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川橋幸子君 民主党・新緑風会の
川橋幸子であります。
きょうは、ある財団、今のNGOとかNPOとかという、そういうふうな言葉で表現される歴史のある民間団体の機関誌でございます「世界と人口」というところに紹介された随筆にまつわって、
外国人労働者の方の
労災問題についてお尋ねしてみたいと思います。
「世界と人口」というその機関誌をやっておりますのは、家族計画国際協力財団、通称ジョイセフといいます国際専門NGOでございます。ファミリープランニングの
指導をやりましたり、あるいは開発途上国に行って識字やらあるいは
女性の地位向上といいましょうか、技術訓練などのインテグレーションプログラム、そういうプロジェクトを持って、長い歴史を持った財団でございます。その財団の長は亡くなられた福田元総理でいらっしゃいましたが、今は百歳のお誕生日を迎えられました加藤シヅエさんがその長に当たっておられる、こういう由緒正しい財団でございます。
そこの機関誌の去年の秋に掲載されたもので、随筆なんでございますけれ
ども、「A氏の義足」、A氏といいますのは、
労働省の方でお調べいただきましたらガーナにお住まいのアボアグイエさんという方だそうでございます。
労働省の方で訳してくださったアボジーさんというのではなくて、弁護士さんに送られたお手紙、これも
労働省からいただいた資料でございますけれ
ども、そこで見ましたらアボアグイエとお読みするようでございます。三十代の男性の方でいらっしゃいます。
この随筆を書かれた方は阿部裕行さんとおっしゃる弁護士さんでございます。この弁護士さんがアボアグイエさんの
労災補償にまつわる訴訟を扱われたという、そういう御縁の方のようでございます。この方の弁によりますと、恐らく資格外就労、
不法就労の外国人の方の訴訟を初めて受け持たれたというふうに書いておられます。第一号でいらっしゃるのがアボアグイエさんだったということでございますけれ
ども、約十年ぐらい前に
事故に遭われまして、左足のひざ下を切断して義足を支給された、年金も支給されたということでございます。
ところが、義足というのは年がたちますと本人の体形が変わったり、あるいは少しずつふぐあいが出てまいりまして調整を要するようでございます。そこで、このアボアグイエさんは、自国でやりたいといっても自国のガーナでは
医療水準、技術水準からいってそううまくは診断書をもらって調整することはできない。そこで、日本に来てぐあいよく調節してもらいたいという御希望を持たれまして、この阿部裕行さんという弁護士さんを通して、旅費を支給してもらえないものかという御
相談をなさったようでございます。
そこで、問いの一でございますけれ
ども、外国人の
労災被災者の方がそのように再度義足の調整のために来日するというような場合に旅費は支給されないということのようでございますが、現状はそういうことでしょうか、確認させていただきます。
余り詳しく質問をお伝えしていなかったのでございますが、それでは、東北なりあるいは九州なりの遠方地域から東京の
労災病院でぜひやりたいといった場合、国内に在住している場合は
外国人労働者の被災者の場合でもそれは支給されるのでしょうか。そこの点をまずお伺いさせていただきたいと思います。