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国務大臣(
久間章生君) 私はかねてから、
沖縄に
基地が集中していることによって
沖縄の
方々が大変御迷惑をこうむっておられる、また経済発展にもいろいろと支障を来しておる、この問題についてはどういう形で
解決していけばいいのか、これは私
どもの大きな
課題であると思っておりました。
そして、
防衛庁長官に就任しましてからも、
SACOの
最終報告、これが百点満点じゃないにしても、ともかくそういう
基地の整理、統合、縮小への
一つのステップになると思いまして、あのような形で
最終報告をまとめさせていただきましてからは、これを確実に実行に移していくのが私に与えられた使命であるというふうに思っておりました。それをやったからといって二一%しか狭くならない、まだまだ問題は残っているけれ
ども、少なくともそれを実施することによって
沖縄の
方々に前進したなということが見ていただけるんじゃないか、そういうふうにも思ったわけでございます。
それとまた、一〇四号線あるいはまた
KC130とかを
本土に
移転することについても、それを確実にやることによって
政府は言ったことはきちっとやっているなというふうに思っていただけるんじゃないかと思っておりました。
ただ、そういうさなかにおきまして、現在、
施設・区域を提供しておるその
権原の一部が、もう既に昨年の四月一日からなくなってしまっている土地もございますし、あるいはまたことしの五月十四日で切れてしまうという
事態を迎えることになりました。これについては、知花さんのあの分については時間的に無
権原状態が続いているのはやむを得ないにしても、あとの方については少なくとも五月十五日以降無
権原状態を迎えることのないようにということで収用
委員会の裁決を見守っておったわけでございます。しかし、残念ながらどうしても間に合わないという
事態になりまして、ああいう形で
法律を出させていただいて、衆議院、参議院で可決していただき、
法律が成立したわけでございます。
したがいまして、この問題については、いわゆる
権原の問題については無
権原になるということは一応避けることができたわけでございますけれ
ども、この
法律ができたから、この問題が片づいたからといいまして、先ほど冒頭に述べましたような
沖縄の諸問題については全く別でございます。
むしろこの
法律ができて、
沖縄の
方々に、国は国の責任において無
権原状態をクリアするために
法律をつくらせてもらいましたよということをするのであれば、なおさらのことそれ以前の問題については
全力を挙げなきゃならないなというふうに自分自身思いまして、
県道一〇四号線越えの
射撃を何としても
平成九年度では
沖縄で行わない、そういうつもりで
本土の各自治体にも強くお願いをして回ったわけでございます。
そういうことでございますから、
沖縄の問題についてはこれまで以上にこれから先も一生懸命取り組んでいかなきゃならない、そういうふうに思っておるところでございます。
幸いに、名護市におかれましても、調査についてはとにかくいいだろうというような発言をしていただきましたし、県の方におかれましても、名護市が、
地元が、あるいはまた漁協がそういう判断をするならそれはそれでいいというような御認識で、今調査の手はずに入っておるわけでございますので、これもやはりこれから先いろいろと御
理解を得ながら前進をさせていきたいと思っております。
なお、
沖縄県との国と信頼
関係でございますけれ
ども、この
法律を出させていただくときに大田知事と橋本総理とはこの問題についても話をされて、
法律を出しますということを言って、
沖縄県知事さんは反対であると言われましたけれ
ども、その後の記者会見その他を見ておりましても知事と総理との信頼
関係は失われていないというふうなことを知事さん自身もおっしゃっておられます。
だから、公式見解はいろいろ、公式な立場での発言はございますけれ
ども、正式に記者会見等を見ましたときに、総理と知事との信頼
関係は失われていないということをおっしゃっていただいておるのは私は大変意味深長であると同時にありがたいことであるというふうに思っておりますので、
沖縄県との信頼
関係をこれから先も国として大事にしながら諸問題の
解決に向かっていこうというふうに思っておるところでございます。