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平野貞夫君 この問題については本当は事実
関係を私
たち国会の場でもきちっとやるべきでございますが、私の持ち時間もあと十分足らずでございますので、そういう具体的な細かなことは申しません。ただ、この
高知三区の
ケース、それから
栃木四区の
ケースを総括して、時間の
範囲で私は
意見を申し上げたいんです。
この
茂木町の元
助役、それから
町議会の元副
議長さんは、私
たちの
調査では
後援会組織の
中心人物であったと。
関係者の話によりますと、
茂木町の場合、いわば
町ぐるみの
選挙違反、
買収行動で、
買収されていない人の数が圧倒的に少ないがために、その問題を言うのが町の
一つの信用とか威信にかかわるということで問題が表に出なかったという面もあるようなんですが、私
たちは、これはもう実質的な
組織的選挙運動管理者に間違いないという
一つの確信を持っております。
それに比べてこの
高知三区の場合の
田邉氏、
池上氏の
事情はどうであったかといいますと、全くそういう
管理者ではない、実態的にもそうでございます。なぜかといいますと、
無所属で
新進党推薦候補の
後援会の
幹部と同時に、
自民党比例四国ブロックから出た三石という
候補の
池上氏は
後援会長、それから
田邉氏は
事務局長をやっておる。
非常に何ども理解しがたい構造で
選挙運動を、
比例区では
自民党候補の
後援会長と
事務局長、小
選挙区では
自民党でない
候補の
後援会の
幹部をやっている。そして、この二人の
活動の主力は
自民党なんです。こういう
実情もあるわけなんです。
したがって、
連座制を
高知三区では適用して
栃木四区では適用しないという法の運用については、私は
条理常識で考えられないと思っておるわけでございます。しかし、
法律をつくったのは我々でございまして、
政治の
責任もあると思います。
こういう
制度が乱用されないように、
警察や
検察の
皆さんがきちっとした
要件のもとに適用できるようなものに見直すということは、私はこれから必要、
一つの課題だとは思っていますが、それにしてもちょっと余りにもひどいではないかという
意見を持っておるわけでございます。
それから、
高知三区の
ケースについては、
先ほど捜査二
課長は、適切しかも周到な
捜査をやった、こういう
お話でございましたが、実は、
廣田側の
安藤後援会長から十万円をもらったと
虚偽の
自白をした、
虚偽の
自白というのは私の言う話ですが、
竹葉なる
人物は、
対立候補である
自民党候補の熱心な
支援者で、
選挙近くになって
廣田候補の事務所に
自分から名乗り出て手伝いましょうと、こういった
人物なんです。しかも、特に
安藤会長が起訴された後、この
竹葉氏は二度もこの問題について
自分の間違いをわびておるんです。
その
一つは、ことしの二月三日、起訴されたころだと思いますが、その
竹葉氏は奥さんを伴って
安藤後援会長の自宅に行って、土間に土下座して、要らぬことを言ったばかりに迷惑をかけた、わしをたたいてくれと泣きながら謝罪しているんです。それから、さらに三月六日には、この
竹葉さんの家へ
安藤後援会長と弁護士さんが立ち会って行ったときに、この
竹葉氏は、
安藤さんから金はもらっていないということを話しておるわけなんです。そういう小さい問題かもわかりませんが、私はやっぱり
民主主義の非常に
根幹の問題だと思うんです。
しかも、こういう謝罪の言葉をテープにとって
裁判で提示したそうですが、
検察の反対で
証拠にはならなかったそうでございます。しかも、
安藤後援会長は
取り調べの前後、
最初は否認、そして認める、また否認すると、そういう非常に不安定な
実情の中で
取り調べ、
裁判が行われ、しかもこの
安藤さんの問題について
裁判所で十分な
審理が行われていないという問題があるんじゃないかと思っております。
真相が解明されないまま有能な人材を
連座制にかけて
政治活動を制約するということは、私は
基本的人権にもかかわることだと思っております。
そして、
議会政治の
根幹にかかわる問題だと思っております。
先ほど
本部長の
お話ですけれども、須崎市で私の友達がこの
一連のことで
捜査されたんです。そのときに、
警察官は、おまえはほかに談合の話がある、こっちをやるぞということで、やっていないことがやったようになっておるわけですよ。
田舎ではあることかもわかりませんけれども、許されることではない。しかも、私の友人はもといた会社まで首になっているという非常に気の毒な状況があるわけなんです。私は、
一連の
高知三区の問題を
政治的謀略とは言いたくないです。言いたくないですが、地元ではそういう声が非常に強うございます。
なぜ私がこういうことにこだわるかといいますと、実は明治二十五年、品川弥二郎内務大臣が大
選挙干渉をやったときに、この地区で、吏党の壮士の仕込みづえ、そして民党のくわ、かまで大騒動が起こっておるんです。私の先祖もその犠牲者の一人なんです。明治の時代は仕込みづえとくわでやったかもしれませんが、
平成の現代、権力が
法律を乱用して
政治の正道、デモクラシーを決しておかしくしちやいかぬと思います。私は、
高知三区の
ケースは、実質的に
明治時代と何ら変わることがないという憤りを持っておるわけなんです。
政治改革のときの
連座制導入の法の不整備というのは、私自身もかかわりましたので反省をしておりますが、
法務省の方、私の
指摘したことをどうかひとつ上司に報告してください。幸いきょうは国家公安
委員長であられる
白川大臣もいらっしゃいますので、
白川大臣には直接お聞きいただいたのでその気持ちをひとつ御理解していただいて、これを申し上げて終わりたいと思います。