○田村公平君 九州の政治団体を名乗る北方領土返還とかいう団体が、高知県の土木部や出先の土木事務所あるいは営林局等に、一巻き大体千円のトラロープというのがあるんですけれども、
警察もよく使うあの黄色と黒のだんだらの、これを五万円で、県は官官接待はだめですし、裏金があったらおかしいことになりますから、お金がないものですから業者に割り振りました。業者は県とか営林局から
仕事をもらわぬといかぬものですから、街宣車に乗りつけられてもうるさいしということで五万円振り込んだ。これは振り込みなんです。二年前にある私の友人が、現物が来ないので何で現物が来ないんだと電話したら、そのうち送りますと言ってそのままになっておる。詐欺になるのか、
政治活動なのか。
そういうふうに後ろは政治団体に名をかりた、政治結社に名をかりた
暴力団と思うのが極めてリーズナブル、常識的なことではないかと思うんです。これは高知県を対象にしただけじゃなく、恐らく
全国の土木請負業をやっている者は、言うか言わぬかは別問題として皆そういう負担を強いられておると思います。
これは僕に言わせると、
警察は当然
承知しておると思うんです。というのは、人口八十一万五千人程度の高知県で、よそから入ってくる人間はほとんどいなくて、代々土佐の高知に生まれ育った者は、だれが俗に言うやくざ、
暴力団で、だれが準
構成員で、どういう人脈になっているかというのは
承知しておる。
警察官も県警本部長及び一部の方を除いて地元の人間です。したがって、情報は
かなり持っておると理解するのが非常にわかりやすいと思うんです。
ここで、最近起きた事例で非常におもしろいことがありました。ある町に船券売り場を、船券売り場は場外ですから株式会社です、どうしてもそこに船券売り場をつくりたいと。それで、船券売り場をつくる許可を与えるある役員の方に県立高校の女子高校生を、そのつくりたい建設会社が別会社をつくるんですけれども、その主体になる年間四百五十億円ぐらいの中堅の建設会社の役員が、友人である
暴力団幹部に頼んで高校生を抱かせたわけです。ばれたら両方とも捕まる話ですから、ある
意味でわいろより、つまり現金よりも、どっちがしゃべっても捕まる話ですから、確実に
仕事にするためにそういうことをやりました。
それで、結果として全然別のルートで高校生売春がばれまして、その会社は指名停止じゃなくして県から指名回避となりました。それは民間の
仕事だからという判断なのかな、そこらは僕は専門家じゃないのでわかりません。
その建設会社は本社は高知ですけれども、
日本全国で
仕事をしていますから子会社がいっぱいあるわけですね。だから、指名回避といっても、結局同じ
仕事はそこの子会社、グループの会社がとってしまいます。余りとり過ぎたものだから、十億円ぐらい完工高があったのに二十五億円ぐらいの子会社というか系列会社になって、俗に言う特Aにまでランクが上がるんです。そういうことが非常におもしろいことがいっぱい絡んでいるんです。おもしろいというのは、法的に言うと
暴力団が絡み、淫行罪というのも絡んでおる。
その会社の代表権を持つに近い役員は韓国へ逃げたり、
アメリカへ逃げたりして逃げまくって、今また帰ってきて、俗に言う業務の
仕事をやっておるんですけれども、その人は
暴力団でもないんです。
暴力団じゃないけれども幹部を知っている。これは狭い高知県ですから皆知っている。そうすると、いわゆる談合ではないんですけれども、この
仕事を僕がとりたいなと思うと、おまえ、月夜の晩ばっかりじゃないよ、そんなに頑張ってええのとかいって、さりげなくこうやると、その企業は、いや、それならちょっと辞退しますというようなこと、それは県警は全部知っておるはずなんですよ。
だから、行ってもだめ、
相談に行ってもだめだと。なぜかというと、OBさんがそこの会社へまた天下ったりしているんです、
警察やめて。そういうところも
信頼関係でいうとちょっと不安なところが僕はあるんです。これは非常にいろんな
法律が絡む、つまり一罰百戒にもならなくて、その方は今胸を張ってその会社の役員を続けておられますけれども、そういうことが堂々とまかり通ると、弱い方は指をくわえて見ておって、長いものに巻かれろと、これが実際の
地方の現実なんです。
ですから、いつも私は言うんですけれども、霞が関とかそういうところの発想でいろんな審議会を通じて
法律をつくっていく、それは内閣法制局やいろんな法をつくるときの整合性はよくわかるんですけれども、なかなかこの十二条の一項から五項を読んでも
一般にはわかりづらい。ましてや、第一線の
警察学校を出た
警察官が、
警察官職務執行法等々を果たして完璧に理解しておるか。立法の
趣旨はいいんですが、現実問題温度差が物すごくあるんです。
というのは、私の田舎の事務所が二台車を置けるように借りておるんですけれども、二台あって、ここに僕の車があって、朝、出ないといかぬのに、逃げ道ないんです、勝手にここへとめてあるので一一〇番しました。一一〇番すると、それは所轄に電話しろと言うので、所轄の電話番号を教えてくれた。それで、所轄に電話したら、民事不
介入だから何ともできぬ、これが現実です。だから、僕は車を置いて、友達の車を借りて回ったんです。
これが東京都高輪
警察でありますと、同じような事例が議員になる前にありまして、一一〇番をすると、一一〇番指令がそれを受けてくれて、高輪二号のPCがすぐやってきてくれて、駐車場のケースは全く同じなんですが、何と
警視庁の
警察官は住民に対して親切であります。品川何々の何番の車、困っているから早く出てきてくださいというアナウンスをちゃんとしてくれて、不法に僕の出口をとめておった車の運転手さんが泡食って飛んできて、僕は何とか出ていけた。そういうふうに身近な交通の例でも東京と高知では非常に温度差があります。
したがって、このような難しい、予防医学的だと私申し上げましたけれども、即現行犯にならないようなこういう
法律については、刑事
局長、二十三万人の一線の、事に当たるのは一線なんですね、一線の
警察官によほど周知徹底しないと。私は
暴力団に人権を認める気は全然ありませんが、だけれども日弁連は
暴力団の人権まで考えている。私は
暴力団嫌いですが、人権があると、そうはいっても
犯罪者じゃない限りは普通の扱いをせぬといかぬらしいですから。
大体
警察もだらしないのは、朝のニュースで何々組へガサ入れやるよなんというのは抜けておるわけです。そして、
警察の
暴力団担当は、新聞なんかよく出るじゃないですか、
暴力団何々組何々系の何とか組員がとか、そうすると
暴力団という職業が何か法によって認められているような気がする。そういう
危惧すら——本当は知っておるんだけれども、なかなかようせぬとかという部分もあるような気がするので、毎週土、日帰って、この逮捕のこともミニ集会でいろいろ言わせてもらうと。そういう
意味での不信感というのがあることも
一つの側面だと思います。
ですから、これは刑事
局長にお願いをしたいんですが、現場が胸を張って堂々と実効が上がるように、でき得ればそういう
相談センターに年間三万件が、来年は二万五千になり、年とともにそういう
相談事もなくなり、まさに
治安は
国家の宝でありますから、間違えても
警察とやくざができているとかいうようなことがないようにお願いをして、ちょっと刑事
局長、お答えを願いたい。