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政府委員(
嶌田道夫君) まず、第一点に
ハードルの話だったと思いますが、これは
農協は十分の一でございますが、それと合わせてただ機械的に十分の一としたわけではない、それぞれの事情に基づきまして
最低出資金の額を決めさせていただいたということを申し述べたところでございます。その結果、五分の一になったということでございます。
それから、二点目の法定準備金の積み立て
基準の引き上げによりまして、言うなれば
組合員の配当が少なくなると、それによって
組合離れが助長されないのかという御
心配でございますが、先ほども申しましたように、
金融自由化が進展してきていますし、特に
漁協の場合でございますと、
資源水準の低下によりまして漁獲量の減少でありますとか、産地魚価の低迷によりまして
漁協経営も厳しさを増してきています。
その中で、特に
信用事業のリスクが拡大しているということで、
漁協の
事業を健全に運営していくためには、また
組合員に対しまして適切な
金融サービスを提供していくためには、やはり何と申しましても
漁協みずからの自己資本、内部留保の充実が必要不可欠ではないかというふうに考えています。
それから、これは比率の問題でございますが、水産庁といたしましては、従来から模範定款例によりまして、出資総額の二倍までは毎
事業年度剰余金の五分の一に相当する金額以上は積み立てろというようなことを指導してきた経緯もございます。このようなこともございますので、今回の
法改正によりまして、
組合員のこの
組合離れを助長するというようなことには即ならないんではないかというふうに考えております。
また、もう
一つの問題といたしましては、早期是正
措置の導入が
平成十年の四月に控えているという緊急な問題がございまして、
漁協といたしましても、自己資本の充実にみずから取り組む必要があるということにつきましては、
漁協並びに
組合員も十分
認識していただいているんではないだろうかと考えているところでございます。
それから、三点目でございますが、剰余金の処分の
基準、具体的にどのようなものであるかというようなことでございます。
これにつきましては、先ほど
先生が言われましたように、今まで
漁協といいますのは、
組合員に最大の奉仕をするということから剰余金を利用高配当という形で
組合員に事後的に還元してきております。そういう意味では、実際の剰余金処分に当たりましても利用高配当を重視してきたということもございまして、先ほどのサケの例ではないんでしょうが、自己資本、それから内部留保は他の
業態に比べますと薄いという
状況にございます。
しかしながら、先ほど言いましたように、他
業態と同様に自己資本の充実、内部留保の増強が必要不可欠であるということでございます。こういうことで、他
業態におきましても、いろいろ配当性向の上限の設定でありますとか、それから利用配当の自粛でありますとか、それから出資配当の上限の設定というようなことで剰余金の処分方法の
基準を他
業態においても定めております。
漁協系統におきましても、このようなことを参考としながら、また自己資本比率の
状況をよく見ながら、言うなれば内部留保の増強の
必要性の高いところほどより内部留保を
優先した剰余金処分が行われるようにこの
基準を設定していきたいというふうに考えております。