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小松参考人 今
先生、
石油公団の
探鉱投融資対象事業の収益
状況、権益
状況がこれでいいのかという御
質問だというふうに思います。
実は、ちょうど
石油公団ができて、それからさらに実際の
探鉱投融資が始まった第二次
石油ショック後、
石油の値段が非常に下がったのですが、当時の円レートが大体三百円から二百五十円、こういう時代に対外
投資が行われています。それが、実際に回収に入った
段階では百五十円、さらにはつい最近は百円を割るというような、そういう意味で、大体、レートがまず半分になりました。というのは、油を円に換算した場合に、本来もらう手取りの半分しか手取りができない。
それから一方、油の値段は、当時大体三十ドル前後、これは将来四十ドルとか上がるだろうと言われておったのが、実際にはこれも大体十五ドル、今は十七、ハドルと若干戻っておりますが、一番低いときは十五ドルを割るような状態になった、こういう意味では油も半分です。
そういう意味では、本来
経営者として
投資をし収益が上がると思った
中東地域の、例えばジャパン
石油開発、こういうようなところも、もし同じことをやっておってもBP、トタールは膨大な利益を実は上げているわけですが、日本勢は、油の値段は確かに同じですけれども、為替レートで
事業収入が半分に減ってしまう。
こういう
会社が実は、
会計検査院からも
指摘されたように、今
経営状態が非常に悪いじゃないか。過去の債務を全部今抱えておりまして、
石油公団がもし民間の銀行であれば、これは債務は早くおろしてやって軽くしてやれば今はもういいのであるとか、
石油公団自身が財政
資金を持っておりますので、できるだけ返済の可能性があるものは資産という形で
石油公団の中にとどめ置くという形をとっております。
それから、利子については、さらに利子が利子を生むという格好で利子加算も行っておりまして、そういう形で、当時
開発事業として非常に傷ついた
石油開発企業は相当の重荷を背負っておるし、しかも、
石油公団の
制度の減免というのは、実際には返済の延長と金利の一部棚上げはやりましたけれども、あとは全部減免しておりません。
そういう形で全部背負っておりますので、バランスシートとして見た場合に、非常に厳しい
会社が今でも何社かある。しかし、その
会社は、実際には
開発原油を日本に、ジャパン
石油の場合はアラビア
石油より多い油の量を日本に持ってきている。しかも、今までそういう意味で、日本は二、三年前までは非常に
円高のあらしの中で、それから油が安いということで、非常に皆さん苦労したのですが、ここ三年ぐらいを見ますと、油の値段が大体十七、八ドル、場合によっては二十ドル近く戻ってまいりました。それからレートの方も、百二十円を超して、今大体百二十七円とか八円。こういう
状況で、現在はジャパン
石油でも、個々の年次で見ますともう完全に収益は黒字で、相当
石油公団に、例えばジャパン
石油はことしも百億返済するというような形で、非常に膨大な財務改善が行われております。
そういう
状況ですので、過去十何年、メジャーはそれがなかった、日本の
開発企業だけが十数年にわたって非常に厳しい状態、この結果を背負っているのが今の
状況ですので、私も、今の収益とか
経営の
状況には満足しておりませんけれども、これは単に
経営者が悪かった、それから
探鉱の
投融資の仕方が悪かったのではなくて、やはり一番大きいのは
油価と為替ではなかったか。
特に国際的に違う点は、日本がヨーロッパ
企業とかメジャーがいいのと違うのは、まさに
円高という形で収益をほとんど半分に減らしておる、これが要因だと思います。ですが、過去のことを余り言って、だからいいのだと申し上げる気持ちはございません。ここ二、三年、非常によくなってきております。
それから、新しい
プロジェクトもここへ来て出てきておりまして、採算性のとれる
プロジェクトがむしろふえてきておりますので、これからの何年かに過去のそういう傷を治し、それから新しい
プロジェクトに取り組んでいける、
石油公団としてはかように考えております。