○田村公平君 地方自治、地方分権といいながら、僕はきょうカラーコピーを持ってきたんですけれ
ども、(資料を示す)五月三日に五十ミリの雨がこの棚田に降りまして、五月七日に約一尺のクラックが入ったんです。これは
平均斜度四十五度あります。ここから海岸まで百メーターなんです。回り道は徳島県まで行かないとない国道五十五号線なんです。
今、何をしておるかといいますと、県の
職員と建設省の工事
事務所の
職員が二十名、二十四時間体制で見ておるだけなんです。僕が胃カメラのんで、それで胃に穴があいておると。どうしたらいいかわからぬから、東大の
先生も呼んでこい、京大の
先生も呼んでこいと言って見ておるだけなんです。ここの下の民家には避難命令が出ています。しかし、雲仙・普賢岳でも象徴的にあらわれたように、帰るんですよ、やっぱり家が心配だから。建設省の国道課は何もできないんです、この道路はまだ生きていますから。一万五千立米とも二万立米とも言われる土砂が滑り落ちて初めて国が動ける。ここは民有地なものですから、県は何もできない、これが行政の実態なんです。だから、
制度を幾らつくっても魂が入らなきゃ何にもならぬというのが現状なんです。じゃ、県会
議員は何をしているかというと、これ大臣と意見が合うんですよ、県会
議員も何にもしないんです。
それで、土曜日に知事が見に来たんです。知事はこの近所の安芸市で自分の講演会があって、ついでに見に来た、皆さん頑張ってねと。ばかと違うか。県費で単独でおれはやると、民有地買収して、滑りそうな二万立米の土は外せということを言うのが行政のトップの責任だと思う。現場の役人にはそんな裁量権ないんです。だから、
外部監査だ何だといっても、よっぽどしっかりしたことをしてあげないと、議会人がもっとしっかりしておればいいんですけれ
ども、現実問題しっかりしていないんです。
ついでにお聞きいたしますけれ
ども、大臣がお乗りになっている車は国産車ですね。我が高知県知事が乗っている車はベンツです、東京で乗っておる公用車。こういうベンツに乗っておるということを、車としての機能はベンツであろうとセンチュリーであろうと私が乗っておるパジェロであろうと同じなんです、しかしこれはいかがなものかということは、
監査委員はどういう判断ができるか。
あるいは、昨年の話でありますが、南米に私
どもの高知県から移民した移民五十周年で、その式典に知事が行った。途中いろんな国へ寄って十日間帰ってこない。去年は一
年間で一カ月日本にいなかった。そういう
監査は一体だれがやるのか。僕なんかNHK上がりですから、札幌に出張しろと言われたら一日行って、
仕事終わったら帰ってきて、それで前渡金精算して、領収書全部つけなきゃ
仕事にならぬですよ。ちょっとついでにといって函館の朝市へ行ったりすると、首になる。そういう
監査は、
知事部局の
人間がやっている限りにおいて、トップにはできない。
県会
議員は知事ににらまれると、大体建設業者を兼ねている人が田舎は多いものですから、知事ににらまれたら自分の
仕事に影響するので、なあなあなんですよ。地方に行けば行くほど地縁血縁の中で動いているわけです。そういう実情は
自治省の役人が一番知っておるはずなんです。知っていて、
審議会も何もいいですよ、
審議会の原案なんて本当は役人が書くんですから、おおむねにおいて。だから、そういうことについて政治の
指導性、リーダーシップを発揮していただきたい。
けさから
質疑を聞いておりましたら、大臣は議会人の責任も重いということをおっしゃっていましたが、大臣の再度の決意をお
伺いいたしまして、私はこれできようは
質問を終わります。