○北澤俊美君 これから取りまとめを秋に向けてやるわけですけれ
ども、我々は幸か不幸か大戦の経験を子供のころに持っています。そういう人たちがだんだん現職を離れていくわけですけれ
ども、戦争がいかに悲惨なものであって何も生み出さないかということを骨身にしみて
日本国民は知っておるはずなんですよ。しかも、自分たちが不幸になるだけじゃなくて
周辺もみんな不幸に巻き込んできた、そういう
考え方をしっかり根づかせてやっていかなきゃならない。
基本的には
日米安保条約というのは戦争が起こらないためにあるわけですから。
そういう
意味では、臨検だとか
機雷の除去だとか、そういう個別に論議を積み上げていくのも大切ではありますけれ
ども、
基本的な精神というものを見失っちゃいけないというふうに思うんです。そういう
意味で冒頭に
鈴木さんが指摘されたことをおかりしたわけだけれ
ども、私は慎重でなければいかぬと思います。
アメリカの国というのはもう少し我々とは精神構造が違うような気がするんです。そしてまた、この問題は結局アジアについてアメリカがどういうふうにこれからやっていくかということとかかわるわけですが、アメリカの視点が
中国に向いていることはもう間違いないわけです。ただ、たまたま
北朝鮮という存在があってしかも非常に揺れ動いているということで、今この時期に
ガイドラインの
見直しをすることは、
日本の国に対しても、アメリカから見れば
北朝鮮というのは非常に都合のいいカードになっているんですよ。これは間違いのないことなんです。ここでアメリカは一気にやりたいとこう思っている。それに乗って
日本が余り踏み込むことをしてしまったら、あれだけの犠牲を払った同胞の
方々に対しても我々は任務を果たしていないというふうに言われてもやむを得ないんじゃないか、そういうふうに思うんです。
そこで、
国会承認の問題ですけれ
ども、各党派それぞれ意見が分かれておるようでありますけれ
ども、私の個人的な意見、党派ではなくて個人的な意見とすれば、これは
国会承認ということではないというふうに思っております。思っておりまするけれ
ども、これだけのものを取り決めて法整備をしていくということになると、先ほどのお話にありましたように、
外国にも中間でもうどんどん説明に行っているわけです。
これは橋本
内閣のときにやっておるわけで、一つのオーソライズするのは閣議決定だと思うんですけれ
ども、もし橋本
内閣の後でいろんな
状況が変わってこれが変更される、あるいは
日本がそれを履行しないというようなことで
日米間でもめたら、今度はそれを期待していた
周辺諸国は、一体この担保はだれがつけてくれるんだ、
日本の最高決定機関である
国会が承認していないんだからというふうに
日本が開き直ったらどうするんだと。さまざまな問題があるというふうに思うんです。その点についてはどういうふうにお考えですか。