○
国務大臣(
亀井静香君)
福本議員の御
質問にお答えいたします。
議員の御
質問は大体四点ぐらいに整理されるのではないか、このように思います。
第一点は、
我が国の今後の
住宅政策どうあるべきかという御
質問でございますけれども、議員御
指摘のように、量の面におきましてはある
程度の充足点に達したという
状況であろうかと思います。しかしながら、質の面からまいりますと、今、
国民の方々のニーズに合った
住宅がきっちりと供給をされておるか、あるいは
取得をされておるかということになりますと、今からの
課題であろうかと私は思います。
質の面について、一つは、やはり今から老齢化社会を迎えてまいります。そうした中で、お年寄りあるいはまた体の不自由な方々が住みやすい、そうした住居を得られるためにどうあるべきかというのが一つのポイントでもあろうかと思います。金融
公庫の
融資につきましても、そういう点について、利率その他の面について重点的な配慮を実施いたしておるところでありますが、今後ともそれを強化してまいりたい、このように考えております。
二番目は、安かろう、便利が悪かろうというのでは困るわけでございまして、やはり諸外国に比べまして
住宅価格が比較的高いのは事実でございます。特に、サラリーマンに対しまして安い良質な
住宅を早期に、定年間際ということではなくて早期に
取得していただくにはどうしたらいいか、価格を下げていく努力というのが喫緊の
課題でございます。
そういう面では、このたび容積率の緩和というような思い切った
改革を実施する予定にしております。今
国会には間に合いませんけれども、次の
国会に
提出させていただこうと思っております。建築
基準法における現在の規格・認証等というのは、物理的な面に着目をして大きいの小さいのというような形でやっておるわけでございますけれども、これを性能に着目した性能
基準という形で割り切っていきたい、このように考えておるわけでございまして、こういう面が
住宅建設へのコストダウンに大きく寄与をするのではないか、このように考えております。
また、容積率をこの際思い切って、一律に平面的にやるのではなくて、土地利用計画と申しますか、自治体とそういう面を十分協議いたしまして、思い切って容積率も緩和していくというような形の中で、マンション価格等の低落も今ねらっておるわけでございます。例で申しますと、三田あたりの今七千五百万のマンションが、これを実施いたしますと、地価が上がらないという前提でございますけれども、五千万
程度まで下落するということが期待もされておるわけでございます。また、このことは、満員電車に押しくらまんじゅうで揺られて通勤しないで、できるだけ職住近接のそうした
状況をつくり出すという面にも効果があろうかと思います。
それから第二点は、従来、住都
公団が
住宅供給に対して大きな
役割を果たしてまいりましたが、これを分譲また賃貸部門からも一部を除いて撤退するということを決めております。
そういうことの中で、今後、国の
責任はどうかという御
指摘がございました。
私どもといたしましては、今後、
民間にゆだねる面はそうした供給あるいは
融資の面におきましても思い切ってゆだねていきたいと考えますけれども、しかし中低所得者の
住宅需要に対して、これをどう的確に我々がこたえていくかという国としての
責任がございます。そういう
意味では、住都
公団が従来負っておりましたそうした
責任を、自治体の公営
住宅あるいは
特定優良
住宅等という形の中でスムーズに肩がわりをしていく方法を
検討していきたいと考えておるわけでございます。
また、この住都
公団の
改革の中で、現在、七十二万戸、二百万の方々が現に
居住しておられます。こういう方々の将来の
生活環境が劣化することは絶対にあってはならぬわけでございます。メンテナンスを含めまして、今まで以上にそうしたレベルが維持される、あるいは
向上されるための
方策はどうしたらいいかということを、今、建設省、住都
公団で具体的な
検討をしておるわけでございますので、レベルが下がっていくというようなことについては御心配は私は要らない、このように思います。
また、次に、
住宅金融公庫の今後の
あり方等でございますけれども、これにつきましては、今、
逆ざやというような
状況の中で、十兆円という膨大な繰り上げ
償還というような事態も起きておりますので、もう
住宅金融公庫の使命は終わったのじゃないかという議論がございますけれども、私どもは、中低所得者層に対して
長期低利の
資金を融通するという、そうした機能は今なお必要であると考えます。
民間金融機関が、特に景気がよくなってまいりますと、その
資金を産業資本の設備投資に優先的にやはり回していくという過去のビヘービアがございます。(「簡潔に」と呼ぶ者あり)わかりました。
そうした中で、今後、国が
責任を持ってそうした層に対して
資金を供給する
責任はあろうかと、このように考えております。
それから、
シェアがどうかというお話がございましたが、どの
程度の
民間と
住宅金融公庫の
シェアが適当かということは、数字で具体的に私は申し上げることはなかなか難しいことであろうと思います。
なお、
ローンの
償還について非常に問題が起きているという御
指摘がございました。確かにそういう面もございます。
我々といたしましては、
ゆとり償還というようなそういういろんなメニューを用意いたしまして、できるだけ返還されやすいそうした努力をしておるわけでありますが、それでもなお、これは選択でございますけれども、選択をされた後、
償還が非常に困難になってこられた方につきましては、個別に御相談に乗っております。利率を下げるわけにはまいりませんけれども、
償還の期間とか、そういう問題につきましては具体的な御相談に応じておることも申し添えたいと思います。
以上、御
質問に対しまして御答弁を申し上げました。(
拍手)
〔
国務大臣三塚博君
登壇、
拍手〕