○本岡昭次君 私、予算
委員会にも参加しておりますので、改めてこの問題は予算
委員会で続いて議論させていただきます。
また、私は今、民主党・新緑風会という会派におりますが、民主党の方が長官が今おっしゃいました議員立法の提出を予定しているようでございますから、それに基づいた議論はその場でさせていただきます。
最後に、ぜひ審議会を設置するという国民の投げたボールをしっかり政府が受けとめて
対応していただきたいということを再度強く申し上げておきます。
次に、油の流出の問題なんです。
実は、山陰沿岸・若狭湾海域排出油防除
計画というのを海上保安庁で一年前につくられていて、そして山陰沿岸、若狭湾にもし油が流出したらどうするかというマニュアルがここにあるわけで、ずっと読ませていただきました。このとおりいっておれば何も問題はなかったんですが、このとおりいかない。そこが困ったことなんです。
そこで、私はこれを見て最大の弱点だと思ったのは、油が海岸に漂着して海岸が汚染をされるという事態を想定していないということです。海岸に打ち寄せて汚染されるまでに全部油を防除するんだという想定に立っておるんです。しかし、こういう甘い想定の
もとで国民が皆さんに安全を任せるわけにいきませんね。自然の力というものは我々の想像を超えた形で襲ってくるんですよ。最悪の場合どこが一番
被害を受けるのかということですよ。それは海岸でしょう、最終的には。だから、さっきもボランティアの話が出ているけれども、一番みんながえらい目に遭っているのは海岸に漂着した油をどう除去するかということで、文字どおり油まみれになっておるんですよ。
私も、
兵庫県の但馬の海岸に行って油を取ってきました、ボランティアの皆さんと一緒に。これは大変なことですよ。だけれども、そのことについてここにほとんど記載していない。さっきも話しておったんですが、
日本の軍隊は戦争へ行ったら必ず勝つというのと同じことで、こんなことではこれはどうしようもないね。
今このことを言っても今のことに間に合いませんから、やっぱり海上保安庁なり
皆さん方が何かのマニュアルをつくるときには、最悪の事態で一番最後ほどこが
被害を受けるのかということを想定してその
対策というものを打ち立てるべきだということを私は苦言を申しておきますし、このマニュアルをつくった海上保安庁なりはやっぱり責任をとるべきだと思いますよ。こういう甘い想定問答みたいなことをやって、それでここには山陰海岸、若狭湾海域に油が出たらこのようにきちっとやります。同じところで起こったけれどもうまくいかなかったわけですね。何も太平洋の問題を想定して
日本海を想定していなかったということじゃないんです。想定したんです、あなた方は。にもかかわらずできなかったと。これはだれも責任をとらずに、そして今の沿岸の各都道府県が油まみれになって大変な事態になっていることを私は見逃すわけにはいかぬ。このことを強く言っておきます。
そこで、私が油を取ったところは山陰海岸国立公園というところなんです。国立公園なんです。
私は思ったんです。国立公園が汚れたんですよ、油まみれになったんだ。わかりますか。この間テレビで見たら、アラスカのあの重油の後、あれは一九八九年ですか、間もなく十年になろうとしているんですが、そこで実際ずっと砂浜を掘ったら油がわあっとわいてくるんですよ、油が。今でもまだこの砂の下に油がありますと、こういうことなんです。私もこの間石をのけて油を取ってきた。
のけてものけても下に油があるんですよ。それで、
先生御苦労さん、しかし波がまたわあっと荒れて寄せてきたらあなたの取ったところにまた油が来るんですよと。こういう事態に国立公園をしてしまった。その責任はだれや、責任者出てこいという話になってくる。
国立公園をここまで汚してこれをどうしてきれいにするんですか。環境庁だと私は思いますよ。
国立公園の所管庁は環境庁だ。環境庁はどうするといったら、水鳥をどうこうと書いてある。これは大事だ、水鳥もちゃんとしてあげなきゃいかぬ。
だけれども、沿岸が全部国立公園なり国定公園なり自然公園のところなんだということを
考えた場合に、私は、環境庁こそがこういう問題に対して一番先頭に立って立ち上がらなきゃいかぬ省庁ではないかと思うんだが、余りにも環境庁の
対応が弱いんです。
環境庁の
職員が皆行って、私
たちの管理する国立公園が汚れたから、私
たちの力で油を取り除くんだと言って環境庁の
職員が全部行って陣頭指揮でやったらどうですか、土曜、日曜であなた
たちの管理しているこの大事な大事な国立公園、石ころ
一つでも余分に持って帰ったらいかぬのでしょう、あそこは。私は、そういうものが環境庁にはないと思う。どうするんですか、環境庁。
それで、法律の中で見たら、ここには掃除したら掃除したことに対する補助を国が出すと書いてあるじゃないですか。掃除しておるんですよ、ボランティアは皆、汚れたものを。
私は、もっと細かく質問しようと思ったんですよ。ところが、
伊藤大臣から丁重な御答弁をいただいたおかげで、だから私も一気にまくし立てるんですよ、しょうがないから。どうします、環境庁。
そして、いわゆる自然公園というものを所轄する、管理するという環境庁の立場から国の責務をどう果たすのか。そしてまた、それにかかった費用、国立公園を管理する、そこが汚れたら美しくするということの中から費用負担はするというようなことが法律の中にもあるじゃないですか。
そういう立場から、環境庁がもう少し前面に出てやるべきではないかという意見を持つんですが、いかがですか。