○井上孝君
行財政機構及び
行政監察に関する
調査会における中
間報告の
概要につきまして、御
報告申し上げます。
本
調査会は、第百三十三回
国会において設置されて以来、「時代の変化に
対応した行政の監査の在り方」を三年間のテーマとして鋭意
調査を進めてまいりました。
一年目は、主として
行政監察等について、
政府からの説明聴取、学識経験者からの
意見聴取等、基礎的な
調査を行うとともに、今後の
調査会の方向性と
課題について検討を行いました。
二年目の
調査は、まず、本院の特定事項
調査団として、私を初め五名の議員がイギリス、ドイツ及びフランスの三カ国を訪問し、議会によるオンブズマン等行政統制の
調査を行い、その
報告を本
調査会で聴取いたしました。
また、一年目の
調査において今後の
課題として指摘された国政
調査権及び請願
制度について、
参考人からの
意見聴取を行いました。
参考人からは、
我が国の議院
内閣制度のもとでは議院における国政
調査権の活用にはおのずと限界がある、請願は議会に対する
国民の直接の要望・
意見表明であり、苦情申し立て型請願の積極的な活用を考えるべきであるなどの
意見が述べられました。
さらに、総務庁の
行政監察・行政相談等の実態を
調査するため、京都府及び奈良県に
委員派遣を行い、行政相談
委員との
意見交換を通じて、その活動の状況についても
調査を行いました。
他方、本
調査会の
調査活動は、参議院の
制度改革と密接なつながりがあること、また、
金融不祥事、高級官僚による不正行為等により行政への不信が著しく高まったことなどから、本
調査会は、当面の
対応策を早い時期にまとめることとし、
調査会
委員の自由討議を行いました。
この自由討議では、一部の
調査会
委員からは、
国会または参議院の附属機関としてオンブズマンまたは行政監視院を設置する必要があるという
意見、既存の常任
委員会の
活性化を図れば行政監視が可能であるという
意見等が述べられましたが、大方の
意見としては、参議院は第二院として行政に対する監視機能を強化すべきであり、そのために参議院議員みずからが行政を監視し得る新たな常任
委員会を設置すべきであるというものでありました。
そこで、これら自由討議の
意見をまとめ、去る五月九日の
調査会に
調査会長案を提示し、大方の
調査会
委員の了承を得るとともに、その立法化について
議長に要請することといたしました。
この
調査会長案の
内容は、参議院
改革の一環として、参議院に期待される行政監視機能を
向上させるために行政監視のための第二種常任
委員会を設置しようとするものであり、この
委員会の
調査に当たっては、総務庁が行っている
行政監察等を活用しながら
委員会みずからが積極的に国政
調査権の活用を進める。また、行政運営の不適切、怠慢などによって生じる
国民の苦情を請願として受理し、それを手がかりに
調査を行うとともに、これらの請願の有効な
処理を通じて、この
委員会にオンブズマン的機能を発揮させようとするものであります。
なお、
調査会長案をまとめる過程で、国政
調査権につきまして、
国会法第百四条を利用する場合の実効性の
確保、議院証言法による場合の発動要件の緩和、また、公務員の守秘義務との
関係等、議院全体として別途さらに検討を要する
課題があることが指摘されましたので、付言いたします。
以上述べてまいりました本
調査会の
調査の
経過及び結果は、中
間報告として取りまとめ、去る九日、
議長に提出いたしました。
以上、御
報告申し上げます。(
拍手)