運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1997-06-11 第140回国会 参議院 本会議 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年六月十一日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第三十四号   平成九年六月十一日    午前十時開議  第一 投資促進及び保護に関する日本国政府   と香港政府との間の協定締結について承認   を求めるの件(衆議院送付)  第二 小学校及び中学校教諭普通免許状授   与に係る教育職員免許法特例等に関する法   律案衆議院提出)  第三 建築士法の一部を改正する法律案永田   良雄君外六名発議)  第四 外国人観光旅客来訪地域多様化の促   進による国際観光振興に関する法律案(内   閣提出衆議院送付)  第五 雇用分野における男女の均等な機会及   び待遇確保等のための労働省関係法律の整   備に関する法律案内閣提出衆議院送付)  第六 私的独占禁止及び公正取引確保に関   する法律の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  第七 電気事業法の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  第八 日本銀行法案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、国家公務員等任命に関する件  一、日程第一より第八まで  一、行財政機構及び行政監察に関する調査の中 間報告      ——————————
  2. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより会議を開きます。  この際、国家公務員等任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、  人事官中島忠能君を、  検査官金子晃君を、  科学技術会議議員佐野陽子君を、  宇宙開発委員会委員末松安晴君を、  公正取引委員会委員長根來泰周君を、同委員糸田省吾君及び黒河内久美君を、  公害等調整委員会委員長川嵜義徳君を、同委員長崎護君、二宮充子君及び平石次郎君を、  公安審査委員会委員長藤田耕三君を、同委員伊藤助成君、大川隆康君、木村治美君及び波多野敬雄君を、  日本銀行政策委員会委員武富將君を、  中央社会保険医療協議会委員村田幸子君を、  運輸審議会委員石川雅嗣君を、  また、労働保険審査会委員細川昌俊君を任命することについて、それぞれ本院の同意を求めてまいりました。  まず、人事官公正取引委員会委員長、同委員のりち糸田省吾君、公安審査委員会委員長、同委員日本銀行政策委員会委員及び運輸審議会委員任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  3. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 過半数と認めます。  よって、いずれも同意することに決しました。  次に、検査官宇宙開発委員会委員公害等調整委員会委員中央社会保険医療協議会委員及び労働保険審査会委員任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  4. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 総員起立と認めます。  よって、全会一致をもっていずれも同意することに決しました。  次に、科学技術会議議員及び公害等調整委員会委員長任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  5. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 過半数と認めます。  よって、いずれも同意することに決しました。  次に、公正取引委員会委員のうち黒河内久美君の任命について採決をいたします。内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  6. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 過半数と認めます。よって、これに同意することに決しました。      ——————————
  7. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 日程第一 投資促進及び保護に関する日本国政府香港政府との間の協定締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。外務委員長寺澤芳男君。     —————————————    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     —————————————    〔寺澤芳男登壇拍手
  8. 寺澤芳男

    寺澤芳男君 ただいま議題となりました協定につきまして、外務委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  この協定は、我が国と中国に返還される香港との間の投資環境枠組み整備しようとするものでありまして、投資の許可に関する最恵国待遇投資財産に係る収用措置及び敵対行為発生による損害の補償、送金の自由、投資紛争解決のための手続等について定めております。  委員会におきましては、本協定締結する意義及び現行日中投資保護協定との関係香港政府との各種実務協定法的実効性確保我が国香港との経済投資関係現状等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党立木委員より反対する旨の意見が述べられました。  次いで、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものど決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  9. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  10. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 過半数と認めます。よって、本件承認することに決しました。      ——————————
  11. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 日程第二 小学校及び中学校教諭普通免許状授与に係る教育職員免許法特例等に関する法律案衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。文教委員長清水嘉与子君。     —————————————    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     —————————————    〔清水嘉与子君登壇拍手
  12. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、義務教育に従事する教員が個人の尊厳及び社会連帯の理念に関する認識を深めることの重要性にかんがみ、教員としての資質の向上を図り、義務教育の一層の充実を期する観点から、小学校または中学校教諭普通免許状授与を受けようとする者には、障害者高齢者等に対する介護等体験を行わせる等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、体験すべき介護等内容社会福祉施設等受け入れ体制整備事前研修必要性介護等体験中の事故への対応等の諸問題につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  13. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  14. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 総員起立と認めます。  よって、本案全会一致をもって可決されました。      ——————————
  15. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 日程第三 建築士法の一部を改正する法律案永田良雄君外六名発議)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。建設委員長鴻池祥肇君。     —————————————    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     —————————————    〔鴻池祥肇登壇拍手
  16. 鴻池祥肇

    鴻池祥肇君 ただいま議題となりました法律案につきまして、建設委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、永田良雄君外六名の発議に係るものでありまして、建築士事務所業務の適正な運営等を図るため、設計の委託者に対する建築士説明義務及び建築士事務所開設者の書類の閲覧義務等を新たに規定するとともに、建設大臣は、指導、苦情の処理研修等業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、申請によりその業務を行う法人として指定することができることとする等、所要改正を行おうとするものであります。  委員会におきましては、法人指定行政改革との関係法人指定基準等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して緒方理事より反対意見が述べられました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  17. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  18. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ——————————
  19. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 日程第四 外国人観光旅客来訪地域多様化促進による国際観光振興に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。運輸委員長嶋正行君。     —————————————    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     —————————————    〔直嶋正行登壇拍手
  20. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ただいま議題となりました法律案につきまして、運輸委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、外国人観光旅客来訪促進する地域整備、交通、宿泊などの旅行に要する費用の低廉化通訳案内などの接遇向上等外国人観光旅客来訪地域多様化促進するための措置を講ずることにより国際観光振興を図り、もって国際相互理解の増進に寄与しようとするものであります。  委員会におきましては、国際観光が果たす役割重要性認識外国人観光旅客来訪促進地域概要外国人観光の宣伝及び受け入れ体制課題地域限定通訳案内業免許概要問題点等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  21. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  22. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 総員起立と認めます。よって、本案全会一致をもって可決されました。      ——————————
  23. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 日程第五 雇用分野における男女の均等な機会及び待遇確保等のための労働省関係法律整備に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。労働委員長勝木健司君。     —————————————    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     —————————————    〔勝木健司登壇拍手
  24. 勝木健司

    勝木健司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、労働委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、働く女性が性により差別されることなくその能力を十分に発揮することができる雇用環境整備するため、募集、採用、配置及び昇進について事業主女性労働者に対して差別することを禁止し、さらに、違反企業公表する制度の創設や調停制度の改善を図るとともに、女性労働者に係る時間外・休日労働及び深夜業の規制解消するほか、母性保護に関する措置充実を図るなど、所要措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、女子保護規定解消男女共通の時間外労働規制必要性保育施策拡充策女性職域拡大の実績と見通し、深夜業や時間外労働母性機能に与える影響違反企業公表制度調停制度の適正な運用、実効あるセクハラ防止策性別役割分担意識解消等について熱心な質疑が行われるとともに、参考人から意見を聴取し、さらに、食品製造業における女性労働者の深夜勤務の実情等調査するなど、慎重に審査を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑終局採決で決した後、日本共産党吉川委員より原案女子保護規定の廃止を撤回すること等を内容とする修正案が提出されましたが、政府から本修正案反対である旨の発言がありました。  次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉川委員より原案反対修正案賛成、次に、自由民主党を代表して石渡理事平成会を代表して武田委員社会民主党護憲連合を代表して大脇委員民主党新緑風会を代表して笹野委員より、それぞれ原案賛成修正案反対する旨の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、修正案賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、多数をもって附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  25. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  26. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ——————————
  27. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 日程第六 私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案  日程第七 電気事業法の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。商工委員長木宮和彦君。     —————————————    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     —————————————    〔木宮和彦登壇拍手
  28. 木宮和彦

    木宮和彦君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、商工委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  まず、私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案は、事業者の活動をより活発にする等の観点から、持ち株会社設立禁止している現行法を改め、事業支配力が過度に集中することとなる場合を除き、持ち株会社設立を認めようとするものであります。  また、これに伴い、持ち株会社のグループ全体の総資産額が三千億円を超えるものを対象報告制度を設ける等、所要措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、参考人からの意見を聴取するとともに、持ち株会社制度経済及び社会に及ぼす影響労使関係への対応金融持ち株会社並びに商法や税制等関連制度整備等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下委員より反対する旨の意見が述べられました。次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して六項目の附帯決議を行いました。  次に、電気事業法の一部を改正する法律案は、発電所環境影響評価法対象として、一般的な手続については同法の規定によることとし、本法では発電所に固有の特別な手続について定めたものであります。  具体的には、発電所に係る環境影響評価手続の各段階において国が審査を行い、必要な事項について勧告または変更命令を行うなど、所要規定を設けようとするものであります。  委員会におきましては、発電所特例として本法律案規定する根拠、環境影響評価制度運用あり方独立発電事業者参入状況小規模発電がもたらす環境面への影響等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下委員より反対する旨の意見が述べられました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  29. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより両案を一括して採決いたします。  両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者挙手
  30. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 過半数と認めます。  よって、両案は可決されました。      ——————————
  31. 斎藤十朗

  32. 松浦孝治

    松浦孝治君 ただいま議題となりました日本銀行法案につきまして、大蔵委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、内外の経済社会情勢の変化に対応し、我が国中央銀行である日本銀行通貨及び金融調節における独立性とその意思決定透明性を高めるとともに、日銀の適正かつ効率的な業務運営確保する必要性にかんがみ、政策委員会の権限の強化とその議事要旨の速やかな公表を初めとする日本銀行の抜本的な改革を実施するため、全面改正をするものであります。  委員会におきましては、内閣総理大臣出席を求めるとともに、参考人からの意見を聴取し、日銀独立性透明性確保策政府経済政策日銀金融政策整合性政策委員会活性化日銀役職員の給与・経営合理化問題等、各般にわたる熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終了し、本法律案に対し、民主党新緑風会千葉景子委員より政策委員会での政府代表による議決延期請求権を削除する等を内容とする修正案が提出されました。  次いで、討論に入りましたところ、平成会を代表して岩瀬良委員より原案及び修正案反対自由民主党社会民主党護憲連合を代表して河本英典理事より原案賛成修正案反対民主党新緑風会千葉景子委員より原案反対修正案賛成日本共産党を代表して吉岡吉典委員より原案及び修正案反対する旨の意見が述べられました。  討論を終了し、採決の結果、修正案賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。なお、本法律案に対して、附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  33. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。荒木清寛君。    〔荒木清寛登壇拍手
  34. 荒木清寛

    荒木清寛君 私は、平成会を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本銀行法案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。  現在、我が国は、経済社会のあらゆる面において構造改革が求められています。金融システムあり方についても、これまでの大蔵省主導による護送船団方式奉加帳方式、密室的な談合などの業者行政を排除し、国民に開かれた透明性のあるシステムづくりが喫緊の課題となっているのであります。しかも、その改革は二十一世紀に通用するグローバルスタンダードに基づくものでなければなりません。しかるに、最近の日本債券信用銀行の支援策あるいは日産生命破綻処理をめぐる政府対応を見ますと、相も変わらぬ裁量型の業者行政が行われており、その場しのぎの場当たり的な対応としか言いようがありません。そこには透明性ある明確なルールがなく、とりわけ、日産生命債務超過の実態を承知していながら、これを放置してしまった大蔵省監督責任は厳しく問われなければなりません。  加えまして、野村証券事件を発端として総会屋企業に対する第一勧業銀行の不正融資の問題が発覚したことは、我が国金融機関に対する国際的な不信感を一層増幅するものであります。橋本総理は、昨年十一月、金融制度改革、すなわち日本版ビッグバン構想を提唱されました。しかし、我が国経済を大きな混乱に陥れたあのバブル経済発生のメカニズムを徹底的に解明するとともに、相次ぐ金融機関の不祥事に対する再発防止対策を早急に策定すべきであり、それなくして金融制度改革の成功はおぼつかないことを政府は肝に銘ずるべきだと考えます。  さて、今回、政府金融システム改革の一環として位置づけています日本銀行改革を行おうとしたことについては、全く遅きに失した感はありますが、一応敬意を表します。.  しかしながら、日本銀行改革が、我々の考える国民に開かれた独立性透明性を十分に持ち得たかといえば、甚だ不十分であるとしか言わざるを得ません。しかも、今回の改正案は、中央銀行独立性を強化するといった最近における世界的な潮流から見ても、グローバルスタンダードに即したものとはなっていないのであります。  以下、政府提案日銀法改正案反対する理由を申し上げます。  第一は、本来目指すべき日銀独立性透明性確保が極めて不十分なことであります。すなわち、日銀を従来と同様、大蔵省監督下における認可法人という枠組みに押し込めたため、大蔵省による日銀監督の図式が改められていない点は納得できません。  また、日銀の開かれた独立性を高めると言いながらも、政府案では、「日本銀行通貨及び金融調節における自主性は、尊重されなければならない」とありますが、ここは、自主性ではなく、明確に独立性とすべきではなかったでしょうか。  さらに、政策委員会議事録公表等についてもあいまいさが残り、日銀独立性透明性が十分に担保されていないのであります。  第二に、政策委員会への政府側委員の参加についても、事務方出席することが可能となっており、政府側出席を常態化する懸念があります。政府側出席を非常に重いものとするために、大蔵大臣経済企画庁長官もしくは政務次官等に限定すべきだと考えます。  第三に、改正案をもってしても、グローバルスタンダード観点から依然として隔たりのあるものと言わざるを得ません。  大蔵大臣によります日銀予算についても、経費を一般事務費等に限定したとはいえ、認可制度を維持しており、これは日銀独立性確保するという観点からは問題です。主要先進国では多くの中央銀行予算を独自に決定できることになっており、会計検査院等における事後的なチェックで十分対応できます。  また、今回新たに導入されました政策委員会に対する議決延期請求権の考え方は、従来のドイツ連邦銀行制度に似たものとなっております。しかし、ドイツ政府は先般、連邦銀行に対する政府議決延期権を廃止することに決定したのであります。  さらに、欧州中央銀行は、中央銀行独立性を高めるため、対政府信用禁止を明確に打ち出しております。我が国では、政府短期証券の事実上の日銀引き受け禁止されていないなど、財政の論理が金融政策のゆがみをもたらし、潜在的なインフレ圧力を容認している点を見逃すわけにはまいりません。  第四は、日銀業務報告書大蔵大臣経由国会に提出する点であります。このことは、大蔵大臣による日銀への干渉にもつながりかねない懸念があり、大蔵大臣を経由しないで直接国会に提出すべきだと考えます。  最後に、今回の一連の日銀改革論議が透明化されていない点を指摘いたします。  すなわち、中央銀行研究会金融制度調査会日銀法改正小委員会の詳細な議事録公表しないことは大きな問題です。確かに、それぞれの報告書が出されてはおりますが、各委員の具体的な意見公表されず、また、審議が十分尽くされたのかどうかも疑問であります。審議会を隠れみのに国会論議を軽視している従来と何ら変わらない政府の姿勢は到底容認できません。  以上、本案に対する反対意見を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手
  35. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  36. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  37. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ——————————
  38. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) この際、行財政機構及び行政監察に関する調査会長から、行財政機構及び行政監察に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。行財政機構及び行政監察に関する調査会長井上孝君。     —————————————    〔調査報告書本号末尾掲載〕     —————————————    〔井上孝君登壇拍手
  40. 井上孝

    ○井上孝君 行財政機構及び行政監察に関する調査会における中間報告概要につきまして、御報告申し上げます。  本調査会は、第百三十三回国会において設置されて以来、「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」を三年間のテーマとして鋭意調査を進めてまいりました。  一年目は、主として行政監察等について、政府からの説明聴取、学識経験者からの意見聴取等、基礎的な調査を行うとともに、今後の調査会の方向性と課題について検討を行いました。  二年目の調査は、まず、本院の特定事項調査団として、私を初め五名の議員がイギリス、ドイツ及びフランスの三カ国を訪問し、議会によるオンブズマン等行政統制の調査を行い、その報告を本調査会で聴取いたしました。  また、一年目の調査において今後の課題として指摘された国政調査権及び請願制度について、参考人からの意見聴取を行いました。  参考人からは、我が国の議院内閣制度のもとでは議院における国政調査権の活用にはおのずと限界がある、請願は議会に対する国民の直接の要望・意見表明であり、苦情申し立て型請願の積極的な活用を考えるべきであるなどの意見が述べられました。  さらに、総務庁の行政監察・行政相談等の実態を調査するため、京都府及び奈良県に委員派遣を行い、行政相談委員との意見交換を通じて、その活動の状況についても調査を行いました。  他方、本調査会の調査活動は、参議院の制度改革と密接なつながりがあること、また、金融不祥事、高級官僚による不正行為等により行政への不信が著しく高まったことなどから、本調査会は、当面の対応策を早い時期にまとめることとし、調査委員の自由討議を行いました。  この自由討議では、一部の調査委員からは、国会または参議院の附属機関としてオンブズマンまたは行政監視院を設置する必要があるという意見、既存の常任委員会活性化を図れば行政監視が可能であるという意見等が述べられましたが、大方の意見としては、参議院は第二院として行政に対する監視機能を強化すべきであり、そのために参議院議員みずからが行政を監視し得る新たな常任委員会を設置すべきであるというものでありました。  そこで、これら自由討議の意見をまとめ、去る五月九日の調査会に調査会長案を提示し、大方の調査委員の了承を得るとともに、その立法化について議長に要請することといたしました。  この調査会長案の内容は、参議院改革の一環として、参議院に期待される行政監視機能を向上させるために行政監視のための第二種常任委員会を設置しようとするものであり、この委員会調査に当たっては、総務庁が行っている行政監察等を活用しながら委員会みずからが積極的に国政調査権の活用を進める。また、行政運営の不適切、怠慢などによって生じる国民の苦情を請願として受理し、それを手がかりに調査を行うとともに、これらの請願の有効な処理を通じて、この委員会にオンブズマン的機能を発揮させようとするものであります。  なお、調査会長案をまとめる過程で、国政調査権につきまして、国会法第百四条を利用する場合の実効性の確保、議院証言法による場合の発動要件の緩和、また、公務員の守秘義務との関係等、議院全体として別途さらに検討を要する課題があることが指摘されましたので、付言いたします。  以上述べてまいりました本調査会の調査経過及び結果は、中間報告として取りまとめ、去る九日、議長に提出いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  41. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十時四十一分散会