○佐々木(秀)
委員 何にしても、これから先、随分長いのですね、この返済については。しかも、それだけ長くやっても五千億、そしてもう一つの考えで五千億、両方合わせても一兆ですから、到底全部の解決にはならないわけです。これはどうしたって、
特別会計のやり方などというのはもう破綻を来しているわけですから、国全体としてやはり考えなければならない問題だと思うのですね。そうでないと、これは先へ進んでいかないですね、後ろ向きな話ばかりで。これでは、幾ら
森林が国の財産だ、
国民全部の財産だ、公益的な
機能を持っている、いわば国土そのものなのだと言ってみたところで、ますます荒れ放題ということにならざるを得ないと思うのですね。
そこで、実は私
ども民主党で、十一月十一日に北海道で
林業調査、現地
調査を行ってまいりました。そのときの
資料を皆さんのところにお渡ししているかと思いますが、まず、写真が三枚くっつけてあると思います。それから、こういう図面が一つございます。私
どもはこのときに、北海道の上川郡の美瑛町というところで、美瑛の
営林署管内の
民有林と
国有林と両方見てきたわけですけれ
ども、どちらも、
国有林も荒れているし、
民有林も荒れているわけですね。
この写真をごらんいただきたいのですが、一番最初にあるもの、これは
民有林ですけれ
ども、この一枚目の写真の左側と右側がございますが、この右側の方、これは
間伐を
実施したところでございます。お手元の図面でごらんいただきますと、ここに、この図面の一一七という大きな数字があると思います。このすぐ上の五六と書いてある、入江さんと書いてあるところがこの写真の左側の林なのです。そして、右側の林が、その五六の右側、右上に松村一雄さんと書いてあるこれなのです。これがちょうど隣り合っているのですが、この五六の方は未
間伐、
間伐していないところ、それから写真の右の方、これは
間伐をしてあるところ。これはいずれもカラマツですけれ
ども、右の方が二十七年生ですね。それで、ここに書いてありますように、九四年に一度
間伐をしているということですが、左の方は、本人がやるやると言いながら、結局
間伐をしないでそのままになっているということで、比べていただくといかに違うかということが歴然としているのではないかと思うのですね。
二枚目は、この左の方の未
間伐の林です。こういう
状況なのですね。見ますと、もう中の木などというのはモヤシのように細くて、それがもう絡まり合っているというか入り組んでいる。それから、その下の方は、これは
間伐を
実施したところで整然となっているわけですね。
これは、地元の
森林組合の皆さんにも御案内をいただいたわけですが、ごらんいただいてわかりますように、この図面の二七と書いてある下の方は、ほとんどこれは未
間伐状態なのですよ。だから、こういう二枚目の写真のような林がずっとこのような
状況で続いているわけですね。
森林組合の方でも実は困っているわけです。
伐採、
間伐を勧めているのだけれ
ども、とにかく先行きの見通しがない、金がかかる、今金をかけたってそれが戻ってくるわけじゃないというようなことでそのままに放置されている、放置されているために売ろうと思ってもかえって売れないし、もうどうしようもなくなって荒れ放題になっている、そういう
状況を聞かされてまいりました。
また一方、これは図面は行っていないかと思いますけれ
ども、
国有林を見せていただきました。この
国有林については、ドイツトウヒの
造林地で、これが法指定としては水源
涵養保安林、そして
機能の類型の区分としては
木材の
生産林というところで、美瑛
営林署管内二十二林班ろ小班ドイツトウヒの
造林地というところを見せていただいたのです。
これは、植栽の年度が
昭和五年で、林齢としては六十七年たっているドイツトウヒ。ですから、いわば本当は
伐採期になっているわけですね。それで、
間伐は
昭和四十二年から
平成九年の間にやってきた。下刈りだとかつるの切除伐については記録がないということになっているところなんですけれ
ども、切るにも切るだけの金がないというわけですよ、もう
予算が。それとまた、さっきの話じゃないけれ
ども、切ってもとても売れない、したがって、
経費にまでも及ばないというわけですね。そのままに、
営林署としても切るに切れないという
状況で放置しているということも見せてもらいまして、非常に何か身につまされる思いがしてきたのですが、いずれにいたしましても、こういう
状況です。
それと、もう一枚皆様のところに横長の紙が行っていると思いますけれ
ども、「旭川
営林支局概要」というのが行っていますか。
これが、旭川
営林支局でこれだけの地域、一、二、三、四、それから石狩空知までで五つの地域でございまして、支局の計で管理面積が八十七万三千八百十七ヘクタール、
営林署の数が十九、それから
要員数が一千三十一名ということになっておりまして、単純に
要員に対する一人当たり面積ということになると、八百七十ヘクタールぐらいになるかなと思うのですけれ
ども、非常に広大な面積ですね。これをこれだけの
要員で管理をし、もちろん
生産材についての販売だとかそういう仕事もやってはおるわけです。さっきのお話のように、かつては八万人からいた
要員が今これだけに減ってしまって、これだけで管理から何から全部やっているということなんですね。
実は、私の家内も昔は営林局に勤めておりましたのですが、家内の父親も、それから家内の兄貴も
営林署勤めをしていたものです。よく家内の兄貴の話などを聞きますと、冬はそれこそ、北海道なものですから、雪上踏査といいますか、スキーを履いたり、それから、かんじきを持って山に入って、テントを持って一週間ぐらい泊まり込んで
調査をして、それで
間伐の選びをしたり、さまざまな苦労をしながら手塩にかけて山を見てきたと。ところが最近は、お話を聞きますと、とてもじゃないけれ
ども、人手
不足で、そんなようなことをしたらもうみんな死んじゃうというようなことで、本当はやりたいんだけれ
どもやるにやれないんだという話を聞いてきたわけですね。本当に痛切な思いがいたしました。
一方、
民有林についてもやはりそうですね。このときも、
森林組合の
組合長さんなんかも言っておられましたけれ
ども、
林業労働者は、さっきも御
指摘のようにみんなもう
高齢化だ。例えば、さっきの
民有林の
間伐をやるにしても、
間伐をやる人を集めるのがなかなか大変だと言うのですね。この地域の、さっきの、お隣の
間伐をやるのに毎日五、六人の方をお願いして、一週間ぐらいかかるんだそうですけれ
ども、その人を集めるのだって大変だ。そして、それが何十年たったら必ず金になるというならわかるけれ
ども、そうはいかない。
その
組合長さんも言っていましたけれ
ども、自分の持っているところも、切った後植えたのがまだ三十年ぐらいしかたっていないので、自分の目の黒いうちにはとてもじゃないけれ
ども返ってくるとは思えない、息子の代でもどうかな、せめて孫の代で、おまえたち何とかしろよと。しかし、そのときに果たして売れるようになるだろうか、ますます売れなくなっているんだとすればどうなるんだろうかなというようなことを言っておりましたけれ
ども、本当に私
どもとしても、いろいろな思いで感慨を込めたお話を聞いてきたわけです。
そういうことを考えますと、先ほど、単純に
自助努力、これからまた一万五千人を三分の一にするんだ、もちろん公益部門にだけ重点を当てるんだからというお話があったけれ
ども、これで果たして山を守るなんということはできるのだろうかと思うわけですね。抜本的な
改革というお話もあるわけですけれ
ども、本当にそれでいいのだろうかということについて、
大臣、もう少しお考えを、コメントをしていただきたいと思うのです。