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1997-02-18 第140回国会 参議院 商工委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年二月十八日(火曜日)    午後零時十分開会     —————————————    委員氏名     委員長         木宮 和彦君     理 事         沓掛 哲男君     理 事         吉村剛太郎君     理 事         片上 公人君                 大木  浩君                 倉田 寛之君                 斎藤 文夫君                 中曽根弘文君                 林  芳正君                 平田 耕一君                 加藤 修一君                 木庭健太郎君                 平田 健二君                 梶原 敬義君                 今井  澄君                 小島 慶三君                 前川 忠夫君                 山下 芳生君                 松尾 官平君     —————————————    委員異動  一月二十日     辞任         補欠選任      今井  澄君     竹村 泰子君      小島 慶三君     藁科 滿治君  二月十三日     辞任         補欠選任      梶原 敬義君     青木 薪次君  二月十四日     辞任         補欠選任      青木 薪次君     梶原 敬義君  二月十七日     辞任         補欠選任      林  芳正君     松村 龍二君      山下 芳生君     阿部 幸代君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         木宮 和彦君     理 事                 沓掛 哲男君                 片上 公人君                 前川 忠夫君     委 員                 倉田 寛之君                 斎藤 文夫君                 中曽根弘文君                 平田 耕一君                 松村 龍二君                 加藤 修一君                 平田 健二君                 梶原 敬義君                 竹村 泰子君                 藁科 滿治君                 阿部 幸代君    国務大臣        通商産業大臣   佐藤 信二君        国 務 大 臣        (経済企画庁長        官)       麻生 太郎君    政府委員        公正取引委員会        委員長      根來 泰周君        公正取引委員会        事務総局経済取        引局長      塩田 薫範君        公正取引委員会        事務総局経済取  山田 昭雄君        引局取引部長        公正取引委員会        事務総局審査局  矢部丈太郎君        長        経済企画庁長官        官房長      竹島 一彦君        経済企画庁調整        局長       土志田征一君        通商産業大臣官        房長       広瀬 勝貞君        通商産業大臣官        房審議官     藤島 安之君        通商産業省通商        政策局次長    佐野 忠克君        通商産業省貿易        局長       伊佐山建志君        通商産業省産業        政策局長     渡辺  修君        通商産業省環境        立地局長     稲川 泰弘君        通商産業省基礎        産業局長     白川  進君        通商産業省機械        情報産業局長   中川 勝弘君        通商産業省生活        産業局長     村田 成二君        工業技術院長   佐藤 壮郎君        資源エネルギー        庁長官      江崎  格君        資源エネルギー        庁石炭部長    中村 利雄君        資源エネルギー        庁公益事業部長  岡本  巖君        特許庁長官    荒井 寿光君        中小企業庁長官  石黒 正大君        中小企業庁計画        部長       田島 秀雄君    事務局側        常任委員会専門        員        里田 武臣君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○産業貿易及び経済計画等に関する調査  (通商産業行政基本施策に関する件)  (経済計画等基本施策に関する件)  (平成八年における公正取引委員会の業務の概  略に関する件)     —————————————
  2. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨年十二月二十七日、小川勝也君が、また去る一月十三日、藁科滿治君が委員辞任され、その補欠として木庭健太郎君及び梶原敬義君が選任されました。  また、去る一月二十日、小島慶三君及び今井澄君が委員辞任され、その補欠として藁科滿治君及び竹村泰子君が選任されました。  また、昨十七日、林芳正君及び山下芳生君が委員辞任され、その補欠として松村龍二君及び阿部幸代君が選任されました。     —————————————
  3. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事前川忠夫君を指名いたします。     —————————————
  5. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  まず、通商産業行政基本施策に関し、通商産業大臣から所信を聴取いたします。佐藤通商産業大臣
  8. 佐藤信二

    国務大臣佐藤信二君) 第百四十回国会における商工委員会の御審議に先立ち、私の所信を申し上げます。  まず初めに、在ペルー日本国大使公邸占拠事件について、その一刻も早い平和的解決と、人質になられた方々全面解放を強く願うものであることを改めて申し上げます。本事件に対しましては、当省及び日本貿易振興会からも職員を現地に派遣し、邦人保護のための活動実施しているところであります。人質になられた方々の御苦労と御家族や関係者の御心労を思い、当省といたしましても、引き続き全力を尽くしていく考えであります。  また、日本海における重油流出事故に関しましては、関係省庁地方自治体等と密接な連携をとりつつ、産業界の御協力を得ながら積極的に対応しているところであります。地域中小企業を初めとする関係者方々に一日も早く安心していただけるよう、今後の事態の進展を踏まえて引き続き積極的に取り組んでまいります。  さて、通商産業政策を遂行していくに当たり、行政及び公務員に対する国民の信頼を保持していくことが大前提であることは、改めて申し上げるまでもないことであります。公務員綱紀についてはさまざまな御批判があるところでありますが、私といたしましても、当省の職員綱紀につきまして、政府全体の綱紀粛正策を踏まえ、新たに通商産業省職員倫理規程を制定したところであり、引き続き綱紀の厳正な保持に全力を挙げてまいります。  我が国経済社会が新しい時代に向けてさまざまな変革を求められる今日、通商産業行政の当面する課題は広範かつ重要であります。景気自律的回復軌道への道筋を確実にすることが喫緊の課題であり、そのために何よりも平成九年度予算の早期成立を図ることが不可欠であります。同時に、私といたしましては、我が国経済が二十一世紀に向けて夢を持てるよう、以下の諸点中心通商産業政策推進に陣頭に立って取り組んでまいります。  第一の課題は、経済構造改革であります。  産業空洞化の懸念、本格的な高齢社会の到来による潜在成長力の低下などによって我が国の将来に対する危機感が高まる中、経済構造改革は一刻の猶予も許されない緊急の課題であるとの認識に立って、私は関係省庁協力を得て「経済構造変革創造のためのプログラム」を取りまとめました。  昨年十二月に閣議決定された本プログラムの柱は、資金供給円滑化人材確保研究開発推進情報通信高度化などによる新規産業創出規制緩和及び企業税制労働雇用をめぐる諸制度改革などによる国際的に魅力ある事業環境創出経済活力維持向上のための公的負担の抑制の三点であります。中でも、高コスト構造の是正に関しては、エネルギー物流等産業活動基盤について、二〇〇一年までにコストを含め国際的に遜色のないサービス水準実現するとの目標を設定いたしました。  本プログラムにおいて実施が求められている事項は多岐にわたり、独占禁止法や商法の改正法案などの法案を今国会に提出することがプログラムに明記されておりますが、このうち、当省としては以下の課題に対し所要法案を今国会に提出し、または提出する予定であります。  まず、地域産業空洞化への対処であります。  近年の経済環境の急激な変化により、我が国物づくりを支える基盤的な技術産業集積地域経済自律的発展基盤である産地などの中小企業集積は大きな打撃を受けております。このような状況対応し、集積地域における新たな事業活動展開促進するための施策を総合的かつ体系的に推進するため、特定産業集積活性化に関する臨時措置法案を今国会に提出いたしました。  次に、内外の情勢変化に的確に対応した工業標準化制度構築であります。  取引円滑化など標準化制度の有する効果を最大限に発揮させ、我が国市場及び事業環境を国際的にも開かれたものとする観点から、工業標準化制度について国際的な整合化を図るべく、工業標準化法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしました。  また、規制緩和推進については、当省関係法律について全般的な見直しを行い、十六本の法律について一括して改廃を行うための民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案を今国会に提出する予定であります。  さらに、強靱な経済活力の不可欠な基盤である金融についてであります。ニューヨークロンドンと並ぶ自由な取引環境我が国において整備することを目指し、一月にまとめられた外国為替等審議会の答申を踏まえて極力早期外為法改正法案を取りまとめ、大蔵省とともに、今国会に提出したいと考えております。  「経済構造変革創造のためのプログラム」は、経済構造改革に係る政府施策運営の基軸となるものであります。今後は、本プログラムに基づき、以上に述べた関連法案に基づく政策実施を含め、各般の施策を総合的かつ集中的に展開してまいります。また、本プログラム基本的考え方に示された課題に対する取り組みについては、さらに内容を充実するなど、その実現に向けた行動計画をこの春までに策定する考えであります。  第二の課題は、我が国経済活力の源泉たる中小企業活性化であります。  我が国経済社会の進歩と発展基礎をなすべき中小企業が、先行きに少しでも明るい見通しを持って、現在の構造的変化の流れを積極的に乗り切っていけるように全力を尽くしていく考えであります。  経済構造改革についての取り組みとして先ほども申し上げたとおり、今国会に提出した特定産業集積活性化に関する臨時措置法案によって、地域産業集積における中小企業に対して積極的な支援を展開してまいります。また、新規産業創出に向けた環境整備を行い、経済構造改革に資するため、創業期中小企業に対する個人投資家投資リスクを軽減し、資金供給円滑化を図ります。このため、いわゆるエンゼル税制導入などを盛り込んだ中小企業創造的事業活動促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。  中小企業に関しましては、今後とも、積極的な事業展開によって環境変化を乗り越えていこうとする企業経営革新に向けた取り組みに対し、技術資金人材面などから多角的に支援してまいります。  第三の課題は、環境と共生する経済社会構築であります。  我が国のみならず、世界経済が持続可能な成長実現するためには、環境保全エネルギーセキュリティー経済成長をバランスよく達成することが不可欠であります。  特に、気候変動問題については、本年十二月に、二〇〇〇年以降の温室効果ガスの排出についての国際的な枠組みを定めるため、気候変動枠組条約第三回締約国会議、いわゆるCOP3が京都で開催されます。地球温暖化防止のため、環境保全効果があり、実行が可能で、かつ各国のこれまでの省エネ努力などに配慮した公平な枠組みが合意されるよう、本会議主催国として積極的に取り組むとともに、本課題について技術開発などによる長期的な取り組み推進してまいります。  また、地球環境問題に積極的に対応するとともに、エネルギーの安定的かつ適切な供給確保するため、省エネルギー対策の一層の強化、新エネルギー開発導入促進及び原子力開発利用推進にも積極的に取り組んでまいります。このうち、新エネルギーにつきましては、その利用は、今後成長が期待される産業分野として経済構造改革推進する上でも重要な分野であります。国、事業者などの基本的な取り組み体制明確化事業者取り組みへの支援などの措置を講ずるべく、今国会に新エネルギー利用等促進に関する特別措置法案を提出いたしました。  また、原子力につきましては、安全の確保に万全を期するとともに、情報公開などを通じて国民視点に立った原子力政策を進めてまいります。さらに、核燃料サイクル推進については、先般、改めて閣議了解の形で政府としての方針を確認したところでありますが、今後ともその確立に向けて所要政策を引き続き推進してまいります。  大量消費大量廃棄社会から循環型社会への転換を目指し、リサイクル推進することも重要であります。本年四月から本格施行される容器包装に係る分別収集及び再商品化促進等に関する法律の円滑な施行や産業廃棄物問題への対応などの廃棄物処理リサイクル政策推進し、あわせて地域における環境調和型の町づくり支援いたします。  環境アセスメントにつきましては、関係省庁十分連携をとり、今国会所要法案を提出すべく検討中であります。  第四の課題は、国際経済面でのリーダーシップの発揮を通じて、我が国を取り巻く国際経済環境整備を進めることであります。  まず、昨年十二月に開催されたWTOシンガポール閣僚会議の成果を受け、情報技術合意、いわゆるITAに基づく関税撤廃早期具体化貿易投資貿易と競争などの新たな分野における作業の迅速な推進を図るとともに、国際ルールに基づく紛争解決に努め、WTO中心とする多角的貿易体制維持強化を進めてまいります。また、OECDの多数国間投資協定について、交渉を本年五月の閣僚理事会までに終結すべく努力してまいります。  日米経済関係につきましては、先般発足した米国のクリントン第二期政権と緊密な接触を保ちながら、今後とも両国が世界経済の直面するさまざまな課題協力して対処し得るよう、建設的な関係構築に努めてまいります。  アジア地域におきましては、二国間関係APEC、ASEANとの協力などの重層的な協力関係を通じて主体的な役割を果たしてまいる所存です。これは、我が国経済の今後の安定及び発展を図る上でも重要であります。  まず、中国については、改革開放政策を引き続き支援するとともに、WTOへの加盟を積極的に支持してまいります。APECについては、民間ビジネスの関与のもとでマニラ行動計画の着実な実施と深化に努めます。また、本年九月には第一回アジア欧州経済閣僚会合を主催し、経済面でのアジア欧州との協力関係強化してまいります。  発展途上国との関係においては、ODAを初めとする開発援助政策をめぐる近年の環境変化対応して、民間活力活用途上国環境問題の解決などの新しい課題にも積極的に取り組みつつ、第五次中期目標後の開発援助のあり方を検討してまいります。  また、冷戦終結後の世界安全保障上の大きな脅威の一つである地域紛争防止のため、大量破壊兵器等拡散防止通常兵器の過剰な蓄積の防止などに引き続き努力してまいります。  さらに、国際交流推進などの観点から、二〇〇五年における我が国での国際博覧会の開催に向けて、引き続き積極的に取り組んでまいります。  以上、今後の通商産業政策基本的方向について私の考え一端を申し上げました。  最後になりましたが、通商産業行政推進するに当たっては、行政改革視点をも十分に取り入れてまいります。すなわち、国民が求めるサービスを最小の費用で提供できる行政我が国活力ある発展のために経済社会変化に柔軟に対応できる行政実現を目指して、政府全体の方針を踏まえつつ積極的に努力してまいりたいと考えます。  私は、国民各位の御理解のもと、通商産業行政推進全力を挙げてまいる所存であります。委員長並びに委員各位の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。
  9. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 次に、経済計画等基本施策に関し、経済企画庁長官から所信を聴取いたします。麻生経済企画庁長官
  10. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 日本経済の当面する課題経済運営基本的な考え方につきましては、去る一月二十日、参議院会議場における経済演説において明らかにさせていただいたところであります。本日、参議院商工委員会が開催されるに当たり、重ねて所信一端を申し述べさせていただきます。  今後、我が国経済運営に当たり、私は、特に次の諸点基本としてまいりたいと存じます。  第一は、適切かつ機動的な経済運営を行いつつ、このところ堅調さを増しております民間需要主導の自律的な景気回復実現することであります。  日本経済の最近の動向を見ますと、まず設備投資回復傾向にあります。住宅建設は高い水準で推移しており、個人消費も緩やかな回復傾向にあります。また、純輸出はおおむね横ばいで推移いたしております。こうした需要動向を背景として、生産は増加傾向にあります。このように、景気回復の動きを続けており、そのテンポは緩やかではありますが、民間需要は堅調に推移をいたしております。  平成九年度における日本経済につきましては、消費税率引き上げの影響などにより年度前半景気の足取りは緩やかとなります。しかし、経済構造改革推進などによりまして、次第に民間需要中心とした自律的回復実現されてまいりますとともに、持続的成長への道が開かれていくものと見込まれます。  今後とも景気動向につきましては引き続き注意深く見守りつつ、適切かつ機動的な経済運営に努めてまいる所存であります。  第二は、経済構造改革推進であります。構造改革はもはや議論をしている段階ではなく、実行に移していく段階に来ております。  一連の構造改革の重要な柱の一つであります規制見直し緩和撤廃につきましては、昨年十二月に経済審議会から建議されました六分野経済構造改革の提言を初め、物流金融雇用労働高度情報通信医療・福祉などの分野において、各種の施策に関する方針が既に打ち出されているところであります。  これらの施策具体例を申し上げますと、物流分野におきましては、目標期限を定め、原則として需給調整規制を廃止するための施策を講じます。金融につきましては、二〇〇一年までに東京市場ニューヨークロンドンと並ぶ国際金融市場とすることを目指して、外国為替管理制度改正を初め、金融システム改革を行うことといたしております。また、雇用面では、労働者企業双方の要求をより適切に合致させるため、民間有料職業紹介事業取り扱い範囲を見直すなどの施策を進めてまいります。  今後、これらの規制緩和などについてより実効性を高めるべく、先般閣議決定されました「経済構造変革創造のためのプログラム」の具体化作業及び規制緩和推進計画改定作業を鋭意進め、経済構造改革を強力に推進していくことが重要と考えております。  第三は、安全で安心な生活の再設計を図ることであります。  日本においては、これまで経済的には繁栄し、かつ危険が少なく、加えて安心して暮らせる国家をつくってきたと信じられてきました。しかし、近年、国民意識世論調査などで見ますと、教育、雇用、犯罪、また医療や年金につきまして、不安や不満を感じる人がふえてきております。このような状況対応していくためには、経済構造改革社会保障構造改革推進していくとともに、これまで社会の各分野を支えてきたシステム見直し改革もあわせて進め、従来のように安全で安心して暮らせることができる日本社会の再構築を図っていくことが必要であります。  また、規制緩和が進展する中で、消費者はより一層多様な選択を行い得るようになってまいります。しかし、同時に自己責任を持つことが求められるようになってまいりますので、消費者自身の自立を支援する諸施策推進していかねばならないと存じます。  市民活動につきましては、ボランティア活動などに対する国民意識が高まる中で、ボランティアなどが行う市民活動社会に根づき、健全な発展を遂げていくため、所要環境整備を積極的に推進してまいりたいと存じます。  基本的な考え方の第四は、市場経済化、一体化が進んでおります世界経済への貢献であります。  そのために、WTO中心とする制度的枠組みの中で、多角的な自由貿易体制の一層の強化に貢献するとともに、APECにおきます貿易投資自由化円滑化のためのマニラ行動計画を着実に実施すると同時に、その内容の充実に一層努めてまいりたいと存じます。  さらに、市場開放政府調達に関する苦情処理体制の積極的な活用、対日投資促進を図る対日投資会議などの活動を通じて、諸外国から我が国への市場アクセス改善、さらには国際的に魅力ある事業環境創出を図ってまいります。  また、地球環境問題や人口問題への対応民主化市場経済化促進のための知的支援強化など、経済協力の新たな課題にも取り組んでまいります。  日本の飛躍的な発展を支えてまいりましたシステムは、現在、大幅な見直し改革を行うことが求められております。二十一世紀に向けて我が国経済社会の新たな展望を切り開いていくためには、たとえ苦痛が伴うものであっても、構造改革推進していかねばなりません。  先人の努力によりこれまで蓄積してきた資本、人的資源、高度な技術基盤などを活用して、豊かで安心して暮らせる活力ある社会を再構築していくために、精いっぱい努力してまいります。  本委員会の皆様の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
  11. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 以上で両大臣の所信の聴取は終了いたしました。  両大臣、御退席いただいて結構でございます。  次に、平成八年における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。根來公正取引委員会委員長
  12. 根來泰周

    政府委員根來泰周君) 平成八年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。  私的独占の禁止及び公正取引確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の違反行為については、我が国市場を内外により開かれたものとし、消費者の利益を確保して豊かな国民生活実現していくとの観点から厳正に対処し、価格カルテル、入札談合事件等三十件について法的措置をとり、違反行為の排除を命じたほか、二十二件の警告を行いました。また、十六件の価格カルテル、入札談合事件について、総額二十五億三千五万円の課徴金の納付を命じました。  独占禁止法違反行為の未然防止については、平成九年四月に予定される消費税率の引き上げ及び地方消費税の導入に際して、独占禁止法違反行為の未然防止を図るとともに、消費税等の適正かつ円滑な転嫁に資するため「消費税率の引上げ及び地方消費税の導入に伴う転嫁・表示に関する独占禁止法及び関係法令の考え方について」を作成、公表しました。  独占禁止法適用除外制度については、個別法に基づく独占禁止法の適用除外カルテル等制度四十七制度について見直しを行い、その結果、平成八年三月の閣議決定において、三十三制度について廃止、法整備を行い、四制度について適用除外の範囲の限定を図り、残り十制度については引き続き検討等を行うこととされました。また、再販適用除外が認められる著作物の見直しについては、関係業界や消費者団体等からの意見聴取に努めるなど検討を行い、なお継続中であります。  事業活動及び経済実態の調査については、競争政策観点から、住宅用資材・設備機器の企業取引並びに清涼飲料水、食肉加工品及び婦人衣料品の流通・取引慣行について実態調査を行い、それぞれ結果を公表しました。また、我が国事業者団体の活動が参人制限的に機能していないかを検証するため、外資系企業から見た我が国事業者団体の活動に関する調査を行い、その結果を公表しました。  下請代金支払遅延等防止法に関する業務については、下請取引の適正化及び下請事業者の利益確保を図るため、下請代金の減額等の違反行為を行っていた親事業者千四百十八社に対して警告等の措置をとりました。  不当景品類及び不当表示防止法に関する業務については、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、二件の排除命令を行ったほか、五百十二件の警告を行いました。また、景品提供をめぐる経済社会情勢が変化していることを踏まえ、景品規制見直し明確化を図るため、関係告示及び運用基準の改正を行いました。  以上、簡単ではございますが、業務の概略について御説明申し上げました。  今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
  13. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 以上で説明は終了いたしました。  両大臣の所信等に対する質疑は後日行うことといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十分散会      —————・—————