設住宅の供与期間の延長あるいは補修につきまして、地元自治体と相談しながら対応していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  22. 石井一

    石井(一)委員 仮設住宅に関して厚生省から前向きな答弁をいただいたことを多といたします。  それから、国土庁長官の御答弁で、生活再建資金一万五千円あるいは二万円等々のくだりがございましたが、これは長い経過がございまして、個人補償に近いものを基金から出す、最後の知恵を出したんですが、住宅移転促進させるために、住宅へ移ったらそれだけのものを生活資金として与えよう、しかも年に二回というふうなことなんですから、まず移るということを決めて、向こうへ移って三カ月か六カ月か先にそういうものがもらえるとか借りられるとかというような権利が出てくる。これはまだ力のある人なんですけれども、私が今言っておりますのは、七十、八十の一人暮らしの御老人なりなんなり、所得は年間百万円以下という方に家賃の前払いの三カ月と引っ越しを、引っ越しするといったって、遠いです。これを出せといったって、もう出せないという現状にある。ここへ手を届かせないと仮設の処理はできない。住宅はできた。しかし地下鉄で一時間、一時間半かかる先のところだ、自分たちは近くへ住んでいたから近くへ帰りたいということになりますと、遠くにできたビルはそのまま残ってだれも入らぬという状態になりまして、それでこちらの方は仮設で、もう死ぬまで、寒いけれども、苦しいけれどもやむを得ぬという、こういうミスマッチといいますか、こういうことがどんどん起こっておるわけです。やはりここで、最終的には基金から出すという話になるかもわかりませんが、制度創設して、これを促進するということをやりませんと、今までは住宅建設に目を注いで、一生懸命それをやっていたけれども、今の段階になってくると、新しい、しかも複雑な問題が起こってきておる、こういうふうなことでありまして、この点は長官に今すぐ答えろといっても無理があろうかと思いますが、建設省、それからその他、これは復興本部が中心になろうかと思いますが、この点、十分今後の課題として御検討いただいて、第四次で六千人余る。第五次をやるけれども、第五次というのは、言うなれば、でき上がったものでだれもとらないようなところを出すのですから、これではもう解決ができませんから、新たにどういうふうに住宅建設するかということもありますが、できたものに少しでも移転促進さすためにどうするかということについて、ひとつ今後前向きに取り組んでいただきたい。御答弁があればお願い申し上げたいと思います。
  23. 小神正志

    ○小神説明員 ただいまの先生から御指摘いただきました、公営住宅に入居する際の家賃の三カ月分の前納というお話がございました。  これにつきましては、公営住宅法の中で敷金ということで、家賃の三カ月分を敷金としてお支払いいただくということが規定されております。もちろん、これは事業主体の判断で徴収することができるという規定でございまして、あわせて同法の十九条には、特別の事情のある場合には減免あるいは徴収猶予という規定がございまして、現に阪神淡路の地域におきましては、敷金の全額ではございませんけれども、一部の徴収猶予という制度を設けておりまして、そういった形で一部の徴収猶予を行っております。これにつきましては、来年の三月三十一日までということに現在の要綱はなっておりますけれども、これにつきましては、県の方の考え方として、延長する方向で取り組んでいるというふうに聞いておりますので、この徴収猶予制度につきましては、今後とも延長され、引き続き適用されるものと考えております。  ただ、いずれにしましても、一部の徴収猶予ということでございますので、先生御指摘のようにきめ細かな対応をしませんと、今お話にもございましたように、非常に低額所得者の方々が最後まで残るのではないかという御指摘もございますので、そういった点も含めて、これから地元の県、市ともいろいろと相談しながら検討してまいりたい、かように考えております。
  24. 田中正章

    田中(正)政府委員 いわゆる復興公営住宅恒久住宅への移行の関係でございますけれども、地元の地方公共団体におきましては、今回の災害復興住宅の一元化募集、この結果を受けまして、落選された方々につきましても、単に落選をいたしましたということを御通知するだけではなくて、個別の住宅へのあっせんといったようなものも一生懸命やっていこう、こういうようなことを考えておるところでございます。そういう事情にあるということをまず申し上げておきたいと思います。  それからもう一つは基金の関係、これはもう先生も御案内のように、復興基金は地元県、市でつくられたものでございますが、現在、住宅対策産業対策生活対策、教育対策、四分野にわたりまして百を超えるメニューで行っております。こういったものについて、地元の県、市においても不断の見直しを行いながらきめ細かい対策を行っているというふうに受けとめておるところでございます。
  25. 石井一

    石井(一)委員 最初の御答弁の中で、減免措置もあれば免除もあるというような話がありましたが、これは特例中の特例で、数を調べたらわかると思うが、本当に少ないと思うのです。国土庁長官、所得が年間百万円ぐらいの、年金だけで細々と生きているような人々、この間も、七十八歳のひとり暮らしの人でしたが、御飯を炊くのに節約して三日間分を一度炊いて、それを三日間食べてまた米を炊くと言っていましたが、そういう立場の人々がいるのですから、今仮設に残っておるのですから、所得の低い人、これらの弱き立場の人々への対策は、移るというならその程度のものはもう全部見てやるというようなことをこの際やってもらいたい、検討してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。  こういうことばかり、まだまだたくさんエンドレスにありますので申し上げませんが、寝たきり老人、心身障害者、高齢者、痴呆、要介護等々の人々は、もう怖くて新しい住宅へ移れぬというような気持ちを持っております。孤独な人々をそこへ、もう何か起こったらそれでおしまいだ。実際、一人で亡くなったという例がこれまでにたくさんになっておるわけですから。  これは厚生省がさっきちょっと議論をされておったようでございますけれども、こういう人々のために、遠いところでもいいですから、そういう施設をつくって、そしてボランティアのアシスタントでも必ず行ってあげるというふうなことで、住宅でもう人が行かぬようなところのものは、せっかくつくったのですから、少し中を改造して入れる。今特養にしても何にしてもいっぱいでもう入れませんから。だから仮設にうようよと集まって、もう死ぬのを待っているというようなことなんですから。こういうような配慮もひとつお願いを申し上げたいと思います。  次に、話題を変えまして、経済の活性化という問題でありますが、復興特定事業に関して、新しいベンチャー企業をつくり、新産業構造の形成プロジェクトということを神戸商工会議所中心に懸命に知恵を出してやっております。  今、上海・長江とかそのほか四つの、前からやっておるものもなかなか進んでおりません。本当は、沖縄でやっているように、特例地域に対する関税措置とか減免措置を、これだけの被害を受けておるのですからやるべきですが、きょうはその問題に余り深くに突っ込まずに、新しいプロジェクトとして、一つはワールドパールセンター事業、それからもう一つは、郵政省に関連をする、いわゆる国際マルチメディアの文化都市構想、デジタル技術の研究サービス事業、これを強く認可してくれと強く国土庁長官お願いしています。そして、各省の連携のもとにこれをやっていく中で、今後の神戸経済の目玉として、雇用を創出し、そして、神戸はあれだけの産業基盤があるのですから、そこを中心に国内だけでなく世界に発信したい、こういう構想を持っております。  この二つのことに関しまして、国土庁長官の御見解、また、それぞれの立場で一言ずつ御意見を伺いたいと思います。
  26. 亀井久興

    亀井国務大臣 ただいま御指摘ございました経済の問題でございますけれども、やはり地元の経済が振興しなければ生活再建ということにもつながってこないわけでございますし、また雇用の確保にもつながらないということでございますので、何とかして地元の経済を振興、発展させる、そのためのインパクトをつくっていかなくてはいけない、そうしたことは全く私も同じ考えでございまして、復興特定事業、今日まで四つ指定をしておりますけれども、うまくいっておるものもあり、また、多少スピードがのろいというようなものもあると思います。  今、パールセンターのお話と、もう一つ、情報関係のお話ございましたが、これから各省庁と十分に連携をとりながら、この二つの事業復興特定事業としてふさわしいのかどうかという、そのことを総合的に検討をいたしますけれども、私自身といたしましては、何とかそれを前へ進めてまいりたい、そのように積極的に受けとめておるところでございます。
  27. 弓削志郎

    ○弓削説明員 ワールドパールセンターについて、水産庁の支援に関するお尋ねでございますけれども、水産庁としては、引き続きワールドパールセンター設立準備委員会に参画することとしております。  また、現在国営で行っている輸出真珠の検査を、今後は民間で実施する方向での検討が行われており、検査業務の民間移行が円滑に行われるように、技術移転等の支援をしたいと考えております。  なお、計画によりますと、ワールドパールセンターにおいて、将来、真珠検査、鑑定業務を行う構想となっております。
  28. 西川泰藏

    ○西川説明員 お答え申し上げます。  復興特定事業に対します通産省の取り組みについて御説明申し上げますと、ことしの七月に阪神淡路復興対策本部におきまして復興特定事業として認定されました神戸東部新都心地区における地域冷暖房事業等四事業につきましては、当省におきましても、民活法に基づく事業費補助を初め積極的な支援実施しているところでございます。  ただいま委員御指摘のワールドパールセンター等三事業につきましても、復興本部事務局および当省を含めた関係省庁との間で調整がこの後行われるものというように承知しております。  当省の支援策といたしまして、ワールドパールセンターにつきましては、中小企業事業団の高度化融資制度の活用と、またポートアイランド第二期におけるデジタル情報通信ネットワーク活用事業、キメック関係に関しましては、先進的アプリケーション基盤施設整備事業による補助金などの活用が申請者から要望されているというふうに承知しております。  今後、事業内容を精査いたしました上で、通産省といたしましても支援制度の活用につきまして積極的に検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  29. 勝野成治

    ○勝野説明員 今般、地元から出されました三件の復興特定事業の申請のうち二件、ポートアイランド第二期におけるデジタル情報通信ネットワーク活用事業と、神戸国際通信拠点整備事業、この二件につきましては、郵政省に対する支援要望中心に出されておるというふうに承知しております。  それぞれの事業内容につきましては、十二月十六日に事業説明会が開催される予定になっておりますので、その場で地元のお考えを十分にお聞かせいただいた上でどのような支援が可能か、例えば一般会計からの補助金のスキーム、あるいは財投、利子補給、税制、そういった幅広い観点から検討させていただきたいと思っております。  なお、郵政省は、兵庫県下におきまして防災情報通信ネットワークの構築や、次世代デジタル映像通信に関する研究開発など、震災に強い町づくり、あるいは高度情報通信社会を展望した新産業の創出、集積の観点から、神戸市、兵庫県と連携して多くの支援策を講じてきておるところでございまして、こうした実績や成果を踏まえて、引き続き地元の新しい町づくりに貢献できるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  30. 石井一

    石井(一)委員 国土庁長官を初め各省から前向きな答弁をいただいて、私は、これは非常に地元に明るい展望を与えていただいたと喜んでおります。どうか、こういう経済情勢でありますから、時間をかけずに前へ進んでいただいて、復興の一助となるような御努力をいただきたいと思います。  まだまだたくさんございますが、どうも、政府に議員立法のことを聞いても、さっきのように余り答弁できぬらしいが、今議員立法四つ出ていますね、市民立法と言って。共産党を中心にと言ったらいけませんが、これは参議院で継続になっている立法ですが、たくさんの方々が個人で出してやっております。  しかし、これ、今から五百万円、半壊二百五十万と、これはもう天文学的数字ですね。無理だと思いますが、ところが、これが継続になっておるというだけで、仮設の人々はいつ五百万円くれるのですか、新聞に書いてあるじゃないですかと、こうなるのですよ。  特に悪いのは選挙です。選挙のときにはもうみんな行って勝手なことを言います。自民党の方でも、神戸の人じゃないかもわかりませんが、被災地だけは消費税なしにしますとやるのですからね。こういうことをやると、政府に対しても議員に対しても、もう被災地の人は信用しなくなる。  二番目に来ておるのがこの新進党案ですよね。もっともっと市民立法より金額は低い、現実的なのですが、これもなかなか政府は飛びついてこない。それから、その次に知事案があって、それから四番目に自民党案。自民党案というのは幾らくれるのかまだ内容もわからぬし、それで、これでもトラブって自社さでまとまらぬと言っておるのですから。ところが、もう新聞には五百万円、二百五十万円が前へ走ってやっておるから、政治家なんというのはうそばかりだと。しかし、この間塩田さんが来られて、仮設で話を聞いて、今度は超党派で全部来ておられたから、言うたこと聞いてもらえるかなと。もう次々、大臣は来るわ、視察団は来るわ、選挙はあるわ、みんな好き放題のことを言って何もやっておらない、これが現状であります。  ここに大きな温度差と不信というものが出てくるので、今度の大きな災害で、私は今後やらなければいかぬことは二つあると思います。  一つは、やはり、個人補償はこの国にないというけれども、個人補償に踏み込む何らかの知恵を出すべきである。奥尻とか雲仙とかでは義援金がたくさん集まったから一千万、神戸は人間が多かったから三十万か四十万。それだったら、小さい災害を起こした方が得する。大きな規模の災害になったらどうにもならぬ。こんなものだけに頼っておって、この国はどうなるのか。  私が十年前に国土庁長官をやっておったときに、ロサンゼルスのロマプリ一夕か何かの地震が起こった。直ちに派遣団を派遣させていろいろやった。しかし、つぶれたところのものは全部国でやりましたよ。フェデラル・エマージェンシー・マネジメント・エージェンシーがやりました。それに、ロシアのチェルノブイリで事故が起こったって、その三十キロ周辺の中で被害を受けたものは全部国がやりましたよ。こんな国は我が国だけですよ。  また、この一月十七日に外国の新聞報道は、もう全紙、日本は文明国、金持ちの国と言われておるが、ここに廃墟があるといって神戸の仮設の住宅のものが出る。世界に恥をかいておる。個人補償をまずやらないかぬ。  それからもう一つは、地震保険ですよ。昔、新潟地震が起こった後に、田中角栄さんが今の地震制度をつくった。田中角栄というのはさすがに偉いものだけれども、石井一というのは大したことないな、こういうようなことにもなりかねないのですが、今の田中角栄のつくった地震保険制度でも五%ぐらいしか加入しておらない。しかも、御存じですか、地震が起こったときに火事が起こったら、それはだめなのですよ。だから、ほとんど地震保険というのは用をなしていない。  この地震国において、地震保険と個人補償ということについて、国土庁長官として踏み込んでください。これまでは予算とかなんとかで、軌道に乗って、ルールに乗ってやっておることをやっていただいた。しかし、五代目にもなれば、中身のある、味のあることを亀井の殿さんはやってもらいたい、これを要望して私の質問を終わります。
  31. 塩田晋

    塩田委員長 木村太郎君。
  32. 木村太郎

    ○木村(太)委員 短い時間ですので、長官初め皆さんの御指導をよろしくお願いしたいと思います。  早速でありますが、今石井大先輩から、阪神淡路大震災についての主張がされておりました。これに関しても、我々は忘れてはならない災害と思っております。このような大きな災害によります被害、特に人命等、この拡大を最小限に抑えることは大切なことだと思います。  例えば、初動時においての迅速かつ効果的な被害状況を把握し、また有効な対策実施することは当然であります。また、常日ごろ、平常時においても、危険箇所やあるいはまた防災関係施設の場所など、つまり防災情報というものをきちっと把握していることが大切だと思います。特に、病院やあるいはまた避難所あるいはまたライフライン、道路等、こういった空間的な位置づけというものを常に押さえ、そしてまたこの情報というものを総合的に処理して、そしてそれをまた防災関係機関が相互に共有し合う、こういうことが大切であると思います。  それで、この考え方のシステムとして、地理情報システム、GISというものがありますが、このGISの整備というものを、予防対策ということも踏まえて一層努力を図るべきだと思いますが、国としての考え方を、御所見をお伺いしたいと思います。
  33. 山本正堯

    山本(正)政府委員 お答えをさせていただきます。  先生お尋ねの地理情報システム、GISというのは、数値地図上に地形とか地盤状況とか、あるいは人口、建築物、防災施設などの情報を入力いたしまして、その情報を自在に組み合わせられるということで、地震防災対策支援する有効なシステムであるということで私どもも考えておるところでございます。  国土庁におきましては、阪神淡路大震災の経験から、地震発生直後における政府の初動体制の迅速化等が改めて認識されたところでございまして、GISを用いました地震防災情報システム、DISの緊急整備平成七年度から推進しているところでございまして、具体的には、とりわけDISの中の、地震発生直後に気象庁から送られました情報を受信しまして三十分以内で大まかに被害状況等を推計するというような地震被害早期評価システム、EESというものについて既に平成八年四月から運用を行っているところでございまして、効果を発揮しつつある、こういう状況でございます。  今後さらに緊急輸送とか救助、医療等の災害応急対策の計画の策定とか、そういうようなものの整備を進めていきたい、今後ともDISのシステムの充実関係機関等とのネットワーク化を図りながら、その整備を引き続き強力に進めていきたいというふうに思っておるところでございます。
  34. 木村太郎

    ○木村(太)委員 国土庁としては、私が言いましたGISの中というか、その考え方の中でのDISということで整備を進めているということでありました。  私は以前、皆さんが進めているDISの考え方、パンフレットを一読させていただきましたけれども、仮にこのGISあるいはまたDISというものが阪神淡路地区にあの震災が起こる前に既に整備されていたとしたならば、被害状況というものも大きく違っていたのではないかな、私はそう思います。特にあのとき、発生時、初動時においての国の対応というものが国民からある面では反省を促された点が大きかったわけですので、こういうことにも一層の努力お願いしたい、また、今の答弁ではその努力を続けるということでありますが。  そこで、一つ加えて聞きたいことは、既に地方自治体においても、この取り組みを行っているところあるいはまた行おうとしているところがふえてきていると聞いております。また、ことし六月に改定した防災基本計画の中でも、この地理情報システムの構築について推進を図るべきというふうにもうたっておりますので、これら地方公共団体、地方においての取り組みに対して、国の対応を、御所見をお伺いしたいと思います。
  35. 寺村映

    ○寺村説明員 消防庁におきましては、阪神淡路大震災の教訓を踏まえまして、災害予防対策や応急対策に防災情報システムの導入が非常に重要であると考えております。その中で、GIS、地理情報システムも利用していく必要があるというふうに考えております。  既に一部の地方公共団体におきましては、一一九番の発信地を地図上で表示するシステム、一一九番発信地表示システムと言っておりますが、そういうものや、消防車両の動態を管理するシステム、消防車両動態管理システムについて導入を図っております。そういう形で地理情報の活用が図られるということでございます。  さらに、平成八年度から九年度にかけましては、マルチメディアに対応した今後の消防防災通信ネットワークのあり方についての調査研究委員会というものを設置しております。この中で、このような地理情報システムを利用した総合的な防災情報システムやネットワーク化のあり方について技術的検討を行っているところでございます。  今後は、こういう委員会での検討結果を踏まえまして、地理情報システムを利用した地方公共団体におきますシステム整備推進してまいりたいと考えております。
  36. 木村太郎

    ○木村(太)委員 答弁から感じるのは、国土庁としても、国としても努力をするということでありますので、ぜひその努力を期待申し上げたいと思います。  次に、もう一つの項目をお伺いしていきたいと思います。  我々の、この日本という国は、御承知のとおり、地震国であって、火山国とも言えると思います。その火山による災害の中で、火山性ガスについて、私、少し取り上げたいと思います。  実は、ことしの七月、私の地元、八甲田山におきまして、自衛隊員がレンジャー訓練中にガス穴に落下しまして、二酸化炭素中毒によりまして死者三名を出しております。また九月には、福島県の安達太良山というところで四名、さらには十一月にも、熊本県の阿蘇におきまして一名の方が火山性ガスによって亡くなっております。  そこで、この火山性ガスによる災害、事故についての、その危険性を初めとする認識をどのように国としてとらえているのか、さらには全国の危険箇所等々、正確なデータを国として十分に把握しているのか、お伺いしたいと思います。  もう一つ、気象庁にもきょうおいでいただいておりますが、気象庁は、現在、全国の二十の活火山についての常時観測を行っているようであります。さらには、それ以外の活火山においては機動観測というものを行っている。この機動観測については、一つの火山において数年に一回観測を実施しているというふうにも聞いております。気象庁に対して、この観測体制の充実強化というものをぜひ私は求めたいと思いますが、あわせて御答弁を願います。
  37. 山本正堯

    山本(正)政府委員 お答えをさせていただきます。  先生御案内のとおり、ことしになって、主なところで三件事故が起こっておるということでございますが、火山性ガスの危険箇所につきましては、火山災害対策の一環としても地元の地方公共団体等において調査、観測を行っておりまして、危険箇所を明示するなどいろいろな対策を講じられてきておるところでございます。  国土庁としましても、平成三年度に、火山災害のハザードマップの作成マニュアルをお示しすることによりまして、地方公共団体等へ危険箇所の把握や明示を促進しているところでございまして、その中でも、火山性ガスの発生危険箇所の明示も盛り込まれておるところでございます。  これまでに、文部省の測地学審議会における、活動的で特に重点的に観測研究を行うべき火山ということで、有珠山、阿蘇等十三火山について、補助等によりましてハザードマップの作成を支援してきたところでございまして、今後とも、火山性のガスの対策につきまして、関係機関と連携し、その推進に取り組む所存でございます。
  38. 濱田信生

    濱田説明員 先生お尋ねの火山の観測監視体制でございますが、現在、全国で二十の活火山につきましては、地震計その他の観測施設を設け、常時観測監視を行っております。  また、それ以外の火山につきましては、火山機動観測班を定期的に派遣し、観測を行っています。また、火山に異状が認められる、そういうような場合につきましては、その機動観測班を緊急に派遣しまして、臨機応変の観測監視を行うこととしております。  また、大学等観測関係機関との連携も常にとりまして、全国の火山観測体制の強化に努めていく所存でございます。
  39. 木村太郎

    ○木村(太)委員 ぜひ、この火山性ガスを防ぐためにも、予知ということは大事だと思いますので、御答弁あったとおりの一層の御努力お願いしたいと思います。  それで、いま一つお願いでありますけれども、この火山性ガスというものは、例えば二酸化炭素なんかを原因とすれば、無臭、無煙、無色というようなことも考えられます。ということは、被害者はなかなか予測できない。自分で、目で見ることもできないし、においで危険だということを感じ取ることができないということが指摘されます。ですので、未然に火山性ガスによる災害被害を防ぐためにも、調査研究というものに一層努力していただきまして、それをまた国民に広く周知させる防災対策というものをぜひ御努力お願いしたいと思います。この点についてもお考えをいただきたいと思います。  最後に、長官にお尋ねしたいと思いますが、冒頭言ったように、我が国は地震国、火山国ということは言うまでもありませんし、これは恒久的な我が国の姿だとも思います。ですので、この火山性ガス、有毒ガスに関する防災害対策について、形ある体制というものを全国的に構築すべきと思いますが、長官の御所見を最後にお伺いしたいと思います。
  40. 亀井久興

    亀井国務大臣 先ほど防災局長から御答弁申し上げ、また気象庁の方からも御答弁があったところでございますが、我が国が地震国であると同時に火山国である、まさにそのとおりでございまして、噴火予知のさらに一層の研究というものは最大の課題ではないかというように思っておりますし、さまざまな研究はまだまだ足りない点があるようにも思っておるところでございます。  また、実際に噴火が起こりましたときにどう対応するかということにつきましては、これも先ほど御答弁ございましたが、地方公共団体にハザードマップをつくっていただく、こうしたこともお願いをいたしておるところでございまして、これから、研究の成果等を踏まえながら、各関係の省庁とも連絡をとって、万全の体制をつくるために精いっぱいの努力をしてまいりたい、かように考えております。
  41. 木村太郎

    ○木村(太)委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
  42. 塩田晋

  43. 生方幸夫

    生方委員 民主党の生方でございます。  私も、去年当選をいたしましてすぐに、阪神淡路大震災視察をするという機会がございまして、行ってまいりました。私は東京の生まれでございまして、今は千葉に在住をしておりますが、二年たちまして、阪神淡路大震災というのは私ども東京周辺にいる人間にとってはもう過去のことでございまして、当然もう復旧をある程度しているんだろうというふうに思って行ったんですが、実は、見てまいりますと、私どもが考えていたよりもはるかにひどい状態のままで去年放置をされておりました。これは何とかしなければいけないんではないかということで、私、地元では全然ないんですが、何とかここに手を差し伸べていくのが政治としての務めではないかというふうに感じておりました。  そして今回、災害対策特別委員会に私配属をされまして、再度視察をさせていただく機会がございまして、見てまいったわけでございますが、実際に、バスで見ますと、確かに一年前よりも大分復旧をしているなという感じを受けました。町並み等、去年行ったときはまだ青いテント等がいろいろなところで散見されたんですけれども、そういうこともなくなりまして、表面上、ただ見ている限りにおいては、かなり復旧をしたなというような感じがいたしております。しかし、実際に仮設住宅に住んでいる方たちのお話等を聞きますと、まだまだ本当に、生活という部分に関しては復旧をしているというふうにはとても言えないような状態であるというふうに私は考えております。  そこで、長官にお伺いしたいんですが、災害からもうすぐ三年になりますが、現状どの程度、阪神淡路地区が回復されているというふうに認識をされておるのか、そこからまずお伺いしたいんですが。
  44. 亀井久興

    亀井国務大臣 ただいま生方委員御指摘になりましたけれども、確かに間もなく三年になろうとしているわけでございますが、いわゆるインフラ施設等の復旧につきましては、大体そこそこの段階までは来たな、そういうように思っておりますけれども、いよいよこれからが、被災された方々生活再建にどう取り組んでいくかという段階でございますので、まだまだ仮設住宅に住んでおられる方が二万六千世帯もあるということでございますから、やはり、まず第一は、仮設住宅に住んでおられる方に一日も早く恒久住宅に移っていただく、そのための体制を整えていきたいということがございます。  それからまた、御商売をなさっている方につきましても、まだ仮設のマーケットで御商売をされている方もあるわけでございますし、その方々のお話を承ってみれば、やはりその地域の人口が減少をしてしまって、それがまだ戻ってこられない。いわゆる消費者がすっかり減ってしまう、そういう状態でございますから、なかなか商売がうまくいかないということもございます。また、ちょうど被災をしたということと日本経済全体の落ち込みとがいわばダブルパンチのようなことになっておりますので、地域の経済を復興をしていく、また振興をしていく、そのための施策が特に重要になってきている、そうしたことも感じておるところでございます。  ようやく復旧は終わったけれども、復興はまだまだこれからやるべきことがたくさん残されている、そうした受けとめ方をいたしております。
  45. 生方幸夫

    生方委員 ただいま亀井長官もおっしゃいましたように、仮設に二万五千世帯も現実に住んでおるわけですね。三年たって、大体豊かな部分から回復をしていって、最後に一番本当に手を差し伸べられなければいけない部分が残ってしまっているというのが現状ではないかなというふうに私は思っております。この間、視察に行って聞いた話では、生ごみをあさって食べている方がいらっしゃるとか、ほとんどもう信じられないような話も聞いたのですが、そういうのは極端な例としても、かなり苦しい生活を強いられているのは事実じゃないかというふうに私は思っております。  やはり助けを要している人間を助けるというのが私は政治の基本ではないかと思いまして、公的支援、いろいろな問題があるのはよく私も存じておりますし、国土庁長官その他、いろいろやっていただいているのもよくわかっておるのですけれども、現実、今直近困っている方たちにやはり手を差し伸べるというか、今現在手をすぐ差し伸べるということができなくても、仮に、いついつまでにこういうような方策が出されますよというようなことがあるだけでも随分生活に張り等が出てくると思うのですね。  さっき石井委員も申しておりましたように、いろいろな報道で、ひょっとしたら支援金が来るかもしれないというようなことを期待している方たちがたくさんいて、これが臨時国会で、今参議院で法案審議を実際にはされておりませんから、そうなりますと、今度の臨時国会はもうあしたで基本的に会期延長がなければ終わるわけで、今回の臨時国会でも何ら対策がとられないということになりますと、この年末から年始にかけて、何の援助もなくこのまま過ごさなければいけないのかというふうに思いますと、精神的なダメージというのが私は非常に強いのではないか。  孤独死とか自殺とかという非常に暗いことも報道をされておりますので、先ほど来何度も述べられておりますが、公的支援というような形、確かに私有財産を云々という問題はあるとしても、これはむしろ社会保障として、三年たった今、人数が非常に多いですから額の問題があるとはしても、政府が何かしらの手を打つのだという方向性だけでも、長官、就任されたばかりでございますけれども、出していただければ私は大変ありがたいなと思います。公的支援についての長官のお考えというのをお伺いしたいのです。
  46. 亀井久興

    亀井国務大臣 大変難しい段階だと思っておりますが、委員御承知のとおり、今まで約四兆円の国費を復旧復興のために確保してきたわけでございます。  そのうちの約一兆円は被災者支援ということで、住宅の大量供給、あるいは家賃の引き下げとか、住宅金融公庫の低利融資の問題とか、あるいはまた、実際に御商売しておられる方々へのさまざまな融資制度の活用、金利の引き下げ、そういうようなことで、また瓦れきの処理等も国費でやったわけでございまして、一兆円ぐらいの国費が被災者支援ということに使われてきているところでございます。国としては精いっぱいのことをやっておるつもりでございますが、さらに地方公共団体が、生活再建支援ということで新しい給付金の仕組みをつくっていただいた、それに対する地方財政措置としての支援もやってきておるところでございます。  将来の災害に備えた一つの基金ということについては、先ほども他の委員に御答弁申し上げましたけれども、政府といたしましても、内閣総理大臣防災問題懇談会におきまして、必要である、検討すべきであるという、既にそうした提言があるわけでございますので、何らかの仕組みを考えなくてはいけないという認識は私自身も十分に持っておるところでございまして、これからまたいろいろな知恵を集めながら何とかそうした仕組みをつくってまいりたい。そういうことは考えておりますが、今直ちに阪神淡路大震災被災者方々のための基金ということは、なかなか現状では多くの乗り越えなくてはならない問題もございますので、今直ちにやりますということはなかなか言いにくい状況にございます。
  47. 生方幸夫

    生方委員 預金保険法の改正案が審議をされて通過をしたわけですけれども、ここでは預金者に対して、預金者保護のために公的資金を導入するというのが盛り込まれているわけです。もちろんこれは経営不振に陥った金融機関も救うというような余計なものまでついているのですが、ともかく預金者は保護される。  銀行に預金を預けるというのは、預金者の方たちが自分たちの目でこの銀行がいい、あの銀行がいいということを選んで、少なくとも自己責任が少しはある部分で彼らは預けているわけですね。その預金を全額国が公的資金で面倒を見るというのが一方でありながら、阪神淡路震災に遭われた方たちは、自分の責任は何もないわけですね。そこにたまたま住んでいて地震に遭ってしまった、それで生活基盤が失われてしまって苦しい思いをしているという人たちに公的資金が与えられないで、ある程度自分の責任で銀行に預けた方に対しては公的資金が与えられるというのは、やはり私は不公平ではないかなという気がするのですが、その辺についてはいかがお考えでございましょうか。
  48. 亀井久興

    亀井国務大臣 今預金保険機構との関連での御指摘でございますが、お気持ちとしては私もそれなりに理解ができるところでございますけれども、預金保険機構の問題とこの被災者の問題を直ちに同じ次元で受けとめるということもなかなか難しい問題もあろうかと思っております。  とにかく何らかの仕組みを考えなくてはいけないという、そのことについては、先ほども答弁申し上げましたとおり、私もそうした認識を持っておるところでございますので、いろいろ各政党からのお考えも示されているときでもございますから、そうしたこともいろいろ検討させていただきながら、できるだけ早くそうした仕組みを私どもとしても考えてまいりたいというようには思っております。
  49. 生方幸夫

    生方委員 一日も早く何らかの形で私は手を差し伸べていただきたいというふうに思います。  これは、法的にきちんと整備するとなると時間がかかりますので、その前に、聞いてきた話で、要望の幾点かを長官に改善のお考えをお伺いしたいのです。  仮設住宅が建っておりまして、そこから公的な住宅に移っていくというときに、非常に不便なところへ移らなければいけないという不安があるそうなんですね。仮設住宅で聞いた方たちの意見によれば、今仮設があるところに、一時的にどこかへ引っ越していて、そこへ恒久住宅をつくっていただければそこへ戻ってくるというのが、自分たちはそこにずっとなれておりますのでベストであるというような意見を聞いたのですね。  それには、神戸の市役所の方がいたと思うのですけれども、何年も時間がかかってしまうじゃないかというような意見があったのですけれども、何年かかってもここにもう一度新たな住宅を建てて戻ってくるんだよというような見通しがあれば、私は何年たっても十分耐えられると思うのです。そういうようなお考え、今仮設が建っているところに一たん仮設を壊して恒久住宅を建てるというようなことをお考えになることはできないのかということをお伺いしたいのです。
  50. 亀井久興

    亀井国務大臣 仮設住宅というのはあくまでも恒久住宅に移っていただくまでの仮の施設でございますから、やはり私どもといたしましては、少しでも早く恒久住宅に移っていただければということで、地方公共団体と御相談をしながら、今、公営住宅の大量供給、一元募集もいたしたところでございますが、どうしても、やはり市街地で便利のいいところにお入りになりたいという方が多いのはこれまた当然のことでございます。公営住宅をそうした、皆さんがここならばと思っていただくようなところだけにつくるということもおのずから制約もございますので、なかなか難しい面もございます。  今回も、仮設住宅住まいの方に優先的に入っていただこうということで、そうした枠も設けたように伺っております。また、第一希望だけではなく、二次希望、三次希望ということで希望をとって、何とか入居していただきたいということで努力をされたようでございますが、その二次希望、三次希望といっても、やはりどうしても自分の二番目にいいと思うところということになりますので、なかなかすべての方に満足していただけるような状況にはなっていないわけでございます。  また一方、仮設住宅を建てておるところというのが、公園とかそうした公共的な施設がまたそこにあったりというようなこともございますし、また民有地を拝借して建てておるというようなところもあるわけでございますので、そこにまた公営住宅を建ててしまうということについても、なかなか難しい問題もございます。  いずれにいたしましても、仮設住宅住まいの方に少しでも早く移っていただくということが大切な課題であるというように私ども認識をしておりますので、できるだけいろいろな問題点を乗り越えながら対応してまいりたい、そのように考えております。
  51. 生方幸夫

    生方委員 先ほど石井議員の方からも質問がありましたが、引っ越しをする費用もないというようなことと同時に、例えば公営住宅に移っても、そこにエアコンとかガスとか、電気をつけるお金もないというような話も聞いて、もし仮設にある電気とかエアコンとかというのを持っていければそれだけでも随分助かるんだというような話が出ていました。それはできないのかと言うと、これはリースであるからそういうこともなかなか難しいというような市の方たちの説明でありましたが、仮にリースであったとしても、比較的安い料金で多分払い下げてもらうことが可能でしょうから、多分リース切れで捨ててしまったりするようなものもあるかと思うので、なるたけ被災者の方たちの意見を聞いて、そんなに費用がかからずにかつ喜ばれるようなことであれば、私は柔軟に対応していった方がいいのではないか、そういう行政指導というのをお考えになっているのかどうかということをお伺いしたいのです。
  52. 亀井久興

    亀井国務大臣 仮設住宅そのものも、恒久住宅にお移りいただいて、あいた仮設住宅をどうするかという問題もございます。仮設住宅をぜひ欲しいと言われる海外の国もあるわけでございますので、そうしたところに輸出をしたらどうか、そうした考え方もございまして、現実にそうした多少の輸出等をやったようでございます。  今、エアコンのお話でございますが、エアコンもかなり使ったものでございますから、それが要らなくなったからといって、直ちに業者が引き取ってくれるかどうかというのもこれまたわからないことでございますし、今せっかく委員からのそうした御意見でございますので、地元の地方公共団体とも御相談をしながら、そういったことが可能であればぜひ前向きに進めてみたらどうかと思っております。
  53. 生方幸夫

    生方委員 ありがとうございました。  ぜひ地方公共団体ともお話をしていただいて、そのようにしていただければありがたいと思います。  厚生省にもおいでいただいておりますので、二点だけお伺いしたいのです。  生活保護を受けている方たちがかなりたくさんおるのですけれども、生活保護までは受けたくない、だけれども生活は苦しいというような方がいらっしゃるやに聞いておりますので、生活保護を受ける条件を、阪神淡路被災者に限っては多少緩和するというような措置をとることができるのかどうかということをお伺いしたいのです。
  54. 田中敏雄

    田中(敏)説明員 生活保護制度は、生活に困窮する者がその利用し得る資産あるいは能力その他あらゆるものを最低限度の生活に活用することを要件といたしまして、無差別平等に行われているものであります。このため、生活保護の要件は全国一律に適用しておりまして、被災者のみを特別な要件で扱うということは認められないところでございます。  ただ、被災者方々生活保護を申請されたような場合、できるだけ速やかに、保護の要件を確認した上で迅速に決定するというようなことを行うとともに、例えば被保護世帯に支給されます義援金等につきましては、世帯の自立更生に充てられる額については収入認定しないとか、あるいは被災者が自立更生に必要な額ということで災害援護資金等を借り入れた場合、借入金をもちろん収入認定除外するとともに、償還金につきましては世帯の収入から控除する、そういうようなことを、実情に応じたきめ細かな取り扱いはしているところでございます。
  55. 生方幸夫

    生方委員 被災者の方たちには高齢な方たちがたくさんいるということで、医療費がことしの九月から上がりましたので、医療費等も負担が非常に大変であるというような声も多く聞きました。被災直後には医療費の免除措置というのがあったのがなくなってしまったわけですが、これをもう一度ぜひとも復活させてほしいという声が非常に強いのですが、復活させることが可能かどうかお伺いしたいのです。
  56. 柴田雅人

    ○柴田説明員 ただいま先生のお話にもございましたように、お医者さんの窓口で払う一部負担でございますけれども、これの免除措置は、震災直後の避難所で不自由な生活をされ、心身の疲労で疾病にかかりやすくなっている方に対して十分な医療を確保するという観点から行ったものでございます。  既に特別立法、実は健康保険法は一部負担の減免制度がないということもありまして、特別立法で減免措置を講じた。具体的には、例えば、建物が全半壊するなどの方々に対しては平成七年の五月末まで、それから低所得者とかあるいは国保の被保険者の方々については平成七年の十二月までさせていただいたということでございます。これに対しまして、国も百億ほど財政的な支援もさせていただいたということでございます。  では、先生御指摘の、今後どうするんだという話でございますけれども、医療保険では受益に応じた負担というのを基本としているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、あくまでも免除措置というのは例外的な取り扱いだというふうに私どもは考えております。  ただ先ほどの、実際に行いました免除措置につきましても一年間、普通ですともっと短いのですけれども、やはり被害の大きさということも考えまして、一年間ということで精いっぱいやらせていただいたということもございまして、私どもとしましては、この特例措置を復活することは、先生御指摘ではございますけれども、考えていないということでございます。
  57. 生方幸夫

    生方委員 基本的には問題はまだ解決はしていないで、表側は直ったけれども、まだまだ中の本当の生活という部分に関しては復興は緒についたばかりだという認識で私たちはいますので、医療費等も含めて、もう一度よく実情を調査なさいまして、本当に必要があるのであればまた復活をしていただきたい。  それから、長官については、よく現状を、もちろん把握されていると思いますので、生活を立て直すという部分でぜひとも御支援をいただきたいというふうにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  58. 塩田晋

  59. 藤木洋子

    藤木委員 日本共産党藤木洋子でございます。よろしくお願いいたします。  阪神淡路大震災から間もなく丸三年でございます。被災地では四度目の厳しい冬をことしもまた迎えております。前回の委員会でも、今回の委員会を通じましても、一様に出されているのは、被災地生活関連の復興が極めておくれていることだという点が指摘されております。何らかの公的支援制度が必要だということは、党派を超えた共通の認識となっている、そのことも明らかになりました。せんだっての委員派遣でもそうだったのですが、こんなに大変な状況だとは実際に来てみないとわからない、こういう感想をお持ちになった方が大勢いらっしゃいました。被災者生活再建の立ちおくれはより一層深刻な状況になっております。  被災当初から、私たち日本共産党は、個人補償、個人給付で生活、それから営業の再建支援することが復興の土台になるということを申してまいりましたし、まさに公的支援は不可欠だと思っております。  長官は、前回の委員会で、我が党の平賀議員の質問に対しまして、被災者への公的支援についての御答弁で、何らかの仕組みが必要だと考えるというふうにお答えになりました。そこで、具体的にどのような施策をお考えになっていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思っております。
  60. 亀井久興

    亀井国務大臣 具体的にどういう支援かというお話でございます。まだまだ、私ども、そこまで煮詰めた話がまとまっているということでもないわけでございますが、再三にわたって他の委員にも御答弁申し上げてまいりましたが、内閣総理大臣防災問題懇談会におきましても、検討すべきであるという、そうした御提言があるわけでございますので、政府といたしましても、そのことを受けとめて、将来の災害被災をされた方々生活再建のために何らかの基金制度を考えるべきではないか、そのような受けとめ方を私もしておるところでございます。多くの御議論、御提言、御要望があることは十二分に承知をしておりますので、これからまたさらに総合的な観点から検討してまいりたい、そのように思っております。
  61. 藤木洋子

    藤木委員 阪神淡路大震災を一つの教訓にして今後の問題をお考えいただくということは、これはそれで本当に大切なことでございます。  しかし、今、取り残されている阪神淡路大震災被災者をどうするのか、ここが問題だと思うのですね。政府はこれまで、先ほど来のお話にも出てまいりましたけれども、四兆円を超えるお金を被災地に投入してきたということを強調しているわけですが、それだけのお金を投入しているのにどうして被災者が立ち上がれないのか、ここが問題だと思うのですね。  そこで、今、お配りさせていただいたので、多分資料がお手元に渡ったと思うのですけれども、私が試算してみました資料をお渡ししております。それを見ていただくとわかると思うのですが、まず、これまでに確定している九六年度補正予算までの各分野ごとの予算措置、それと震災関連予算全体に占める割合、それからその次に、被害総額に占める各分野の被害額とその割合、そしてさらにグラフがございますが、それぞれの対比をグラフで示しております。  まず、被害の内訳を見ていただきますと、被害総額に占めるインフラ関連の被害額、この割合は約一五%でございます。港湾関係が約一〇%になっております。一方、住宅の被害額は、新聞報道や学者の推計によりますと、約四〇%強となっておりまして、経済関連の被害額はほぼ二〇%と推計をされております。  ところが、復旧に投じられた国費はどうなっているかというと、被害額に対する予算措置額の割合で見てみますと、インフラ関連は被害額の七割以上、港湾関連ではほぼ六〇%、六割以上の手厚い予算措置になっているわけです。ところが、住宅に対しては被害額のわずか一五%、それから、経済関連に出していらっしゃるのは、ほぼ一〇%にすぎないわけです。最も復興がおくれている生活関連、中小企業などに投じられた国費が、極めて少ないのですね。国の予算配分がそのまま実は復興状況に反映しているというのが実態でございます。  このようにして、復興から取り残されている分野は、年を越すのも不安で夜も寝られない、こういう状況が続いております。これで果たして被災者生活再建や中小企業の営業再建に国が責任を果たしてきたと言えるのかということをお伺いしたいと思うのですが、長官のお考えはいかがでしょうか。
  62. 亀井久興

    亀井国務大臣 今、委員がお示しになりました数字を私も拝見をいたしたところでございますが、災害復旧復興に当たって何よりも大切なことは、当初、もちろん人命救助等は最優先でございますけれども、その後、インフラの施設整備というのは、やはり生活そのものに結びついていくわけでございますし、また、産業、経済の復興ということにも結びついていく一番の基盤でございますから、インフラ施設復旧復興に力を入れてきたということは、これは私、決して間違いではないように思っておるところでございます。  また、住宅あるいは生活再建について余り配慮をしていないではないかというような、そうした御指摘でございますけれども、決してそういうことではないわけでございまして、先ほど来御答弁申し上げておりますが、住宅の大量供給と、一日も早く仮設住宅から恒久住宅にお移りをいただくという、そのことのためには、精いっぱいの支援を地方公共団体と御相談をしながら進めてきておるつもりでございます。また、地方公共団体がおつくりいただきました復興基金を活用いたしまして、被災者生活支援という面でも相当きめ細かい、各般にわたる施策を実行してきたところでございます。  また、恒久住宅にお移りをいただく方の中で、特に高齢の方、要援護世帯あるいはまた非課税世帯、こうした方々に対しましては、月額一万五千円から二万五千円という、そうした御支援もいたしておるところでございまして、何にも考えていないのではないかというようなそうした御指摘には当たらないのではないかと、私どもも精いっぱい努力をしてきたつもりでございます。
  63. 藤木洋子

    藤木委員 インフラにお金を使い過ぎているというようなことで言っているわけではないのですね。そこに注いだと同じだけの力を生活再建のためにも、営業再建のためにも注いでいただきたいということを申し上げているわけです。  今、長官は、順序で次がいよいよきめの細かい生活再建のための支援だといったような、移行がとられているかのようにお答えになられたわけです。  それでは、先ほど来実態が、いろいろ話が出ているわけですが、仮設入居者生活健康実態調査というのがございます。これで見ますと、仮設入居世帯のエンゲル係数は四六・四%、これは実に去年の全国平均の二倍にもなっております。水光熱費も最低の料金で抑える、そのための苦労をして、エアコンもほとんど使用しないとか、来る日も来る日も、インスタント納豆汁というのがあるそうですけれども、こういったものと卵しが食べないというような暮らしをして食費を抑えているのですが、それでもなおエンゲル係数が高いというのは、どれだけ貧しい収入でやりくりをしているか、そのあらわれだというふうに思うわけです。  この調査によりますと、一カ月の世帯収入が生活保護水準以下という世帯が二三%にも及んでいるわけです。ところが、災害公営住宅へ応募して入居が決定したにもかかわらず、引っ越し費用がつくれないといって、せっかくの当せんをあきらめたという人たちも決してまれではありません。ですから、次々と建物をお建てになりましても、建ちさえずれば入れるかというと、そういうことではないという深刻な事態になっております。  ですから、このような生活困窮している被災者に対して、越冬資金だとか、引っ越し資金だとか、そういったものを支給することが切実に求められているところでございまして、国としてもこれに対する財政措置をどうしてもとっていただきたいというふうに思うのですが、長官、その点はいかがでしょうか。きめの細かいそういう施策をぜひやっていただきたいと思うのです。
  64. 亀井久興

    亀井国務大臣 今エンゲル係数のお話もあったところでございますけれども、確かに、仮設住宅にお入りいただいている方で高齢者の方も非常に多いわけでございますから、医療面等につきましても相当な施策が必要になってきているという点は承知をいたしておりまして、お医者さんが戸別に訪問をしていただいて健康診断を実施するとか、あるいはその健康相談を通しての精神的なケアを図るとか、こうしたこともやっていただいておるところでございます。また、仮設住宅に併設をいたしましたふれあいセンターなどを利用いたしまして、さまざまな医療相談とか、あるいは今御指摘のございました栄養面での御相談とか、精神保健の御相談とか、こうしたことも今鋭意努力をしてやっておるところでございまして、やはり健康確保ということが一番大事なことだろうと思っておりますので、こうしたことについては、またさらに現地状況等も踏まえながら、地方公共団体とも御相談をしながら対応してまいりたいと思っております。
  65. 藤木洋子

    藤木委員 それでは、やはり越年資金だとかそういったところへの財政措置はなさらないということなのでしょうか。お答えになられませんでした。  そこで、私が申し上げたいのは、生活保護の申請に参りましても、病気をしたり障害者だったり、さまざまな理由で別に高齢者でなくても大変弱っている方が多いわけで、したがってエンゲル係数も高いわけですけれども、こういった方が生活保護を申請に行かれますと、ハローワークのパンフレットを渡して、あんたまだ働いたらいいじゃないか、こう言って保護を拒否されるというような状況が出ているわけです。こういった人たちをこれ以上孤独死や餓死に追いやるようなことは絶対にやらないでいただきたい。越年資金であるとかあるいは引っ越しの費用であるとか、そういったことに対して、ぜひとも国としての責任を果たす意味で財政措置を行うということを御検討いただきたいということを強く要望したいというふうに思います。  それから、生活の基盤である住宅について建設省にお伺いしたいと思うのですが、平賀議員が災害公営住宅につきまして質問を行ったときに、被災市街地復興特別措置法というのがございまして、その第二十一条に関し、この条項の適用を受けたのは百人程度だとの御答弁があったんですけれども、その実績がどうなっているのか、神戸ではどうなのか、端的にその数を教えていただきたい。お調べいただくようにお願いしてございますので、お答えいただきたいと思います。
  66. 小神正志

    ○小神説明員 被災市街地復興特別措置法の二十一条に基づきまして本来の入居の要件を緩和しておるわけでございますけれども、前回の委員会で、今委員からお話もございましたように、県の方を通じて私ども調べておりました百人程度というふうにお答え申し上げたわけでございますけれども、その後、直近の調査として、これまた県を通じて調査をしたわけでございますけれども、地元の県内全体で五百人程度がこの二十一条の適用を受けて入居されているというふうに承知をいたしております。  特に神戸というようなおただしでございましたので、神戸につきましては、全体で三百人程度がこの二十一条の特例の要件のもとに入居されているというふうに聞いております。
  67. 藤木洋子

    藤木委員 それ間違ってませんでしょうかね。私ども調べておりますのでは、県営に入っていらっしゃる方では四十五世帯、市営その他で三十五世帯、神戸市は一件もございません。まして、第二次募集以降は全く適用が行われていないのですが、これだけの世帯で五百人が対象になっているとはとても考えられないのですが、その点、間違いないでしょうか。
  68. 小神正志

    ○小神説明員 前回の委員会でお答え申し上げましたように、百人程度というふうに私お答えさせていただいたわけでございますけれども、先生の資料と私どもが聞いていた数字が大体合っているものですから、そういう意味では、県の方の調査、私ども聞いていたところと今先生がお調べになっている数字がその数字ではないかというふうに推察をいたすわけでございますけれども、直近で私どもが県を通じて調べたところ、今申し上げましたような数字でございまして、間違いないものと考えております。
  69. 藤木洋子

    藤木委員 いずれにしましても、正確な把握をしていただきたいということを強く要望したいというふうに思うわけです。  実は、所得だけで被災地の暮らしを被災地でないところと同一視するということができないからこの特措法の二十一条が設定されたのではないでしょうか。ところが、今の数だけでも、私、一世帯当たりほぼ四人も五人もいらっしゃるということ、とてもこれは考えられないんですけれどもね。それで、神戸市は一件もないというのも調べているんですが、その割合でいけば三百人程度だろうというふうにお考えになっていらっしゃるんではないでしょうか。この辺は正確を期して、きょう間に合いませんでしたら後ほど私どもの方にお返事をぜひいただきたいと思いますので、それは調査をしてください、お願いします。  ですから、これは、住宅を確保するという法の精神が入っているわけですけれども、神戸新聞などによりますと、実際には、県営、市営に募集した仮設住宅の入居者で六千人ほどが抽せんから外れたというふうに言われているわけです。その大半は所得水準が高いからということが理由になっているわけで、そういった方が実は二十一条の適用から外されてしまっているということがあるわけです。でも、今被災地は、決して被災を受けなかったところと同じような条件に戻っているわけではありませんので、この二十一条を本当に誠実に守っていただきたいというふうに思います。自治体任せになさらないで、ぜひ国の手で災害公営住宅入居希望者の正確な把握に努めていただきたいと思います。  それから、仮設住宅で申し込みをしていない人だとか、民間住宅に仮住まいをしている方だとか、それから実態さえ把握されていない県外避難者、こういった方たちも大勢いるわけですけれども、やはり、実態をあいまいにしたままで災害公営住宅建設計画が当初のままどんどん進んでいっているというところに大きな矛盾、先ほどお話のあったミスマッチというようなことも生まれてきているわけですから、途中で、その都度正確な調査に従って是正をしていくということをぜひやっていただきたいというふうに思います。  それから、時間がなくなりましたので、次に中小企業の問題についてお伺いをいたしますが、非常に深刻な中で中小業者の皆さんたちの要望というのは、政府系中小企業金融機関の災害復旧貸し付けの取り扱い期間をさらに延長してほしいという願いであるとか、震災特例融資の据え置き期間を、これ以上延長措置をとってもらえないだろうかという要望が出ていますが、この点はいかがでしょうか。
  70. 黒岩進

    ○黒岩説明員 被災地の中小企業の状況、中小企業者が依然非常に厳しい経営環境に置かれているということにつきましては、中小企業庁といたしましても十分認識しているところでございまして、このため、政府系中小企業金融機関の災害復旧貸し付けにつきましては、災害発生後間もなく受け付けを開始いたしまして、その貸付条件の面でも、融資枠の拡大、金利の引き下げ等の思い切った措置を講じているところでございまして、その適用期間については三回の延長を行い、平成十年七月末までとしているところでございます。  今御指摘のございました、国と兵庫県等が協力して実施いたしました阪神淡路大震災復旧支援融資の据え置き期間につきましては、通常一年のところを三年に延長する特例措置を講じていたところでございますけれども、さらに一年延長いたしまして四年とするなど、被災中小企業者の経営支援を図っているところでございます。  これ以降の取り扱いにつきましても、被災中小企業者の状況でございますとか本融資制度の趣旨等を踏まえまして、今後適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
  71. 藤木洋子

    藤木委員 ぜひそれは実現をしていただきますように強く要望させていただきます。  もう時間が参りましたから最後にいたしますけれども、被災地の実態というのは、国の予算措置の反映であります。生活再建、営業再建、健康など非常に深刻で、この冬を越すのも大変な状況。どれ一つとっても国の対応は、全くやっていないとは申しませんけれども、不十分ではないでしょうか。被害アンケートの実態を見てみますと、全壊・全焼の皆さん方がこれまでに支払った費用は、約八百八十八万円であります。あとどのぐらい必要かとの問いに対しては、一千五百六十万円程度が必要と答えております。半壊・半焼世帯では、同じ設問にそれぞれ四百十八万円支払い、あと八百万円必要と答え、一部損壊世帯では、これまでに百八十三万円を支払い、あと必要なのは五百万円と答えています。  ですから、被災者の自立再建を可能にするためには、災害の実態に見合った個人補償、個人給付、これが不可欠になるということを私は強調したいと思います。被災者への公的個人補償制度を求めることは、中小業者の皆さん方の営業を再建するというだけにとどまるものではございません、被災地経済そのものが復興するまさに公的な意味を持つものです。財源がないわけではありません。先ほど来もお話に出ていましたけれども、今大問題になっている山一証券など金融機関には、みずからの乱脈経営という瑕疵があるにもかかわらず公的支援を行いながら、被災者のためには給付する公的資金がないというのは、どこから見ても道理の通る話ではありません。公共事業のむだを削れば財源は十分にあります。  私たち日本共産党は、当初災害被害者の生活再建支援に関する特別措置法の法案大綱を発表させていただいておりますけれども、ここでは生活再建に五百万、営業再建に五百万、最高一千万の補償をする、裏づけの財源もあるということをはっきりお示しをさせていただいております。ですから、財源が多ければ出せるのか出せないのかということが今問題になっているのではなくて、今の日本政府は文明国としてはあるまじき、個人補償に対するそれはやってはならないことという、ここに大きな問題があるのではないでしょうか。そのことを指摘させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
  72. 塩田晋

  73. 北沢清功

    北沢委員 社会民主党の北沢でございますが、先日の委員会としての現地調査の中で今までのそれぞれの質問者とやはり同じことを感ずる面がございまして、ダブる面も若干あります。しかしそのことはやはり共通の認識というか、そういうものだというふうにひとつ御理解をいただいて、御答弁をいただきたいと思います。  まず、被災者の方たちに行われてきた現在までの施策についてですが、先ほど現地で伺った感じでも、私は、表面的にはかなり平静に、傷跡はいえているかのように見えますが、まだまださまざまな面で惨状の跡は深いように実は思われます。こうした状況を踏まえて、これまで行われた施策を見直しをして、反省すべき点は反省をし、今後それをどう生かすおつもりなのか、具体的に長官にお尋ねをいたしたいと思います。
  74. 亀井久興

    亀井国務大臣 今までとってきた復旧復興のためのさまざまな施策を申し上げますと大変長い時間がかかってしまいますので、簡略に申し上げさせていただきたいと思います。  今御指摘ございましたように、インフラ施設復旧ということは大体ある段階まで来たなということでございますけれども、まだまだ、これから仮設住宅にお住まいの方に恒久住宅に移っていただく、そのための施策を今一生懸命とっておるところでございまして、御承知のように、大量供給の計画を地方公共団体にもとっていただいておりまして、またその一元募集等もやっておるところでございます。また、今まで被災者の方への支援ということは、先ほど来申し上げておりますけれども、瓦れきを公費で処理をしたりとか、あるいはまた住宅を大量供給をし、またその家賃を大幅に引き下げるということもやってまいりましたし、また住宅金融公庫の低利融資、こうしたこともやってまいりました。また、その後、生活に関連をいたしましたお仕事を何とか支援をしていかなくてはならないということで、そうした中小零細の企業に対するさまざまな低利融資等の施策も講じてきたところでございます、まだまだ、すべて十分に行き届いたと決して思っているわけではないわけでございますけれども。  さらに、今一番問題になっておりますのは、地域全体の経済を何とか振興させていかなくてはならないということでございまして、新しい産業をそこに生み出していくというそのためのお手伝いもやっていかなくてはいけないと思っております。先ほども御答弁を申し上げましたが、新しい産業を形成をしていくプロジェクトを地元の経済界を中心にお考えをいただきまして、それを復興特定事業として何とか認定をしながら積極的な経済の振興も図ってまいりたい、かように考えておるところでございますが、いろいろ地元の方々の御意見も十分に私なりには承っておりますけれども、やはり国の今日までのとってまいりました施策の中に、いろいろ、確かにきめの細かい点が足りないのではないかというような御批判もあるわけでございまして、反省すべき点は決してないわけではございませんので、そうしたことを踏まえてさらに充実をさせてまいりたい、かように考えております。
  75. 北沢清功

    北沢委員 長官御答弁ございまして、私も、いろいろの施策ではある面ではきめ細かにやられているというふうに、インフラの整備であるとかその他公的な意味での支援策等もある面までいくけれども、やはり私はそういう意味で、危機管理の問題を一つとってみても、先ほどお話がございましたようなDISですか、テレビで被害状況を送るとか、そういう面ではそれは一つのあり方なんですが、実際に、この初期初動というのはもう地震が起きたときから起きる問題ですから、その時点というのを想像すれば、電気やテレビや電話やそういうものは全部断たれるわけですから、そういうことを含めて、まだ初期初動のあり方、直後の初期初動の末端のあり方については私は大きなポケットがあると思うんですね。  もう一つ大事なことは、今言われたように、今仮設住宅へ入っている皆さんの生活支援という面では、具体的に私どもの見た限りにおいては大きなポケットがあると思うのです。このポケットを埋めることをやはり我々が考えなきゃいけないわけですね。それは内閣で考えることもあろうし、地方自治体で考えることもあろうけれども、やはり私ども議会もこのことに、少なくとも来年の一月の十七日で三年たつわけですから、これは大変なことだと思います。この認識は私は現地で生々しく感じたことですが、それまでに仮設住宅にいる皆さんの生活支援の見通しとかそういうものがはっきり示されないと、不安としてまた残るわけでありますから、そういう意味で私は、何か変な予感が実はするのです、本当にするのです。  そういう意味で、後で申し述べますが、具体的に既にそのことは起きていますから、そのことについてはそのポケットを埋めるように、議会ももっと、三年たっていますから、少なくともそのポケットをどういうふうにするかということについて討議を進めるということは非常に重要なことですから、委員長、ぜひそういう面で主導権を発揮して、やはり議会としてのあり方も、政府を叱咜激励をするという意味で、被災者の目で物事を考えていかないと、治める、統治する目で考えるということは大変間違いがある、私は、そういうことを現地で感じました。  それからもう一つ、公営住宅について、先ほど石井先生からお話がございましたように、第四次の入居者が発表される段階ですね、十二月十五日と聞いていましたが、第五次の募集で打ち切りになるというふうに実は現地で聞いたのですが、第五次に全部入居できるかどうか、そこら辺の見通しについてお尋ねしたいと思います。
  76. 田中正章

    田中(正)政府委員 お答え申し上げます。  先ほど来、仮設住宅から恒久住宅への円滑な移行ということをめぐって、地元県、市あるいは国もこれを支援していろいろやってきているお話を申し上げさせていただいております。特に、先生から御指摘のございます今回の災害復興住宅の一元化募集のことでございます。今まさに渦中ということでございます。  地方公共団体が一生懸命つくりました公営住宅について、大量供給をしておるわけでございますが、先ほども石井先生にもお答え申し上げたわけでございますけれども、地方公共団体といたしましては、今後抽せんを行っていくわけでございますけれども、落選された方々についても、落選したよという結果の通知だけではなくて、そのこととあわせて、早期にほかの恒久住宅への移行についてのあっせんを行うように考えております。  それから、これで打ち切りというようなお話もございましたが、今後のことでございますけれども、地方公共団体では、今後供給される公営住宅も含めて再募集することも検討を始めておるところでございます。
  77. 北沢清功

    北沢委員 例えば、公営住宅に当たって入居される場合においても、先ほども出ておりましたが、転居費用だとか、家賃が捻出できないとか、いろいろの事情によって仮設住宅に残らざるを得ないのじゃないか、せっかく当たったのだけれどもそこへ行けないのだ、そういう人たちもいるということだけは、現地で私どもはよくお聞きをしてまいりました。そのことを心配しております。  それで、そういう仮設という公的施設でなくて、実は私どもバスで見て、公園だとか路上に小屋をつくって私的に生活をしておられる方、そういう方も見てまいりましたが、これもまた別の問題となってくるわけでございますから、単に公営住宅建設するだけでなく、より細かな生活支援策を考えていくべきだと思いますが、これらの皆さんに対する支援というか、どういう指導をされていくか、その点をお尋ねしたいと思います。
  78. 田中正章

    田中(正)政府委員 お答え申し上げます。  まず、支援策ということについてお尋ねでございます。これについても、各委員方々から既に御質問もございました件でございますけれども、地元の兵庫県、神戸市から、恒久住宅への移転を契機としてみずから生活再建していこう、こういうような被災者支援する必要があるという声が出てまいりまして、これを、昨年末の与党の阪神淡路大震災復興対策プロジェクトチームの取りまとめ、こういったものに基づきまして、地方公共団体において阪神淡路大震災復興基金を活用した生活再建支援金の支給、こういうような措置をいたすことにいたしたわけでございます。国は、これに対しまして、地方財政措置による支援を行うことといたしておるわけでございます。これが先ほど来申し上げております生活再建支援金の根拠でありまして、本年の八月から既に支給が始まっているということは御答弁申し上げておるとおりでございます。  それから、ちょっと先生の方から前段で御指摘がございました被災地のいわゆる公園などに被災者方々生活されている、そのことも事実でございます。また、そういった公園の周辺の住民の方々から、公園機能を回復していただきたいというもう一つの声もあることもまた事実でございます。震災により住宅を失った被災者が自立した生活再建するために、やはり住まいを確保することが大切というふうに考えておるわけでございます。そういったことで、当初は仮設住宅を非常に緊急に整備をいたしまして、こちらの方へ御誘導というか住んでいただくようなこともいたしました。そして次の段階、今の段階としては、先ほど来お話申し上げてございますように、恒久住宅へということになってきておるわけでございます。それらの措置について、国、県でやっておる措置については既に申し上げたとおりでございます。こういった一元化募集において、優先枠とか第二希望、第三希望の話の中にも、実はこういった公園で生活されている被災者も対象として、優先枠の中で扱っているということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
  79. 北沢清功

    北沢委員 それでは、与党の、いわゆる地方自治体の支援金についての裏打ちをしながら支援をするということについては、実際にそれがやられておるのか、またはこれからやろうとしているのか。しかし、現実には私ども、新しい住宅ができても、公営住宅ができてもなかなか金がなくて、いろいろ金が要るんだということの事情は現地で聞いて皆わかるわけですが、そういう問題が、それが果たして潤沢にそれらの皆さんに、仮設から移転しようとしている人たちに支給されるかどうかということについては、まだ未解決ですね。その点については、やはりどんなような状況であるか、いわゆる地方自治体でやる生活支援の範囲でできるのかどうか、その心配はないのかどうかということについても私は一抹の心配を持っております。  時間がないのであとあれしますが、震災直後に被災者の方で他府県に移住をした人たちが相当数に上るのではないかと思うのですが、その人たち震災地に戻ってきた人の数とか、また戻ってくることを希望している人たちの数ですね。現地商店街を見ても、人口がもとに復元しないから、やはり商店街もそういう人たちに帰ってきてもらって、消費者の皆さんがふえることが望ましいわけでありますから、そういう商店街の皆さんの期待もあるわけですから、そういう面でも一方で考えていかなければならないのじゃないか。これらの人たちは、私は賢明なある意味では知恵だと思うのですね、コミュニティーや地縁、知人、友人、親戚がある方ですから。そういうものをただそのことに任せるのではなくて、これらの皆さんに実際に現地で連絡がとれ、対応がされているかどうか、ひとつお尋ねをしたいと思います。
  80. 田中正章

    田中(正)政府委員 先生御指摘のとおり、被災地並びに被災地の地方公共団体にとりましては、人口の回復ということが重要な課題でございます。  被災を契機として他府県に移転した被災者方々にはそれぞれいろいろな個別の御事情もあるかとも思いますけれども、地元地方公共団体や今御指摘のあった商店街、そういったようなところの気持ちになってみれば、やはりこれらの人々にはぜひまたもとの町に戻ってきていただきたいというお気持ちが強いということは事実だと思います。  そういった意味では、地方公共団体では具体的には、県外の避難されている方々に対して約一万部の県内広報誌、「ひょうご便り」とこれは申しておりますけれども、こういったものをお配り申し上げている。それから新聞を通じて、県内で行われておりますいろいろな政策、施策の紹介等を幅広く行っておるところでございます。  地元公共団体の中でも、被災をもとに被災地から離れられて県外に行かれた方で、戻ろうという意向を持っておられるかどうか、そういうところの把握、意向の把握にはいろいろな努力を傾注しておるところでございます。  例えて申しますと、特に今度の復興公営住宅の一元化募集ということに際しましては、県内、県外の被災者が地元に戻る一つのきっかけにもなるものでございまして、このため、ことしの九月から十月にかけて実施した一元化募集に先立ちましては、県外でのこの一元化募集に対する説明会、こういったようなことも実施をしたところでございます。そういう対応をとっておるところでございます。
  81. 北沢清功

    北沢委員 ぜひそれらの皆さんとやはりコミュニケーションができるような取り組みお願いしたいと思います。  最後にですが、一昨日の新聞で焼身自殺のことが出ておりまして、物理的な問題もさることながら、心身の疲労というものも相当私は長い間蓄積をしているんではないかと思うわけですね。そういう意味で、重ねて最後に、心身も含めた生活支援策がぜひ緊急な問題として必要になってくるということを私は申し上げておきたいと思います。また、三年たった今のような状況の中で、先ほどの、御答弁はなかったけれども、地方自治体の支援策が果たして転居のための支援策に満ち足りておるのかどうかということを含めて、そういうことについてはやはり実態を調査をして、私どもはそういう実感を持ってまいりましたから、よりひとつ調査をして、これらについては政治、また政府、地方自治体ともにやはり被災民の皆さんの期待にこたえるようなことをしていく必要が非常にあるということ、特にそれが、私は三年目の一月十七日にあるということだけは問題としておきたいと思いますから、そこをめどにするくらいにひとつ取り組んでいただきたいということを特に要請をいたしたいと思います。  以上で終わります。
  82. 塩田晋

  83. 小坂憲次

    小坂委員 太陽党小坂憲次でございます。  質問に先立ちまして、まずもって二年十一カ月が経過した今日、今なお仮設住宅等を初めといたしましてそれぞれの境遇の中で四年目の厳しい冬を迎えようとしている皆様に対して、心からお見舞いを申し上げたいと思います。また、過日、委員会調査派遣に際しまして現地で御協力をいただいた皆様にも、この機会に改めて感謝を申し上げたいと存じます。  さて、本日の質問におきましては、各党各委員問わずそれぞれが御指摘をされている点がございます。それは、生活支援なくしてこの生活再建というのはもう成り立たないということが明らかになってきているということであります。私どもは国民の代表として国会に送ってこられているわけでありますが、与野党を問わず各議員、各委員がこのように口をそろえて生活支援を、被災者の救済のための生活支援を何とか導入しなければならないということを言っているということは、これを聞かずして一体国会というのは何をするところか、こういうふうにも思うわけであります。  そういった観点から、国土庁長官並びに本日おいでの各役所の皆さんにもぜひとも御理解をいただきたいと思いますし、この機会に、まず最初国土庁長官の、本日、私が最後の質問でございます、これまで各委員から質問のありましたそういった内容の中での生活支援というものについて、これは何とか現在の法律、既存のシステム、その枠を見直す中でやはり何か新たな支援策を考えなければならないところへ来ていると思うのでありますが、その点についての長官の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  84. 亀井久興

    亀井国務大臣 先ほど来、各委員から同様の御趣旨からの御発言があったところでございまして、今また小坂委員から同じお話をいただいたところでございます。  今、各党もそれぞれのお立場からいろいろな案を御検討いただいておることは承知をいたしておりますし、また議員提案として国会に法案が提出をされているということも承知をしておるところでございますが、その中身等については、国会のことでございますから私からのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、再三申し上げておりますように、総理の設置いたしました防災問題懇談会におきましても、これからの災害に備えて何らかの基金をつくるべく検討をすべきであるという提言をいただいておるところでございまして、私も再三にわたって御答弁申し上げておりますが、そのことを踏まえて、何とかその知恵を集めながら、皆様方の御要望を少しでも前向きに実現をしていく道がないものかということで、今一生懸命検討しておるところでございまして、なかなか御期待にそっくりこたえられるというような状況ではないわけでございますけれども、政府としても精いっぱいの検討をいたしてまいりたいと思っております。
  85. 小坂憲次

    小坂委員 たびたび同じことばかりを聞くようで恐縮でございますが、それが国民すべての声だということをやはり御認識をいただいて、これからの協議に当たっていただきたいと思うわけであります。  私は、人類は、その最大の特徴は、学習をもって発展をするということであります。我々は、この阪神淡路大震災から何を学ぶべきかということを、やはりここでもう一度考えるべきだと思っております。このような大勢の被災者が出るという災害はそう多くあるわけではありません。その多いがゆえに、一つ対応すれば全部に波及する、それを恐れて何もできない、これを私は一番避けなければならないことだと思うわけであります。  質問項目はたくさん用意してまいりましたが、それぞれの皆さんから御質問をいただいておりますので、それをあえて、先ほど御答弁申し上げましたという回答を引き出そうとは思っておりません。しかし、まず申し上げたいことは、やはりこの学習効果ある災害対策を我々はやるべきだということを強調したいことでございます。  五代目の長官としてこの震災対策に当たられる亀井長官には、ぜひともそういう面で期待をいたしておりますので、重ねて申し上げます。本当に被災者の気持ちになっていただいて、だれもが好きこのんでみんな同じことを言っているわけじゃない、やはり本当にそこに困窮者がおり、その問題の解決なくして先へ進めないという状況があるということです。たった五十万でいいんだから私どもに支援金をください、そうすれば今までたまった融資の返済の一部に充てることができる、そして今引っ越しをしようとして恒久住宅へ移る、その移転費用に充てることもできる、それなくして出たいけれども出られないという現実があるということを、私は過日の委員派遣で目の当たりにしてまいりました。ぜひともその点の御理解お願いしたいと思っております。  復興基金でいろいろな支援が行われております。家賃補助、生活再建の資金、中高年齢者の自立支援金、いろいろなものがございましたけれども、さらにきょうも幾つか出ておりましたけれども、御検討いただきたいものの中には、やはり母子家庭に対する支援強化、あるいは仮設住宅に住んでいるがゆえに発生するもの、例えば、プレハブ住宅ですから断熱効果も十分でない、夏は暑い、そして冬は寒い、それゆえにクーラーも使わなきゃいけない、あるいは光熱費がかかる。こういうことで、仮設住宅に住んでいるがゆえにより一層かかるであろう費用については、これはやはり、住宅を供給しているけれどもその分は自己負担だということを原則としているわけですが、それを超えて、そういうような何らかの助成措置を講じていかなければいけないとも思うわけであります。  また、過日、視察のときにありました、小さな話でありますけれども象徴的な話は、仮設住宅を出て恒久住宅へ移りたいけれども、恒久住宅には電灯一つついていない。自分の仮設住宅の今使っている電灯を外して持っていけば、その日から明るい中に入れる。そして、ガスレンジすらもない。先ほどクーラーの話もありましたけれども、ガスレンジもついていない。そのガスレンジを外してそのまま持っていけば、ホースと器具を持っていけばその日から煮炊きができる。しかし、それを買うお金をまず心配しなきゃいけない。  こういったものについては、この仮設住宅を今度は再利用する際に、恐らくこれらのガスレンジあるいは電灯、こういったものは廃棄せざるを得ない、再利用をなかなかしにくい、コストの面から逆に合わないということもあると思うのですね。ですから、そういう場合には、リース物件もあるでしょう、あるいは買い上げ物件もあるでしょう、しかし、そういうものを、一つの基準をつくって、今までの生活の延長として使う場合にはそれを持っていっても構わない、そのくらいの配慮があってしかるべきと思います。そういった支援をぜひとも御考慮をいただきたいと思っております。  いろいろ申し上げたいのですが、余りやりとりをやっていると時間がなくなってしまいますので、もう今までに回答を大分いただいておりますから、回答は少しずつ省略して、最後にまとめていただきたいと思っております。  一つここでもう一度お願いをいたしたいのは、生活保護基準の弾力的運用ということについてお願いをいたしたいと思います。  今日仮設住宅に残っていらっしゃる方は、ある意味の弱者であられる方が多い、あるいは不運にも抽せんに漏れた方が多いと思うわけであります。そういう中に生活困窮をされている方もいられるわけでございまして、生活保護を受けたい。ところが、引っ越しのためにためてきた預金があるために、生活保護基準からいうと該当しない。あるいは、マンションを持っていたけれどもマンションが倒壊してしまった。そのために、自分の財産としてマンションの底地は持っている、底地は財産として土地の評価がある、しかしながら、その土地は使える土地ではない。ところが、そういう財産があるために生活保護対象にならない。あるいは保険、生命保険があるというような状況、いろいろな状況があると思うのですね。そういった、すぐに財産として使えないけれどもそれなりの評価としての財産はある、そういう場合の生活保護をどのようにしていくのか、この点について、まずひとつお伺いをいたしたいと思います。
  86. 炭谷茂

    ○炭谷政府委員 ただいま先生お尋ね生活保護の扱いでございますけれども、生活保護の原則の一つに、国民無差別平等に行わなければいけないという原則があるわけでございます。したがって、全国一律の条件を適用してやっているわけでございます。しかし、先生御指摘のように、被災者方々がいろいろ事情を抱えていらっしゃることは事実でございます。そこで、我々の規定の中で、許されるところで被災者の特性に応じた対応をしているところでございます。  具体的に申すれば、先生が今例に出されましたマンションが倒壊した場合の底地の扱いでございますけれども、これにつきましては、現在、私どもといたしましては、家屋の再建の可能性が判明するまで、これは財産の処分指導とかそういう扱いはいたしておりません。ですから、それについては生活保護法上、資産としての扱いというふうにはなっておらないということでございます。  そのほか、義援金等について受けられた方は、これが自立更生に充てられるという場合については収入認定をしないとか、それから自立更生に必要な災害援護資金とか生活福祉資金を借りられた場合については、これは借入金を収入認定から除外するとか、また償還金については世帯の収入から控除するというようなきめの細かい対応をしているところでございます。  今後とも、適切な保護の実施に十分努めてまいりたいと思っております。
  87. 小坂憲次

    小坂委員 ありがとうございました。  きめ細かく対応することを努力しているということはわかりました。今、私は幾つかの例を挙げましたけれども、その例は一つの、こういうこともあるということを申し上げたのでありまして、その辺はわかっていらっしゃると思いますが、では、土地で、処分できない土地はどうなのかということを一つの例として類推していただきたい。  すなわち、今売ろうと思っても、阪神淡路地域に持っている資産が必ず処分できるとは限らない環境です。売れなければ、それを担保にしてお金を借りればいい。しかしながら、今の金融の大変厳しい中で、担保を評価して金を貸してくれるという状況でもないわけでありますし、もう既に借金はそれ以外の目的のために幾つかされて、これからの将来のために新たな借金をすることは避けたいというのが被災者の現状でありますから、そういった意味で、持っている財産が資産として運用できないような場合、そういう場合の生活困窮者に対して、今おっしゃったような、まさに行政にも心がありますという運用をしていただきたい。改めてお願いを申し上げておきます。  それから、私どもがいただきました要望書の四件ぐらいに同じことが記載してございました。仮設住宅居住者に対しても国民健康保険証の発行をお願いいたします、こう書いてございました。国民健康保険証は、現住所がその地域にあれば、これは発行してくれると思うわけでありますが、このケース、これを読んだだけではなかなかわかりませんが、恐らく負担金を支払う能力がないために滞納しているという状況で、そういう状況のもとに、じゃ市役所へ取りに来なさいとか、あるいは何らかの形でその手に保険証が渡っていない人がいるんだと思うのです。そういう状況下で何とかそういうものを支給してほしいという声になって表へ出てきているものと思われます。これについてどのように考えていらっしゃるか、まず御解説をいただきたいと思います。
  88. 柴田雅人

    ○柴田説明員 保険証の件でございますけれども、保険証の交付は、通常やっている方法としては、郵送する方法とかあるいは市役所等の窓口で交付する方法と二つございます。この窓口で交付する場合には、先生おっしゃいますように保険料の納付とも関係があるわけでございます。  それで、国民健康保険は、もう言うまでもございませんけれども、被保険者全体で、みんなで助け合うということでございますから、やはり保険料の収入の確保というのは大事な問題だということで、そういう観点から、これは別に被災地だけではないのですけれども、多くの市町村で、保険料が滞っておられる方々の納付相談を促すという観点から、そういう意味では、必要があれば保険料の減免可能なケースというのも出てくるわけでございますけれども、市町村の窓口に来ていただきまして、それで被保険者証を交付するという窓口交付を実施しているところでございます。窓口に来た方に対しましては、短期の被保険者証とか被保険者証、いずれにしろお医者さんにかかるときに必要な被保険者証を発行しているものでございまして、これは仮設住宅とか一般、そういうことは問わないで、同じような形で措置をしているところでございます。  未交付という実態があるとすれば、これは一般論ですからいろいろなケースがあると思いますけれども、例えば市町村から呼びかけても連絡がとれない場合とか、あるいは……(小坂委員一般論でなく仮設住宅居住者」と呼ぶ)はい。仮設住宅の場合も、そういう場合とか、あるいは保険料を支払う意思が余りないような場合とか、そういういろいろなケースがあると思いますけれども、そういうことで生じているのではないかというふうに思っております。
  89. 小坂憲次

    小坂委員 私は、先ほど心のある行政をと申し上げたのですが、残念ながらちょっと心が感じられない御答弁でありまして、やはり、窓口へ来いと言われても、滞納している人はなかなか行きにくい。好んで行かないわけではないのです。ここまで困窮してきて、そういう中で悲鳴として上がってきている声をやはり聞きに行ってやるというぐらいの温かさが欲しいですね。やはりそういう被災者の身になって考えてあげてくれないかなというふうに思います。自分が一生懸命借金をして建てた家が一瞬のうちになくなってしまう。そして、その後、いろいろトライをしたけれども、住宅は当たらない、ましてや家族もいなくなってしまった。その家族がいなくなっただけの精神的打撃でも立ち直るのは難しい。そういう中で必死に生きている人たちの気持ちというのをやはり考えてあげてほしい。  そういう中で、高齢化で、その高齢者がひとりで、独居していて、保険証があれば行けるのだ、あなた保険証持っているのと聞かれたとき、私は持っていないのです、あなた市役所行きなさいと言われても、なかなか行けないという実情もあると思うのですよ。やはりそういうのは、こっちから出向いて聞いてあげて、そういう場合にはこういう措置もありますよというぐらいのことをやっていただきたい。これは、どの省ということでなく、行政相談窓口という、巡回していくような形を考えていただきたい。  相談員がいることは存じております。神戸市に相談員がいることも存じておりますが、人数的に必ずしも十分でないと思いますし、固定的な人が巡回しておりますと、あなたのケースはもうわかっているよということにもなりかねない。時々ローテーションをして、新しい目でもう一度被災者を見直すことも必要であります。そういうことを強く要望をいたしておきます。  時間がございませんから次の質問へ参りますが、応急仮設住宅の再利用についてであります。  先ほど、その中の備品についての再利用は、ぜひとも被災者に何らかの便宜を図れないかということを申し上げましたが、この住宅、撤去した後、再利用するにはなかなかコストがかかりますから、多くは産業廃棄物になってしまう可能性があります。  そういうことで、過日、私ども、いろいろ問い合わせましたけれども、過去、中国に輸送したケースがあります。私が具体的にこの春お願いをいたしましたのは、フィリピンでございました。昨年末から依頼がございまして、フィリピンに仮設住宅を送れないか、こういう話がございました。中国のケースはスタディーさせていただきまして、ペルーのケースもあるというのも存じております。それに基づいて基本的なスキームはできましたけれども、なかなか、実際に、費用としますと、解体をして、解体するところまで全部費用は持っていただけます、その場から港へ輸送して、港で船積みをして、そしてその希望する国まで輸送する経費は、全部受ける方の負担になっております。これは、概算いたしますと、結局三十万ぐらいかかってしまうのです。大概の国ではそのくらいの住宅はその値段で買えてしまうのでありまして、コストの採算性からすると必ずしもメリットがないということになってまいります。したがって、輸送費部分を吸収する施策が必要と思われます。  そのような意味で、外務省の方のODA、草の根援助等を活用するというのがありますけれども、一件三十万となりますと草の根もすぐに枯渇してしまいます。何らかの新たな対策をもって応急仮設住宅産業廃棄物と化さないように、環境の観点からも新たな施策をぜひとも長官にお願いをし、また、長官が副本部長をされております復興本部の対策を希望いたしまして、最後に一言、締めくくりの御意見を長官から賜って、私の質問を終えたいと存じます。
  90. 亀井久興

    亀井国務大臣 今、小坂委員から、各般にわたって、大変、被災者の立場に立ったさまざまな御意見、御提言もいただいたところでございます。そのことを十分私どもも踏まえまして、さらにきめ細かい対応努力をしてまいりたいと思います。
  91. 小坂憲次

    小坂委員 ありがとうございました。      ――――◇―――――
  92. 塩田晋

    塩田委員長 この際、御報告申し上げます。  今会期中、本委員会に付託になりました請願は八十四件であります。各請願の取り扱いにつきましては、先ほどの理事会におきまして慎重に協議いたしましたが、委員会での採否の決定はいずれも保留することになりましたので、御了承願います。  なお、今会期中、本委員会に参考のため送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり、災害被災者等への公的支援に係る法整備早期実現に関する陳情書外九件であります。念のため御報告申し上げます。      ――――◇―――――
  93. 塩田晋

    塩田委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  災害対策に関する件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 塩田晋

    塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の各件についてお諮りいたします。  まず、閉会中、委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 塩田晋

    塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、閉会中審査のため、委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 塩田晋

    塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、派遣委員の人選、派遣地、期間その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 塩田晋

    塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十八分散会      ――――◇―――――