運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1997-06-16 第140回国会 参議院 内閣委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年六月十六日(月曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――    委員異動  六月十六日     辞任         補欠選任      有働 正治君     聴濤  弘君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         鎌田 要人君     理 事                 板垣  正君                 鈴木 貞敏君                 鈴木 正孝君                 清水 澄子君     委 員                 海老原義彦君                 狩野  安君                 矢野 哲朗君                 依田 智治君                 大久保直彦君                 永野 茂門君                 山崎  力君                 角田 義一君                 齋藤  勁君                 笠井  亮君                 聴濤  弘君                 北澤 俊美君    国務大臣        外 務 大 臣  池田 行彦君        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 梶山 静六君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  久間 章生君    政府委員        内閣官房内閣安        全保障室長        兼内閣総理大臣        官房安全保障室        長        三井 康有君        内閣法制局長官  大森 政輔君        内閣法制局第一        部長       秋山  收君        防衛庁長官官房        長        江間 清二君        防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君        防衛施設庁長官  諸冨 増夫君        外務省総合外交        政策局長     川島  裕君        外務省北米局長  折田 正樹君        外務省条約局長  林   暘君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 久雄君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査並びに国防衛に関する調査  (「日米防衛協力のための指針」の見直しに関  する中間とりまとめについて)     ―――――――――――――
  2. 鎌田要人

    委員長鎌田要人君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、有働正治君が委員を辞任され、その補欠として聴濤弘君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 鎌田要人

    委員長鎌田要人君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国防衛に関する調査を議題とし、前回に引き続き、「日米防衛協力のための指針」の見直しに関する中間とりまとめについて質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 齋藤勁

    齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。  本来ですと質問の順序が平成会さんでございますが、同時並行しております行税特関係でお差し繰りをいただきまして恐縮でございます。  最初に、ガイドライン関係質問に入ります前に、たびたび当委員会でも政府対応についてたださせていただいている点について触れさせていただきたいと思います。それは神奈川県の厚木飛行場のいわゆるオープンハウス時の米軍デモンストレーション飛行でございます。  これはかねがね地元の大和あるいは綾瀬、海老名など周辺自治体市長あるいは議会住民団体等も含めまして、たびたびこのデモンストレーションフライト中止について呼びかけをさせていただきながら、また強く抗議と即時中止を求めてきているわけですけれども、いよいよことしも今月の二十八、二十九日の土日に二日間予定されているというふうにこのオープンハウスについては聞くところでございます。  このデモンストレーションフライト中止について、ことしは中止をするということについて、自治体の方にも回答がないわけでございますけれども、現段階状況についてまず伺わせていただきたいというふうに思います。
  5. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 米軍厚木飛行場におきまして毎年実施している航空ショーでございますが、飛行場周辺住民方々から、その開催自体中止を求める声、それから危険を伴う曲技飛行はやめてほしいとの声が上がっているということは政府としても十分承知しておりまして、齋藤委員からも累次にわたり御指摘いただいている点でございます。外務省防衛施設庁ともにこのような御意見を累次米側に伝えてきているところでございます。米側も、特に曲技飛行につきましては最近の航空ショーでは自粛をしているということで、いわゆる展示飛行等にとどめているということと承知しております。  他方航空ショー日米友好親善のための行事として行われてきているということであり、毎年かなり多くの方々が観覧されているということでございますが、同時にこのショー開催に伴います。辺住民方々の御負担ということには十分配慮する必要があると考えておりまして、今後とも政府といたしまして、地元住民方々の御要望については米側に伝達していきたいと考えているところでございます。
  6. 齋藤勁

    齋藤勁君 こういうようなショーを通じまして、より日米親善と申しましょうか、そういう意図が米側の方にあるようでございますけれども、このことが催されてきましてから、実施日数は変わらずとも確かに年度によってリハーサル日数が減り、そして騒音についても漸減の傾向であるところでございます。  しかし、実情については、御承知のとおり、NLPをめぐる問題で第一次、第二次訴訟まで行きました。この騒音対策協議会というのは大変神経質でありまして、このような場所で引き続き地元から強い反対の意向があるということについて、片方で日米親善とはいえ、私は大変問題であり、即時中止を求めていただきたいなというふうに思うところでございます。  今申しましたとおり、リハーサルは、平成五年、六年が三日でありましたのが、七年で二日、そして平成八年度が一日となっております。平成九年度は、この六月末でございますけれども、少なくとも現段階で二十八、二十九日、オープンハウスを行うということについては明らかなようであります。いまだこのデモフライトについて中止をするという意向がないとすると、政府が提起してまいりました実施日数リハーサルや、あるいは騒音を減らしていくという具体的な対応について米側の方と協議をしているのか、具体的な内容についてあればお伺いしたいというふうに思います。
  7. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 米軍防衛施設庁との間でいろいろ協議がなされていると承知しておりますが、私の承知している限り、今回のエアショーの準備は硫黄島で行われるというふうに聞いております。  それから、非常に低いレベルで急速に転回するようなことは避けるということも申しているようでございます。それ以上ちょっと細かい具体的なことは私は承知いたしません。
  8. 齋藤勁

    齋藤勁君 細部にわたりまして御答弁がないんですが、いずれにしましても先ほどの答弁地元意向を十分尊重して米側の方に伝えていくということについては伺いました。  今、私はたまたま軽減という表現も使わせていただきましたけれども、これはあくまでも中止を求めていくということが基本であり、軽減というのはもうある意味では次善の策ということであります。ぜひともこの中止について強く呼びかけていくということで、きょうもたしか厚木市長綾瀬市長米軍関係者の方に申し入れに行くというふうに伺っているところであります。期待する効果を出していないものについては、これはやっぱりやめた方が当然いいわけでありまして、万が一大変な事故があったときには取り返しようのない、また日米関係にも大きな波及をしてくると思いますので、ぜひお願い申し上げたいというふうに思うところでございます。  さて次に、ガイドライン関係について触れさせていただきます。  今回の中間報告の後、衆議院でも一、二の委員会の中で議論があるというふうに伺っておりますし、ぜひ整理をしていきたいなというのがまず一つございますが、いわゆる周辺事態という言葉がございますけれども、この周辺ということについてどういうふうな理解をしていけばいいのか。周辺というのは、国語辞典を引けば、ある物やある場所の周りなんだということでございますが、我が国にとって周辺というのはどういう範囲を示すものなのか、御答弁いただきたいと思います。
  9. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 「日本周辺地域」とは、そこにおいて発生いたします事態我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼし得る地域という一般的な意味で用いているわけでございまして、このような場所をあらかじめ特定できるわけではございません。
  10. 齋藤勁

    齋藤勁君 従来、安保条約第四条、それから六条において言われております「極東」というのがございますけれども、この極東範囲というのは、「この条約に関する限り、在日米軍日本の施設及び区域を使用して武力攻撃に対する防衛に寄与しうる区域である。かかる区域は、大体において、フィリピン以北並びに日本及びその周辺地域であって、韓国及び中華民国の支配下にある地域もこれに含まれている。」、こういうのがこれまでの極東範囲ということで、議会側の方も政府の方も、あるいは周辺の各国の方々もこういう理解であろうかというふうに思います。  この「極東区域は、」という中にも周辺という、「フィリピン以北並びに日本及びその周辺地域」、こういうふうに表現をされておりますが、この「日本及びその周辺地域」と同じ意味であるというふうに受けとめてよろしいですか。
  11. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 「極東」という言葉日米安保条約の中で言及されているわけでございまして、この極東範囲についてはかねてより日本政府として統一見解を表明してきているところでございます。今回のガイドライン見直しに当たってそれを変えるということは全く考えておりませんで、基本的な考え方の中に日米安保条約に基づきます権利義務関係は変更しないということがありますが、そういうことも含めてその基本的考え方の中であらわしているわけでございます。  極東の中に周辺という言葉が確かに入っておりますが、今回ガイドラインで用いられている「周辺」というのは、先ほど申し上げましたように、非常に一般的な意味で用いているわけでございまして、両方を一概に比較するということはできないものであろうというふうに考えておるところでございます。
  12. 齋藤勁

    齋藤勁君 今回、安保条約で言う「極東」というのはここに使っていないわけで、この「周辺事態」という言葉を使ったわけですけれども、これは何か特に意味があるんですか。
  13. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 現行の指針におきましては、いわゆる第三項で「極東」という言葉を使っております。ところが、今回の見直しでいろいろ検討対象として挙がっておりますのは、いわゆる日米安保条約及びその関連取り決めと厳密な意味で直接の関係のない、例えば人道援助活動とか非戦闘員退避活動とか経済制裁措置実効性を確保するための協力といった事項についても検討対象に入っているということでございまして、そういう意味から、これらの事項全体をくくる表現として安保条約上の文言である「極東」を用いることは必ずしも適当ではないのではないかということで、一般的な意味での「日本周辺地域」という言葉を用いたものでございます。
  14. 齋藤勁

    齋藤勁君 何かわかったようなわからないような、頭がどうも鮮明でないのかもわからないんですけれども、この間の新聞報道ですと、例えば中束とかインド洋は含まれない、こういうようなことだと思うんですね。そうすると、地理、地域的なことを指しているだけだというふうに思います。  私は基本的には日米安保条約というのが基軸であろうと思います。そして、各アジア諸国も、このガイドライン見直しに当たりまして、今までの地理的な概念というのを打ち破ってくるのだろうかということについての危惧もあろうと思いますし、やっぱりあいまいな周辺というのは地域的な言葉を指すというふうに思いますので、明確にすべきだなというふうに私は思います。  ですから、インド洋あるいは中東は入らないということになれば、おのずと今までの安保条約上で言う極東範囲極東という言葉を使っていなくても周辺ということを指すのかなというふうに受けとめるのがある意味では自然ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  15. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 特定地域である事態が起こった場合に、その事態我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼしていて、これがガイドラインに言います「日本周辺地域における事態日本の平和と安全に重要な影響を与える場合」に当たるかどうかということにつきましては、その事態態様規模等を総合的に勘案して判断することになろうかというふうに思いますので、特定地域日本周辺地域に当たるかどうかということは、先ほども申し上げましたように、一概に申し上げることは困難であろうかと思います。  他方、そこにおいて発生する事態が軍事的な観点を含め我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼすある地域ということで、このような地域が例えばインド洋中東を含むことは現実の問題としては基本的には想定されないのではないかという意味インド洋中東は入らないということを申し上げているわけでございます。
  16. 齋藤勁

    齋藤勁君 どうもそれ以上の御回答がないようですから、極めて不明確だなというのが率直な私の感想でございます。  そこで、この国会での質疑が始まる前に、既に韓国及び中国防衛庁外務省等がお出かけになりまして、見直しに対する説明をされているというふうに聞いています。内容についてはおおむね明らかになっていますので繰り返しませんが、とりわけ中国に訪問された際、朝鮮半島情勢についてはどういうような見解であったのか。このときに触れられなくても、かねがね最新朝鮮半島情勢について中国はどういうふうにとらえているのだろうかという点に私は非常に興味があるところであります。  朝鮮半島我が国とは本当に近い距離でございまして、海等が間にあり、一方で中国は陸続きであるという地理的な状況ははっきりしているわけですけれども、とりわけ中国朝鮮半島問題というのに、我が国もそうだと思いますが、極めて神経質になっているのではないかと思いますので、訪問した際あるいは最新段階での北朝鮮を含む朝鮮半島情勢について中国がどう受けとめているのか、御説明いただきたいと思います。
  17. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 今回のガイドライン中間取りまとめにつきまして中国に説明いたしましたが、その際に特に朝鮮半島情勢についてあれこれ議論したということではございません。  そういうことを前提にいたしまして、最近、中国がどういうふうに朝鮮半島情勢をとらえ、またどのように考えているかという点について私の承知しているところをお答え申しますと、御承知のとおり、北朝鮮中国は長い間いわば同盟関係ということでずっと推移してまいりましたが、先年、中国韓国とも国交関係を結ぶというようなことがございまして、そのあたりは少し変化してきております。その後も北朝鮮との関係中国は持っておりますけれども、かつてのようないわば同盟関係に近いような関係ではなくなった、それは条約上もそういう形になっておると承知しております。  しかしながら、当然のこととして、隣接する地域でございますし、半島情勢全体についての動向、とりわけ安定度に対する中国関心は極めて強いものがございます。そういったことで、例えば今日の食糧問題を初めとする北朝鮮の困窮した状態につきましては、そのことが不測事態を招くことがないようにということで、食糧あるいはエネルギー等につきましてもある程度の供給をするというようなこともやっておりますし、それからまた委員も御指摘になりましたが、地続きでございますのでかなり人や物の往来もございますが、そういったことがまた半島情勢の緊迫によって不測状況につながることがないようにいろいろ注視しながら対応しているものと、このように承知しております。  それからなお、米韓両国大統領の昨年四月の提案を受けまして、いわゆる四者協議というプロセスを進めるためのいろんな予備的な交渉米韓北朝鮮との間で今行われておりますけれども、その関係におきましても中国はその四者協議の一員になることが想定されておるわけでございまして、中国は今直接その予備交渉には入っておりませんけれども、その予備的接触の様子も非常に関心を持って注視しておる。そして、私どもの見ておるところでは、その話がまとまればその協議の中に入っていって半島情勢全般の安定のために果たし得る役割を果たしていこう、こういうふうに考えているというふうに承知しております。  なお、北朝鮮政治情勢については、現在、金正日書記を中心とする体制というものが政治全般を掌握しているという認識は我が国あるいはこの地域関心を持つ米韓その他の国と基本的に一致しているというふうに承知しております。
  18. 齋藤勁

    齋藤勁君 私自身の持ち時間が少ないものですから、一、二具体的な点について触れさせていただきますが、今回の中間報告では憲法上実施することが認められる余地がないものは含まれていないということが法制局あるいは政府見解でも明らかになっているというふうに思います。ですから、憲法上だめなんだよということについてはこの検討項目の中には入っていない。  しかし、認められる余地がある場合、だめなものとそれからいい場合、これはこれから協議するけれども、含まれるものについては憲法上実施することもできるんだというこの余地という話で、グレーゾーン外務大臣は前の委員会のときに、私はグレーゾーンというような表現より白地だと、こんな言葉がたしか私も記憶にあるところなんですが、そこら辺じゃないかと思うんですね。  さらに、憲法解釈を変えないでガイドラインはまとめられる、何ら解釈変更するつもりはないということについても政府の一貫した姿勢であろうかと思います。法制局長官、これは衆議院での質問に対する答えにもございますけれども、今私が申し上げた点についてはそういうことだということでよろしいでしょうか。
  19. 大森政輔

    政府委員大森政輔君) まず、憲法解釈に関するお尋ねについて申し上げますと、今回の中間取りまとめにおきまして、そのⅢの「基本的な前提及び考え方」でございますが、日本のすべての行為日本憲法上の制約の範囲内において行われるものであるというふうに記載されております。この意味でございますが、これは集団的自衛権行使我が国憲法上許されないという従来の政府見解を何ら変更しないということを前提としているものでございます。  それから、第二点の憲法上実施することができないものが含まれているのかいないのかということに関しましては、中間取りまとめに掲げられました協力検討項目それ自体の中には、態様のいかんにかかわらずおよそ憲法上実施することが認められる余地のないようなものは含まれないということを六月十日の衆議院安全保障委員会において答弁いたしたところでございますが、同時に中間取りまとめに示されました各協力検討項目の詳細と憲法との全般的な関係につきましては、現段階政府としての検討をすべて了しているわけではないと。したがいまして、既に明確にした見解に基づき容易に判断することができるものを除きまして、現時点で政府としての確定的な見解をすべての項目について申し上げるということは差し控えたいということをも衆議院安全保障委員会において申し上げたところでございます。
  20. 齋藤勁

    齋藤勁君 そうすると、今の最後の方で、まだ確定していない部分もあると、こういうことだというふうに思います。だからこそ確かにいろいろ議論がこれからもされるというふうに私は思います。  そこで一つだけ、機雷掃海なんですけれども、これは幾つかの新聞に出ているのかもわからないですが、たまたま私の手元にございますのは六月十二日付の読売です。「公海上、原則合憲」、こういうような新見解政府が明らかにしたということなんですが、これは国会論戦などで防衛庁長官あるいは外務大臣が述べられたのか、こういうふうに整理されたのか、いかがでしょうか。公海原則合憲というようなことで、武力攻撃一環ではなく敷設状態であることについては合憲だと、この意味がわからないんですが。
  21. 大森政輔

    政府委員大森政輔君) 機雷の除去が武力行使に当たるか否か、これはいかなる具体的な状況のもとで、またいかなる態様で行われるか等により判断さるべきものでございまして、一概に言うことは困難であるわけでございますが、一般的に申し上げますと、外国により武力行使一環として敷設されている機雷を除去する行為、これは一般にその外国に対する戦闘行動として武力行使に当たると解せられます。したがいまして、自衛権発動の要件を充足する場合に自衛行動一環として行うこと、これは憲法が禁止するものではございません。しかしながら、それ以外の場合には憲法上認められないのではないかと考えている次第でございます。  これに対しまして、遺棄された機雷など外国による武力攻撃一環としての意味を有しない機雷を除去するということは単に海上の危険物を除去するにとどまり、その外国に対する戦闘行動には当たりませんので、憲法上禁止されるものではないと、これが機雷掃海に関する私ども基本的な考え方でございます。
  22. 齋藤勁

    齋藤勁君 これは改めて議論したいんですが、機雷というのは武器なんですね。これは殺傷能力破壊能力があるわけでございまして、これが武力攻撃一環である、ないというようなことについて線を引くということには私は大変問題であろうかと思います。  さて、持ち時間がなくなりましたが、梶山官房長官に御出席いただいていますのは、一点、過日の駐留軍特別措置法をめぐる議論の中で沖縄問題について大変活発な議論があり、そして引き続き沖縄問題というのは我が国にとって最大の課題であり、日米にとっても大変な課題であるということで、振興策あるいは基地縮小について精力的に取り組む、長官言葉でいえば沖縄は死に場所だということをたびたび言われている、並々ならぬ決意が述べられているところでございます。  現在のこの収用委員会審理状況について、詳しく述べていただきます時間もないんですが、その後の収用委員会状況振興策、そして基地縮小をめぐる状況について、現段階での政府対応につきまして御説明いただければというふうに思います。
  23. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 収用委員会は今後、七月、八月と第五回、第六回の委員会審理がそれぞれ予定されておるようでございます。  なお、基地縮小の問題につきましては、私どもはSACOに掲げられました案件を一歩一歩着実にやっていくのが基地縮小に向かっての我々の務めだと思っておりまして、とりあえず一〇四号線越えの問題をまずは本土へ移転するということに全力を挙げました。そして、これはおかげさまで今年度から沖縄で行われず本土の方に移ることになりました。そのような状況でございまして、このガイドラインとはまた別の問題として沖縄の問題については取り組まなければならないと思っております。
  24. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 今、防衛庁長官からお話しになったとおりでありますが、沖縄の問題は基地問題、振興問題等をひっくるめまして本内閣の一番重要な案件でもございます。特措法の改正をめぐっていろんな問題がございましたけれども、これからもさらに引き続いてこの基地機能その他の縮小を目指して努力することは当然でありますし、振興策にも全力を注いでまいる決意でございます。
  25. 齋藤勁

    齋藤勁君 終わります。
  26. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 平成会鈴木正孝でございます。  六月八日の未明にガイドライン見直し作業の中間報告発表ということであったわけでございますが、現行の五十三年十一月のガイドラインは第三項とのかかわりにおきましてなかなか進まなかった。その原因は昨年の予算委員会あるいは本会議で私もいろいろと質問させていただいたわけでございますけれども、東西冷戦下での国内の政治状況、あるいはもう一つ政府、行政部内での防衛問題への理解協力というような点での関心の低さといいましょうか、あるいはもうちょっと言葉を悪くしますと、安保・防衛問題にかかわるとろくなことはない、とばっちりを受けたくない、そういう消極的な権限争いのような要素も決してなかったわけではないというような思いをしております。  そんな中で、これから関係省庁、特に前回のガイドラインとのかかわりで考えてみますと、外務省防衛庁が中心になるということはもとよりでございますけれども、運輸、厚生、建設、地方自治あるいは民間の会社、企業、団体などなど相当広範にかかわってくることだろうと思います。  そうしますと、実効性のある研究を進めるに当たっては内閣の強いリーダーシップがどうしても必要だというふうに思います。節目節目で国会に御報告をされるという大変前向きな積極的な姿勢というふうに理解はしているわけでございますが、例えば政府部内におきましても、五十三年の取り扱いがどちらかといいますと閣議了承的な立場ではありましたけれども、もう少しこれを格上げして閣議決定でぴしっと決めるとか、そういうようなことも含めて大変強いリーダーシップが必要ではないかというふうに私自身は思っております。  そんな中で、全般的な、総括的な責任者の立場におられます内閣官房長官といたしまして、大変恐縮でございますけれども、改めてこの点についての御決意をぜひお伺いしたいというふうに思います。
  27. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) すべての責任は内閣総理大臣にあるわけであります。それを補佐する立場にある私でもございますし、特に直接関係の深い外務大臣防衛庁長官がおいでになりますから、私からあえて深入りしたコメントをする気はございませんが、これは第二項、第三項にかかわらず、いずれにしても他省庁が密接にかんでいる問題がございます。こういう問題を整理統合し、具体的に国民の前にあるいは議会に明らかにするためにはやはり強い力が必要であります。今回の日米ガイドラインの中間見直しについても、それぞれの省庁との協議を踏まえながら、これからその具体的な問題に内閣の強いリーダーシップが要求されることは当然であります。  全力を挙げて日本の有事、あるいは極東というか周辺有事、こういうものに完全に備え得る態勢を早急につくり上げたい、このように考えております。
  28. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 ぜひそのような立場で、当面の責任官庁は外務、防衛ということであろうかと思いますけれども、全般のバックアップあるいはリードをひとつぜひ強くお願いを申し上げたい、そのように思います。  それから、総論的なことを幾つかお伺いしたいと思います。官房長官、お忙しいでしょうから、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。  ガイドラインそれ自体特定の国とか地域事態というようなものを念頭に置いておるのではない、そういうことだというふうに思います。これができましたときに、策定後、自衛隊あるいは米軍、どちらかというと軍サイドの日米共同作戦計画の検討、あるいは日米政府サイドの相互協力計画の検討というふうにステップを踏んでいく形になるわけでございますが、特定の国、事態あるいは地域というものを想定していかないとどうも意味がない。意味がないと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、研究のための研究から、今回は検討、さらにそれから有効に事態に対処していくというような、つまり現実的な意味合いを持ってこのガイドラインの研究というものが進んできている、そういう流れからいたしましても、作業の前提となるシナリオというものがかなりこれから意味を持ってくるのではないかというふうに思っております。  何となく日米間で、あるいは自衛隊、米軍サイドであうんの呼吸で物事が進むというようなことはないと思いますけれども、それではやりにくいというようなことも当然あるだろうと思いますので、もうちょっと意味のあるものということになると、具体的な国とか地域とか事態とか、かなり絞り込んでやっていく必要があるんではないか、そのように思います。外務大臣防衛庁長官、その辺はどのようにお考えになっているか、ぜひお答えをいただきたいと思います。
  29. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) ガイドラインにおきましては、特定の国や地域あるいは具体的な事態を想定し前提にして進めるものではございません。それは委員も御理解いただいていると思います。  しかしながら、今も御指摘がございましたように、このガイドラインが新しくできました後にいろいろな事態に適切にまた円滑に対応するために具体的にいろいろ考えていかなくちゃいけない、それは御指摘のとおりでございます。そういった中で、共同作戦計画であるとか相互協力計画というものも策定される。そういった計画をつくります場合には、いろいろ種々の状況を想定しながら、効果的また円滑に対応できるように作業を進めていくということになろうかと思います。  これは委員には特に御承知いただいている部分と存じますけれども、今申しましたような共同作戦計画等は、事柄の性格上、機密に属するものであるということは申し上げさせておいていただきたいと思います。
  30. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今、外務大臣が述べられましたように、このガイドラインが決まりましてから、その後いわゆる共同作戦計画あるいはまた相互協力計画等を策定していく場合、委員が御指摘のような特定の国とか特定事態を想定するわけじゃございませんけれども、幾つかの態様のうちから幾つかの態様をそれぞれ想定して検討していく必要はあろうかと思っております。
  31. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 まさにそういうことだろうと思いますので、ぜひ現実に即応しての検討、研究を進めていただくようにお願いいたしたいと思います。  それから、安保条約六条に絡みます事前協議とのかかわりでちょっとお伺いをしたいというふうに思います。  ガイドライン策定後の周辺事態への相互協力計画を作成する、あるいは共同作戦計画をつくっていくという今のお話そのものにかかわるわけでありますが、安保条約との絡みで事前協議、場合によってはノーということがあり得るという対応、これは原則としてということであるわけでございますけれども、逆に現実対応、有効対応ということになりますと、そういうノーというようなあいまいな立場が残るということになりますと、この検討、研究とのかかわりでちょっと問題が残ってくるのではないかというような気もいたすわけでございます。  両者間で調整は十分やるということであろうかと思うんです。ですから、調整のかかっていないような、あるいは調整済みじゃないようなことはないよと、こういうようなこともあるのかもしれませんけれども、そういう現実の事態というのはもうあらゆることがあり得るわけでありますので、そういうこととのかかわりで調整ができない分野、場面が出た場合にどういうふうにするかというところがやはり残るだろうと思うんです。  その辺はどのように外務大臣はお考えになっているか、お答えをいただきたいと思います。
  32. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 今回の作業におきましては、いわゆる日米安保条約上の事前協議の枠組み、仕組みを変更するものじゃございません。したがいまして、昭和三十五年の岸・ハーター交換公文に基づいた事前協議はそのまま枠組みとして維持されるわけでございます。・その際に、我が国として、国益確保の見地に立ちまして自主的にその諾否を判断する、ここのところはきちんと留保されている、こういうことでございます。しかし、一方におきまして、委員が今御指摘になりましたような事情、配慮というものも必要だという御指摘は我々も理解できるところでございます。  その点をどういうふうに対応するかということでございますが、今回のガイドライン中間取りまとめでいろいろ明らかにしているところは、周辺事態が予想される場合においていろいろ緊密な日米間の調整が行われる、その過程で情報交換であるとか政策協議ども従来以上に協議していこう、それからまた調整メカニズムをきちんとつくっていこう、こういうことにしております。  これはいわゆる岸・ハーター交換公文に基づく事前協議とはまた別個のものではございますけれども、いろいろな事態対応するための情報の交換、意思の疎通というのは従来にも増して緊密にしてまいりますので、事実問題として委員が今御懸念されましたような事態は回避される、そういう方向に進んでいくんじゃないか、また進めなくちゃいけないと考える次第でございます。
  33. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 それから、予算委員会あるいは他の委員会でもしばしば話題になりました例の竹島の問題でございます。  大変遺憾なことでありますけれども、現実的な実効支配というものがないということで、多分これは安保条約の適用はないだろうというふうに思っておりますが、このガイドラインそのものとのかかわりで考えてみますと、局面が違うからということであるのかもしれませんけれども、特に適用は排除はされていないということだろうと思います。  仮定の問題ではあるんですけれども、仮に竹島にどこかから武力あるいは軍事的な行動が行われた場合、これを周辺事態として、あるいはその行動そのものをどういうふうに理解して整理をするかという点もまた課題として出てくるだろうというふうに思います。日本としては五条事態のような対応、あるいは米国は六条事態というような対応になるのかなというようなことでもあるんですが、その辺はどのように考えたらよろしいんでございましょうか。
  34. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) いずれにいたしましても、竹島をめぐるいろいろな状況というものは今ガイドライン見直しにおいて検討しているような緊急事態というものに該当するとは我々は考えておりません。  ということで、仮定の問題については非常にお答えしにくいわけでございますけれども、要は、一番問題なのは、竹島の問題については、安保条約をどういうふうに解釈するかという問題よりも、事実の問題として現在残念ながら竹島が韓国により占拠されているという状態にある、このことが問題であるわけでございまして、我が方としては竹島が我が国の固有の領土であるという立場に立って粘り強くこの事態の解決に努めていく、こういうことだと存ずる次第でございます。
  35. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 総論風のところはそのくらいにいたしまして、あとちょっと気になることがございますので御質問させていただきたいと思います。  実は周辺事態における「運用面における日米協力」というところで、機雷掃海のことが別表に記してあるわけでございます。私は船舶の航行の安全とのかかわりで考えていけば余り限定して考える必要はないんではないかと思っております。もちろん集団的自衛権とのかかわりでいろいろと配慮しなければならないことは当然のことであろうかというふうには思いますが、ちょっと別表の方をごらんになっていただきますと、「機雷除去」として「日本領域及び日本周辺公海上における機雷除去」、こうなっているわけです。  ところが、この英文を見ますと、私も英語は得意じゃないんですが、「マインスイーピング」の項には日本周辺公海という限定が加わっていないんです。これは単なる誤記なのかなというような感じもするんですが、この間、北米局長の先般の当委員会での説明でも、これはもう外交関係文書だということで、そのように取り扱いをされているというようなことでもございますので、その辺をどのように理解したらいいのか大変気になつておるんです。  もう少し言ってしまいますと、先般、九日ですか、月曜日には中国政府にも、あるいは十日ですか、韓国政府にも説明を公式にされておると。そういたしますと、こういう文書の中身の違う、しかも国内、日本向けに言っている表現と英文で言っている表現が違うということはいささか問題だなと、こういうふうに私は気にしているところなんですが、その辺はどのように理解したらよろしいのか、その辺の真意はどうなのか、ちょっとお伺いしたいというふうに思います。
  36. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 委員御指摘のように、確かに英語を見ますと「オン・ザ・ハイ・シーズ」というだけになっておりまして、表現として正確性を欠いていることがあるかもしれないという認識は持っておりますが、御指摘の機雷に関します協力項目につきましては、機雷の除去が行われる公海日本周辺海域を意味するということにつきまして日米間で認識の違いはございませんで、この点については米側との協議において明示的に確認されているところでございます。  他方で、秋に作成する新たな指針を初め、今後とも文書の作成に当たりましては間違いのないように、誤解の生ずることのないように十分私どもは注意深くかつ慎重に対処していきたいというふうに考えております。
  37. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 私はたまたまこれはどういう表現かなと思って見ましたらそういうことがわかったといいましょうか、確認ができたということでもありました。これだけ時間をかけて検討されているわけですから、日米間で物事の考え方の食い違いということは多分ないだろうというふうに思ってはおりましたけれども、少なくとも第三国にオフィシャルに説明をしている文書とまた違うというような事態というのは、これは甚だ遺憾なことだと言わざるを得ないというふうに思います。その確認と、秋の最終報告の中ではぴしっと字句の訂正、修正、第三国に対する説明とかその辺もきちっとおやりになった方がよろしいんじゃないかというふうに私は思っております。  その辺、外務大臣、大変恐縮でございますけれども、どのようにお考えになっているか、ちょっと御答弁いただければと思います。
  38. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 先ほど北米局長から御説明申し上げましたように、日米間におきましてはいろいろ詳細なやりとりをしておりますので、「ザ・ハイ・シーズ」という表現であっても、それが日本語に訳されているような「日本周辺公海」であるという認識は全く一致しており、そこに誤解を生ずる余地はないと思います、日米間におきましては。  しかし、それが第三国その他に説明するときにどうかという委員の御指摘は私ももっともだと思いますので、先ほど北米局長も答弁いたしましたが、これから最終的にガイドラインを確定いたしますまでには、そういった表現上においても誤解を招くことのないように、当事者以外の第三国からも誤解を招くことのないように、さらに精査をし、また表現も誤解を招かないような適正な形にするように努めてまいりたいと思っております。この点に限らず、全体的にもそう思っております。
  39. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 外務大臣のおっしゃるとおりだと私も思います。このガイドライン中間報告がされること自身が国内的にあるいは周辺諸国に、日米間の協力関係に誤解のないようにということで、そういう意味での配慮をしながらやっておられると私ども承知をしているわけでございますので、その辺はなかなか大変だろうと思いますけれども、事務当局の皆さんにはぜひ細心の御注意と御配慮をしていただくように重ねてお願いをいたしたいと思います。  それでは、安保室長、ガイドラインの作業もこういう形で大変進捗しているわけでございますが、昨年の四月に総理の指示でございました例の緊急事態対応策の検討、その辺の作業とのかかわり、それから先ほど官房長官に御答弁いただいたわけでございますけれども、これから事務的にも安保室の方がますますいろんな意味で重要になってくるだろうというふうに思っておりますが、その辺の作業の体制だとか今後の見通しはどんなぐあいになっているか、御答弁いただければありがたいと思います。
  40. 三井康有

    政府委員(三井康有君) 従来から内閣安全保障室が事務局となって関係省庁と共同で各種の緊急事態対応策の検討を行っておりますが、この検討は当初からガイドライン見直し作業を視野に入れまして、この作業との整合性を図るよう留意しつつ行っているところでございます。今後とも同様の方針のもとで研究、検討を行ってまいる考えであります。  また、ガイドライン見直しを踏まえて政府として具体的にいかなる対応が必要となるかにつきましては、中間取りまとめが示されただけの現時点ではまだ十分に明らかではなくて、したがってこれに内閣官房としてどのようにかかわっていくかについて現時点で責任ある形で申し上げるのは困難でございます。  いずれにせよ、ガイドライン見直しの最終結果を踏まえて、関係してくると思われる国内各省庁にそれぞれの所掌事項について協力を得るためには、まずガイドラインの主務官庁である外務省及び防衛庁の努力にまつところが大きいと考えられます。その上で、必要に応じて内閣官房としても日米防衛協力の実が上がるように、先ほど官房長官からも御答弁がありましたように、しかるべくリーダーシップを発揮しながら適切に対応していくことになると考えております。
  41. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 ぜひ事務的にもよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  それから、施設庁長官がいらっしゃいますので、例の県道一〇四号線越えの射撃のことにつきまして、防衛庁長官も大変御苦労いただいて、私の地元、東富士の方もいろいろと御配慮いただきながら対応していただいているわけでございますが、最近、訓練の本土移転の流れも大体決まってきたようでございますけれども、その辺はどういうふうな状況になっておるか、御説明をいただきたいと思います。
  42. 諸冨増夫

    政府委員(諸冨増夫君) 一〇四号線越えの射撃につきましては、本年五月に本土の演習場移転先の地元の方から御理解をいただきまして、日米合同委員会のもとに訓練移転分科委員会というのがございますが、私どもそこで米側と移転訓練の内容であるとか実施時期、規模等について現在鋭意調整を行っておるところでございます。  私どもとしては、一日も早く沖縄の負担を軽減したいということで精力的な調整を実施いたしまして、現在のところ、第一回目の訓練を七月三日から十二日間、北富士演習場で行うという点につきまして米側との実質的合意が調ったところでございます。これを今週中にでも正式合意にこぎつけまして、七月三日からの第一回目の訓練実施に努力しておる、こういう状況でございます。  なお、残りの四つの演習場につきましても、今後、逐次年一回ぐらいのベースで訓練を実施するということでおおむねの合意は得ておりますが、まだ具体的な実施時期等についてはこれから検討をして米側と合意に達したい、こういう状況でございます。
  43. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 沖縄の皆さんの期待をぜひ損なうことのないように御努力をお願いいたしたいと思います。  時間も参りました。最後に、防衛庁長官、この新しいガイドラインの策定、先ほど来いろいろと御質問いたしましたけれども、いろんな議論がこれから内外にわたって出てくるだろうというふうにも思います。最終的な秋の九月という目標を目指して、取りまとめに直接かなりの部分、実質的には国内的なこと等につきましては防衛庁長官が中核となっておやりになるということだろうと思いますので、その辺の御決意をぜひお伺いをいたしたいと存じますので、よろしくお願いします。
  44. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今指摘されましたように、今度の中間取りまとめで各項目を挙げておりますけれども、それぞれの中身につきましては、こういった委員会等の御論議もお聞きしながら、またその他の国内での世論等も背景に、さらには諸外国にもいろいろと説明しておりますけれども、そういう中に出てまいります議論等を聞きながら、特に憲法との問題等についてはきっちり詰めていかなければならないと思っております。  それと同時に、ガイドラインが決まりました後の実行態勢の構築をどうするか、これも視野に置きながらやっていかなければ、単なる絵にかいたもちじゃいけないわけでございますので、そういうことも踏まえて、そのためには国内の法整備が必要であるかどうかとか、そういういろんな点についても並行して考えながら、必ず実効あるものにしていきたい、そういう気持ちで取り組んでいきたいと思っているところでございます。
  45. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 ぜひお願いします。  終わります。
  46. 鎌田要人

    委員長鎌田要人君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時十分に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時休憩      ―――――・―――――    午後零時十三分開会
  47. 鎌田要人

    委員長鎌田要人君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国防衛に関する調査を議題とし、「日米防衛協力のための指針」の見直しに関する中間とりまとめについて質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  48. 清水澄子

    ○清水澄子君 外務大臣にお尋ねしたいと思います。  今回のガイドライン見直し日本米軍の後方支援や補給拠点に具体的に組み込むことに大弐なねらいがあると思います。しかし、日本はアジアの国であります。過去の歴史的経緯が示しますように、アジア諸国へ新たな脅威となる行為を厳しく抑制すべきではないかと思います。  この点では、アメリカのアジア太平洋政策と日本の利害は必ずしも一致するものではないと思います。ガイドラインは、対米協調に走る余り日本の国家的利益を阻害する要因をどこで判断するのか、非常にその点が不明確でありますし、私は完全に抜け落ちているように思います。  安保条約第六条にあります交換公文には事前協議制度があるわけですけれども、その事前協議すべき事項というものを新ガイドラインの策定に当たっては盛り込んでいくべきではないかと思うわけですけれども、この交換公文にある事前協議制度の活用について外務大臣はどのようにお考えになっているか、御答弁をお願いいたします。
  49. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) まず、アジア太平洋地域に対する政策が米国と日本と全く同じでないというのは寸それは委員おっしゃるとおりでございます。それぞれ独立の主権国家として独自の考え方を持っております。  しかしながら、御承知のとおり、両国の関係を見ますと、政治、経済、文化などあらゆる面で幅広い交流もございますし、それから価値観も共有しているところでございます。そういったことを踏まえまして、現実の問題として日米双方の利害がアジア太平洋政策に関して一致する部分が多い、そしてまたそれを踏まえて政策面においても共通の認識、共通の政策になる部分が多いということは御理解いただけると思います。  とりわけ安全保障の面につきましては、私どもこれまでも日米安保体制ということでずっとやってまいりましたけれども、冷戦も終わり非常に大きく変化した国際情勢の中においてもそれを基本にしながら日米協力していく分野が多いというふうに認識しているところでございます。そういった認識また事情に立ちまして、昨年、両国首脳間で日米安保共同宣言が発出されたわけでございますが、今回もそういったことを踏まえながら、具体的な日米協力が円滑に進むようにこのガイドラインの改定作業もしているということを御理解いただきたいと思います。  それから一点、そういった我が国と米国のアジア太平洋地域に関する政策というものがアジア諸国の脅威になるおそれがありはしないかといった御指摘がございましたが、私ども日米協力というのはこの地域の全体としての平和と安定に資するものと考えておるものでございまして、脅威云々ということは全く当たらないものと考えておるような次第でございます。  そしてまた、ただいま委員が具体的に御指摘になりました岸・ハーター交換公文によって決められております事前協議の点を今回のガイドラインに含めるべきではないかという御指摘でございますが、私どもは今回、安全保障条約あるいはその関連取り決めにつきましてはその枠組み、仕組みというものをそのまま維持していくことにしておりまして、今後ともそれは適用されるわけでございます。これは事前協議についても同様でございます。そういった意味におきまして、今後とも現在のままの仕組みが維持されるわけでございますから、殊さらガイドラインの中にそれを取り込むには及ばないのではないかと思っております。  また、ガイドラインの性格から申しましても、これは両国の政府に新しいものを義務づけるものではない、いわばこれからの日米協力の大枠なり方向性を示すものでございます。一方において、岸・ハーター交換公文は具体的に事前協議について日米それぞれのとるべき措置、いわば義務も含めて定めているものでございますから、これをガイドラインに取り込むというのはむしろ性格的に必ずしも適切ではない、交換公文の枠組みをきちんと維持するということが適切であり、また十分なのではないかと考える次第でございます。
  50. 清水澄子

    ○清水澄子君 それでは、この交換公文にある条約第六条の実施に関してはちゃんと事前協議の主題とするということは変わらない、こういうことでございますね。  そこで、今回のガイドライン中間報告はまるで新安保条約だと評価されております。それは今いろいろ変わらないとおっしゃるけれども、今度の具体的な中身はやっぱりこのままでは実行できない、日本のあらゆる国内法なり国際法なり、いろんな見直しが必要になるという内容を含んでいると思うわけですが、例えば安保条約では極東というふうにはっきりこの範囲が決まっているわけですね。しかし、今度のガイドライン中間報告を見ましても、極東という言葉はもうほとんど出ませんね。表現がほとんど日本周辺事態という枠組みに変わってきているわけです。・  それで、安保条約第五条では日本国の施政下にある領域での憲法の制約のもとでの日米の共同対処行動というものが規定されているわけですが、このガイドライン中間報告では公海を含む日本周辺での後方地域支援ということを規定しております。これらはいずれも安保条約の枠組みを逸脱していると思いますが、このガイドライン中間報告基本的な前提でいう安保条約の枠組みを変更しないと言いながら、ここで出てくる表現なり範囲は非常に条約の枠組みを超えているのではないか、こういうふうに読み取れますし、今これが問題になっていると思いますが、外務大臣はそこをどのように認識していらっしゃるんでしょうか。
  51. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 今回の中間取りまとめの前の方でも明確に述べておりますように、安保条約あるいはそれに関連する取り決めを従来どおり維持するものでございまして、私どもは何ら変更を加えようとはしておりません。そういった意味で、今回のガイドラインがいわば新しい安保体制をつくるものだという御指摘は当たらないと思うわけでございます。しかし、一方におきまして、それでは今回の中間取りまとめ検討をすることとされている事項がすべて直接に安保条約に根拠を置くのかと申しますと、それはそうではございません。それは委員御指摘のとおりでございます。  例えばPKO活動であるとか経済制裁措置に伴う諸措置等につきましては、これは直接に安保条約に根拠を持つものではございませんが、しかしこれはもとより我が国がみずからの平和を維持していく上において、あるいはこの地域の安定、平和に資するという意味において憲法の枠内でとることのできる措置ということで、私は何ら問題はないと思っております。  また、米軍との協力の問題につきましても、先ほど委員安保条約五条との関連で、しかも憲法範囲内でというふうに従来限定されていたというふうな御趣旨と受けとれるような御指摘がございましたけれども、従来の安保条約の枠組みにおきましても、極東の安定と平和を守るために米国がいよいよ活動する、それに対して我が国が基地を、施設・区域を提供するということは条約に明定されているわけでございますし、またそういった米軍の活動が円滑に行われるためにいろいろな協力をするということは排除されていない、むしろ当然のこととして前提になっておったんじゃないかと、こう考える次第でございます。  ただ、従来、我が国周辺で起こる事態に対して具体的にどういうふうな協力をするかという点について必ずしも詳細に合意なり定めがなされていなかった点につきまして、今回いろいろ整備をし、また合意をし、具体的な措置がとれるようにしようということで作業を進めているというのはそのとおりでございます。
  52. 清水澄子

    ○清水澄子君 それでは確認いたします。  今回の「日本周辺」という表現安保条約にある「極東」という範囲、これは全く一致したものであるというふうに言えますか。それと、日米共同対処行動もこの安保条約に規定されている内容と一致しているというふうに言えるのかどうか。
  53. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) まず、終わりの方でおっしゃいました日米共同対処行動につきましては、従来これは主として安保条約上五条にかかわる我が国武力攻撃を受けた場合に日米が共同で対処するということを指しておると思いますが、それについて今回何ら変更するものじゃございません。ただ、その際の共同対処をより円滑に進めるために見直すべきところが、あるいは改めるべき点が、あるいは補うべき点があるかどうかということは、これは検討対象にはなり得るものでございます。  それから、これまで安保条約関係で言われておりました「極東」という地域の概念と今回言われております。辺事態にかかわる「日本周辺地域」というものにつきましては、これは全く同じ概念ではございません。その点については、これまでも当委員会でも何度か政府側から御答弁申し上げておりますが、事柄の正確を期するため、その点につきましては政府委員から補足の答弁をさせていただきたいと思います。
  54. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 「周辺地域」とは何かということでございますが、そこにおいて発生する事態我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼし得る地域であるという一般的な意味で使用されているわけでございまして、具体的にどこまでかということを一概に申し上げることはなかなか困難であるということでございます。・他方安保条約上の極東範囲というのは六条その他に規定されておりますけれども、その六条に言う「極東」の範囲というのは私どもとしては政府見解どおり維持するという立場でおるわけでございます。
  55. 清水澄子

    ○清水澄子君 そういう答弁でこの問題が議論できるでしょうかね。一般的ななんという、こんな重大な問題を、我が国に重大な事態を及ぼす範囲というのを一般的なことでこういうふうに表現しているというのは、これは議論が非常にやりにくいです。そこのところが今後一番問題になるところだと思いますが、私はそういう一般論で今のこのガイドラインの問題は討論できないんだろうと思います。その辺、非常に何か納得できないでおります。  今度は防衛庁長官にお尋ねします。  このガイドライン中間報告に盛り込まれている後方地域支援に従って自衛隊が出動する場合、これは自衛隊法における防衛出動の例に従って国会承認事項とするお考えがあるのかどうか。それがあれば、手続のための法制定は当然必要になるんだろうと思いますが、いかがですか。
  56. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 後方地域支援の個々の項目を実施する主体は必ずしも自衛隊というふうに限ったわけではございませんけれども、いずれにせよ自衛隊が後方地域支援の個々の項目を実施する場合においては、やはり手続は当然のことながら個々の項目の実施の根拠となる法令に基づくものでございます。  後方地域支援を実施する際の法的根拠については、これから先、個々の項目の性格等を踏まえてさらに検討を進めることとしておりまして、現時点でそういう手続に関することを具体的にまだ決めておるわけではございません。これから先こういったいろんな議論の中からどういうような根拠法令が必要になるのかならぬのか、そういうことも踏まえながら、現行の自衛隊法でやれるものもあるでしょうけれども、やれないものも場合によっては出てくるんじゃないか。そういうことを一々検討しながら詰めていかなければならないと思って、今回そういう議論の基礎を提供させていただいておるわけでございます。
  57. 清水澄子

    ○清水澄子君 内閣法制局長官にお伺いします。  ガイドライン中間報告にある国際連合憲章に合致するという前提条件、それは国連憲章第七章の第四十二条の軍事的措置に日本も参加するという意味を持つのか、この辺も非常にあいまいなんですが、この場合、その前提条件の2に示されている憲法上の制約の範囲と、国連憲章に合致するという、国連憲章第七章第四十二条で日本も参加するというときには、憲法上の制約の範囲とその整合性というのはどのようになるんでしょうか。
  58. 林暘

    政府委員(林暘君) 今、委員御指摘のガイドラインにございます日米両国の行為が国際連合憲章を初めとする関連国際約束に合致するものであるということの意味でございますけれども、これは当然のことながら我が国も米国も国連の加盟国でございますし、国連憲章に合致した行動しかとれないということがこのガイドライン前提であるということを申し上げているわけでございまして、それが必ずしもこの四十二条の軍事行動ということに限るわけじゃございませんけれども、いずれにしても何かとる行為がすべて国連憲章に合致しているものであるということを述べた規定でございます。
  59. 大森政輔

    政府委員大森政輔君) ただいまお尋ねの趣旨は、今回の中間取りまとめにおきまして二つのことが前提とされていると。一つは、日本のすべての行為日本憲法上の制約の範囲内において行われるということ、そして同時に、日米両国のすべての行為は紛争の平和的解決及び主権平等を含む国際法の基本原則並びに国際連合憲章を初めとする関連する国際約束に合致するものであることと、二つの基本的な前提を定めているわけでございます。  お尋ねの趣旨は、これが抵触するあるいは矛盾する場合に一体我が国としてどういう態度をとろうとしているのかというところがポイントであろうと思いますが、この場合におきましては、憲法九条によって禁じられている武力行使または武力による威嚇に当たる行為については我が国として行うことは許されないということを当然の前提とするものであると考えております。
  60. 清水澄子

    ○清水澄子君 さっき外務省の方が、国連にはアメリカも日本も加盟していると、そんなことはもうわかり切ったことでございます。だから、国連憲章はすべて日本に履行する義務があるとはならない部分があると思うんです。  外務大臣にお伺いしたいんですが、日本が国連に加盟するときに、岡崎外務大臣は、この国連憲章第七章の第四十二条については、この軍事的措置については留保しておりますね。日本は国連加盟したその日から国連憲章に明記された義務を引き受けるんだが、日本政府の裁量の範囲内のあらゆる手段で履行する意思を表明する必要があったということで、特にこの条項の運用については留保するということを明確に宣言されておられるわけですね。外務大臣がそこでそうされて、その後変更というのはだれも聞いたことがないわけです。  一方では留保し、そして今度はまた合意もあり得ると。そういうところは、加盟しているからということじゃなくて、ここは実行できないのだと。さっき憲法上の制約ということがありましたけれども、やはり国際的にも明確にすべき点は私は明確にしていくべきだと思いますが、外務大臣、いかがですか。
  61. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 今御指摘の点は、国連加盟に際しまして我が国が明らかにしたその文書の中にある文言、たしかアット・イッツ・ディスポーザルという表現だったと思いますが、それで我が国が一定の行為を留保したというふうな御指摘がございました。外務省といたしまして、政府といたしまして従来から、これは特に何らかの点を留保したわけではなくて、一般的な表現である、自分たちが我が国政府としてできることはすべて行うという当然のことを表現したものであるというふうに申し上げてきているところでございます。
  62. 清水澄子

    ○清水澄子君 では新しい解釈ですね。いろんな図書館やそういうところにあるその当時のものと全然違いますね。では、そういうふうに認識しなきゃならないということですね。そうすると、私はここでも非常に納得できないと思います。  次に、前提条件の4に「日本のすべての行為は、その時々において適用のある国内法令に従う。」とあるわけですけれども、これはガイドライン見直し後に行う新たな法律の制定を含んでいると思うんですが、含まなくてもいいということなんですか、どちらなんですか。外務大臣、明確にお答えください。
  63. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) その点につきましては、御承知のとおり、今回の中間取りまとめはこれまでのSDCにおける作業を通じましていろいろ検討すべき項目として何が考えられるかということを取りまとめたものでございまして、法的なあるいは政策的な側面でどういうことをしなくちゃならないかという点についてはこれからさらに検討を進めなくちゃいけないということになっております。  いずれにいたしましても、このガイドラインができましてもガイドラインそのものが何らかの義務づけを行うものではございませんけれども、一方においてガイドラインをつくるといった努力の結果をおのおのの具体的な政策や措置に適切な形で反映することは期待しております。したがいまして、日本政府といたしましても、指針の策定の後に、その内容を効果的に実施するためにはどのような措置をとらなくちゃいけないかいろいろ検討してまいりたい、そしてその検討の結果、どのような法的な整備が必要か否か、そういうことを真剣に考えていくということになると思います。いずれにいたしましても、現時点において国内法のあり方について具体的な考えが定まっているわけじゃございません。  それで、今御指摘のございました文言でございますが、それはいずれにいたしましても今後新しい指針ができまして、そのもとでいろいろな事態に際してとられる措置は必ずその時点において適用されている国内の法令に基づいているということを確認的に示すものでございます。したがいまして、これから将来に向かってどういうふうな立法措置一法的な整備をするかということは、先ほども申しましたように、今後の検討にまつわけでございまして、この文言をもって現在その法的整備の作業について何らかの措置をあらかじめ想定している、予断するものという性格のものじゃございません。
  64. 清水澄子

    ○清水澄子君 頭が変でしょうか、何か非常に理解しにくいんですけれども、これは今後議論をしていきます。既にガイドラインの作業ではもうそういう話し合いを進めていらっしゃるんだと思うんですけれども質問したことに対して、お答えがそうかというふうに思えない。私が納得できないことであっても、そうかというふうに何かはっきりわからなくて非常に困っております。  次に、国際法との関連でお尋ねしますけれども協力検討項目の中に「船舶の検査及び関連する活動」というのがあるんですが、これは通常、臨検とか戦時禁制品の捕獲に伴う行為を指してのことだと思います。外務省の林条約局長は、この臨検の前提条件として、基本的には国連安保理での制裁決議が出された場合を想定していると六月十日の衆議院の安保委員会で説明をしておられます。  臨検、戦時禁制品の扱いについては、日本も加入しておりますパリ宣言、これは海上法の要件を確定する宣言なんですけれども、それとか、それから日本が署名しているロンドン宣言、これは海戦法規に関する宣言であるわけですけれども、それらの国際法には当然従うのであるということは確認できますでしょうか。
  65. 川島裕

    政府委員(川島裕君) 安保理決議によります経済制裁について一言まず御説明申し上げます。  これは先ほどからお話が出ております憲章第七章の軍事的に至らざる措置としてまず経済制裁があって、そしてそれがきかないときには軍事措置として四十二条、四十三条があるけれども、四十三条に言う国連軍、加盟国との間の特別協定で設置されるべきいわゆる国連軍というものは今のところ組織されておりませんし、実際問題として将来とも組織されることはまずなさそうだというのが現在の状況で、したがって第七章によって実施されているのは経済制裁まででございます。今までもイラクとか新ユーゴスラビアとかハイチとかでいろんなものがなされております。  そういう経済制裁の決議がなされますと、これは国連憲章に基づく義務的な措置でございますから、加盟国がみんなやるということでございます。それに伴って、しばしばこの経済制裁の実効性を確保するために、制裁を科せられている国に出入りするすべての船舶の貨物と目的地を検査、確認するために加盟国は必要と思われる措置をとるよう要請すると、こういう決議を通しております。  そういたしますと、国際法上の整理としては、そういう措置をとることが安保理の権限によって要請をされていて、そしてすべての加盟国は今度そういう検査、確認されることを受忍、受容する義務を持つと、こういうことでございます。この検査でございますが、ちなみに臨検という言葉がよくございますけれども、検査、確認という言葉が安保理の決議では大体使われている表現でございます。  そしてそういう中で、日本として今後、もとより憲法の枠内でございますが、具体的にどういうことを協力するかというのはさらに検討してまいる考えでございまして、今の時点でどこまで具体的に協力をするという内容については固まっておりません。  先ほど一連のいろいろなほかの国際法との関連でどうなっておるんだというお尋ねかと思いますけれども、これは憲章第百三条の規定によりまして、加盟国が負っている他の国際法上の義務に国連憲章は優先するというふうにされております。  したがいまして、国連加盟国は安保理決議が経済制裁措置を決議いたしますと、これを履行する義務が国連憲章第二十五条によって生じておりますし、先ほど申しましたとおり、他の加盟国が実施する経済制裁の実効性を確保するための検査等の措置を受忍するということに同意しているという立て方でございます。
  66. 清水澄子

    ○清水澄子君 では、これは国連の安保理決議の経済制裁以上はまだ出ていないから、それを前提としているということなんですね。
  67. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) その点につきましては、経済制裁は必ずしも国連安保理決議に基づくものだけに限定されるわけじゃございません。しかしながら、現時点におきまして我々が想定しておりますのは、安保理決議に基づく経済制裁措置、そういうものとの関連においてとられる措置ということでございまして、現時点で国連安保理決議がない場合の経済制裁に対して具体的な活動を想定しているわけではないと、こういうことでございます。
  68. 清水澄子

    ○清水澄子君 いずれにしましても、他国の船舶の、今臨検じゃなくて検査、確認とおっしゃいましたが、そういうようにいつも何か表現がすごく本質的なところを外して、そういう表現になっているのか知りませんけれども、それは何をすることだということを明確にすべきでして、それなりに日本の国内法を整備しないとそれはできないことだと思います。  次に、「日本周辺海域における捜索・救難活動及びこれに関する情報の交換」という協力検討項目についてなんですが、ここで言う捜索・救難活動の対象者というのは米軍とその関係者のみなのか、または米軍との交戦相手国の兵士や関係者をも対象にしているんでしょうか。これは防衛庁長官にお願いします。
  69. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 捜索・救難活動は何も米軍とかあるいは対戦国の相手の兵士とかに限定したわけじゃなくて、広く一般に行われるわけでございますけれども、そのときにアメリカ軍の兵士等もむしろ逆にそれから排除されないと、そういうふうにして理解していただければ一番いいと思います。
  70. 清水澄子

    ○清水澄子君 一般的なものなんですか、このガイドラインというのは。有事というのは戦時ということもあるわけでしょう、危機管理とか。ですから、一般的な問題だけじゃなくて、戦時のときにもそれらを想定されておるわけでしょう。
  71. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 今言いましたように、捜索・救難活動を自衛隊が行う場合は一般的にすべてを対象にできるわけでございます。結果として米兵等を救難したとしてもそれを排除するものじゃございませんし、それは結果として日米協力につながってくるものだと、そういうふうに理解していただければいいと思います。
  72. 清水澄子

    ○清水澄子君 この捜索・救難活動につきましても、これは国際法に戦時のときのもありますね。海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関するジュネーブ条約、この第二条約日本は加入をしております。そして、ガイドライン協力検討項目にあります捜索・救難活動というのは当然ながらこのジュネーブ条約に従う義務があると思うんです。ですから、すべての人をこれは救済しなきゃならなくなるということになると思うんですが、それは間違いありませんか。
  73. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) 先ほどから大臣が答弁しておりますのは、自衛隊法第八十三条に言うところの捜索・救難活動でございますけれども、同条の「天災地変その他の災害」とは、通常、暴風雨、豪雨、地震等の自然災害、火災、爆発、船舶の沈没、航空機の墜落と解されているわけでございまして、同条に基づく自衛隊の部隊等の派遣は一種の警察活動としての災害派遣と考えられ、人命の保護といった観点からしましても、船舶の沈没、航空機の墜落等に際しての捜索‘救難について紛争時におけるものが一律に排除されるとも言えないと考えることを述べているものでございます。  今御指摘の点につきましては、この場合、自衛隊といいましょうか我が国は交戦国でございませんので、この捜索・救難活動としてやるという点について大臣から答弁をしたものでございます。その場合、その遭難者の中に米兵が入る、あるいは他の国の者が入るということを排除するものではないだろうという趣旨でございます。
  74. 清水澄子

    ○清水澄子君 さきの第二条約第十二条によりますと、「原因のいかんを問わず、あらゆる難船をいい、」というふうにあるわけですね。そうすると、日本が行う捜索・救難活動は米軍の交戦相手国の兵士、関係者対象ともしますね。  そうすると、この場合に、私は本当のところ北朝鮮が今攻めてくるなんて思いませんけれども、しかしそのことが一番問題になっていますが、仮に救難する相手が北朝鮮軍兵士であるようなとき、救助した兵士の扱いはどのようにされるんでしょうか。国内法の整備がそういう場合にはどうしても必要になってくると思いますね。例えば米兵の場合でも、これはアメリカに帰すのか、それとも日本国内で治療するのかという、それはやっぱり国内法を変えなくて、今の日本国内にある規定のものでできるということにはならないと思うんですが、防衛庁長官、これについてはいかがでしょうか。
  75. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) 仮定の御質問ですので個別の国の名前を挙げるのはどうかと思いますけれども、遭難者として我々が捜索・救難の対象と考える場合、その国籍は問わないわけでございます。遭難者を救助した場合、この自衛隊法第八十三条でやるわけでございますけれども、その後どうするのかという点につきましては、当然、現在の我が国の法令の規定の中で対処するということになろうかと思います。
  76. 清水澄子

    ○清水澄子君 終わります。
  77. 角田義一

    ○角田義一君 私の方からは二点ほど大事なことを聞いておきたいと思いますが、このガイドラインのⅢの「「指針見直しの経緯と現況/基本的な前提及び考え方」の2に、「日本のすべての行為は、日本憲法上の制約の範囲内において、専守防衛、非核三原則等の日本基本的な方針に従って行われる。」と、こう書いてございますね。  私はこの前も防衛庁長官憲法の問題についてかなり厳しいことを申し上げたんですが、この憲法というのは、こんなことを言ったら御無礼ですけれども、これはまくら言葉じゃないんですね。単なるまくら言葉と違うんです、これは。  いろいろ議論を聞いていますと、日本憲法の解釈だとか、あるいは集団的自衛権の今までの解釈を変えなければどうのこうのというような議論がありますけれども、私はそういうものじゃないと思っているんです。この日本憲法というものの重み、これを日米関係の衝に当たった人たちはどの程度考えて談判しておったのか、まずそれを聞きたいんですよ。外務大臣も一緒です。防衛庁長官ももちろんです。
  78. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 日米協力が必要だということはわかるわけですけれども、どんなに必要だとあっても、憲法九条で禁止している他国に対して武力行使しちゃならないというこの精神は守らなきゃならない、だから武力行使になるようなことはできない、それが憲法九条の枠内でやるという我々の考え方だと、そういうような基本的な考え方を持っております。  だから、逆に言えば、他国に対する武力行使にならないことであるならば、日米協力を必要とするものについてはできる限り協力をしようと、そういう気持ちも事実でございます。そこら辺の兼ね合いを考えながら、他国に対する武力行使はしてはならないというこの原則だけは守り抜くという考え方でやっておるわけでございます。
  79. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 憲法はもとより我が国の法体系の中で最高法規と位置づけられるものでございまして、これは我々行政府にあるものとして当然遵守していかなくちゃいけない、そのこと自体憲法にも明定されていることはよく承知しております。  そして、そういったことを踏まえながらすべての内政あるいは外交を進めているわけでございまして、今回のガイドラインの作業に際しましても、私どもそのことは十分、念頭というよりもむしろ肝に銘じて取り組んできたところでございます。そして、ただいま防衛庁長官からも御答弁ございましたけれども、私ども憲法全体の平和を大切にするといった精神を踏まえ、また第九条というものも十分に肝に銘じまして、そしてこれまで歴代の政府がこの関係においてとってまいりました解釈というものを維持しながら作業を進めたわけでございます。特に、具体的には集団的自衛権行使は現在の憲法のもとでは認められないという解釈、これも踏まえながら作業しております。
  80. 角田義一

    ○角田義一君 私は、集団的自衛権行使日本憲法上できないというのは、日本憲法の前文と九条をあわせ読めばもう自明の理だと思うんですね。今の憲法を直さない以上、私は集団的自衛権というのは行使できないと思いますよ。これははっきりしているんです。衝に当たった北米局長、あなたはどう思いますか。はっきり言ってください。
  81. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 私どもは大臣の御指示に従いながら憲法の枠内で作業を進めるということでございまして、集団的自衛権というのは憲法解釈上、必要最小限の範囲を超えるものであるというのが政府の認識でございまして、私どもはその点も踏まえながら折衝してきているわけでございます。
  82. 角田義一

    ○角田義一君 秋山防衛局長、どうですか。あなたも談判に当たったんだから。
  83. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) 今御指摘のございました集団的自衛権行使ができないということも含めまして、現在の憲法の制約のもとでこの作業を進めているわけでございます。
  84. 角田義一

    ○角田義一君 それからもう一つ、今回のこのガイドラインの問題について、即刻、外務省あるいは防衛庁中国あるいは韓国に説明をするために政府高官を派遣したということは私は時宜を得ていると思っております。そのことについては高く評価をいたします。  それで、アメリカの政府高官もこのガイドラインというものは特定の国を相手にしているものではないということを盛んに言っておりますが、果たして相手国がそれで納得するかどうかということは私は大きな問題だと思うんですね。  特に中国政府に対して、私ども日本とアメリカとでは私は基本的に立場が違うのではないかと思っております。日本のかつての太平洋戦争に対する評価はいろいろございましょうけれども、私は客観的に中国大陸を侵略したという事実は厳然としてあると思うんですね。これは日本は否定できませんよ。その大変な惨禍を受けた人がまだ現に生きておられるということを考えた場合に、中国政府に対してこの問題についての誤解を解くというか、我が方の真意というものをよほどしっかりと伝えませんと、これはえらいことになるというように私は思っているんです。  問題は、例えば台湾問題というのは基本的に日本政府中国の内政問題であるというふうな理解に立っておるのかどうか。これはもっと大事なことだと思いますけれども外務大臣、どう考えていますか。
  85. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 私どもは、このガイドラインの作業はもとよりでございますけれども日米安保体制というものが特定の国を対象にして考えているものではない、そしてこの体制がきちんと機能していくということは我が国の平和を維持する上において大切であるだけではなくてアジア太平洋地域全般の安定にも資するものだと、またそうでなくちゃいけないという基本的な立場に立っております。これは昨年の共同宣言にも明確にされておりますし、今回のガイドラインでもそうでございます。とりわけ中国との関係を良好に保ちさらに発展させていかなくちゃいけないということは昨年の安保共同宣言にも明確にうたわれているところでございます。そういったことを中国あるいはアジアの近隣諸国にも正確に理解していただくように我々としても努力しているところでございます。  そして、日本と米国の対中政策、立場が違うというお話がございました。それはそれぞれ主権国家でございますから、すべてが一致しているわけではございませんけれども基本的に申しまして、中国が今後アジア太平洋地域の建設的なパートナーとして我が国、米国あるいはこの地域の他の国とも手を携えながら進んでいくということを我々は期待しておりますし、そういう方向で外交政策を展開するという点では、大筋においては米国と日本に違いはないと思います。ただ、個々具体的なそのときそのときの事態に対する対応について全く同じということを言っているわけではございません。  それから、具体的に台湾をどう考えるかというお話がございましたが、これは二十五年前の日中共同声明におきまして、台湾の地位、位置づけに対する中国側の考え方というものを我が国理解して対応していくということを明確にしております。自後、台湾と我が国との関係は非政府間の実務的な関係として推移してきている、将来ともそういうふうに考えているということは委員御高承のとおりでございます。そして、中台関係というものは将来にわたって両岸の当事者の平和的な努力によって解決されるということを期待している、こういうのが日本の立場でございます。
  86. 角田義一

    ○角田義一君 最後に一点だけ聞きます。  これは朝鮮の問題もそうですが、朝鮮の問題についてはいろいろ考え方があると思いますけれども、少なくとも南北ともに平和統一ということを今日言っているわけですね。両方とも統一を願っている。そのプロセスはどうなるかわかりません。例の四者会談なるものも、南北の朝鮮の今の体制を認めた上だからこそ四者会談があると私は思うんですよ。したがって、日本政府とすれば、やはり朝鮮の平和統一ということについては、それを支援していくというか、そういう基本的なスタンスというものをきちっと持っておかないと大変なことになると私は思いますけれども外務大臣、どうですか。
  87. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 朝鮮半島の将来の安定、これは基本的にまず南北の当事者でございますから、その方々の最大の関心事どいうよりもみずからの運命にかかわる問題でございますから、その南北の間での話し合いによって決められるというのが基本であるというのは私どももそのとおりに思っております。  そして、現在進められておりますいわゆる四者協議のプロセスというのも、そういった南北の対話による将来の朝鮮半島の安定を促進するということを中心に考えながら進められておると思います。我が国といたしましても、そういったことを考えながらこの四者協議のプロセスが進むことを支持しているわけでございます。  なお、御承知のとおり、我が国北朝鮮との間では正常な外交関係を持っておりません。これはやはり私どもも正常化をしなくちゃいけないと考えておりますし、その正常化の努力というものも朝鮮半島全体の安定に資するものでなくてはいけない。したがいまして、これも日朝間で交渉すべきはもとよりでございますが、同時に韓国とも連携しながら進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  88. 角田義一

    ○角田義一君 終わります。
  89. 笠井亮

    ○笠井亮君 今回の「日米防衛協力のための指針」の見直しに関する中間取りまとめということで議論があるわけですけれども、やっぱり一言で言ってこれまでの安保条約を一層危険な方向に変質させて、憲法の平和原則、これを侵していく大変重大な問題点が含まれているというふうに思っております。マスコミでも、他国の有事での自衛隊海外派遣という防衛政策の大転換と、こういう指摘などもされておりますけれども、そういう問題なのかなというふうに思うわけであります。  そこで、先週来、衆参両院で質疑が行われてきて論戦があるわけですけれども、それを聞いたり見たりしておりましてもまだ多くのはっきりしない点があると思いますので、そこを中心にただしていきたいと思います。  まず、先ほどもありましたが、日本周辺地域、これが一体どういうものなのか、それから周辺事態がどこで起きる事態なのかということについて依然として極めてあいまいだというふうに言わざるを得ないと思うんです。これまでの質疑で、池田外務大臣御自身も、今回のガイドライン見直し作業における周辺地域には南西アジア、中東インド洋での事態は想定していないというふうに御答弁をされていると思うんですが、そのことは米国側も同じ考え、つまりその点では同意しているということで理解してよろしいんでしょうか。
  90. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 我が国と米国は、単に日本で起こるような事態あるいは日本周辺において起こる事態だけではなくて、グローバルないろいろな分野におけるいろいろな事態に対して協議もし、また協力をするという局面があるということは事実でございます。したがいまして、例えば中東とかインド洋というような地域において起こる問題についても日米協力するということは、これはあり得ると思います。ただし、それは今我々がこのガイドラインの作業を通じていろいろ日米協力の方途を考えているその枠組みの中の問題で  はないということでございます。
  91. 笠井亮

    ○笠井亮君 それはアメリカ側も同じ立場の意見だ、同じ見解だということでよろしいですね。
  92. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 米側も同じ認識でござ  います。
  93. 笠井亮

    ○笠井亮君 では、さらに伺いたいと思うんですが、昨年の四月十九日だと思うんですけれども衆議院内閣委員会日米安保共同宣言をめぐって論議がありまして、梶山官房長官が、新たな安保体制の適用地域ということでアジア太平洋地域範囲について、ASEANを含む大洋州が効果、効力の及ぶ範囲に入るというようなことを御答弁されております。  今回のガイドラインではASEAN、大洋州というのは入るというふうに想定しているのか、入るのか。この間の答弁では、周辺地域というのは日本の平和と安全に重大な影響を与える地域だということで一概に言えないということも含めてありましたが、中東は先ほど言ったように想定していないというわけですね。大洋州というとまた相当遠いわけですが、大洋州はどうなのか、ASEANはどうなのか。
  94. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 繰り返し御答弁申し上げておりますように、この周辺地域というのは、その地域に起こる事態我が国の安全に重要な影響を与えることがある、そういった事態が生起し得る地域ということでございますので、これを地理的な意味でどこからどこまでと外縁をきちんと画定するということは非常に難しゅうございますし、またそれはそれほど大きな意味のあることではないと思います。我々は、地理的な概念というよりも、むしろ事態というものを中心に考えていくべきだと思うのでございます。  しかし、それにいたしましても、先ほど言いましたように、中東とかインド洋で起こる事態が今想定されているような意味での周辺事態には当たらないだろうというふうなことは言えるわけでございますが、しからばこのアジア太平洋地域の中で今具体的に挙げられましたようなところが一体、どうかということは現時点で明確に申し上げるわけにはいかない、やはりそれは具体的な事態が起きた場合にその事態がどうなのかということとの関連において判断されるべきことではないかと思います。
  95. 笠井亮

    ○笠井亮君 中東インド洋については想定しないが大洋州についてははっきりは言えないということは一つ今おっしゃったことなのかなというふうに思います。  もう一つだけその点で伺いますが、先ほど中台の話がありました。中台紛争について、外務大臣から先ほども答弁がありましたが、二十五年前の日中共同声明で明らかにしたような台湾の位置づけについて中国の立場を理解している、そして両当事者の話し合いによる解決を重視しているということで、このガイドライン見直しにはそういう問題というのは想定して考えていないという御答弁もこの間されていると思うんですが、中台の衝突という場合、たとえどんなことが起きても、それこそ日本の平和と安全に重要な影響を与える場合でも周辺事態には当たらないというふうにお考えになるのかどうか、その点はどうでしょうか。
  96. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 私どもが台湾あるいは中台の関係について考えているところは、先ほども答弁申し上げたばかりでございますから繰り返しません。そういった立場でございますし、また中国あるいは台湾という両岸の当事者も基本的には平和的な道を通じて事態の解決を図ろうという立場にあると思います。  ただ、それを具体的にどういうふうな手法で進めるかということについては、今の段階で立場は違いますけれども基本的に平和的な解決を目指しているということでございますから、そういった意味で、私は我が国の立場として、中台関係が今我々が進めておる作業との関連においてどういうふうな意味合いを持ち得るかということにつきまして、そういうことを想定して作業を進めておるわけじゃございませんし、言及することも適切ではないと考える次第でございます。
  97. 笠井亮

    ○笠井亮君 今回の取りまとめ文書の中に、国内の政治体制の混乱で大量の避難民が発生しているような状況というのがありますが、そうしますと、中国の場合は想定していない、中国の場合は例外で、中台間の事態でそういうことが起きたとしても決して周辺事態というふうにはみなさないということでよろしいですか。
  98. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 私どもは中台の関係が両岸の当事者の平和的な話し合いを通じて解決することを期待しておりますし、それから先ほども申し上げましたように、具体的な手法あるいはその道については必ずしも一致していないにいたしましても、平和的な解決を目指すという大きな意味での一致はあると思いますので、今それと違うケースを想定してあれこれ論議するということは我々は考えていないところでございます。
  99. 笠井亮

    ○笠井亮君 では、ちょっと確認の意味ですけれども、今行われているガイドライン見直しの作業、そしてその結果に基づいて対処していくということを政府としては考えているんだと思うんですが、そういうガイドラインに基づいて中台の問題に日本がかかわっていくということはないということでよろしいですか。
  100. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 繰り返しになりますけれども、我々は中台問題は両岸の両当事者の話し合いによる解決を期待しておりますし、また両当事者も大きな意味においてはそれを目指そうということでは一致していると思いますので、それと異なる仮定を今置いてあれこれ論議することは適切でないと存じます。
  101. 笠井亮

    ○笠井亮君 私も何も中台で事が起こることを望んでいるわけじゃありませんので、その辺にしておきますけれども、要するに今幾つか周辺地域の問題、周辺事態を伺ってまいりましたが、これまでの政府見解極東範囲を超えることもあり得るけれども、一概にはそうとは言えないと、そしていわば政策判断によって変わり得るんだということが明確になっているのかなということを考えるわけであります。次に、中間報告周辺有事の際の日米協力の一つに挙げている後方地域支援の問題、そちらにいきたいと思うんです。  ことし三月十三日の予算委員会秋山防衛局長がこの問題で答弁なさって、戦場での支援というのは武力行使と一体となるので除外されるけれども、戦闘地域ではない場所での支援はできるという形で答弁をされていると思うんです。  また、久間防衛庁長官も同じ参議院予算委員会で、戦闘状態にある地域には行けないということで答弁されていると思うんですが、そこで意味していたのは、公海上のみならず他国の領土、つまり韓国とか北朝鮮とか台湾海峡とかいうことになるかもしれませんが、他国の領土、領域に自衛隊が行って米軍を支援するケースも検討に入るということになるということだったんじゃないかと思うわけであります、あのときの答弁では。  今回の中間取りまとめでは、「後方地域支援は、主として日本の領域において行われるが、戦闘行動が行われている地域とは一線を画される日本周辺公海及びその上空において行われることもあると考えられる。」、こう書いてあるわけであります。このことをこの間の経過とのかかわりで伺いたいんですが、要するに戦争をしている国の領域に入ってまで、戦闘地域ではないところ、戦闘地域と隣接した地域で支援するということはこの中間取りまとめではないということを言っているんですね。その辺はどうでしょうか。
  102. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) この中間取りまとめの「後方地域支援」のところを読んでいただければおわかりかと思いますけれども地域的なことを申しますと、ここにも書いてあるような理由から、「後方地域支援は、主として日本の領域において行われる」と、しかしながら「戦闘行動が行われている地域とは一線を画される日本周辺公海及びその上空において行われることもあると考えられる。」と、これが中間取りまとめ考え方でございます。
  103. 笠井亮

    ○笠井亮君 公海とその上空に限るということでいいんですね。要するに、主として日本の領域というのはいいんですけれども、それ以外のところについては公海上とその上空に限るということでよろしいんですね。
  104. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) その当時どういうコンテクストで答弁したかちょっと記憶はないんですが、周辺事態における日米協力というものは、この中間レポートにもございますように、いろいろな態様があるわけでございます。運用面における日米協力という意味では、自衛隊が我が国の安全保障という観点から行動をし、それが結果として日米協力になるということもあるわけでございますが、御指摘の米軍の活動に対する日本の支援の後方地域支援は、ここにございますように、領域及び公海あるいはその上空の一部ということでございます。
  105. 笠井亮

    ○笠井亮君 そのことを今確認をいただいたと思います。  戦闘地域と一線を画する日本周辺公海とその上空ということで、折田北米局長は、戦闘に巻き込まれることが通常予想されない地域を探していくということも答弁がありましたし、秋山局長は、戦況や制空権、制海権を確保しているとか相手の攻撃力などを考えてから具体的に議論していくということもこの間の質疑答弁されていると思うんですが、私は戦闘を行っている最中に一線を画すこと自体もともと不可能なことだというふうに思うんです。  そういうことで、私の見解を述べさせていただいた上で伺いたい点ですが、例えば朝鮮有事で見ますと、公海とはいっても戦闘地域に極めて近い場所になると思うんです、地理的に見ると。公海上であっても戦闘が行われていない場所は戦場に隣接する地域も戦場ではない、そう言ってそこにまで出動して米軍を支援するということになりますと、これは日本がその戦争に完全に巻き込まれて参加して、国際的に見ても交戦国になるのは明確じゃないかと思うんです。  それとも、戦争が行われていない地域ならば、他国の領土に入るということは今想定していないということですけれども、ここは含まれていないということですが、公海上であっても戦争地域と近い場所で支援しても交戦国とはみなされないというような法的根拠というのはあるんでしょうか。
  106. 林暘

    政府委員(林暘君) 先ほども答弁申し上げましたとおり、このガイドライン前提というのは当然のことながら国連憲章を含みます国際法の原則にのっとって行われる行動を前提にしているわけでございますし、安保条約でも第一条でその趣旨が書かれているわけでございます。.今、委員は交戦国というお言葉を使われましたけれども、現在の国連憲章に基づきます体制のもとにおきましては、武力行使というものは国連憲章に基づく行為ないしは五十一条に書かれております自衛権の発動の場合以外には認められておりません。ですから、そういう観点に立ちますと、交戦国になるということは、つまり伝統的な国際法で言っております交戦国、中立国という概念は現在の国連憲章下におきます国際体制のもとではございませんで、認められている武力行使というのは国連憲章に基づく何らかの行為か自衛権の発動ということしか国際法上観念的にはないわけでございます。そういう意味で、交戦国の立場に立つというようなことは我々はないと思っています。  申し上げましたように、ここで前提としています米国の行為というのは国連憲章に基づく行動ということでございますから、そういうことはあり得ないというふうに考えております。
  107. 笠井亮

    ○笠井亮君 今いろいろ言われましたけれども、自衛隊が戦闘地域と隣接した地域で支援活動をするということをすれば、今言ったような形ですれば、これは相手国から見れば明らかに交戦国ということで見られるんじゃないかと思うんですよ。日本が侵略を受けていないのに交戦国になるということは交戦権を禁じた憲法に全く反することになるというふうに言わざるを得ないと思うんです。  米国は軍事力を行使する上で基本的に三つのカテゴリーということを言って、その第一に、米国が攻撃を受けなくても米国の死活的利益にかかわると判断した場合は軍事力行使を行うという立場であります。そういう事態周辺事態ということで認定をして、そしてマニュアルに沿って自衛隊の協力を求めてくると。ガイドライン見直し作業はまさにそういう点では自動的に参戦をしていく計画になるんじゃないかというのが非常に強く危惧をする点であります。  さて、その上に立って幾つか具体的な問題について伺いたいと思うんですけれども、先ほどから出ている問題で続きをやらせてもらいたいと思います。  まず、自衛艦などによる領海と公海での船舶の検査及びそれに関連する活動、先ほど川島局長は検査、確認と言われましたが、いわゆる臨検の問題であります。  十三日の当委員会池田外務大臣答弁されて、安保理の決議に限定しているわけではない、それ以外にもあり得るというふうに言われました。これは私がこの間伺っていたのでいきますと、国連決議が行われた場合を想定しているという答弁を変えたというふうに受けとめたんですけれども、変えたというふうなことで意味した中身なんでしょうか。
  108. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 変えておりません。  経済制裁は必ずしも国連安保理決議に基づくものに限定されるわけではないと、これは事実でございます。しかしながら、我々は現在の時点で安保理決議がない場合の経済制裁に関連して具体的な行動を想定しているわけではないと、こういうことでございます。
  109. 笠井亮

    ○笠井亮君 変えていないとさらっと言われるんですけれども、もう明らかにニュアンスが変わってあいまいな形、やっぱりどちらなのかということになると思うんですよ。わずか数日の間に、最初は国連決議が行われた場合を想定しているというふうに言われていて、そしてそれがそれに限定されないということで、答弁のニュアンスが変わること自体が私これ大きな問題だと思うんです。  では、この問題もちょっと確認したいんですが、米国側はこの問題についてどう言っているのか、合意した中身は何なのか、その点ではどうでしょうか。
  110. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 変えたわけじゃございませんので、まず。要するに、想定しているという言い方と想定していないという言い方、それは同じ事柄を右から言うか左から言うかによってそういうことになるわけでございまして、意味するところは全く同じでございます。  それから、米側との関係はどうかということでございますが、私ども米側とずっとこれまで検討を続けてきておりまして、米側日本側との認識は同じでございます。
  111. 笠井亮

    ○笠井亮君 この想定しているということ自体がいろいろまた問題になるんですね。想定しているというのは、あるのかないのか、あるいはやるのかやらないのか、できるのかできないのか、違うことだというふうに思うんです。そこのところは、想定していないかといえば、ないというふうには必ずしも言えないと、これがまた非常に問題じゃないかと思うんですが、それはもうわかりました。私は明らかにニュアンスが変わったと思いますし、ほかの方もそういうことで大変に危惧しているという点を言っておきたいと思うんです。  それで、中身なんですけれども、国連決議がなくてもというのは全く論外だというふうに私は思うんですが、その上で、現時点で想定しているという国連決議に基づく場合であります。  これはちょっと正確に伺いたいんですが、臨検を含む国連決議に基づいて米国とともに自衛艦が外国艦船に対して公海上などで臨検を実施するということなのか、それとも臨検を認める決議まではいかないが、臨検というのは国連で言うと検査、確認の決議ということだそうですが、そこまではいかないが、経済制裁の決議の実効性を確保するための臨検を行うということなのか、その点では  どうでしょうか。
  112. 川島裕

    政府委員(川島裕君) 今、検査、確認ということでございますけれども、従来のいろいろな経済制裁の実効性の確保のための措置についての安保理決議の書き方は、おおむねその制裁を科されている国、制裁対象国に出入国するすべての船舶の貨物と目的地を検査、確認するため各国は必要と思われる措置をとるよう要請するという立て方でございまして、これに沿って具体的にどういうふうな行動をとるかは各国の判断に任されているということでございます。一方、それぞれの船は、加盟国がこういう検査確認を受忍する義務を持つわけでございますから、それに応じて検査に応ずると、こういう整理でございます。  そういう状況で、それでは日本が具体的にどういうことをやるかというのは、これはもとより憲法範囲内においてどういう対応をするかというのはこれから具体的な対応検討するということでございます。
  113. 笠井亮

    ○笠井亮君 では、少し具体的に聞きたいと思うんですが、九〇年の湾岸危機の際、国連安保理は六六一決議で憲章四十一条に基づいて経済制裁を非軍事的強制措置として決定したと思うんです。米国などはその実効性を確保するという説明で独自にイラクに出入りする船舶に対して海上阻止行動などをとって臨検を実施したということであったわけですが、ガイドライン見直しでは、そういう場合、日本も臨検まで認める、国連決議に基づくものではないけれども日本も経済制裁の国連決議の実効性を確保するために米国がそういうことをやるならば自衛艦を派遣して臨検をすると旧いうことになるんでしょうか。
  114. 川島裕

    政府委員(川島裕君) まず、イラクの制裁について独自にと申されましたけれども、そのときにも決議が成立しておりまして、安保理決議に応じて十四カ国が船を派遣して紅海及びアラビア海に展開をして相当数の船を検査したと、こういうことでございます。  それで、日本として同じことをやるのかというお尋ねでございますけれども、先ほど申しましたとおり、日本として憲法範囲内で具体的にどういうことをやるかというのはこれから検討すべき話でございます。
  115. 笠井亮

    ○笠井亮君 あのとき重大なことは、そういう形で米国がやったということがあって、六六五という決議が出たのはたしかその後ですね。当時、ブッシュ大統領が、経済制裁の国連決議の実効性を確保するということで、ペルシャ湾に展開して臨検を実施している米艦船に必要最小限の武力行使する権限を与えたと、そしてイギリスやフランス政府も臨検に加わっていた艦船の武力行使を許可しているという経過があったと思うんですが、あのときを見ますと、当時のデクエヤル事務総長ははっきりと国連決議に基づくものでなければいけないという形でそういう行動に対して主張をするということがあったと思うんです。  だから、そういう点では、国連の経済制裁の決議がある、その実効性を確保するということで日本もそれにかかわっていくということになると、これは一つ大きな問題があるのかなというふうに思うわけであります。  そして、その後六六五の決議が出た、まさに後から海上部隊に対して臨検を認めた国連決議が出た。これには必要とされる一定の措置ということで米国などは武力行使が含まれるということを言って、そしてほかの国でも解釈が違うということがあったというのは明らかだと思うんですけれども、米国などは実際に臨検で警告射撃なども行ったということであります。もし臨検を行っている艦船などが相手国から攻撃を受けたら武力行使をしてもいいということをやったのがあのときの米国などの行動だったというふうに思うわけであります。  それで今、日本がどうするかと、これは憲法とのかかわりだというふうに言われました。そこで、やっぱりその問題になると思うんですけれども、臨検というのは、空母を初めとして艦艇、早期警戒機、戦闘機などを駆使して、制裁対象国に向かう船舶を停止させて積み荷の検査や拿捕を行う、しかも各国が協調してやるということになっていくものだと思うんです。  その中に日本がかかわっていくということになると、自衛艦が協力して行うということになるわけですが、そういうときに、決議に基づくのかどうかはもう別問題として、そういう臨検に対して、つまり非軍事的措置としての経済的な制裁ということですが、それを担保するための臨検というのは軍事的な行動を伴うということになりますから、そうしますと武力行使を容認されていくということになって、そういう臨検に自衛艦が協力してともに行動するということにならざるを得ないと思うんです。それが憲法上どうして許されるのかということになりますし、武力行使までいかなくても、それにかかわっていくというところにいかなくても、実際にそういうことに参加していけば、政府憲法で禁じているとしてきた海外での武力による威嚇そのものになってくるというふうに思うんですけれども、その点はどういうふうに考えますか。
  116. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) まず、我々は今これは検討項目として挙げておるわけでございまして、具体的に経済制裁が行われた、そして我が国も経済制裁を実効あらしめるために必要な措置をとるということに参加した場合にどういうことをやるかはまだまだこれからも検討することでございますし、また基本的には具体的な事態に対処してどういう行動をするかを決めることでございます。いずれにしても、そういうときに我が国憲法に違反するような行為をしないというのは当然のことでございます。  それからもう一つ、経済制裁を実効あらしめるための行為というので一体どういう事態がこれまであったかといいますと、基本的に申しますと、検査等を受ける船舶というのは商船等プライベートの船なんです。それが一体どこへ行くのか、それから積み荷は何なのかというようなことをチェックしていくことを通じて経済制裁を実効あらしめようということでございますから、すぐにそこで武器の使用がどうこうという問題は起こらない。むしろこれまでの例で申しますと、そういったことはほとんどなかったと思います。何か検査といいますと武力行使して強制措置をすぐにとるというふうな前提で御論議でございますけれども、過去の例に徴してもそういうことではないんだということを申し上げたいと思います。
  117. 笠井亮

    ○笠井亮君 相手が軍艦でないから、商船とかだからということになると、それでもやっぱり武力行使に至らなくても武力による威嚇ということで、相手の側から見ればこれは一体だというふうに見られるということになるじゃないですか。そして、集団的自衛権行使にかかわる問題になってくると思うんです。  そして、検討中ということで言われましたが、こういう重大な問題です。憲法上こういうことはできないんだという明確な立場をとって、検討中というのであれば検討してやめるべきだと思います。よく検討検討中と言われますが、私思うんですけれども検討して出してきたのが中間報告だと思うんです、ある程度検討して。だから、結論に至らないまでも、憲法との関係ではここまではこういうことはあり得るけれどもこうなったらこうなるという、少なくとも選択肢までは検討して出しているからこういう項目が挙がっているんじゃないんですか。  それを全部検討中ということで切り抜けて、そして最終報告になっても具体的事態にならないとわからないということでは、この中間取りまとめで透明性を確保すると言われるけれども、これは一体どういうものなのかというのが結局できてもわからない、憲法上も本当に許されるのかどうかということがわからない。事態によっては踏み込んでやることもある、相手からは一体とみなされて集団的自衛権行使になってくるということもあると思うんです。そういう問題として、これは極めて重大だというふうに私は申し上げたいと思います。  次に、機雷掃海の問題であります。  今ガイドライン見直しで行おうとしている機雷掃海というのは、言ってしまえば、停戦の合意がなされて平和が回復した後、そして遺棄された、つまり捨てられた機雷掃海するというのとは私はわけが違うというふうに思うんです、そういう段階の話ではないと。  現在検討されているのは、周辺事態の際、有事の際に、すなわち戦闘が行われている、そのときに相手国が戦闘行為一環として自己の防衛のために敷設する機雷を除去するかどうかという問題が今まさに検討されているということだと思うんです。  先ほども法制局長官がこの問題で答弁されて、改めて状況態様によるかと言われながら、武力攻撃一環として敷設された機雷を除去する行為、それは一般論としては確かに外国に対する武力攻撃に当たるという形できょうも答弁されました。  それで伺いたいんですが、第三国に対する機雷を自衛隊の掃海艇が出て行って掃海をするということは、そういう点では戦争行為そのもの、武力行使そのものではないかというふうに思うんですが、その点ではどうでしょうか。
  118. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) 先ほど法制局長官から答弁がありましたように、武力攻撃一環として敷設されている機雷を除去することは外国に対する対戦行動と考えられるから、その中でいわば自衛隊法第七十六条、自衛権の行使という範囲に入るものは憲法上可能であるけれども、それ以外は禁止されているということを先ほど述べたわけでございます。したがいまして、武力攻撃一環として敷設されている機雷と認められるもののうち、我が国に対する武力行使あるいは自衛隊法第七十六条に言うところの防衛出動の分野に入ってこないものについて我が国がこれを掃海するということは憲法上認められていないと考えるわけでございます。  しかし、武力攻撃一環として敷設されている機雷とはどうなのか、あるいはそれ以外の機雷はどうなのかという結局判断の問題がそこにあるわけでございまして、先般もちょっと御答弁申し上げましたけれども機雷というのは非常に特異な性格を持っている。攻撃が無差別である、あるいは待ち伏せ型兵器である、あるいはコントロールが困難となるということでありますので、機雷を単に敷設したことのみをもって武力攻撃一環として敷設された機雷とは言えないのではないかと。  敷設国が武力攻撃を容易にするため相手国の港湾を封鎖する等の武力攻撃の目的を持っており、その武力攻撃の目的のために機雷を敷設し、かつかかる敷設目的が維持されている機雷武力攻撃一環として敷設されている機雷であるというふうに考えるわけであります。したがいまして、他方、それ以外の機雷、すなわちもともと武力攻撃一環として敷設されたものでない機雷または一たんは武力攻撃一環として敷設されたがその後はその目的が失われた機雷については武力攻撃一環として敷設されている機雷には当たらないと考えるわけでございます。  このような機雷の判別につきましては、敷設国の意思の表明ですとか当該機雷の敷設海域ですとか、あるいは当該機雷の性質、浮遊しているか停止されているか等々、それから敷設の態様、戦闘全般の状況、周囲の国際情勢、こういった要素を総合的に勘案し判断すべき、かつ判断できると考えているところでございます。
  119. 笠井亮

    ○笠井亮君 いろいろ言われましたが、この間言われている答弁の中で非常にはっきりしているのは、日本への攻撃とみなされる機雷については、これは当然除去できるということがあったと思うんですけれども、これ自体防衛出動を前提に考えている、これ自体重大な問題だと思うんです。つまり言いたいのは、日本が紛争当事国でないのに、日本に対する武力行使としての機雷の敷設ということが一体考えられるのかということなんですね。  では、どういう事態をこれで考えているのか。日本の港湾とか海峡などに機雷が敷設されることを考えているのか。一体その辺はどうなんでしょうか。
  120. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) これはまさに我が国の領海あるいは公海上の機雷掃海につきまして頭の整理をした問題でございまして、我が国武力攻撃をされることを現実的に想定して議論しているわけではございませんが、我が国の領海内に機雷が敷設されたり我が国の港湾に機雷が敷設された場合に、それを我が国に対する武力侵攻以外とどういう理由でそういうことが言えるんでしょうか。そういう場合に、当然自衛隊法第七十六条の問題になってまいりますし、それに該当いたしますれば防衛出動の問題になるという仕組みを申し上げているわけであります。    〔委員長退席、理事板垣正君着席〕
  121. 笠井亮

    ○笠井亮君 仕組みはそうだということなんですが、そうすると、日本がやれるということになる範囲があるとすれば、米軍のために掃海するということに足を踏み出すということになるわけですか。
  122. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) 我が国に対する武力攻撃一環として、そして武力行使として我が国に対して機雷を敷設してきた場合に、我が国は当然のこととして我が国を守るためにその機雷掃海するということであります。我が国のためにやる話でございます。
  123. 笠井亮

    ○笠井亮君 そのことはいいんです。そうじゃなくて、今実際にはそういうことで仕組みを整理したという上でありますけれども、じゃこのガイドライン見直し作業において、日本が紛争当事国でもないのに日本に対する武力行使としての機雷の敷設というのは考えられないと思うんですよ。そうしますと、それに対してこういう活動というのは想定されないということになりますね。では、案際に想定されるのはどういうことなんですか。
  124. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 先ほどから議論を聞いていますけれども機雷掃海につきましては我が自衛隊の運用の一環としてやるのであって、米軍のためにやるというのは原則としてないというふうに理解してもらった方がわかりやすいと思うんです。  機雷掃海は、先ほど遭難救助で言ったのと同じように、我が国に向けられた機雷の場合は除去できるし、我が国に向けられていない機雷は九十九条で除去できる、そういう原則でやるわけでございますから、そもそも機雷掃海については米軍のために機雷掃海をやるというような行動はない。結果として米軍に利することはあり得ると思いますけれども、そういうふうに理解した方がわかりやすいと思うんです。
  125. 笠井亮

    ○笠井亮君 結果として利することはあり得ると。  そこで、先ほど局長も言われたんですが、判別をするというわけですよ。しかし、実際どうやって判別するかという問題、これは公海上でも除去できる、それは日本を守るための範囲の話だということなんですけれども、じゃその機雷日本に対して敷設されたものなのか、それとも米軍に対して敷設されたものなのか、一体これはどうやって判別するのか。総合的にすると言われましたが、総合的にするというのは非常にこれはあいまいだと思うんですよ。その結果としてやったことが米軍を利するかもしれないということなんでしょう。    〔理事板垣正君退席、委員長着席〕
  126. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) まず、武力行使一環として敷設された機雷かどうかということについては、先ほど私がるる申し上げましたようなことで判断をするわけでございます。  そして、武力行使一環として敷設された機雷でない機雷の場合には、これは領海においても公海上においても、自衛隊がこれを掃海する場合には自衛隊法九十九条、つまり一種の警察行為として我が国船舶の航行の安全確保のために除去するわけでございます。そして、このことが結果として米軍に利益を与える、あるいは米軍に対する協力になるということはあり得るということをただいま防衛庁長官が述べたものでございます。
  127. 笠井亮

    ○笠井亮君 結果として利することになるということで、結局そこをやるための仕組みを何とかうまく整合性を合わせようということになるんじゃないんですか。だって、どういうものかというのは区別がつけようないんですよ。これは日本向けということで識別するような札を相手がつけるわけじゃありませんし、荷札が機雷についているわけじゃない。  そういう点では、識別できないものについて、結局九十九条だ、それから七十六条でやれるんだということで、結果として利することになるということになると、これまた海外における武力行使につながる重大な問題を含んでいるということを言わざるを得ないと思うわけであります。  さて、これはさらに今後伺うことにしまして、次の問題に行きます。  中間報告では、平素からの後方支援活動、それから人道的援助で日本の輸送面での協力が随所に出てまいりますし、周辺事態の際の米軍による自衛隊施設や民間空港、港湾の一時使用、それから政府、地方公共団体や民間の適切な活用ということが強調をされております。これを見まして、自衛隊基地や民間空港の周辺の人々、民間の輸送や医療その他の関係者から危惧が表明されているのは御承知のとおりだと思うわけであります。  そこで伺いますが、周辺事態の際の民間空港、港湾についての使用、それから運用時間の延長その他、特に地方公共団体がそういう点では管理運営をしているところが多くあるということでありますが、そういう地方公共団体で管理運営している民間空港、港湾について、具体的にどうするかという問題をいろいろ伺いたいと思うんです。  余り時間がありませんので端的に伺いますが、そういうことが求められて協力が必要だというふうに判断した場合に、当該の地方公共団体あるいはその長がそれは困るという形で反対をしたとき、そういう意向を尊重するのか。それとも、このガイドラインがあって日米協力の枠組みがあるのでということで、いわば協力をお願いするというふうに久間長官は言われるでしょうけれども、この間の演習場の移転と同じようなことで、結果としては強制をするということになっていくのか。それが現行法の中でできるのか、あるいはそのためには法整備も必要だというふうに考えているのかどうか、その点はいかがでしょうか。
  128. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) そこのところは、地方公共団体等の協力が必要になれば、その事情を説明し御理解を求めながら協力を得ていく、こういうことでございます。そして、それが現行の枠内で可能なのか、あるいは何らかの法的整備を必要とするのか、それはこれからまた検討を進めてまいりたい、こういうことでございます。
  129. 笠井亮

    ○笠井亮君 理解が得られなかった場合についてはどうでしょうか。あくまで困ると言われた場合はどうなさいますか。
  130. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 具体的にそういうふうな協力が必要になると判断されるような事態というのは我が国にとってもいろいろ重大な関心のある状況でございます。  我が国の安全に重要な影響を与えることがある事態が起きているという周辺事態の場合あるいは文字どおり我が国自身が武力攻撃を受けている事態でございますから、そういった事態というのは我が国の中の地方公共団体の責任ある方々にとっても、それはやはり安定あるいは平和を守るという意味でいろいろ真剣にお考えいただくような事態であるということは一般的に言えるのだと思います。  そういった中で、政府として協力を得たいという判断をするならば、御理解を得ながら協力を得ていく、こういうことでございます。
  131. 笠井亮

    ○笠井亮君 周辺事態ということで最初の問題に戻るわけですが、要するに日本の平和と安全に重大な影響があるということで具体的事態が起こった場合に対応する、その流れの問題として出てくるわけでありまして、地方公共団体の中でも、それはそこまで私たちが協力しなきゃいけないものなのかということが具体的に問題になれば、今のガイドラインで想定していろいろんな事態があるわけですから、日本武力攻撃された場合と違う、もっと新しいことについてどれだけ米軍の行動に協力するかということが問題になっているわけです。  その点では、地方公共団体の中でもいろいろ意見があり、既にこの中間報告が出る中だけでも、これは困るという反対の意見も表明されているのは大臣も御存じだと思うんです。そういう点では、必ず理解が得られるということではいかない。その際に法整備も必要だということを言われましたので、これは強制することもあるのかなということで、非常にこれは重大な中身だというふうに私は改めて感じたところでございます。  民間の協力の問題では幾つもまだ聞きたいことがあるんですが、私は一点だけ確認というか伺っておきたいと思います。  久間長官が十三日の衆議院沖縄北方特別委員会で、来年の通常国会にも新ガイドラインに伴う有事立法を提出する意向を明らかにしたということであります。こういう民間とのかかわりでもいろんなことが出てくるのかなというふうに思うんですが、そういうことも盛り込んだものとして、通常国会もにらみながらそういう法制の整備を考えているのか。さまざまな省庁にかかわるということで先ほど質疑もありましたが、主務官庁の外務省防衛庁が特に努力をするところが大きいというふうに三井室長も言っていた点もありますので、その点でどうお考えか。  それから、きのうのNHK討論会で自民党の山崎政調会長が、三つなんだということで具体的な案を出されて、自衛隊法の改正、有事のACSAの問題、それから包括的なガイドライン関係法という三本立てでいこうと思っていると言われましたが、そういうことまで考えていらっしゃるのか、その点についての見解を伺いたいと思います。
  132. 久間章生

    国務大臣久間章生君) 議事録をよく読んでいただければわかるわけですけれども、これから法的な課題、そういうのを洗いざらい整理していって、そういう中でどういうような立法措置が必要であるかどうか検討しなければならないと。そのときに質問者の方から、秋の臨時国会に出すのかというようなことを言われましたので、それまでに詰めることは難しいんじゃないか、どんなに早くても臨時国会には間に合わない、次の通常国会以降になるんじゃないかというようなことを申し上げたわけでございまして、次にきちっとこういう形でこういうふうな法律を計画しておって出しますというふうな、今言われたようなそういう三本柱でやるということまでまだ決めているわけでもございません。  今こういう中間的な取りまとめの案を出して議論をしていただいて、これでどういう法的課題が出てくるのか、そういうことについてとにかく検討していただきたいということでお願いしているわけでございますから、そういう流れの中で見ていきたいと思っているわけでございます。
  133. 笠井亮

    ○笠井亮君 では、来年の通常国会ということではない、必ずしもそうではない、それ以降になる、そして三つでもないと、そういうことも含めて今検討しているということで言われたというふうに、私も議事録をもう一回精査してみますが、そういうことで言われたということだと思うんですけれども、いずれにしてもそういうことであればなおのこと、先ほども言いましたが、これはまだ検討中でございますということであいまいな形になることがいっぱいあると思うんですよ。これだけで本当に国会として判断できるのかということがありますから、その点はやっぱりきちっとしてもらわなきゃ困るというふうに思います。  日本周辺地域において発生し得る事態日本の平和と安全に重要な影響を与える場合の協力というのは、日本有事でない場合の周辺事態日米協力ということだと思うんです。これを規定する条文は安保条約のどこにもない。  池田外務大臣は十二日の参議院外務委員会で、日米安保体制の有効性を確保するためにいろいろな協力があっていいというふうに答弁をされましたが、現行安保条約の枠内にさえ入らないことをやろうとするということだと思うんです。だからこそ、今度の文書の中で基本前提ということで、基本的枠組みを変えないというのは、安保条約及びその関連取り決めだけではなくて並びに日米同盟関係基本的枠組みと、ここまで書いてあるということだというふうに思うんです。そういう点では重大な日米安保条約の改変ではないかと思うんです。  しかも、先ほど伺いましたが、集団的自衛権行使に踏み込むような、憲法の平和原則に対する重大な挑戦の中身を含んでいるということで、このような見直し作業の中止を私はこの審議も通じまして改めて厳しく求めて、質問を終わりたいと思います。
  134. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 質問の冒頭に、先ほど鈴木委員機雷除去のことで、米軍の文書とこちら我々にいただいているのと違っておるということを言われて、北米局長は小さな声で下向いたまま答弁していましたが、これは重大なことなんですよ。アメリカで持っている資料と日本の資料が違うなんということは一体どういうことですか、これ。外務大臣、知っていましたか。
  135. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 今御論議をちょうだいしておりますのは中間取りまとめでございまして、内容におきましても、形式あるいは表現ぶりにおきましてもこれからもさらに検討を進めまして、またこういった御論議もいろいろお伺いした中でさらに精査をし、あるいは推敲し適切なものに持っていきたいと、こう考えております。  そういった中で、先ほど鈴木委員から御指摘のありました点、英文と日本語に翻訳しましたものとで、率直に申しましてその部分をとる限りちょっと当事者以外には誤解を招くおそれがあったという点は私もそうだと思いましたから、先ほど、さらにこれからの検討で正確を期してまいりたい、誤解を招かないようにしたいと、こういうふうに申し上げた次第でございます。
  136. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 だめだよ、言ったことに答えなきゃ、そんな長々やったって。知っていたか知っていないかと聞いているんだ。答弁になっていない。知っていたか知っていないかと聞いたのに答えていない。
  137. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) そこの英文と日文との表現のしぶりの関係で誤解を招くおそれがあるという認識は私はしておりませんでした。だから、そういった意味では、先ほどの鈴木委員の御指摘は私は率直に受けさせていただき、そして適切に対応してまいりたいと、こう思っております。
  138. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 鈴木委員は前職のころはお仲間でもあったから割かしおとなしく言っていたけれども、今のものは中間取りまとめだから今後検討するとかいろいろ言うけれども、今僕が指摘した事実は、これは中間取りまとめだとかなんとかという話じゃないんだよ。完全な間違い。北米局長、どうですか、改めて。
  139. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 訳が十分でなかったというふうに私も認識しております。
  140. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 そこで、文章を読ませていただいて、法律の文章はなかなか理解しがたい持って回ったような文章だけれども、これは法律じゃないんだから、中学生の英文和訳だってもうちょっと気のきいた訳になるような気がするんです。私は英語は余りよくわからぬけれども、もう少しわかりやすい訳にならぬのかね。私はこれを読みながらそういうふうに思ったんです。  たくさん感じるところはあったんだけれども意味が通じないわけじゃないけれども、これは国民全体が承知する内容ですからね。例えば特に二ページ目の下から五、六行目、「この中間とりまとめに示された考え方及び具体的な項目の取扱いについては、日米両国内における更なる検討に委ねられる。この検討には、これらの考え方及び具体的な項目に関する法的及び政策的な側面の検討が含まれる。」と。これに限らず、とにかく文章はもうちょっとわかりやすくした方がいい。こう言うと、また一連の、中間取りまとめだからとりあえず出したと、こう言うかもしらぬが、この点はさっきのことと含めて少し検討してほしいと思います。  そこで質問をいたしますが、先ほど来もずっと質問が出ていましたけれども中間取りまとめの後、中国を初め各国へ説明に行かれたと。もう一つの議論として国会承認事項にするかどうかという議論もありますけれども、これはまた後ほどいたしますが、そういう議論を刺激するという側面もありまして、国会へ報告をする前に周辺諸国へ説明に行ったと、こういうことですね。  まず国会へ説明をする前に周辺諸国へ説明に行ったということの意味、どういう考え方でそういうことをされたのか、それからさらにはその結果、相手国からどんな反応、意見があったのか、それからどの範囲の国々へ行かれたのか、そしてそれぞれの国で、レベルがあるのかどうか知りませんけれども、どんなレベルで、例えば中国とはどの程度のレベル、韓国とはどの程度のレベル、そういうようなことをちょっと明らかにしてくれませんか。
  141. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 私ども、今回の中間取りまとめは土曜日にハワイでまとめたわけでございますが、まとめて直ちに内外で同時に発表させていただきました。そして、それを踏まえて各方面へ御説明ということでございますが、私ども必ずしも国会での御論議の前に関係国にという意識じゃございませんで、発表しまして、極力早く内外にいろいろ御理解を得るための努力をしようということで各国にも説明に行ったわけでございます。したがって、決して国会を後にという意識は全くございませんでした。いわば、むしろ同時になるべく早くという気持ちであったわけでございます。  それから、具体的にどういう国々にということでございますけれども韓国に対しましては、ちょうどその時点で局長レベルでの韓国とのいろいろな打ち合わせということが予定されておりました、本件以外の問題についても。したがいまして、その機会をとらえまして局長レベルで先方に説明したということでございます。  それから、中国に対しましては、防衛庁並びに外務省の審議官、これは局長に準ずるランクでございますが、そしてまた現実にこれまでのガイドラインの作業に参画してきた者を派遣いたしまして説明した次第でございます。  そのほかアジアの諸国、また他の関係国にも説明をしておりますけれども、今までの段階では特に東京から派遣という形ではなくて、外交ルートを通じまして、つまりそれぞれ任国の大使館において、あるいは在京の大使館に対してというふうなことで説明をしております。  なお、これは日本側の説明ぶりでございますが、米国はまた別途主として外交ルート等を通じて理解を得るための説明もしていると承知しております。  それから、反応という点でございますけれども韓国におきましては、基本的にこれがこの地域の平和と安定に役立つ日米協力関係をさらに強めるものだという観点から歓迎する、評価するというような反応がございました。  それから、中国でございますが、中国もこういった作業の中間段階で、しかもいち早く説明に来たという点については評価したところでございます。ただし、その内容につきましては、委員も御高承のとおり、従来から日米関係のあり方につきまして、中国はこれまで、日米の二国間の仕組みである、それを超えるようなものになってはならないというふうな中国考え方を何度か表明してきておりましたけれども、そういった中国側の従来の立場に立ったコメントはあったようでございます。それに対しまして、我が方としては、昨年の日米安保共同宣言においても明らかにされた立場を説明したところでございます。しかし、今の段階でそれでは十分に納得が得られたかと申しますと、私はまだそこまでは行っていない、まだこれからも努力しなくちゃいけないと、こう思っております。  その他の諸国からも、今のところ基本的にこれは問題であるというような指摘は政府ベースでは来ていないと承知しております。
  142. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 基本的にはただいま大臣の言われたとおりですが、ちょっと補足させていただきますと、ASEAN地域には人を派遣した方がいいだろうということで、実はきょうベトナムに向けて一人派遣をいたしましたし、審議官ないしは課長レベルで現地で当局者に説明することを考えております。
  143. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 局長、簡潔でいいから、今まで人を派遣した国、これから派遣する国、国名だけちょっと言ってくれませんか。
  144. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 今まで人を派遣した国は中国韓国、それからきょうベトナムに派遣いたしました。その者がタイに参ります。他のASEAN諸国についてはこれから派遣することを考えております。
  145. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) 防衛庁は何も言わなかったなと後で言われてもあれなんで申し上げますと、実はこの土曜、日曜、私は韓国に行って私のカウンターパートとガイドラインを含め議論をしてまいりました。それから、今週後半に中国に参りまして、これは従来から予定しております防衛交流の一環でございますけれども、このガイドラインについても当然議論になるだろうと、そういう出張を予定しております。
  146. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 秋山さん、わざわざ答えてくれたからお聞きしますが、外務大臣答弁答弁として、直接お話をされて、韓国側からこの辺はどうだという細かい質疑というのはあったんですか。
  147. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) 私が土曜日に会議をした相手は国防省の政策担当次官補、防衛庁でいえば防衛局長に相当する人であります。この日米防衛協力ガイドライン見直しにつきまして韓国基本的に評価しているという状況でございますが、韓国の中にもいろいろ意見があるというのは現実でございまして、そういう意見に対する防衛庁なり日本政府考え方、特に憲法との関係あるいは海外派兵、武力行使等についてのいろいろな質疑をやってきたということでございます。
  148. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 重ねて聞きますが、韓国で臨検、それから機雷除去、そういう個別具体的なことは議題になりましたか。それについて中身をちょっと、もしあれば。
  149. 秋山昌廣

    政府委員秋山昌廣君) 当然のことながら今検討しているガイドラインの中で、我が国武力攻撃された場合の対処行動等よりも周辺事態関心があることは間違いありませんし、特にその周辺事態の中で別表に掲げてあることすべてに関心があるわけでございますので、すべてについて意見交換をしたということでございます。
  150. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 中間報告ですからこれ以上お聞きしても仕方がない。  防衛庁長官、私は六〇年安保の世代なんですよ。ちょうど学生時代に包帯に血をにじませた人たちが学園に戻ってきた時代です。あのとき岸内閣が吹っ飛んだ。あの当時からすれば、今の論議なんというものはもうとても想像もつかない論議をしているわけです、ここで。私も四十年まではたたぬが、三十数年たっています。  その後の流れの中で坂田防衛庁長官が書いたのがここにあります。防衛白書の巻頭に「有事の際の防衛協力についてはこれまで日米間で何ら話し合われたこともなく、またその作戦協力について協議すべき機関もなかった」と、こういうふうにみずから書いて、これから踏み込みますよと、こういうことですね。  それが一つの大きなきっかけになって、また世界的にはデタントの時代にベトナムからアメリカが引き下がって、場合によれば韓国からもあるいは日本からも米軍が引き揚げていくのではないかというような論調があったことは御記憶にあると思いますが、そういう歴史の中から今度は日本が少し踏み込み出していった、それが現ガイドラインの基礎にあるのではないかなと、こういうふうに思うんです。  それからどんどん論議が膨らんできて、今日また新しいガイドラインをつくっているわけですけれども、一方で憲法は変わっていないし、憲法の精神は変えない、こういうふうに前提を踏まえて今論議していますね。こういう中でこれだけ大きく国内的な議論が変わってきて、しかもその議論を容認する方向に来ておるんですけれども、ここから先、法整備になってくるとまた一つの議論になるというふうに思いますが、防衛庁長官としては、そんなに私と年齢も違わないが、この流れは日本の国としては自分の国を守るという意識が高まったということなのか、少し憲法精神に幅を持たせる余裕ができたのか、あるいは堕落したのか、感想を聞くんで悪いが、そういう点をちょっと聞かせてください。
  151. 久間章生

    国務大臣久間章生君) ただいま議員御指摘のとおり、私もその当時の同じ世代でございますから、あの当時と比べますと確かに変わったなと思います。憲法そのものは変わっていませんし、また逆に言えば憲法そのものは大事にしなきゃならないという気持ちはむしろ強くなっているのかもしれません。  そういう中でなぜ変わったのかなと私も時々考えるんですけれども、やはり冷戦構造が終わってこれでいわゆる東西対立がなくなってほっとしたというふうに思っておったら、ところがあちらこちらで内戦その他が結構あって、とにかく国が分裂してみたりあるいは難民が流出してみたり、そういう映像がどんどん飛んでくる。そして、自分たちのこのアジア太平洋地域を見たときに、戦争がない、不安定さがなくなってしまったのかということを見てみると、どうもそうでない。  ここのところを振り返ってみると、日米安保体制があったから今まではよかったけれども、これから先も日米安保条約に基づくこういう体制は必要なんじゃないかなという、日米安保体制に対する国民の支持が定着してきたんじゃないかというような気がいたします。そして、日米防衛協力の進展とかそういうことについてもっと真剣に考えなきゃならないんじゃないかなと、そういうふうに国民の目が向いてきているから、こういうガイドライン見直しをやるといっても、拒否反応じゃなくてむしろそれはそうだというような空気が広がってきているんじゃないかと思うわけであります。  だから、国民が素直に自分たちの平和と安全の問題についてもより身近な問題として考えてきている、それが現在の状況じゃないかなというふうに私は見ております。
  152. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 これから取りまとめを秋に向けてやるわけですけれども、我々は幸か不幸か大戦の経験を子供のころに持っています。そういう人たちがだんだん現職を離れていくわけですけれども、戦争がいかに悲惨なものであって何も生み出さないかということを骨身にしみて日本国民は知っておるはずなんですよ。しかも、自分たちが不幸になるだけじゃなくて周辺もみんな不幸に巻き込んできた、そういう考え方をしっかり根づかせてやっていかなきゃならない。基本的には日米安保条約というのは戦争が起こらないためにあるわけですから。  そういう意味では、臨検だとか機雷の除去だとか、そういう個別に論議を積み上げていくのも大切ではありますけれども基本的な精神というものを見失っちゃいけないというふうに思うんです。そういう意味で冒頭に鈴木さんが指摘されたことをおかりしたわけだけれども、私は慎重でなければいかぬと思います。  アメリカの国というのはもう少し我々とは精神構造が違うような気がするんです。そしてまた、この問題は結局アジアについてアメリカがどういうふうにこれからやっていくかということとかかわるわけですが、アメリカの視点が中国に向いていることはもう間違いないわけです。ただ、たまたま北朝鮮という存在があってしかも非常に揺れ動いているということで、今この時期にガイドライン見直しをすることは、日本の国に対しても、アメリカから見れば北朝鮮というのは非常に都合のいいカードになっているんですよ。これは間違いのないことなんです。ここでアメリカは一気にやりたいとこう思っている。それに乗って日本が余り踏み込むことをしてしまったら、あれだけの犠牲を払った同胞の方々に対しても我々は任務を果たしていないというふうに言われてもやむを得ないんじゃないか、そういうふうに思うんです。  そこで、国会承認の問題ですけれども、各党派それぞれ意見が分かれておるようでありますけれども、私の個人的な意見、党派ではなくて個人的な意見とすれば、これは国会承認ということではないというふうに思っております。思っておりまするけれども、これだけのものを取り決めて法整備をしていくということになると、先ほどのお話にありましたように、外国にも中間でもうどんどん説明に行っているわけです。  これは橋本内閣のときにやっておるわけで、一つのオーソライズするのは閣議決定だと思うんですけれども、もし橋本内閣の後でいろんな状況が変わってこれが変更される、あるいは日本がそれを履行しないというようなことで日米間でもめたら、今度はそれを期待していた周辺諸国は、一体この担保はだれがつけてくれるんだ、日本の最高決定機関である国会が承認していないんだからというふうに日本が開き直ったらどうするんだと。さまざまな問題があるというふうに思うんです。その点についてはどういうふうにお考えですか。
  153. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) まず、国会承認を求めるかどうかという点につきましては、私どもは、このガイドラインの性格からいたしまして、このことによって両国政府に具体的な法的な義務づけをするものでもないということ、そして日米協力の方向性なり大枠を決めるという性格からして国会の御承認を得るにはなじまないものであろうと、こう考えております。そして、このガイドライン策定後に具体的ないろいろな措置をとることが我が国自身の判断として決まりました場合に、その立法措置あるいは予算上の措置等々ということになればそれについて国会の御承認を得るものだと、こういうふうに考える次第でございます。  そして、いま一つ、委員が後半の方で御指摘になりました政権がかわった場合にどうとかという点でございます。おっしゃるとおり、論理的にはそういうことが考えられないわけではないわけでございますが、私どもといたしましては、今回いろいろ協議しております日米協力のあり方というもの、さらにその根底にある昨年の日米安保共同宣言で明らかにされましたようなこれからの安全保障面での日米協力のあり方というものにつきましては、国民の多くの方々の御理解が得られるものだと思っております。  それからさらに、このガイドラインにつきましても、国民の多くの方々の御理解がより多く得られるようにこれからも努力をしてまいりたいと思っております。そういった意味もあって今回中間取りまとめ段階で発表し、透明性を確保しながらいろいろ御議論をちょうだいしているわけでございます。そういった作業を通じまして、将来的にも、仮に政権の変化があったとしても維持されるような内容のものになるように我々として全力を傾注してまいりたい、こう考える次第でございます。
  154. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 もう時間がありませんから具体的なところへ少し入りますけれども、「「指針見直しの経緯と現況」の中の四番目、ここで「「指針見直し及び新たな指針の下での作業は、いずれの政府にも、立法上、予算上又は行政上の措置をとることを義務づけるものではない。」と、こうなっていて、現行ではここでとまっているわけですね。そこへ今度は「しかしながら、」というのが入ったわけです。「しかしながら、日米協力のための効果的な」と入ってきて、「日米両国政府が、各々の判断に従い、このような努力の結果を各々の具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される。日本のすべての行為は、その時々において適用のある国内法令に従う。」と、こうなっていますが、現行はこの「しかしながら、」がないんですよ。  ここで新しく「しかしながら、」から入ったわけですけれども、現行のガイドラインはこういうことを反映することが期待されなかったのか。それから、そもそもだれがだれに何を期待しておるのか、この辺のところが不明確なんですね。局長、どうです、ここのところは。
  155. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) 現行の指針の中にはおっしゃるとおり「しかしながら、」という部分はございませんで、ただおのおのの判断にゆだねられるというところが書いてございますが、では今の指針では何もしなくてよかったのかということになりますと、こういう指針をまとめた以上、そこに書かれていることが適切であるということで書かれているわけですから、やはりそれなりに期待されていたことには違いがないというふうに思います。  今回、「このような努力の結果を各々の具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される。」と明記したわけでございますけれども、単に指針を見直すだけではなくて効果的な態勢をつくるという目的で見直しをしているものですから、言ってみれば両国政府の決意というふうなものがここに示されているというふうに御理解をいただいたらいいんじゃないかと思います。
  156. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 主にこれは米側からこういう追加要求があったんですか、日本側からこれを言ったんですか。
  157. 折田正樹

    政府委員折田正樹君) ここについては、言ってみれば日米の共同作業で、どちらということでは必ずしもございませんけれども、特に日本の中のいろいろな御議論の中で何かしらのこういう文章がないとそのままの単なる文書にすぎないのではないかという御議論もかなりあったということを踏まえて、日米間の当局者で相談しながらつくった文章でございます。
  158. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 多分そうだと思うんですよ。これは何を期待しているかというと、国内法を整備しろということを書いてあるんです。だから、あなたも今決意の表明だと言った。これを言うと、さっきの話に戻るんですね。  国内法をそれぞれ整備するについては、与党の政策担当者が、一括した方がいいとか、その一括してくくるのは何がいいかというと、法案を通すのに簡単で、ばらばらにやるよりは一つでやった方が楽だからまとめて一本と、こういうようなことを言っていますけれども、この見直しはまさに国内法の整備を促進するために日米で合意した、こういうことですよ。  私はそのことを全部否定しているわけではないんだ、しなきゃならぬところはたくさんあるけれども。その先に有事立法が見え隠れしているんですよ。局長にそこまで言うとそれは答えにくいだろうけれども防衛庁長官、どうですか。今、私が感じたこと、それから先ほど少し歴史を振り返って私の心情も申し上げたけれども、有事立法まで水平線上に見え隠れする現状の中でこの見直しは踏み込み過ぎてやしないかな、こういうふうに思いますが。
  159. 久間章生

    国務大臣久間章生君) いや、踏み込み過ぎているわけじゃなくて、やはりこういうふうに双方の意思が一致しまして、これから先、実のあるものにしていかなきゃならない、実効性のあるものにしていかなければならないということに期待が込められておるわけでございますから、そういう努力はしていかなければならないんじゃないかと思っております。  ただ、有事法制と言われましたけれども、何をもって有事法制と言われるのか。例えば、今までの自衛隊等の防衛出動下令下における法整備が十分整備されていない点がある、そういうことについて整備するというのを指して有事法制と言われるならば、そういうことについては私ども防衛庁としてもかねがね研究もしてまいりましたし、できることならばやはりきちっとした法整備があった方が望ましいというふうに思っておったわけでございます。  しかしながら、そういう問題については、幸いに防衛出動が下令されるようなことも今日までなかったというふうなこともあったのかもしれませんし、やはり国会の御論議等、それと同時に高度の政治的な判断を要するということで今日まで来ておるわけでございます。  これから先、そういうことも踏まえて、先ほど言いましたように、私どもとしてはできるだけ法律は整備されている方が望ましいというふうに思っておりますので、今まで整理しました第一分類、第二分類、さらには今安保室が中心になって第三分類についても検討してもらっているわけでございますから、そういうことも含めて検討がなされるべきものじゃないかと思います。  ただ、これを一度にやるかどうかという問題については、これから先の御論議を経ながらどういう形で進められるのがいいか、やはりより政治的な判断をなすべきものと考える次第でございます。
  160. 北澤俊美

    ○北澤俊美君 時間がなくなりましたから、個別のことを少しお聞きしようと思いましたけれども、やめます。  最後に、皆さんの御見識の中に十分にあると思いますけれども我が国はもう経済的にも社会制度上も先端を行っていて、この地球上で全くの実験国家になっているんです。その中で国防ということに関して言えば、これまた戦後の長い歴史の中で実験国家としてやってきているんです。軍隊を持たないと言いながら軍隊を持ったけれども、しかし一度も戦争をしないで五十年繁栄を築いてきた。これから先さらに最大限に戦をしないようにして、しかも我が国は侵略されないように備えを持つという二律背反のような論理を持ってこの国は進んでいくわけです。こんな国は世界じゅうにないんだから。  そういう意味で、新しいガイドラインは世界的にも注目を集めるだろうというふうに思います。そういう意味では、これから先の秋に向けての取りまとめについては、我が国の将来のためにしっかりやっていただきたいということを注文申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  161. 鎌田要人

    委員長鎌田要人君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時二十六分散会