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一井淳治君 農林水産省は、水産庁も含めまして世界各地で技術援助を展開しておられますけれ
ども、いずれも着実な成果を上げておられまして、大変好評であると
思います。よその省庁の中には、せっかく援助をしながら現地人から
批判されるという声のある援助もあるようでありますけれ
ども、本当に農林水産省の援助というものは現地に根づいておりまして好評であると
思います。
私、最近中国へ参りまして、中古機械の修理とか、あるいはかんがい排水の技術援助の状況を勉強させていただきましたが、本当に中国の
農業の振興にも大きく貢献しておりますし、現地からも大変温かい感謝の気持ちを持たれているということを感じたわけでございます。
ところで、これは中国の国内事情でありますから、こちらの
委員会でとやかく余り言い過ぎたらいけないことであることはもちろん自覚しているわけでありますけれ
ども、文献などを見ますと、中国では、穀物が一定の産地では大量に出産されてその付近では穀物が余るけれ
ども、他方、大量に生産された穀物がうまく消費地へ回るような
機能が果たされていないということも言われておるわけであります。
私も中国に参りましてその間の事情を聞いたわけでありますけれ
ども、聞いたというのは正式に事情聴取するというのではなくて、一般的に現地の
人たちに話を聞いたわけであります。例えば、これも正確に現地に行って確認をとったわけじゃないんですけれ
ども、例えばトウモロコシなどが大量にできるところは道路に干すまで生産されるようであります。しかし、日本のように倉庫とかあるいは備蓄等の
機能が十分ではありませんから、十分に活用されていないということもあるようであります。
そこで、今後中国に対する技術援助でありますけれ
ども、もちろんこれは我が国が決めるわけにはいかないんで、中国の方の御希望があった上の話であるのでありますけれ
ども、例えば
農業の統計とか、収穫予想とか、数量の管理とか、全国的な
計画の立案とか、あるいは貯蔵や輸送手段の援助とか、そういったものの技術等の援助が提供されれば、非常に中国の
方々も助かるし、大きく国際貢献することになるんじゃなかろうかと思うわけでございます。
そういうことで、農林水産省におかれましてもそういうことをお
考えになりながら、今非常に評判のいい
農林省の技術援助を今後とも大きく展開されることを期待しているわけでございますけれ
ども、御所見を伺いたいと
思います。