○草川
委員 そこで、少し具体的な話に入りますが、いろいろと
審査の手続を経るわけでございますが、具体的な高額
レセプトをちょっと紹介をしながら、また大臣の見解を問いたいと思うのです。
平成八
年度の高額
レセプトの上位五位というのを、ひとつ
金額だけ申し上げますが、第一位は、一カ月ですよ、これは
平成八年ですが、二千九十六万八千六百円、房室ブロックというんですかね、この方は亡くなっているのですが、これは公立
病院です。第二位が、千五百八十四万三千三百六十円、これも抹消血幹細胞、これも国立大学の附属
病院です。第三位が、これも一カ月千五百三十二万二千五百七十円、動脈幹症、これも公立
病院、これはすべて亡くなっておられます。第四位が千五百一万三千五百三十円、これも心筋梗塞関係、これも国立大学
病院。第五位で千四百七十九万四千四百六十円、これは
医療法人なんですが、こういうように、これは決定の
金額なんです。これは決定の
金額ですから、かなり
請求は上回っておるわけです。
こういうのが、いわゆる民間
病院ではなくて、大学附属
病院とかあるいは国立
病院というところに顕著に出ているわけです。だから、ここは我々は
医師会とよくお話しするのですが、過剰
診療だ、即町の開業医だというのではなくて、高額医療というのは、今申し上げたように、一カ月に二千万近いものがどんどん出てきて、しかもそれは国立とか大型
病院なんですよ。こういうことを我々もまず認識しなければいかぬわけです。
それから、これは再
審査の容認の事例ですが、事例を一つ私は今から紹介をします。
この方は慢性骨髄性白血病なんですが、
傷病名が三十八ついているんですよ、
レセプトに。三十八ですよ。だから、その中には、もう痔だとか、化学療法剤を飲んだための嘔吐だとか、それから
神経性の不眠だとか、多発性の筋炎だとか、それから上部消化管出血だとか、関節炎だとか、三十八の病名で
請求されているわけです。私はこれは医者に言ったんですよ、知人の医者に。先生、三十八も書くか、こう言ったら、それは、実は今の
診療報酬の
請求のあり方に問題があるのだと言うのですよ。
いろいろな
投薬をすると、一
傷病名一つの
注射なり
投薬をしないと、結局レセではねられる。要するに下請業者の方からはねられる。だから、それも一つの理屈だから、病名の数がたくさんになるというのですよ。いずれ将来は五十なり百になるだろうというのですよ。だから、もうこれは大変なことなのです。さっきから言っているように、
合理化ではなくて逆行しているのですよ、現実のレセの書き方が。
私は、それと、この
病院もちょっと問題があると思うのですが、一次
審査の
査定状況で
金額が幾らかといいますと、
点数ではなくてお金の
金額でいいますと、八百六十九万四千四百六十円という
請求なのです。だから、一カ月に八百六十九万ですから、高いわけですから、まずはねたと思うのですね、一次
審査で。それで、そこで一応はこれは
査定しているのですが、八万六千百二十八点
査定をしておりますから、約九・九%という
査定なのです。これは健保組合へ行くわけですよ、国保へ行くわけですね。
そこで、再
審査の申し出を検討しますと、一次
査定では気がっかなかった点が具体的に出ているのですがへ例えば、レスタミンカルシウムコーワを、
注射を投与したというのですが、これは一V掛ける九・二V、これは
専門的なこと、これを十五投与した。しかし、
査定ではゼロになっている。どうしてゼロかというと、適応病名なしとした
査定なのです。だから、病気がないのにこのレスタミンカルシウムというのを投与したからゼロになったわけですよ。だから、それは医者が、この場合はこの
病院の収入が、この分だけゼロになった、こういうことになるわけで、いろいろなやりとりがあるのですが、こういう具体的な例に対して、お互いに話し合いをするような場があるのかないのか。
先ほど
局長は、
医師に対していろいろと
指導をしておるということを言っておみえになりますが、私は、どうもこういうようなことを言いますと、少なくともこれは公立
病院であるわけですから、少なくとも公立
病院の院長は地域の
医師会の名士でありますし、あるいは、
厚生省の考え方というのは下に流れてくるわけですから、私は、十分
指導ができると思うのです。
しかし、残念だけれ
どもこういう結果が出てきて、この人の場合は最終的に容認
点数は四万六千六百五十九点というようになりまして、マイナス百三十二万七千八百円、削られたわけです、一次と二次で。それで、八百六十九万四千四百六十円というものが決定的には七百三十六万六千六百六十円、かなり削られているわけです。これは一つの例なんですが、こういう例がどんどん今
診療機関の中に出てきておるわけでございます。
私
どもは、適切な病名があるならば適切な医療をやっていただかなければいかぬわけですよ、生きるか死ぬかですから。それはもう当然ドクターの裁量権があるわけですから、それについて
支払基金なり保険組合が細かいことを一々言うということは問題だと思っています。これはもう我々はこの議論の中でも前提があると思うのです。
前提がありますけれ
ども、中には相場を崩す例があるわけですから、こういうものをどのように相談をしていくか、対応するかということを真剣に考えませんと、
医療費の抑制にもつながりませんし、医療の現場における不信感だけが、
診療機関と役所あるいは
保険者との間のことだけが残るような気がしてならぬのですが、その点は、まず
局長の答弁と、それからまた大臣のお考えを聞きたいと思うのです。どうでしょう。