○依田智治君 まさにただいま
池田大臣が言われましたような線で我々も強力に反論して、結局平行線のまま帰ってきたわけであります。しかし、印象としては、中国という国には遠慮せずに
本当のことを言い合って、実際に
理解させる、
理解してもらうと。こっちも中国という巨大な国が何を
考えているかということをそういう対話を通じて
理解していくことが重要だなという印象を持ちました。
今のヨーロッパと違って
安全保障の
枠組みがないんだ、これも大きく主張したんですが、今回我々が行って、やはり大きく我々と違っていたのは、中国は自分のことは全然
考えに入れていないわけです。こっちは
アジア不安定、不確実という様相の中で中国はどうなるのかということが非常に大きな要素でございまして、実は率直にそういう話もしました。
それで、実は中国
経済というものを
考えた場合に、一国でありながら
社会主義・市場
経済という壮大なる実験をやっております。
ゴルバチョフのソ連は
政治と
経済と一挙に大
改革をして大混乱が起こった。三年前、私は民間におりまして、モスクワを訪問したとき、前年には物価が二十六倍上がった。恩給生活者はみんなこじきになっているような状態で、そういう激変を経ながら、今日、苦労しながらよくやっているなという感じでありますが、まだ資本主義の機構とかそういうものも未成熟ですし、これからこの巨大な
国家がどういう形になっていくかということが私は非常に関心も深いし、心配しておるわけですが、いずれにしろ一回崩れたものが何とか安定しながら、サミットにも入ってくるというような
状況です。
ところが、中国というのは共産主義
体制を
維持しながら市場
経済をやっているわけです。主要企業を国営化しながら自由主義
経済というのは、
本当は成り立たないというくらいなものだろうと思います。
本当にこれがうまくいくようなら大変なことだと思っておるんですが、どうもやってみますと、国営企業は軒並み赤字になっていて、物価の値上げを抑えるために相当な補助金も出したりいろいろしながら、相当無理してWTO加盟の条件とかその他いろいろ
考えておるという
状況の中で、私はこの中国の行方というのは大変な問題であると思います。それだけに、
日米安保体制に対する
理解がないとか、いろいろそういう問題については
本当に真剣に、先ほど
板垣先生が言った大破局に至らないようなサポートやまたいろんな形の意思疎通、交流を図りながらやっていくということが大変重要だなという感じがしました。
これは意見を申し上げて、
見解が一致していると思いますので、もう時間もなくなってきましたが、あと
ガイドラインの本論に入ります。
検討項目が四十項目挙げられています。これは修正も追加もあり得ると。当然だと思うんです。私も読んでみて、これはプラスアルファ、これはちょっとないなというので、気がついたのがいっぱいあります。恐らくこれをもとに
検討し、そして秋までに結論を出そうと、こういうことだと思いますので、これはこれとして了解しておるわけですが、この
ガイドラインを
考える場合に、私はきのうも与党連絡調整会議でちょっと申し上げたんですが、この表題も「
日米防衛協力のための
指針」ということなんで、どうしても
日米の、
アメリカに
協力するためにどうあるべきかというような感じのとらえ方が非常に強い。そのために、
日本が巻き込まれるとか、いろいろそういう発想から非常に後ろ向きな
議論が行われている。
だけれ
ども、さっき本会議のときに不謹慎ですが斜め読みしていたんですが、ここを読んでみた場合に、
我が国としてやはり
情勢の中で独自にやらにゃならぬ問題というのは結構取り上げられているんですね。私はそうだと思うんです。
もし
安保体制がないとしても、
独立国家として
日本が存在しておる。そこに
自衛隊がおる。対岸で何か事態が起こったとき、何もしないことはないと思うんですね。これはどうなっているんだろうか、
我が国に対してどういう影響があるか、まず情報収集強化のための行動に出る。それから、領空侵犯なり機雷の漂着なり領海の侵犯なり、いろいろあるかもしれぬとなってきたら、
防衛庁長官、総理大臣としては全軍に警戒態勢発令ぐらいをやるんじゃないかと思うんですね。警戒なんて当たり前のことだと思うんです。
それで、機雷処理という問題が出てくる。機雷なんというと、もう機雷だけでも嫌いですという人もおるわけでして、これは実際上やっぱり注意していて、何もしなかったら、漁船が当分の間、戦争終結まで
日本漁船は
日本海域では出ないことになったら、これは生活にかかわる大変な問題であります。そうすると、
国民の安全を守るためにある海域についてはやはり出張って、海上
自衛隊なり海上保安庁というものがそういう安全性を確保することが大変重要じゃないかということも
考えます。
その他、もしぷかぷか浮いてきたという場合に、実際に何かあったときに浮いてくれば、法制局が言うように遺棄した機雷だから九十九条なんて
本当に言っておられるんだろうか。これは場合によったらもう
日本に対する消極的攻撃があったとみなした
防衛庁長官のまさに
防衛出動による機雷処理、
武力行使に当たるかもしらぬ。だから、ただ危険物としての機雷の処理か、
防衛事態における
武力行使としての機雷処理かというのは非常に難しい。私は現実には難しいことが起こり得るんじゃないかと思います。
その他にもこの項目を挙げて一々
本当は聞きたいところがいろいろあるんですが、そのあたりを
考えると、やはり
我が国の安全のためにやるべきこと、
憲法上当然やるべきことがいっぱいあると思うんですね。それはまさにオーケー、オーケーと丸がつくと思うんですよ。さらに、
憲法上
我が国はできないけれ
ども、
我が国の
安全保障という面に立った場合に、
米軍なり
国連軍がやってくれる、それをどこまでサポートするかという問題があると思うんですね。ここで
日米安保体制における施設の提供とか給油とか物資の輸送とかいろいろあるんじゃないか、こういう感じがするんです。
そういう点で、分けて
考えた場合に、じゃ
米軍しかできない、
日本はやっちゃいかぬのだけれ
ども、
米軍にやってもらう
部分についてどこまで手伝うか。それが
武力行使と
一体だったら何にもできないですね。基地を貸すことすら本来は一番できないことになるので、そこの
部分は
独立国家として、現行の
憲法の枠内で結構ですから、しっかりと
解釈をする。本来、
独立国家として国の安全、
国民の安全のためにはこれだけの
行為をするのは当然であり、これは
憲法上当然な
自衛権の範囲であるというような腹構えでこれに取り組んでもらう必要があるんじゃないか、こういう
考えを持っておるわけでございます。
そういう点で、これらの点についての
防衛庁長官の
見解をお伺いできればありがたいと思います。