○海野義孝君 今の点で、私はそういったまさに完全な自由競争になるとなれば、
我が国の今までの護送船団方式の金融行政の中で、いえばトップ
企業、トップバンクと言われたようなところも、確かに今
我が国の金融
機関の中では、大手で見ましてもニューヨークにDRで上場しているのはたしか一行しかないはずでして、その点から見ましても、
日本の一流の
民間の第二次産業の
企業というのは相当ニューヨークにも上場しているわけでございまして、そういった面、それはもちろん今おっしゃったような比較できない部分があるかと思いますけれ
ども、超一流
企業になったというのはそれだけの
関係があって築かれてきているというので、絶大なる内外での
信用というのはあろうかと思うんです。
そういうことを考えると、国内の来年早期是正
措置でおびえる云々よりも、むしろそういった超一流
企業、ちょうど今独禁法の問題で純粋持ち株会社なんというのも考えられるわけでありますから、御
承知のように
アメリカあたりはGEの傘下に巨大な一流の
銀行もあるわけですから、そういうことを考えたら同じようなことを
日本もやらないと、
日本だけがそういうことにこだわって今までのような漸進主義の金融行政をやっていたのでは、これは口ではビッグバンと言っても、スケジュールはできてもなかなか結果的には、今のちょうどイギリスのビッグバン後の、イギリスは証券だけでありましたけれ
ども、要するに家を貸しちゃって、まるっきり外の
資本が経営をして、そこで働いている人だけはイギリス人がふえたと、こんなことになりかねない。これは証券だけじゃない、このように思います。これは、ここで
銀行局長に結論をどうこうということではありません。
私は、そのぐらい発想を豊かにしていかないと、
世界がやっていないことを
日本がやれと言っ
ているわけじゃありませんので、
世界に一気に、総理も言っているように六大
改革は一気に進めると。ただ、私が気に入らないのは、できるところからやるというのがひつかかるんです。できるところからというのはどういうことかというと、反対されないようなところからやると。そういう面からいうと、私は金融制度
改革は、一千二百兆円の
お金は別に、国内の超低金利でまさに元本が利息を生まないわけですから、それだったらむしろ
海外へどんどん出ていけばいい。今のそこら辺の外資系の
銀行では、定期預金だとか普通預金なんかの勧誘は物すごいわけです、四%、五%と、問題は為替でしょうけれ
ども。そういうことを考えると、意外に国民の方が賢い。現に今、年率十五兆円ベースぐらいで毎月金が
海外へどんどん逃避しているという時代ですから。
そういうことを考えたら、このビッグバンというのは、スケジュール闘争という背後にある国民のそういう心情とか、あるいは外資の
日本に対する攻撃のそういうありようとか、広くそういったものを考えないと、ただひたすらスケジュール闘争をやったら、この間もある大学の教授が言っていましたけれ
ども、二十一世紀の入り口で達成したと思ったら、ほかの
海外の一流のそういった金融
機関は十二年先を行っていると。つまりそれは、今回
日本が、一九八五年秋のいわゆる円・ドル
委員会が設置されたプラザ
合意のあのときから今日まで、いわゆる協和信組、安全信組、あるいは兵銀、木津信、あるいは大和
銀行の不祥事問題、こういったことをずっとそのまま漸進主義の中で放置してきたということも含めて、
海外にキャッチアップするということはちょっとやそっとじゃできないという状況ですから、そういう
意味でも思い切った
改革ということを考えていただかないといけない。
外為も自由化されるわけですから、個人の一千二百兆円は私はむしろ国内の
財政再建に使ってもらいたいぐらいですけれ
ども、いや自分のことは自分で守る、自己責任だなんということで、預金もそれこそペイオフは、二十一世紀の入り口というのが前倒しになったんじゃたまったものではないと。どうも預金保険機構も日銀もそんなに金はありそうもないと、しかも預金保険率をさらに上げるなんといったら、それは御免だというような
銀行が今出始めている。自由化という時代に預金保険制度はおかしいんじゃないかということを言い出しているところもあるぐらいなわけであります。
時間が来ましたので、最後に一言、大蔵大臣に金融制度
改革の取り組みについて、お伺いします。