○山田俊昭君 きょうのフリートークのテーマ、第二種
委員会を
設置することに対する討論ということなんですが、私なりにいろいろと
考えて、いい
方法論はないかと模索しながら確信的なものを得られないまま一応まとめてきましたので、
報告させていただきます。
私、原則論と譲歩論という二つの案をきょうは用意したんですけれ
ども、原則論というのは、
行政監視院と呼ぶか
オンブズマンと呼ぶか名称はともかく、
国会ではなく、
参議院の
附属機関として、しかも
委員会以外の
組織として
設置すべきだと
考えるものであります。
まず、
参議院オンブズマン、これを
参議院に置く
理由といたしまして、
理由は四つあるわけですが、
一つが、
衆議院よりは政党化が進んでいないということ。それから二つ目は、それぞれの分野で功をなし遂げた高い識見を持った議員が
参議院にはたくさんいらっしゃる。それから三つ目が、解散がなく
参議院は安定しているということであります。四つ目が、
衆議院に比べていわゆる族議員が少なくて、また過去の逮捕者や不祥事を起こした者が少ないから
国民の信頼度が高いと。近時言えないところもあるんですが、一応、
参議院の信頼度は
衆議院と比べるとより高いのではないかということが
参議院に
オンブズマンを置く
理由であります。
そして、
委員会方式ですね。この第二種
常任委員会の
設置はだめだと言うのじゃなくて、ちょっと不十分じゃなかろうかと思う点を
考えてみました。
一つ目が、現行の
委員会の各会派への割り当ては各会派の所属議員総数を反映しております。したがって、
議院内閣制の
もとで
内閣を支えている多数の与党議員が、自分たちと一心同体の
行政府の
監視に積極的になるわけがないんだというふうに思うわけであります。二つ目は、現行の
委員会の
調査権限は証人の出頭及び証言並びに記録の提出の要求があるのみであります。これに加えまして、証人が刑事訴追を受けるおそれがある場合や、公務員であって、本人または当該公務所から職務上の秘密に関するものであることを申し立てたときは現実には証言も記録の提出も求めることができないということであります。これでは極めて
監視の実効性は乏しいと言わなければならないと思います。三つ目は、特に相手が
行政庁となれば、ほとんどの公務員がこの職務上の秘密を
理由としまして議院証言法第五条によって証言拒否あるいは記録提出の拒絶を乱発するおそれがあることであります。四つ目でありますが、現行の
委員会制度では、証人がその主治医と共謀して、軽度の病気を大げさに主張して、健康上の問題を
理由に人権侵害などと主張して事実上証言を拒否することができる等、
委員会制度ではそういう欠点があるし、
機能するには不十分ではないかというふうに思うわけであります。
ところで、
参議院オンブズマンをどういう形でつくり上げていくか、まさしくここが大問題であるわけでありますが、私は、
国会議員をもって
オンブズマンを任命する場合と、
国会議員以外の第三者をもって任命する場合と、そしてその
国会議員と第三者の折衷ですね、半々を入れるという三つの
オンブズマン制度を現段階では
考えられるものとして研究しております。
国会議員を任命する場合は、
行政監視員あるいは
オンブズマンは最高裁判事と同数として、野党第一党から五名、第二党から四名、第三党から三名、第四党から二名、第五党が一名の計十五名の
参議院議員をもってこれに充てるというふうに
考えております。
そして、
国会議員以外の第三者を任命する場合には、学者出身一名、弁護士出身一名、検察官出身一名、裁判官出身一名、会計検査院OBの五名で構成すべきだと
考えております。諸
制度の例を見ましても、政治的中立性をより確保するには第三者にゆだねるという
意見は違憲論等があって極めて難しいかと思いますけれ
ども、一応、
参議院オンブズマンを第三者をもって任命する場合には政治的中立性を十分確保した形で、しかも
三権分立に反しないということを十分考慮した形の
参議院オンブズマン制度は実現可能ではなかろうかと
考える次第であります。
三つ目は折衷案です。
国会議員と第三者、六名ぐらいを充てて三人ずつの
オンブズマンをもって構成すると、こういうふうに
考えるものであります。
そして、その
参議院オンブズマンに任命された議員は、
国会議員を任命した場合でありますけれ
ども、公平さを担保するために党籍を離脱すべきだと
考えます。そして、
オンブズマンの
スタッフは
行政監察局の職員や
行政官OBではなくて
参議院固有の職員、
調査室の職員だとか政策秘書の有資格者、ほとんど今、政策秘書なんかが遊んでいる、休職中の者が多いということを聞きますので、これを十分使うという
意味において
スタッフとしてそれをもって充てるべきだと
考えるものであります。
以上が私が
考える
参議院オンブズマンでありますけれ
ども、極めて難しい
理想論的なところがあるわけでありますけれ
ども、
行政監視の完全な実現というんですか、汚職とか政治腐敗を生まないための徹底した
理想的な
行政監視機関ができ上がることを切に希望し願うときには、かような
参議院オンブズマンの
理想形態ができ上がることを第一の本義とするものでありますけれ
ども、ここに一歩譲りまして、例えば第二種
委員会方式をとる場合には、現行の
委員会制度の問題点と欠陥を十分克服することが前提となって第二種
常任委員会方式が採用されるべきであると
考えるものであります。
すなわち、会派の所属議員数を
委員会構成に反映させずに、常に野党が与党の
委員数を上回るように配慮する必要があると
考えるものであります。
議院証言法第五条の公務員の証言拒否の乱用を封ずるような立法措置が必要だと
考えます。いわゆる職務上の秘密だとか公務の秘密を
理由にして、せっかく証人として呼んできてもことごとく証言を拒否されるということを防ぐ何か立法措置を
考えなければ
意味がないと思うわけであります。
一つの提案ですが、思いつきであって申しわけないんですが、例えば秘密会にして、いわゆる公務員たちが何らかの責任を問われたり、刑事責任を問われることのないような担保をして証言をさせるべきではなかろうかと
考えております。
それから、病気による出頭拒否は、当該証人の主治医だけではなくて、公平な第三者医師の診断に基づいてのみ認められるべきだと
考えます。
それから、
委員会の提案、勧告に従わない場合の実効性を担保するための措置がぜひ必要だと
考えます。
それから、六つ目でありますが、少数者
調査権を尊重する見地から、たとえ
委員の一名または数名が
調査要求をした場合でも、
委員会は
調査義務を負うような手当てをぜひ講じていただきたいと思うわけであります。
七つ目でありますが、現行の
委員会における尋問が迫力を欠き、しり切れトンボになる
理由の
一つに、尋問が新聞記事等のマスコミ報道を資料として独自の基礎
調査をしていないことがあります。したがって、尋問前の基礎
調査を徹底できるような
調査スタッフ制度の確立をぜひしていただく、
委員会制度を採用する場合は当然の前提としていただきたい。
例、えて申しますと、私などが質問する場合に、政策秘書の
行政庁または証人に対する尋問前の事前の聞き取り
調査制度をぜひぜひ確立をしていただきたい。これなくば
委員会制度の証人喚問
制度は
意味をなさないというふうに
考えるものであります。
それから、これは常に言われていることでありますが、質問時間において少数会派、二院クラブなどは友部議員の、齋藤衛証人などの質問時間はわずか三分の割り当てであります。政府に対する責任追及の場であるならば、その数によってある程度時間が制限されるのもやむを得ないと
考えるのでありますが、友部議員などの真相究明のために、
国民のために与えられた喚問をわずか三分でしろというのはいささか問題があると思うのであります。したがって、証人喚問等の
行政監察のためのこういう
委員会制度ができ上がったとしたならぜひぜひ少数会派も十分な質問ができるような、少なくも真相究明のための尋問の与えられた時間というものは平等であってしかるべきだと
考えるものであります。
以上のような
理由から、第一義に
参議院にはぜひ
オンブズマン制度ができることを
期待し、譲歩といたしまして、第二種
常任委員会がもしできるなら、以上私が申し述べた
委員会制度にあるべきことを
期待いたしまして、私の
意見といたします。