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1997-06-10 第140回国会 参議院 法務委員会民事訴訟法改正に伴う情報開示に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
平成
九年六月十日(火曜日) 午前十時開会
—————————————
平成
九年二月二十日
法務委員長
において本小
委員
を左のとおり指名した。
岡部
三郎
君
久世
公堯君
志村
哲良
君
中原
爽君
浜四津敏子
君
山崎
順子
君
照屋
寛徳
君
菅野
久光
君
橋本
敦君 同日
法務委員長
は左の者を小
委員長
に指名した。
岡部
三郎
君
—————————————
小
委員
の
異動
三月十四日
辞任
菅野
久光
君
辞任
橋本
敦君 三月二十七日
辞任
照屋
寛徳
君 四月七日
辞任
中原
爽君
六月四日
辞任
山崎
順子
君 六月六日
補欠選任
中原
爽君
補欠選任
照屋
寛徳
君
補欠選任
菅野
久光
君
補欠選任
橋本
敦君 同日
辞任
補欠選任
志村
哲良
君
長尾
立子
君 六月九日
補欠選任
星野
朋市君
—————————————
出席者
は左のとおり。 小
委員長
岡部
三郎
君 小
委員
久世
公堯君
中原
爽君
長尾
立子
君
浜四津敏子
君
星野
朋市君
照屋
寛徳
君
菅野
久光
君
橋本
敦君
政府委員
法務省民事局長
濱崎 恭生君
事務局側
常任委員会専門
員 吉岡 恒男君
説明員
総務庁行政管理
局行政情報シス
テム企画課長
藤井
昭夫
君
参考人
法制審議会民事
訴訟法部会長
竹下
守夫
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
参考人
の
出席要求
に関する件 ○
民事訴訟法改正
に伴う
情報開示
に関する件
—————————————
岡部三郎
1
○小
委員長
(
岡部三郎
君) ただいまから
法務委員会民事訴訟法改正
に伴う
情報開示
に関する小
委員会
を開会いたします。 まず、小
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る六日、
志村哲良
君が小
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
長尾立子
君が選任されました。 また、
委員
の
異動
に伴い欠員となっております小
委員
の
補欠
として、昨九日、
星野朋
市君が選任されました。
—————————————
岡部三郎
2
○小
委員長
(
岡部三郎
君)
参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
民事訴訟法改正
に伴う
情報開示
に関する
調査
のため、本日の小
委員会
に
参考人
として
法制審議会民事訴訟法部会長竹下守夫
君の
出席
を求め、その
意見
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡部三郎
3
○小
委員長
(
岡部三郎
君) 御
異議
ないと認め、さよう
決定
いたします。
—————————————
岡部三郎
4
○小
委員長
(
岡部三郎
君)
民事訴訟法改正
に伴う
情報開示
に関する件について
調査
を行います。 本日は、本件について、
参考人
として
法制審議会民事訴訟法部会長竹下守夫
君から御
意見
を承る ことといたします。 本日の議事の
進め方
でございますが、まず、
法制審議会
における
民事訴訟法改正
に係る
検討状況
について
参考人
から二十分
程度
で御
説明
をいただき、その後、小
委員
からの
質疑
にお答えいただきたいと存じます。 なお、念のため申し添えますが、御
発言
の際は、その都度、小
委員長
の許可を得ることとなっております。また、各小
委員
の
質疑
時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたしたいと存じます。 なお、御
発言
はすべて着席のままで結構でございます。 それでは、
竹下参考人
にお願いいたします。
竹下参考人
。
竹下守夫
5
○
参考人
(
竹下守夫
君) 昨年七月より
法制審議会民事訴訟法部会長
をお引き受けしております駿河台大学の
竹下
でございます。 本日は、昨年の
国会
で成立いたしました新しい
民事訴訟法
の
附則
二十七条におきまして、いわゆる
行政文書
の
提出命令制度
につき
検討
を課されておりますのを受けまして、
法制審議会民事訴訟法部会
及びそのもとに設けられております
研究会
において
検討
を続けております。その
状況
を御
報告
したいと思います。 御
報告
の順序といたしまして、まず最初に
法制審議会民事訴訟法部会
における
検討方法
の
決定
の経過を申し上げ、それから小
委員会
及び
研究会
における
検討
の
状況
について
お話し
をして、最後に今後の
予定
について申し上げたいと思います。 まず第一に、
民事訴訟法部会
における
検討方法
の
決定
でございますが、
民事訴訟法部会
は昨年二月二日に
民事訴訟手続
に関する
要綱案
というものを採択いたしました。これが
法制審議会
の総会にかかりまして
民事訴訟手続改正要綱
となり、以後、
政府
におきまして法案を作成し、
国会
に提出して新しい
民事訴訟法
が制定されたということは御
承知
のとおりでございます。
民事訴訟法部会
は、この二月二日の
要綱案
の採択をしまして後、しばらく活動を休止して、新しい
民事訴訟法案
の
国会
における
審議
の
状況
を眺めていた、見ていたわけでございます。しかし、六月十八日に第百三十六回
国会
におきまして、いわゆる
行政文書
を
対象
とする
文書提出命令
に関しては
政府原案
の一部
修正
がございましたけれども、新しい
民事訴訟法
が制定され、同月二十六日に公布されましたので、それを受けて七月二十二日に
部会
を開催いたしました。この
部会
におきまして、
事務当局
より次の点について
報告
がございました。 第一は、
新法
の立案、
国会提出
の
経緯
、それから第二は、
国会
における
審議
、先ほど申しました
政府原案
の一部
修正
及び成立の
経緯
でございます、それから三番目は、
衆議院
及び
参議院
の各
法務委員会
における
附帯決議
の
内容
、そして第四番目に、特に
新法附則
二十七条の
趣旨
、それから
行政文書
を
対象
とする
文書提出命令制度
を新たに
検討
するに際しての各
法務委員会
の
附帯決議
に示された指針、こういうようなことについて
事務当局
より
報告
を受けたわけでございます。 なお、この
民事訴訟法部会
におきまして、新しい
民事訴訟法
が成立したということを契機といたしまして
部会長
の交代をいたしまして、このときから私が
部会長
をお引き受けしたわけでございます。 このようにして、一部
課題
が残されましたけれども、新しい
民事訴訟法
が成立いたしましたので、
夏明け
の九月六日に再び
民事訴訟法部会
を開催いたしまして、
部会長
も交代したもとで今後の
審議事項
それから
審議方法
を
決定
するということになりました。 今後の
審議事項
といたしましては、ただいまの
行政文書
にかかわる
文書提出命令制度
の
改正
が当然
課題
となるわけでございますが、そのほかに、やや長期的な
立法課題
といたしまして、
一つ
は、前々から
経済界
及び
学界等
から要望の強かった
倒産法制
の
見直し
をするということになりました。それからさらに、これも
国際取引関係方面
から要望の強かった
仲裁法制
の
見直し
をするということにいたしました。 したがいまして、当面、
民事訴訟法部会
における
立法課題
といたしましては、
行政文書
にかかわる
文書提出命令制度
の
改正
と、
倒産法制
の
見直し
、
仲裁法制
の
見直し
という、この三つがあるということになったわけでございます。 しかし、第一の
行政文書
にかかわる
文書提出命令制度
の
改正
が、新
民事訴訟法制定
の
経緯
及び同
附則
二十七条から見まして喫緊かつ最優先の
課題
であるということにつきましては、
部会
の
委員
の間で
意見
の一致を見たところでございます。 そこで、この
行政文書
にかかわる
文書提出命令制度
の
改正
という
審議事項
につきまして、今後どのように
審議
をしていくかということをこの
部会
で
検討
いたしました。その結果、まず
文書提出命令制度
を、
附帯決議
の
趣旨
をも踏まえて、
情報公開制度
の
検討状況
や公務員の
証人尋問
に関する
規定等
をも視野に入れながら、
新法公布
後二年をめどに成案を得るという方針を立てますと、やはり特別の小
委員会
を設けて、そこでまず
検討
をすることが適当であろうということになりまして、
文書提出命令制度小委員会
というものをつくることになりました。 しかし、同時に、
参議院
及び
衆議院
の
附帯決議
の中で、新しい
行政文書
の
文書提出命令制度
をつくるに当たりましては、広く国民の
意見
を反映させつつ
検討
するようにということになっておりますので、そこで
民事訴訟法
の
研究者
、
実務家等
いわゆる
専門家
以外の
有識者
並びに
情報公開制度等
について造詣の深い
行政法学者
の
参加
も得て
検討
を進めていくためには、小
委員会
とは別に
研究会
を設けて、そちらで
調査研究並び
に
問題点
の
整理
をすることが適当であろうということになりました。 この
研究会
の
課題
は、ただいまも申しましたように、内外の
行政情報公開制度
の
調査研究
、それから諸
外国
の
行政文書提出命令制度
の
調査研究
、それからこれらについて
関係
各
方面
からの
ヒアリング
、さらに以上を踏まえて
行政文書提出命令制度
に関する
問題点
の
整理
を行うということでございます。これらの
調査研究
の
成果
を
随時小委員会
に
報告
をして、小
委員会
の方でも
検討
を進めるという形で、小
委員会
とこの
研究会
との
検討
並びに
審議
を並行して行うということにいたしました。そして、最終的には、
研究会
の
調査研究
の
成果並び
に
問題点
の
整理
を基礎といたしまして、小
委員会
で
民事訴訟法部会
の
審議
にかける
原案
を作成するということにしたわけでございます。 したがいまして、要約いたしますと、今後の
審議
の方法といたしましては、
民事訴訟法部会
の中に特別の小
委員会
を設ける、そしてそれとは別に
民事訴訟法
の
専門家
以外の
有識者
に
参加
をしてもらうために
研究会
を設けて、小
委員会
と
研究会
との
審議
、
検討
を並行して行う。それで、
研究会
の方で得られた
成果
を小
委員会
に上げて、最終的には小
委員会
の方で
原案
を作成してこれを
部会
にかける、そういうことになったわけでございます。 次に、その小
委員会並び
に
研究会
における
検討状況
でございますが、第一回の小
委員会
、
文書提出命令制度小委員会
でございますが、これを
平成
八年十月二十四日に開催いたしました。この
民事訴訟法部会
及び小
委員会
の
委員
は、お
手元
にお届けしてございます
資料
の一及び二に記載してあるとおりでございます。このほかに若干の幹事が配置されております。第一回目の小
委員会
におきましては、
調査審議
の
進め方
につきまして
フリートーキング
の形で
審議
を行いました。そして、ここで、先ほどの
部会
の
決定
を受けて、小
委員会
としても並行的に
調査検討
を進めるために
研究会
を設けるということを改めて
決定
いたしました。 この
研究会
は
文書提出命令制度研究会
という名称でございますが、この小
委員会
の
決定
を受けまして、
平成
八年十一月二十二日に第一回目の
研究会
を開催いたしました。
研究会
の
メンバー
はお
手元
の
資料
三に記載してあるとおりでございます。この第一回目の
研究会
では、
研究会発足
に至る
経緯
、それから
研究会
の
課題等
につきまして
法務省側メンバー
より
説明
がございました。さらにその上で、この
研究会
の
メンバー相互
間で
調査審議
の
進め方
について協議をいたしまして、今後の
調査研究
の
スケジュール
を
決定
いたしました。 その後の小
委員会
、
研究会
の
開催状況
及び
審議
、
研究
の
状況
はお
手元
の
資料
の四にございますので、四に即して御
説明
申し上げたいと思います。
資料
四をごらんいただきますと、一番初めに
平成
八年のところで十月二十四日の第一回
文書提出命令制度小委員会
、それから十一月二十二日に第一回の
研究会
というのが書いてございまして、これはただいま申し上げたとおりでございます。
平成
九年になりまして、まず一月十四日に第二回の
研究会
を行いまして、この際は
情報公開制度
に関する
ヒアリング
をいたしました。
出席
をしていただきましたのは、本日も御
出席
の
行政改革委員会事務局主任調査員
であられました
藤井昭夫
さんと、それから
行政改革委員会
の
情報公開部会
の
専門委員
でもありましたこの
研究会
の
メンバー
である
秋山弁護士
、このお二人からそれぞれそこに書いてあるような問題につきまして御
意見
を伺って
質疑応答
をし、
研究会
としての理解を深めたわけでございます。 次いで、二月十九日に第三回の
研究会
を行いまして、これは
情報公開制度
に関する諸
外国
の
制度
について
ヒアリング
をいたしました。
一つ
は、
アメリカ
を中心として
カナダ等
も含めた
北米諸国
の
情報公開制度
につきまして、
情報公開部会
の
専門委員
ではございませんが、
部会
の
運営要綱
に基づいて
出席
をされていた
東京大学教授
の
宇賀研究員
から御
意見
を伺い、それから同じく
情報公開部会
の
運営要綱
に従いまして
出席
をしておられた国学院大学の
藤原静雄教授
から
ヨーロッパ各国
の
情報公開制度
についての
報告
を受けたわけでございます。 三回
研究会
をいたしましたところで、三月七日に第二回の
文書提出命令制度小委員会
を開催いたしまして、これまでの
研究会
の
成果
を
報告
し、
委員
、
幹事相互
間で
検討
を進めました。 四月になりまして、四月八日に第四回
研究会
を行いました。このときは広く
一般階層
から
意見
を伺うということで、
マスコミ関係
とそれから
消費者団体関係
の方々から御
意見
を伺いました。
出席
されて
意見
を述べてくださった方はそこに書いてあるとおりでございまして、それぞれ八名ずつでございます。 それから、五月十三日に第五回の
研究会
を行いまして
ヒアリング
を続けまして、このときは
経済界
及び
労働団体関係
の方から御
意見
を伺いました。御
意見
を伺った方はそこに書いてあるとおりでございまして、
経済関係
は経団連の御推薦によるもので、
トヨタ自動車株式会社法務部
の
高瀬由紀夫
氏、それから
東京電力株式会社
の
工藤健二
氏でございます。それから、
労働関係
の方は連合に推薦をしていただきまして、
全国一般労働組合書記次長
の
田島恵一
氏、それから
ゼンセン同盟常任中央執行委員
の
達見直人
氏のお二人でございます。 ここまでがこれまでの小
委員会並び
に
研究会
における
審議
、
検討
の
状況
でございます。 第三は今後の
予定
でございますが、今後の
予定
といたしましては、この夏までの
スケジュール
と夏以後の
スケジュール
に分けることができます。夏までの
スケジュール
はただいまの
資料
四に続きとして書かれているところでございまして、あと三回会合を
予定
しております。
研究会
が二回、小
委員会
が一回でございまして、第六回の
研究会
は六月十日、ちょうど本日の午後開催する
予定
といたしております。 第六回、第七回は諸
外国
の
行政文書
の
文書提出命令制度
について
調査研究
を行う
予定
でございまして、本日はイギリスと
ドイツ
の
文書提出命令制度
についてそれぞれ成蹊大学の
長谷部教授
、これはこの
研究会
の
メンバー
でもございますが、
長谷部教授
から
報告
をいただき、
ドイツ
の方につきましては筑波大学の春日偉
知郎教授
から御
報告
をいただく
予定
にいたしております。 次いで、第七回の
研究会
は七月八日に
予定
をしておりまして、この場合には
アメリカ
と
フランス
の
文書提出命令制度
について
研究
をするということで、
東京大学
の
伊藤眞教授
、
伊藤教授
もこの
研究会
の
メンバー
でございますけれども、
伊藤教授
から
報告
をしていただき、それから
フランス
の方につきましては一橋大学の
山本和彦助教授
、この
山本和彦助教授
も当
研究会
の
メンバー
でございますけれども、このお二人から
報告
をしていただくということになっております。 そして、七月十八日には第三回の
文書提出命令制度小委員会
を開催いたしまして、第四回から第七回の
研究会
の
調査研究
の結果を
報告
いたしまして、
フリートーキング
の形式で小
委員会
としての
検討
を行うという
予定
でございます。 夏以後の
スケジュール
は、ただいまの第六回、第七回の
研究会
及び第三回の小
委員会
の席上、それぞれ協議の上
決定
をいたす
予定
でございますが、現在のところ、まず
研究会
で
問題点
の分析、
整理
をいたしまして、次いで小
委員会
で
改正案
の
審議
に入るということになろうと考えております。 以上、御
報告
しましたとおり、新しい
民事訴訟法附則
二十七条において求められております
行政文書
を
対象
とする
文書提出命令制度
に関する必要な措置につきましては、現在、
文書提出命令制度研究会
及び
文書提出命令制度小委員会
で鋭意
検討
を行っているところでございます。 今後とも、両議院の
法務委員会
の
附帯決議
の
趣旨
を踏まえ、
情報公開法
の
制定作業
をも視野に入れながら、可及的速やかに適切な成案を得るように努力したいと考えております。 以上でございます。
岡部三郎
6
○小
委員長
(
岡部三郎
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
からの
説明
の聴取は終わりました。 これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
久世公堯
7
○
久世公堯君
竹下先生
、ただいまの御
説明
によりまして、
民事訴訟法附則
二十七条に基づく
文書提出命令制度
に関する
検討
につきまして小
委員会
を設置され、特に
研究会
においてあらゆる角度からあるいは
外国
の諸
制度
について非常に詳しくお調べになり、また
関係者
であります
マスコミ
なり
消費者
なり
経済界
や
労働界
と非常に多
方面
にわたって御
意見
を聞いておられる、御
審議
の
状況
はよくわかった次第でございます。 ただ、私、この
民事訴訟法部会
とそれから
文書提出命令制度小委員会
、そしてこの
研究会
と三
段階
の
制度
、しかも期間をある
程度
置いてでなくて、全く同じ時期に
同時並行
的にやっておられる。 これは各
省庁
におきましても、いろんな新しい
制度
をつくるときに、まず省内の
局単位
ぐらいで
研究会
を設けて、そしていろいろな人を呼んで構想を固めて、それを
審議会
の方に持ち込むというケースは各省を通じてかなりあることでございます。私はそれはそれなりに、一年間ぐらいあるいは二年間ぐらい十分に自由に
研究
をした上でひとつ政策として取り上げるというような意義は結構なことだと思うわけです。しかし、この場合は全く
同時並行
的であり、かつその
民訴部会
と小
委員会
の
メンバー
を見ますと、十七名の
民訴部会委員
のうち十三名がこの小
委員会
の
メンバー
になっておられます。 それから、
両方とも
におかしいのは、
関係行政機関
も
委員
というところへ書いてありますから
委員
なんだろうと思いますが、充て職だということはわかるんですが、
名前
がない。普通の
委員会
でございますと、やはり幾ら充て職でも個人の
名前
があると思うんですけれども、これは
法務省
らしいと申しますか、充て職でお
名前
がないんですが、それにしても十七名中十三名がダブっております。 そして、
研究会
の方は、おっしゃるとおり、幅広くということであらゆる学者あるいは御婦人の方も入っておられるわけですが、そこで私は、こういう三
段階構成
にする必要があったんだろうかと。
民訴部会
は従来の
法制審議会
の歴史のある
部会
ですから、それは
おいでおいで
も、
法制審議会
の正式の小
委員会
とそれから
研究会
とを
同時並行
でこうやっておられるだけの実益があるんだろうか。今
お話
で
内容
はわかりましたけれども、そういう二
段階制
にする必要が一体あるのかということでございまして、どっちかが省略できるんじゃないか。 特に私が御提案申し上げたいのは、少なくともこのために小
委員会
をおつくりになったならば、そこに広くいろんな
専門家
を入れてこの問題を
検討
することこそ大事なことなんでございますから、そこにこの
研究会
のような
メンバー
、すべてとは申しませんけれども、ある
程度
お入れになった機構というのは考えられるんじゃなかろうか。 各
省庁
の所管をいたしております、あるいは内閣が所管しております
政府
の
調査会
、
審議会
などを見ますと、
臨時委員
とか
特別委員
という
制度
をつくっている
審議会
は幾らでもございます。そして、それがまさに常時の
民訴部会
ではどっちかというと
民事訴訟法自身
のことを
検討
するんだけれども、しかし、こういう特別の問題のときには、今のように十七
委員
中十三人まで同じ
メンバー
であるならば、その
部会
に例えば
臨時委員
とか
特別委員
でこの
研究会
の
メンバー
というのを入れて
審議
した方が
国民
に対しても明らかになるでしょうし、また、そういう
権威
の高いものでやるんなら、
研究会
の
報告
だけをほとんど同じ
メンバー
の
民訴部会
でやるくらいなら、どっちかを省略されたらいいかと思うんですが、いかがでございますか。
竹下守夫
8
○
参考人
(
竹下守夫
君)
先生
御
指摘
の点は確かにごもっともでございますが、
法制審議会
におきましては、従来とも大きな懸案につきましては、
部会
で
議論
をするというよりも、むしろ小
委員会
を設けてそこでまずかなり詰めた
議論
をいたしまして、
原案
をつくりましてそれを
部会
にかけるという
審議
のやり方をいたしております。そうでない
部会
も
刑事法部会
のようにございますけれども、一般的にはそうであるかと思います。 もっとも、一般的にはそうであっても、今回の場合、
新法施行
後二年を
めど
としてということで
迅速性
が
要求
されておりますので、小
委員会
の設置を省略いたしまして
部会
で
議論
をするということも考えられたところでございます。 しかしながら、今御
指摘
のように、確かに数から申しますと、
部会
の
委員
の数と小
委員会
の
委員
の数とそれほど大きな違いはないというふうにも申せます。ただ、
部会
の方の
委員
と申しますのは全国的な組織でございますので、
部会
をそうたびたび開くということになりますとどうしても
委員
の
事情等
で差し支えもございますので、やはりむしろ私どもといたしましては、小
委員会
を設けまして小
委員会
で鋭意
審議
を進める方が
迅速性
の
要求
にかなうのではないかというふうに考えた次第でございます。 小
委員会
をつくりましたのはそういう
事情
でございますが、さらに
研究会
を別につくって、しかも小
委員会
と
研究会
とを並行的に進めるということについての御疑念がおありになったと思います。これは既に
先生
御
承知
のとおり、先ほども申しましたが、
研究会
の方には各
方面
の
有識者
に
参加
をしていただいて、むしろ情報公開問題とかあるいは
外国
の
事情等
について
造詣
の深い人が加わってその
研究会
の
メンバー自身
が十分に
検討
し
調査
をするというねらいを持っておりますために、小
委員会
とは別につくったわけでございます。 そして、まず
研究会
の方だけを進めまして、それが終わりましてから小
委員会
ということになりますとかえって
調査研究
が重複する
可能性
がございますので、
研究会
で一定の
程度調査研究
が進みましたらそれをすぐに小
委員会
の方に上げて、小
委員会
の
メンバー
も十分その
内容
を継続的に
承知
している、そういうことが望ましいというふうに考えたわけでございます。
久世公堯
9
○
久世公堯君
今の
お話
でございますが、
迅速性
ということをおっしゃいましたが、これだけ交通が発達をして、それこそ多くの
調査会
、
審議会
では、
迅速性
のために東京の
委員
に限定するなんということをやっているのは、こういう大事な
調査会
では余りないと思います。やはり全国的な
権威
、
有識者
というのを集めるのは当然のことだと思います。 それから、今
お話し
の中に、小
委員会
と
研究会
の
関係
は、設けた以上は、
研究会
が全部終わってから小
委員会
ではなくて
中間報告
をやっていくのは当たり前のことでございますから、そういうことを私は御質問しているのではないわけでございます。 これは、
先生
にお聞きするよりはむしろ
法務省自身
にお聞きをした方がいいのかもしれませんが、またきょうは
民事局長
だけでいらっしゃいますが、この
法制審議会そのもの
のあり方、あるいは
部会
のあり方、そのもとにおける小
委員会
のあり方、これに関する問題になるのではなかろうかと。 私は、当
委員会
におきましてもたびたび御質問申し上げましたのは、最近の社会経済情勢の変化に伴って、民事、刑事にわたっていろいろこういう法制も
国民
生活と密着したものである。そういう意味においては、
国民
生活に広く
関係
するような立場から法
制度
も考えていかなければならないし、法の運用というものを図っていかなきゃいけない。こういう立場を基本として今までも御
質疑
を申し上げてきたわけでございますが、まさに
民事訴訟法
や刑事訴訟法というような手続法でありましても
国民
生活との
関係
が非常に深い。特に今回の行政情報公開などという問題は、一般的な法律の制定も今明年中というような
課題
になっているわけでございます。 したがって、先ほどから申しておりますように、この三
段階
にする、伺っておりますと、
法制審議会
というのは象牙の塔とまでは申しませんけれども、いわば法曹のやかたと申しますか、ちょっと普通と離れた高い存在なんだからそういう一般的な人ははいれない。私がさっき、
特別委員
とか
臨時委員
とかというのは、
民訴部会
ではないんですよ、小
委員会
をつくるんだったら、もしその小
委員会
の中心を
民事訴訟法
関係
の人で固めるというならば、
臨時委員
とか
特別委員
でも構わないから一緒に
審議
したらどうだろうかという提案をしているので、
民訴部会
云々を言っているのではありません。小
委員会
をつくるんだったら、そこに
研究会
の
メンバー
を入れたらいいし、そうでなかったら
研究会
の方で
民訴部会
と直結したらいいんじゃなかろうかと、こういう気がするのでございます。そういう
法制審議会そのもの
のあり方、これからの社会情勢とかそういうものにかんがみたあり方について、いかがでございますか。
濱崎恭生
10
○
政府委員
(濱崎恭生君)
法制審議会
の一般のあり方ということにつきましては、民事局は直接の所管でございませんので、そういうことを前提としてお答えをお聞きいただきたいと存じます。
法制審議会
というのは、民事及び刑事等基本法の
法案
の立案をするに当たって、役所の人間だけが立案するのではなくて広く一般の
有識者
に参画いただいて共同で立案作業をする、そういった考え方で設置されているものというふうに
承知
をいたしております。 そういうことでございますし、一般的に申しますと、
対象
が
国民
一般に広くかかわる問題でありますことから、その
メンバー
というのは、要するにその場面における特別の
関係
のある方というような観点からではなくて一般的な
有識者
を構成員とする、そういう考え方で運営されているものというふうに
承知
しているわけでございます。 そして、その運営の仕方といたしまして、
部会
、小
委員会
というやり方が行われておりますが、この
部会
と小
委員会
、
部会
の下に小
委員会
をつくるかどうかということは、これは専ら
審議
を有効かつ効率的に行う
方法
として小
委員会
をつくった方がいいだろう、つくるまでもないだろうと、そういう判断に基づいて選別されているわけでございまして、私どもとしては小
委員会
を別につくったから
審議
の時間がより長くなるということではないのではないかと。 今回の
審議
で特色があるのは、その
法制審議会
ルートの会議とは別に、並行的に
研究会
を設けているということにあるものというふうに思っております。その理由はただいま
竹下参考人
が申されたとおりでございますが、御
指摘
は、そんなことをするよりも小
委員会
の中に今
研究会
に参画しているような方に入っていただいてやったらいいではないかと、こういう御
意見
かと思います。 ただ、その点につきましては、
法制審議会
の現在の
制度
として、今申しましたような考え方から、小
委員会
を設ける場合には、その小
委員会
の
メンバー
は
部会
の
メンバー
の中から
部会長
が選任する、こういうことになっておる。そういう現在の
法制審議会
の
制度
のもとで、しかしながら、今御
指摘
のような実質的なこの問題にかかわりの深い方の参画を得る
方法
として
研究会
というものを設置しているわけでございます。そして、その小
委員会
と
研究会
というものを二つ設けることによって
審議
にロスが出るという懸念は当然おありかと思いますが、そういうロスが出ないようにその辺は
事務当局
でも十分配意して、二つつくったがために
審議
がおくれるということがないように配慮し、また小
委員会
、
研究会
の皆さん方にもお願いしてまいっているところでございます。 そういうことでございますので、将来の
法制審議会
のあり方ということになりますと、私、担当外でございますので直接御答弁する立場にはございませんが、現在の
制度
のもとで最も有効かつ適切な
審議方法
を選ばせていただいているものだというふうに考えているところです。
久世公堯
11
○
久世公堯君
今の局長の御答弁でございますが、いみじくもお言葉の中に
法制審議会
のルートとかあるいは現在の
法制審議会
においてはと、こういう
お話
がございました。私は、
法制審議会
のルートである限りは、そういう方は入るべからず、こういうような感覚、考えがあるんじゃなかろうかと、これは推察をするわけでございます。したがいまして、ひとつ
法制審議会
自身の問題として今後において御
検討
を賜りたいと思います。 時間がございませんが一言だけ。
参議院
の
法務委員会
では、民訴法の
審議
におきまして、先ほど
参考人
もお述べになりましたように、
政府
に対する
附帯決議
がつけられております。「その経過を広く開示し、
国民
の
意見
が十分反映されるように格段の配慮をすべきである。」という旨の
附帯決議
が何項目かの中にあるわけでございます。これについて
参考人
といっても、
政府
に対してでございますから
民事局長
の方が適当なのかもしれませんが、この
附帯決議
の
趣旨
を踏まえてどういう配慮をしてきておられるのか、一言御答弁を願いたいと思います。
濱崎恭生
12
○
政府委員
(濱崎恭生君) 御
指摘
の
附帯決議
は二点にわたるかと思います。
一つ
は
国民
の
意見
が十分に反映されるようにということであり、
一つ
は
審議
経過を広く開示しということでございます。
国民
の
意見
が十分反映されるようにという観点からは、ただいま異例であるという御
指摘
をいただきましたけれども、
部会
のもとにおける小
委員会
とは別に
研究会
という場を設けまして、そこに
民事訴訟法
学者のほかに、
行政情報公開制度
一般に
造詣
が深くまたその
審議
にも関与されました
行政法学者
の方々あるいは
経済界
あるいは
労働界
の代表の方々、そういった方々の参画をいただいてそういった立場の御
意見
を反映するということと、それから
研究会
の
審議
経過の中で
竹下参考人
の方から御
説明
がありましたとおり、幅広い立場の方々からの生の御
意見
をお聞きするという機会を既に設けてきたところでございます。そういったことで、
国民
の
意見
が十分反映されるような配慮をしていただいているところであります。 それから、
審議
経過の開示という面につきましては、ただいまの小
委員会
の
関係
でございますけれども、
法制審議会
の
審議
経過については一般には総会及び
部会
の会議について議事要録を作成して公開するということといたしております。 これは、
平成
七年九月の閣議
決定
を受けて
平成
八年二月に改めて
法制審議会
の会議の公開のあり方について
検討
を行った結果、そういう取り扱いをすることになったわけでございます。 その下の小
委員会
については、一般的には
部会
のための準備作業という性格のものでありますので、その
対象
とはしないということにされているわけでございますが、この問題の
審議
につきましては、御
指摘
の
附帯決議
の
趣旨
を踏まえ、小
委員会
の会議の議事につきましてもその議事要旨を作成して公表する、それと同時に
委員
の氏名も公表するということにしております。また、
研究会
につきましても同様に、
メンバー
を公表するとともに、議事
内容
についても
事務当局
である私どもの方において議事要旨を作成して公表すると、こういう取り扱いをしているところでございます。 そういう形で、この問題の
検討
については、一般の場合より特に議事の経過の開示ということに力点を置いて対応しているところでございます。
久世公堯
13
○
久世公堯君
終わります。
浜四津敏子
14
○
浜四津敏子
君
平成
会の浜四津でございます。
竹下先生
、本日は御多忙の中、大変ありがとうございます。私も
竹下先生
の
民事訴訟法
を学ばせていただいた一人でございます。 小
委員会
では、精力的に
検討
、
議論
あるいは
審議
を進めてこられているという御
報告
をいただきました。この
検討
、
議論
あるいは
審議
の方向性につきましては、当然のことといたしまして、昨年四月から六月にかけて行われました
国会
審議
の経過を十分に踏まえること、具体的に言いますと、
附則
の二十七条また
附帯決議
の
内容
を尊重したものとされていると思います。 この経過あるいは
内容
を当然の前提として、
部会
、小
委員会
あるいは
研究会
の
メンバー
の方々はほとんどが
専門家
の方々でいらっしゃいますから、共通の認識のもとに
議論
されているというふうには思いますけれども、
ヒアリング
の
対象
とされている方々、
意見
を述べられている方々につきましても、こういう殊に
附則
、
附帯決議
の
内容
が
議論
の前提あるいは出発点と、こういう共通認識を持たれていらっしゃるんでしょうか。その
附則
あるいは
附帯決議
に至った点より後退したところからの
議論
ではないというふうに理解してよろしいでしょうか。
竹下守夫
15
○
参考人
(
竹下守夫
君) ただいまの点でございますが、これまで
ヒアリング
をいたしましたのは、先ほど御
説明
いたしましたように、
マスコミ関係
の方々、それから
消費者
団体の方々並びに
経済界
、
労働界
の方々でございます。それぞれお立場が違いまして、
附則
二十七条の
趣旨
並びに
附帯決議
の
趣旨
等をどの
程度
理解しておられるかということは必ずしもはっきりいたしませんが、ただ述べられた御
意見
から推察いたしますと、昨年の
国会
審議
の経過をも踏まえて、そこについては少なくとも一定
程度
以上の御理解を得た上での御
発言
だというふうに思いました。
浜四津敏子
16
○
浜四津敏子
君 この
附帯決議
は、要約しますと五点について明確な指針を示しているわけです。第一点が公文書の提出命令の一般義務化、二点が官民格差の禁止、それから三点目が司法権の尊重、そして四点目が公務員の
証人尋問
規定の再
検討
、そして五点目が法制審の
審議
の公開と、要約するとこの五点になるかと思います。 まず、公文書の提出命令一般義務化が
検討
されているということは、これは当然のことだと思います。問題のないところだと思います。官民格差の禁止について、どういう
議論
がなされ、考慮がなされているんでしょうか、その点についてお伺いしたいと思います。
竹下守夫
17
○
参考人
(
竹下守夫
君) ただいまの御質問は、これから作成いたします
改正案
の
内容
について、現在までの
審議
状況
から見てどういうことになるであろうかという点だと思います。 この点につきましては、先ほどの経過
説明
の中でも申しましたように、
事務当局
から
附帯決議
の
趣旨
、
内容
については十分
説明
をいただきましたので、
法制審議会
の
委員
、
幹事
並びにその
研究会
の
メンバー
はいずれも十分よく
承知
しておりますけれども、まだ具体的にどういう
内容
の案にするかということについてまでは
審議
が進んでおりませんので、ただいまのところは今の御質問に直接お答えできるような
状況
ではございません。
浜四津敏子
18
○
浜四津敏子
君 文書提出義務の有無についての判断権につきましては、従来、判例はその判断権は裁判所にあるというふうにしてきたわけでございます。この判例の示してきた基準を後退させるような
内容
では情報公開の大きな潮流に逆行する、あるいは三権分立の原則に反するというふうに考えておりますが、民訴法の第一人者でおられる
竹下先生
、お差し支えなければ
竹下先生
はどのようにお考えでいらっしゃるか、お聞かせいただければと思います。
竹下守夫
19
○
参考人
(
竹下守夫
君) ただいま私の個人的な
意見
をという御
趣旨
かと思いますが、本日は
法制審議会
の
民事訴訟法部会
長という立場でこちらへ伺っておりますので、私の個人的な
意見
を申し上げることは遠慮させていただければ大変ありがたいと思います。
浜四津敏子
20
○
浜四津敏子
君 それでは、この官民格差あるいは審理方式についても司法権を尊重するという立場で再
検討
を加えることと、こういう
内容
で
附帯決議
がなされております。 これは、この
修正
案を提出した方の答弁が
平成
八年六月十三日、
参議院
の
法務委員会
でなされております。この
内容
につきましては、審理方式については、インカメラ手続がいいのか、それともボーンインデックス方式の方がより司法権の尊重になるのではないかと、人によって若干
意見
が異なっているので、「インカメラ手続を含む」という言い方をしたんだと、こういう御答弁がありました。その経過の
内容
、そしてこの
附帯決議
の中でも司法権尊重、官民格差を設けないと、こういう決議の
内容
になっておりますので、ぜひそういう方向で十分御配慮いただきたいと思います。 また、司法権の尊重の方針の
一つ
で、秘密の要件については、これは法律実務家の方々も大変大きな関心を、殊に大きな関心を持っておられます。新民訴法の
原案
では公務秘密文書の提出が官庁の承認にかかっておりまして、その承認の要件として百九十一条二項、
証人尋問
規定、「公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合」と、この規定が準用されておりました。
国会
審議
の中で、官庁の承認にかからしめることと
証人尋問
規定の要件を準用することが否定されて今回の再
検討
に至ったわけでございます。 そこで、今回新たに規定を設けるとしましたら、公務秘密文書の秘密性の判断は官庁ではなく裁判所が行うことはもとより、秘密性の要件につきましても、
証人尋問
規定のような広いものではなく、公文書の秘密性についてこれまでの判例が積み重ねてきた、公表することによって国家利益または公共の福祉に重大な損失、重大な不利益を及ぼすような秘密、東京高裁あるいは高松高裁の
決定
でそのように示されております。そういう要件にすべきというのが司法権を尊重するという意味であると考えておりますが、これにつきましても、このことを十分
関係者
の皆様、
審議
される皆様に御理解いただいた上で
文書提出命令
規定のあり方を
検討
していただきたいと思います。 秘密の要件についても、
研究会
の皆様あるいは御
意見
をお述べいただく皆様の共通認識はどうなっていらっしゃいますでしょうか、今のこういう方向で共通認識を持っていらっしゃるんでしょうか。
竹下守夫
21
○
参考人
(
竹下守夫
君) ただいまの御質問でございますが、
附帯決議
の
趣旨
等につきましては、
ヒアリング
をした
対象
の皆さん方の中でも例えば
マスコミ関係
の皆さん方等におかれましては、かなり情報公開問題一般について関心が深いものでございますから、今のような点についてもかなり立ち入った御
意見
が述べられました。それに対しまして、やはり
経済界
、
労働界
の皆さん方は、御自分の関心の強い面について御
意見
を述べておられますので一秘密の要件については司法権を尊重する立場で考えるようにという
参議院
の当
法務委員会
の
附帯決議
の
趣旨
をどこまで踏まえておられるかということは必ずしも明らかではございません。 しかし、私ども
部会
の
委員
、それから
研究会
の
メンバー
等はその点については十分理解をしておりますので、
先生
御
指摘
のような理解を前提とした
議論
をこれから進めていくということになると思います。
浜四津敏子
22
○
浜四津敏子
君 ありがとうございます。 本当は秘密の要件についても民訴法第一人者としての
竹下先生
の御
意見
を伺いたかったところでございますけれども、先ほどお立場上という
お話
がございましたので遠慮させていただきます。 それでは次に、
証人尋問
規定のあり方についても
検討
を加えるべきである、こういう
附帯決議
になっております。この点については、これまでの
議論
の中では出てきているんでしょうか、どういう
議論
になっているんでしょうか。
竹下守夫
23
○
参考人
(
竹下守夫
君) その点につきましては、
ヒアリング
の
対象
となった方々の中の一部の方々からは取り上げられまして、
証人尋問
の方の監督官庁の承認という要件についても再
検討
すべきではないかというような
意見
が述べられました。 それから、小
委員会
、
研究会
での
議論
はこれからでございますが、先ほどから繰り返し申しておりますように、この
附帯決議
の
趣旨
は十分理解しておりますので、必要に応じて、
文書提出命令制度
を考えていく上で関連する場合にはその問題にも立ち入ることになるかと思います。
浜四津敏子
24
○
浜四津敏子
君 ありがとうございます。 先ほども出ましたが、法制審の
審議
の経過、
内容
、あるいは司法権尊重、公務員の
証人尋問
の
検討
に当たっては、その経過を広く開示し、
国民
の
意見
が十分に反映されるように格段の配慮をされるようにと、こういうことになっておりますが、特に
ヒアリング
の
内容
、またそれの
成果
を受けての
研究会
での
検討
の
内容
というのは具体的にどのような形で開示されることに
予定
されているんでしばうか。これは
法務省
の方からお伺いした方がよろしいでしょうか。
濱崎恭生
25
○
政府委員
(濱崎恭生君) 先ほども申しましたように、
研究会
の
審議
につきましては、
事務当局
で議事要旨をつくって、それを具体的には
法務省
の窓口に備え置いて閲覧に供するということにいたしております。 議事要旨につきましては、この問題の性質、それから
附帯決議
の
趣旨
に照らしまして、
議論
の中で登場をしてきた
意見
というものは漏らさず摘示するという方針で相当詳細なものを作成しております。
ヒアリング
につきましても、出された
意見
についてはその要点は漏らさず記載するという
方法
で作成をしております。例えば、今御
指摘
のありました
マスコミ
等からの
ヒアリング
を行いました際の議事要旨は全部で二十七ページにわたるものになってございます。
浜四津敏子
26
○
浜四津敏子
君 この
附則
では、早期に
文書提出命令
についての
成案
化を図る、こういうことになっております。これも
平成
八年六月十三日、
参議院
法務委員会
で、
修正
案提出者の方の答弁では、二年間で再
検討
して整備をするということであるから、二年後までにその部分、つまり公務秘密文書についての部分の
成案
を得たいと思っていると、こういう答弁がございました。また、
法務省
の方からも、
民事局長
から同様の答弁がございました。 この早期の
成案
化というのは大体いつごろを
めど
になされるのか、また現実に
成案
化に向けての作業は進んでおるのか、ちょうど二年の半分来たわけでございますけれども、どの
程度
進んでおるのか、お答えいただけますでしょうか。
濱崎恭生
27
○
政府委員
(濱崎恭生君) 小
委員会
及び
研究会
の
審議
の
状況
は、先ほど
竹下参考人
から御
説明
されたとおりでございます。 具体的な中身の詰めの作業というのはこれからということでございますが、私どもといたしましては、
附帯決議
の
趣旨
を受けて二年内には
成案
を得たいと。来年の六月末ごろということでございますので、そういうことで
成案
を得たいというふうに考えておりますし、また法制審、
研究会
にもそういう方針でお願いをしているところでございます。 ただ、この問題は、行政
情報公開法
に向けての
検討
と並行して行うということで、今まさに並行して
検討
を行っているわけでございます。その最終的な
法案
の中身ということについては、やはりその
制度
の目的は違いこそすれ、行政が保有する秘密にかかわるものの開示という面では関連性がございますので、その
法案
の方向というものを踏まえながら最後の詰めをしなければならないというふうに考えているところでございます。
浜四津敏子
28
○
浜四津敏子
君
情報公開法
の準備と並行してこの民訴法の
関係
も
成案
化を進めるという御答弁がたしか昨年の
法務委員会
であったと思いますが、
情報公開法
ができるということを条件とするわけではないわけですから、そちらの方がどうもおくれるということであれば、民訴法は民訴法独自として
成案
を得るという方向で
検討
をなされるんでしょうか。
濱崎恭生
29
○
政府委員
(濱崎恭生君) これは
法案
の
審議
の際にもお答えしたかと思いますが、私どもとしては、行政
情報公開法
の制定に向けての
議論
の
状況
から考えて、この新しい民訴法の公布から二年内にはそちらの方も
成案
が得られるのであろうと、そういうことを念頭に置いて、それと並行的に
審議
をして、その時期に著しくおくれることなくこちらも
成案
を得たいというふうに考えてきたところでございます。行政
情報公開法
の制定がおくれるということをまだ私ども念頭に置いておりませんが、現在はそういうことを前提に努力をしているところでございます。
浜四津敏子
30
○
浜四津敏子
君 昨年の民訴法
改正
の大きな柱が二つあったと思います。
一つ
は争点
整理
の手続、そしてもう
一つ
が証拠収集手続の拡充で、この二つが車の両輪として、真実公正あるいは迅速的確な裁判を実現するためにどうしても必要ということで
改正
に取り組まれたわけですが、この証拠収集手続の拡充のうちで公の文書に関する
文書提出命令制度
のあり方等については積み残しになったわけで、そういう意味では大変残念な思いがしております。いずれにいたしましても、特に証拠が偏在する分野である
行政文書
、その
文書提出命令
の手続につきましては、ぜひとも先進国と肩を並べる
成案
の
内容
が得られますように期待させていただきたいと思います。 きょうは大変ありがとうございました。以上で終わらせていただきます。
照屋寛徳
31
○
照屋
寛徳
君 どうも
竹下先生
、朝早くから大変御苦労さまでございます。社会民主党・護憲連合の
照屋
寛徳
でございます。私の方からも一、二点お教えいただきたいというふうに思っております。
先生
の先ほどの御
報告
を聞きまして、
文書提出命令制度小委員会
あるいはその
研究会
を設置されて精力的に
成案
を得るべく頑張っておられることに敬意を表したいというふうに思っております。 実は、私も県議会におるときに、沖縄県の情報公開条例を議員立法でつくったことがございます。また、沖縄県の那覇市の情報公開条例というのがございまして、その那覇市の情報公開条例に基づく
情報開示
をめぐって国との間に裁判があったりしていることは
先生
御
承知
だというふうに思います。その那覇市の件は、那覇市内に建設しょうとした自衛隊のP3C基地の設計図をめぐっての争いでございます。 先ほど
竹下先生
の御
報告
を受けて、
研究会
が
マスコミ関係
者だとかあるいはまた労働運動団体とか
消費者
団体とか、それらの方々から
ヒアリング
をしていろんな
検討
を重ねているということはよくわかりました。 はたと気づいたのは、全国に情報公開条例を制定しておられる都道府県とか市町村とか、いわゆる自治体の
関係者
、現にその情報公開条例を制定している自治体の
情報開示
をめぐってさまざまな訴訟が幾つも提起をされ、係属をしていると、こういうふうに私は思っているわけです。
研究会
でこの情報公開条例を制定している自治体などからの
ヒアリング
というのも私は必要ではないんだろうかと思うんですが、そこら辺どういうふうになっているのか、今後どういうふうな計画があるのか、あるいはもともとそういうところの市町村や都道府県からの
ヒアリング
は必要ないというふうなお考えなのか、そこら辺お教えいただけたらありがたいなと思います。
竹下守夫
32
○
参考人
(
竹下守夫
君) ただいまの御
指摘
は、我が国で全国的に自治体の情報公開条例というものができているので、その点についても
ヒアリング
をする必要があるのではないかということかと思います。 自治体を初めとして我が国の
情報公開制度
につきましては、先ほども申しましたように、第二回の
研究会
におきまして、これは
ヒアリング
ではございませんけれども、お隣においでの行革
委員会
事務局の
藤井昭夫
調査
委員
、それから
研究会
の
メンバー
である
秋山弁護士
から十分な
説明
をいただきました。それから、あわせてこのときに大変詳細な
資料
もいただきまして、その中には自治体の情報公開条例並びにそれをめぐるいろいろな訴訟が御
指摘
のようにたくさんございますので、そういうものも全部入っております。
研究会
の
メンバー
、それから小
委員会
の
メンバー
にもこの
資料
は配付されておりますので、それぞれ十分その
資料
を通じて理解を深めていることというふうに存じます。 したがいまして、ただいまのところ
ヒアリング
の
予定
は立てておりませんけれども、場合によればその点も
検討
するということも考えられるかと思います。 以上でございます。
照屋寛徳
33
○
照屋
寛徳
君 それから、昨年の民訴法の
審議
の過程で、「公務員の
証人尋問
についても、」「
検討
を加えるべきである。」と、こういうふうな
附帯決議
がなされていることは
先生
も御
承知
だと思います。そもそもの民訴法の
改正
に際しての法制審の民訴法
部会
では、この公務員の
証人尋問
のあり方というか、そういう
制度
的な面についてはどのような御論議があったのか、具体的な論点等がもしおありであったならお教えいただきたいと思いますが、それともそれは全くなかったのか。
竹下守夫
34
○
参考人
(
竹下守夫
君) ただいまの公務員の
証人尋問
の場合に監督官庁の承認を得る必要があると、そのための要件等につきましては
法制審議会
の
審議
の過程でも
議論
がございました。 いろいろな
意見
が述べられたわけでございますけれども、刑事訴訟法の規定の仕方が違っておりますし、それからまた議院証言法も違っておりますので、そういうものとの比較
検討
もいたしたわけでございます。その中で、最終的にはやはり
国会
における議院証言法の場合、それから刑事訴訟法の場合、
民事訴訟法
の場合、それぞれの性格の違いということがございますので、御
承知
の、公共の利益を害し、または公務の執行を妨げるおそれがあるという、そういう要件を課して承認を得るということに落ちついたわけでございます。
照屋寛徳
35
○
照屋
寛徳
君
法務省
に一点お伺いいたしますけれども、先ほど浜四津
委員
からも御質問がございましたけれども、
附帯決議
の中で、「公文書についても、文書提出を一般義務化し、不合理な官民格差を生じない方向で、早期に
成案
を得るよう努めるべきである。」と、こういうふうな
附帯決議
をしておるわけでございます。この中で、官民格差を生じないように、あるいは文書提出を一般義務化するんだと、そういうことについて
附帯決議
が付されたわけです。それを
法務省
はどのように受けとめて、
成案
を得る作業の中で
国会
での
附帯決議
の
趣旨
を生かそうというふうにお考えになっているのか、まず
法務省
の基本的な考え方を聞かせてください。
濱崎恭生
36
○
政府委員
(濱崎恭生君) 昨年提出いたしました
民事訴訟法
の
改正
の
政府原案
におきましては、
法制審議会
における
審議
を踏まえて、私どもは私どもなりに現行の
制度
のもとで
政府原案
は正当性を有するものだというふうに考えて
国会
に提出させていただいたわけですが、御案内のとおりの
審議
の経過を踏まえまして、その
政府原案
では官民の違い、あるいは司法権と行政権との権限の配分という観点から適当でないという御
指摘
をいただいて、
国会
で
修正
をされ、あわせて
附帯決議
をいただいたわけであります。 したがいまして、私どもとしてもその
附帯決議
の
趣旨
を踏まえて、要するに
政府原案
ではだめであると、
附帯決議
の
趣旨
に沿って違うものを構築していかなければならないという認識を持っておりまして、そういう認識のもとに、現在、
法制審議会
の小
委員会
及び
研究会
での御
研究
をいただいているところであります。
照屋寛徳
37
○
照屋
寛徳
君
竹下先生
にあと一、二点お教えいただきたいのでございますが、民訴法の二百二十条の文書提出義務との
関係
で、いわゆる四号のロの規定ですね、秘密性の判断をする監督官庁の定めてございますけれども……
竹下守夫
38
○
参考人
(
竹下守夫
君)
政府原案
のときのですか。
照屋寛徳
39
○
照屋
寛徳
君 はい。その監督官庁の考え方なんですけれども、例えば諸
外国
での立法事例なんかでは、監督官庁というのはどういうふうに規定をされておるのか、そこら辺おわかりでございましたらお伺いいたします。
竹下守夫
40
○
参考人
(
竹下守夫
君) 我が国のこの
民事訴訟法
の
証人尋問
に関する規定は、御
承知
のように、
ドイツ
の
民事訴訟法
を参考にしてつくられたものでございますけれども、
ドイツ
におきましては、ここで言う監督官庁というのは最上級レベルの監督者を指すのであるという理解が一般であると思います。したがいまして、恐らく各
省庁
の長、最高責任者ということになりますから大臣ということになるのだというふうに私は理解をしております。 実際に
ドイツ
で問題になったときに、監督官庁としてどういう人が承認を与えているかというところまでは存じませんけれども、注釈書等ではそのようなことが書かれております。
照屋寛徳
41
○
照屋
寛徳
君 昨年の
改正
法を
審議
する
段階
では私は法務
委員
ではございませんでしたが、記録を見ますと、
政府原案
の民訴法の二百二十条の四号については、私ども社民党は四号を削除すべしというような
修正
案を出したというふうに聞いております。 また、四号のロについては、それぞれ各党から、あるいは日弁連あたりからもいろんな
修正
案が提出されたように聞いておりますけれども、要は、国家公務員法の規定する公務員の守秘義務と、それから民訴法上の文書提出義務との
関係
というか、その調和というか、それをどこに求めて実定法上の規定に仕上げていくかということが大変大きな問題ではないかというふうに思うわけであります。 その場合に、秘密性の判断をするときには形式的な秘密、実質的な秘密、いろんな考え方があるように聞いておりますけれども、その調和のあり方ですね、今後
附帯決議
の
趣旨
が十分反映されるような、またその
審議
経過も
国民
に開示されるような形で早い時期に
成案
が得られることを希望して、私の質問は終わります。これは
要望
だけ申し上げておきます。
菅野久光
42
○
菅野
久光
君 きょうは大変お忙しいところを本当にありがとうございました。私も端的に幾つかの点についてお尋ねをしたいというふうに思います。 先ほどからもちょっと
お話
がありましたけれども、
文書提出命令制度
についての
研究会
でございます。広く各界の
意見
を聞くということでございますけれども、
メンバー
を見ますと法曹三者と法律学者以外では経団連と日本労働組合総連合の代表だけなわけです。この問題に強い関心を持っている
マスコミ
あるいは市民団体などの
参加
がもっとあってもいいのではないかというふうに思います。
研究会
の
状況
を見ますと、こういったような方々からの
ヒアリング
はなさっているようでございますけれども、ここでは
ヒアリング
ですから
意見
を一方的に言うだけであって、実際に
研究会
でいろいろそれらの点について論議をするということではないというふうに思うんです。 そういう意味で、この構成そのものも偏り過ぎているんではないかと、私は全くの素人でございますけれども、そう思うんですが、いかがでしょうか。
濱崎恭生
43
○
政府委員
(濱崎恭生君)
研究
員の方々にお願いをいたしましたのは私ども
事務当局
の方でございますので、私どもの方からお答えさせていただきたいと思います。 やはりこの問題は、せんじ詰めれば
国民
すべての方々に
関係
がある問題であるというふうに思っております。それは、
マスコミ
の方々はそういった
国民
の考え方をいわば代表する、代弁するという形でおっしゃっているんだろうと思いますし、また
消費者
団体の方々はこの問題に大変利害
関係
を持っておられることは間違いございませんが、それはまた
国民
のすべてであるというわけでもないという面もあろうかと思います。 そういうことでございますので、こういう
研究会
にどういう方々に
参加
していただくかということは、これは幅広くやれば際限がないということになってしまうという面があることは御理解を賜りたいと思うわけでございます。 そういうことを踏まえた上で、またもちろんこの
メンバー
には弁護士の方々が相当数参画しておられるわけですし、弁護士の方々はまたそういった
関係
の訴訟をみずからやっておられるという方々の御意向も踏まえて、日弁連、弁護士会各単位会としてもこの問題については大変大きな関心を持っておられ
意見
を持っておられる。そういうことをいわばバックに持っておられる弁護士の方々も参画しておられる。そういうことでございますので、この
メンバー
によって
意見
が偏るとか、
国民
の一部の考え方に偏っていくということは決してないものというふうに私ども考えておるところでございます。
菅野久光
44
○
菅野
久光
君 一般的に
メンバー
だけを見たときにはちょっとそういうような感想を持たざるを得ないなと、こう思いました。
研究会
では、今
お話し
のように、
マスコミ
だとかあるいは
消費者
団体、
経済界
、
労働界
から
ヒアリング
をされたわけですけれども、この中で主にどのような
意見
が出されたか、時間も余りありませんけれども、要点的に
お話し
をいただければありがたいと思います。
竹下守夫
45
○
参考人
(
竹下守夫
君) 御
意見
を述べていただきました方、かなり大勢でございますので、なかなか要約ということは申し上げにくいのでございますけれども、
一つ
かなり共通に出てまいりました問題はやはり
情報公開部会
の
要綱案
でございます。あれとの
関係
で、あちらで不開示情報ということになっているものについて
文書提出命令制度
の方ではどうあるべきかというようなことについてかなり御
意見
が出されました。 〔小
委員長
退席、
中原
爽君
着席〕 それから、これも
情報公開法
要綱の方に出てくることでございますけれども、とりわけ
経済界
の方々からは、企業から行政庁に提供した情報が外部に出される場合に、あちらの方では提供した企業なりなんなりの第三者の
意見
を聞くという手続がございますけれども、これまで
文書提出命令制度
の方にはそういう手続はないものでございますので、そういう点についても十分配慮すべきではないかというような御
意見
が出されました。 全体としまして、
情報公開部会
の方の
要綱案
との
関係
でいろんな御
意見
が出てきたというふうに申し上げることができるかと思います。
菅野久光
46
○
菅野
久光
君 ありがとうございました。 総務庁がおいでですが、
情報公開法
ですが、大体時期的にはどういうようなことになるのか、ちょっと
お話
をいただければと思います。
藤井昭夫
47
○
説明員
(
藤井昭夫
君)
情報公開法
の今後の動向についての御照会かと思うんですが、御案内のとおり、昨年十二月に
行政改革委員会
から「
情報公開法
制の確立に関する
意見
」というのが内閣総理大臣に提出されております。お
手元
に
関係
資料
ということでお配りしてあると思うんですが、それが昨年の十二月十六日に御提出いただきました。 これも実はこの
資料
の六十六ページにありますので、お時間があったらごらんになっていただきたいんですが、
政府
は直ちに行革プログラムの閣議
決定
というのをやっておりまして、その中で、「「
情報公開法
制の確立に関する
意見
」を最大限に尊重し、できる限り早期に法律案をまとめるべく作業を進め、
平成
九年度内に所要の法律案の
国会提出
を図る。」、こういう方針をつくっております。 それで、現在、まさに
要綱案
に沿って、いかにこれを法律用語につくるか、あるいは若干論理的な乱れがないかということと、あと、先ほどちょっと御
指摘
にもありましたが、
要綱案
ではある
程度
政府
に具体的
検討
をゆだねている部分もございます。そういったものの
検討
というものを、これは全
省庁
調査
しながら今鋭意作業を進めているところでございます。 したがいまして、現在のところは、
平成
九年度内に
国会
に法律案を御提出申し上げるというような方向で最大限努力しているところでございます。
菅野久光
48
○
菅野
久光
君 それでは、今後の
研究会
あるいは小
委員会
の、
審議
の
予定
は先ほどちょっとまだ何点かありましたけれども、
法案
ないし
法案
要綱の作成の
めど
でございますけれども、一体どのようにお考えになっておられるか、もしも差し支えなければお聞かせいただければと思いますが。
竹下守夫
49
○
参考人
(
竹下守夫
君) その点につきましては、先ほど概括的に申し上げたとおりでございますが、これから夏前に二回行われます
研究会
、それから一回の小
委員会
で今後の方針を具体的には決めるところでございますけれども、私の腹づもりといたしましては、
研究会
でこれだけ
調査研究
を進め各
方面
からの
意見
を伺いましたので、九月以降は、新しい
行政文書
の
文書提出命令制度
をつくるに際しての
問題点
の
整理
あるいは留意点の
整理
というようなことを
研究会
の方でやりまして、それを小
委員会
に上げて、小
委員会
の方で秋のそう遅くならない時点から具体案の作成
審議
に入ることになるかなというふうなことを考えております。 しかし、これは全く私一個の考えでございまして、
事務当局
と十分打ち合わせをしているわけでもございませんし、それから
研究会
や小
委員会
のメンバトとまだ
協議
しているわけでもございません。 〔小
委員長
代理
中原
爽君
退席、小
委員長
着 席〕
菅野久光
50
○
菅野
久光
君 民事裁判における
文書提出命令
、これは裁判における真実を発見する公益的な目的のためにはどうしても必要なことで、公務文書の提出拒絶事由というのは、これは
情報公開法
の非公開情報よりも厳格に、また限定的に定められる必要があるというふうに思っているわけですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
竹下守夫
51
○
参考人
(
竹下守夫
君)
先生
もう御
承知
のように、
情報公開制度
そのものとそれから
文書提出命令制度
というものとは
趣旨
としては異なるわけでございまして、
情報公開制度
の方は、先ほどの
要綱案
についての考え方の中でも示されておりますように、
国民
に対する
説明
責任というようなことを根拠にしているわけでございます。一方、
民事訴訟法
上の
文書提出命令
は、ただいま御
指摘
のように、実体的真実の発見といいますか、実体的真実に即した裁判の実現というところにございますので、一応別個の
制度
でございます。 関連いたしますのは、
情報公開制度
のもとで一般の
国民
が得られる情報というものは、当然これは
文書提出命令
を出さなくても当事者が入手できるわけでございます。そうなりますと、
文書提出命令
の
対象
になってくるというのはやはりそういうルートでは得られない情報ということになるかと思います。そういう点からいいますと、どの
程度
というようなことはなかなか申し上げにくいと思いますけれども、情報公開の場合よりは少し、何といいますか、公開されない、提出される範囲というのは狭くなるかなというふうに申せるかと思います。 以上でございます。
菅野久光
52
○
菅野
久光
君 終わります。
橋本敦
53
○
橋本
敦君 きょうは
竹下先生
ありがとうございます。 衆参の
附帯決議
をしっかり踏まえて
議論
をするという方向をおっしゃっていただきまして、大変私どももありがたいと思っておるんです。この衆参の
附帯決議
を小
委員会
の皆さんはもちろん、
研究会
の皆さんもきちっとお持ちになってよく御存じいただいていると思うんですが、
研究会
でたくさんの方に
ヒアリング
をなさいますね。その場合の
資料
としても、
国会
のこの問題についての一定の公的見解としてお渡しをいただいてよく理解をしていただくということをぜひ手続的にお願いしたいと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
濱崎恭生
54
○
政府委員
(濱崎恭生君) ちょっと事務作業の
状況
ということで申し上げさせていただきます。
ヒアリング
ということで
意見
を述べていただくに当たっては、やはり
問題点
を十分御理解いただいた上でお考えおきいただきたいという
趣旨
から、あらかじめ
事務当局
の方で事前にこういうことが問題になっておりますということを御
説明
するということを原則にしております。その際には、
附帯決議
でこういう議がされているということもあわせて
附帯決議
をお渡しして
説明
をしておりますので、その点は十分御
承知
いただいていると思います。
橋本敦
55
○
橋本
敦君 わかりました。結構でございます。
民事局長
、この問題で
政府
の
原案
が
修正
されたというのは、これは大変な大きな重みを持つことでございます。そういう意味で、この問題について
国会
で
政府原案
が
修正
され、
研究
課題
として大きな問題として残されたということについては、これは私はそれなりに
国会
の論議を踏まえて、
法案
提出をした責任の当局として、
法務省
としてしっかりと点検あるいは問題の所在について謙虚に受けとめていただく
検討
が必要かと私は思っておりますが、そういう点についてはいかがでしょうか。
濱崎恭生
56
○
政府委員
(濱崎恭生君) 私ども、まさに御
指摘
のとおり受けとめております。 したがいまして、先ほども申し上げましたけれども、
政府原案
は当時は私どもとしてはそれなりの合理性を持つものとして提出いたしましたけれども、それは否定されたということでございまして、あの
方法
では要するに民事訴訟における審理の適正と、それから守られるべき行政の秘密は守られなければならないという要請とのバランスが十分でないということであろうと思っております。
附帯決議
の
趣旨
を踏まえた、どこにバランスを求めるかという観点から、
研究会
、小
委員会
で御
検討
いただくと同時に、私どもとしてもそういう心組みで取り組んでいきたいと思っております。
橋本敦
57
○
橋本
敦君 今おっしゃったバランスということの具体的な方向づけが大事なんで、言ってみれば
政府原案
は公文書の開示と提出ということを一般義務化して、裁判の実体的真実発見や裁判を受ける
国民
の権利にウエートを置いて考えるという考え方が不足していた面がやっぱりあったというように私は思っているんです。だから、単なるバランス感覚というよりも、そこに具体的にウエートを置いた考え方ということで今後取り組んでいただくことが必要だろうというように私は基本的には思っております。 そこで、
一つ
の問題として、公文書の提出の拒絶の事由をどのように合理的に限定していくかということが一番大きな問題になるわけです。この場合には、先ほども
議論
がありましたが、公務員の
証人尋問
に関して、「公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合を除き、拒むことができない。」ということですが、実際はこの規定が合理的に運用されませんと拒絶範囲が事実上広がっていく。ここが判例でも裁判所が御苦労なさってきたところなんです。だから、ここのところで、一体ここで言う「公共の利益」あるいは「公務の遂行に著しい支障を生ずる」という、そういう規定そのものが運用の面において規範性をなかなか持たないし、解釈によって左右されるし、それから行政当局は可能な限りこの規定によって出さないようにしたいという、そういうディレクションが働くことも、これも社会通念としてあるわけですから、ここのところの規定を合理的にどう決めていくかということは今後の重大な
課題
だと私は思っておるんですが、そういう問題意識について
竹下先生
の御
意見
はいかがでしょうか。
竹下守夫
58
○
参考人
(
竹下守夫
君) ただいま
先生
御
指摘
の規定は、新しい
民事訴訟法
の百九十一条二項であると思いますけれども、この点につきましてはただいまも御
指摘
いただいたような問題があるということは私どもも
承知
いたしております。 ただ、先ほども申しましたが、同種の規定が議院証言法とか刑事訴訟法とかございますので、それらの他の法律の規定との調和の中で
民事訴訟法
の規定を定めなければならないということもまた確かでございますので、そのような考慮の上で、今回、
文書提出命令制度
を
改正
するに当たり、この点も考慮に入れたいと考えております。
橋本敦
59
○
橋本
敦君 例えば、これは刑法的感覚の話ですが、公共の重大な利益の侵害という場合でも、一般的にそうは言えなくて、明白かつ現実の危険という、こういう原理的な考え方がございます。したがって、法的規制の場合でも、公共の利益を害するということが明白に客観的にある場合という、そういうことに向けた規定の仕方の工夫も
一つ
は解決
方法
としてあろうかと思うんです。だから、そういった点は、
先生
のおっしゃるほかの法制や法理との整合性の中で
検討
していただきたいというように思うんです。 もう
一つ
の問題は、浜四津
先生
も
指摘
されたんですが、いわゆる秘密の概念の問題、これもまた大変な問題です。つまり、形式秘で足りるかあるいは実質秘でなくてはならないか、これはもう大問題でございます。今までの刑事裁判では、裁判所では大体形式秘で足らない、実質秘でなきゃならぬということは、これは人権保障の観点から言ってまいりました。では、
民事訴訟法
の観点から一体その法理がどれだけここで生かされていくのかという問題も非常に大事な問題です。 だから、こういった秘密の定義と実質的な判断についてどう規定するかという問題と、それを今度は審査手続で、この
附帯決議
が言っておりますように、裁判所の司法判断を尊重する立場で手続規定としてその判断を保障する
方法
としてどうやっていくかという問題が非常に大事な問題として残されていくわけです。こういった大事な問題の整合性を今後
研究
、
検討
していただく必要があるので、諸
外国
の法制の
検討
も結構ですけれども、具体的に今後こういった
課題
はどういうところでどのように
検討
されていく御
予定
なんでしょうか。
竹下守夫
60
○
参考人
(
竹下守夫
君) ただいまの秘密の要件並びにその審査のあり方の点でございますが、秘密の意味につきましては、
民事訴訟法
の分野でもこれまでの判例では実質秘の考え方がとられているというふうに
承知
いたしております。ですから、その点におきましては刑事訴訟法の方と変わりがないということになるかと思います。 そこで、その秘密に当たるかどうかの審査のあり方でございますが、これは再三先ほどから申し上げております
参議院
法務委員会
の
附帯決議
の中にもあるわけでございまして、司法権を尊重する立場から
検討
せよということでございますので、先ほど申しましたように、この秋から具体案の作成に取りかかる過程で、その点を十分踏まえて、議院証言法のように疎明を
要求
するというのも
一つ
の考え方だと思いますし、あるいは
アメリカ
の情報自由法にございましたボーンインデックスというような考え方もあり得るかと思いますので、それらを
視野
に入れて
検討
してまいりたいと思っております。
橋本敦
61
○
橋本
敦君 その点は、ぜひインカメラ手続も含めながら御
検討
いただきたいという私どもの
要望
をお願いしておきたいと思います。 それで、各地方自治体の条例による情報公開等もかなり進んでおりますし、それから市民オンブズマンの活動によってかなり
国民
の知る権利が広められていくという、こういう民主社会の方向性も我が国でも出てまいっておりますので、それとの
関係
でも非常にこれからの
検討
課題
として大事になってくるだろうと思うんです。 そこで、
研究会
でもこの問題については、市民オンブズマン的な
制度
とは言いませんが、自治体の情報公開問題について
関係
の事務局から御
説明
があったという話もございましたが、今後は具体的な市民オンブズマン
制度
を実際にやっている当事者の経験なり、あるいは地方自治体でいろんな違いがございますから、そこらあたりも含めて、
照屋
先生
も言われましたが、各地方の公開条例の
検討
だけでなく、実際の経験を聞いていただくという
ヒアリング
もぜひお願いする方がいいのではないかというように思っておりますが、いかがでしょうか。
竹下守夫
62
○
参考人
(
竹下守夫
君) 御
指摘
の
趣旨
はよくわかりました。ただ、私ども、先ほど申し上げましたように
消費者団体関係
者から
ヒアリング
をいたしましたが、この中には
先生
御
指摘
のような運動に
関係
をしておられる方も何人か含まれていたと思います。そういう方々から御
意見
を既にちょうだいしております。当然、その御
意見
も今後の
審議
の中で考慮していかれるということになります。
橋本敦
63
○
橋本
敦君 こういった
研究会
はそれなりに本当に貴重な御
意見
もそれぞれあると私は思うんですけれども、二点、
民事局長
にお尋ねをしておきたいんですが、今までの法制審のあり方と違って、今度の場合は、
附帯決議
を受けて小
委員会
なり
研究会
の
審議
要録も公表するという方向でやっているんだという
お話
がございました。それはどの
程度
の
審議
要録なり
内容
なりをまとめていらっしゃるのかということが
一つ
。それから、それを公開ということですが、もらいに行ったらいただけるということではなくて、衆参のこの問題の小
委員会
の
メンバー
にはそれは適宜配付をしていただくということで、こちらも勉強させていただくというようにしていただきたいなと思っておるんですが、この点はいかがですか。
濱崎恭生
64
○
政府委員
(濱崎恭生君) 先ほども申しましたように、議事要旨は公開しているものでございますので、気がつきませんでしたけれども、この小
委員会
の
先生
方に御配付するということについては前向きに
検討
させていただきたいと思います。
橋本敦
65
○
橋本
敦君 ぜひお願いいたします。 それから、もう
一つ
民事局長
、
附帯決議
の第四項で、
政府
に対する
要望
として、「
政府
は、前二項の
検討
に当たっては、その経過を広く開示し、
国民
の
意見
が十分反映されるように格段の配慮をすべきである。」ということを申し上げております。これは先ほども受けとめていただいておるんですが、「
国民
の
意見
が十分反映されるように格段の配慮」という、ここのところを
政府
としては具体的にどうなさるか。これは先ほどの小
委員会
のもとの
研究会
にいろんな
ヒアリング
という
一つ
の
方法
がありますね。しかし、これは法制審の話です。
政府
として
国民
の
意見
が十分反映されるよう格段の配慮をというのは具体的に今何をなさっているか、どういうことをお考えになっているか。 私の
一つ
の提案で言うならば、まさにこの問題について大方の
成案
が出てくるという
状況
になってくれば、これは
国民
に対して周知徹底を図るための広報活動があり、シンポジウムをやるということもあり、各界の
意見
をそれについて聞くという手続を今後とることもあり、いろいろあると思うんです。 この点は、
政府
として今後
国民
の
意見
が十分反映されるような格段の配慮の工夫と保障をどうお考えなのか、今すぐ考えていらっしゃらなければ今後考えていただきたいという希望を込めて御質問をさせていただきます。
濱崎恭生
66
○
政府委員
(濱崎恭生君) これまで考えておりますところは、私どもとしては、この
研究会
の場を通じてできるだけ幅広い方々の御
意見
を伺う、もちろんその
メンバー
に私どもの担当者も入っておりますので、そういう形で聞かせていただくということを直接念頭に置いておるわけであります。もちろんこの問題については、既に前
国会
の
国会
議論
を通じまして大変幅広い
国民
の各層の
意見
、それを踏まえた
マスコミ
の
意見
なども伺ったと思いますし、今回も
マスコミ
の御
意見
を伺うということは幅広い
国民
の意思を間接的な形で聞いたということであろうというふうに思っております。 この
検討
につきましては期間の制約がございますものですから、一般の
法制審議会
の
審議
のように
意見
を公表して、その
意見
を踏まえてまた
見直し
をするというような時間があるかどうかということはなかなか難しい問題でございますが、その
成案
ができた
段階
でのいろんな広報の
方法
については、またその
段階
で
検討
させていただきたいというふうに思っております。
橋本敦
67
○
橋本
敦君 最後にしますが、今おっしゃっていただいた最後のところが非常に大事なんで、一定の
検討
と小
委員会
の一定の方向づけが出てきて、そして
法務省
として一定の
成案
が得られる方向になってきた
段階
で、その中身について、
研究会
で集まっていただいた人全部とは言いませんが、各界の
意見
を改めて徴するというそういう手続も私は必要ではないか、こう思っておりますので、もしそういうことが可能であれば考えていただきたいということをお願いして、質問を終わります。
岡部三郎
68
○小
委員長
(
岡部三郎
君) 以上で
質疑
は終了いたしました。
竹下参考人
におかれましては、本日は御多用のところ当小
委員会
に御
出席
をいただき、ありがとうございました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十八分散会