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国務大臣(
橋本龍太郎君) もし
議員の言葉につけ加えますならば、改革の幅を広げ過ぎておる、そのために焦点がずれておる、そんな御批判もございます。
ただ、私は本当に真剣に
議員にもお答えをさせていただきたいと思いますが、では、どれか
一つだけ改革を行えばこの国のあすは開けるんでしょうか。私はそう思わないんです。そして、今その
意味では一番焦眉の急になっておりますのはまさに財政構造改革でございます。
そして、本年度予算についていろいろな御議論がありますけれ
ども、私
どもは少なくとも租税収入の中で国債費除きの歳出を賄うといった目標は達成をしてこの予算を御審議いただいております。あるいは特例公債、私は、実は当初の目標を三兆円以上ということでスタートをしましたが、大蔵大臣以下
努力をしていただいて四兆五千億の減額まで行きました。
しかし、
我が国の抱える、国、地方を通じ、あるいは隠れ借金と言われるものまでも含めまして非常に多くのツケを将来に残しているわけです。そして、そのためには私
どもはこれ以上私たちの世代が楽をするために次の世代にツケを残すべきではない、そう思ってこの予算も編成をいたしました。
そして、
平成十年度の予算編成に向けて、当然ながら次のステップを踏み出すために、従来の概算要求の仕方ではない、まさに財政構造を変えていくための概算要求のルールづくりを六月のうちには終わらなければならないであろう、概算要求
作業は七月に入れば始まるわけですから、それまでにそのルールを決めなきゃならないということを申し上げております。
しかし、財政構造を変えていこうとすれば、よく
国会で公共
事業ばかりがいろいろな角度で多い少ないという御論議をいただきますけれ
ども、社会保障関連費も文教・科学関連経費も、さらにはODA、防衛費、すべてを俎上にのせて我々は議論をしていかなければなりません。社会保障関連になりますなら、これは制度
改正を伴うものが大半であります。
そして、その中には、例えば関連して申し上げるなら、
企業の経営者としての負担がございます。税と二つの負担を
企業もまた行っております。そして、
企業が国を選ぶ時代と言われる時代において、我々はこれ以上の
海外への生産拠点の移転を防ぐためにも、あるいは
我が国への新しい投資を求めるためにも、
企業の立地しやすい条件をつくっていこうとするならば、経済活動が容易に行える環境を、またそれだけの負担に耐えられる
状況をつくり出さなければなりません。
そのために、
政府の規制が自由な
企業活動を妨害しているとするならば、あるいは新たな
企業の創造を防ぐ
役割をしているならば、こうした規制も変えていかなきゃなりません。そして、そこに必要な
人材を供給するためには、均質性、等質性を求める
教育の仕組みから個性を育てる
教育に変えていかなきゃならない。すべてが連動するんです。
御批判は幾らでも私はちょうだいをしたいと思います。しかし、同時に、こうした改革のうちのどれか
一つだけを形よく手がければそれですべてが済む時代ではないということもどうぞ御
理解をいただきたい、私はそのように
考えております。