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楢崎泰昌君 ここに、
日本銀行政策委員会の
平成八年の年次
報告書を持ってまいりました。これを見ると、家計部門についての
説明が加えられております。
この結果、家計所得全体の動きを見ると、利子収入は四兆円の減少となっているが、この間、給与所得は四十兆円を上回る増加をしているから、まあいいじゃないのと。いいじゃないのとは書いてありませんけれ
ども、そういうトーンですね。
確かに、ミクロ的に見れば利子所得に多くを依存している家計にとって厳しい
状況にあることは、
日本銀行としても十分
認識をしていると。まあ、言いわけか何かわかりませんけれ
ども認識をしていると。しかし、
金融政策はあくまでマクロ
経済的な
観点から、
景気の自律的な回復を促すことを
目的として
運営をしており、もしそういうことが実現すれば、家計部門にも雇用や所得という
観点から見てメリットが広く及ぶんじゃないかと。
日本銀行としては、こういう
考え方に立って
景気回復を強化することに重点を置いて
金融緩和
政策を継続しているんだと、こういうぐあいに年次
報告書に書いてございます。
これは、
日本銀行のお
立場からすると、ある程度無理からぬことだと思いますけれ
ども、
日本国政府としてはどうなんでしょうか。こういうぐあいに
金利政策が家計を直撃することを、いやしようがないんだよと、それは所得だから雇用
関係で逐次いいところに
影響が及ぶんだよということだけで済まされるんでしょうかということが、
一つの問題点であろうというぐあいに私は思っています。
言うなれば、
金利政策というものはそういうものであっていいんだろうか。
一つは、
政府の施策としてはマル老減税というのが行われています。それの是非についてはまたいろいろ
議論のあるところでございます。それから、都市銀行では福祉
金利と称して福祉預金を、これは量的には余り大きくなくてそんなに効果がないのかなというような感じがしますけれ
ども、これは一昨年ですか、参議院が提案をして各銀行がこれに同調していただいたという経緯もございます。
そのようなことで、
金利はもちろん
市場金利に任せるべきであり、
経済政策は大きな
経済政策の
観点に立たなきゃいけないんだけれ
ども、同時にこういうところを
政府としてどのように物を考えていくのかということが重要であろうと思います。審議官は適切にやろうと思っていますという適切な
言葉を使いましたけれ
ども、本当に適切なのは一体どういうことなのかということが問われているんだというぐあいに思います。
私は、よくこういう低
金利政策は異常なんでいつまでも長く続かないよと、御勘弁してちょうだいよということを申し上げるんですけれ
ども、もう一年七カ月に及んで、まだまだ低
金利政策、恐らく
日銀のいろんな御
説明をお
伺いしますとまだ必要なんだろうというぐあいに思いますが、そういうものに対して、極めて異常な
金利状態のときですから、どのようにこの問題を考えていくのかということを再度、今度は
大蔵省としてじゃなくて、
政府としてお
伺いをしたいと思います。
大蔵大臣、いかがでしょうか。