○笠井亮君
銀行の資金の原資というのは
国民の預金でありますから、それが総会屋だとかやみの世界の資金だとか特定の人間に対する不公正な利益供与の原資になるようなことがあってはならないというふうに思うわけでありまして、
大蔵省の
検査というのはそういう点で本当にきちっと厳格にやる必要がある。
そういう点で、いろいろ聞いてみますと、気がついていた、その点については注意したけれどもみたいな話ですから、結局のところ徹底してその点で
検査監督したのかという厳しい
責任が問われると思うんですよ、
大蔵省自身が通達も何回か出しているわけですから。そういう問題としてあると思うんです。
私、それに関連して
伺いたいんですけれども、
第一勧銀への
検査で、二回の
検査ということなんですけれども、偽装工作あり、その間の経過があるということで今ありました。
大蔵省に対しても重大な疑惑と言われても仕方がないことがあると思うんです。
昨日の
報道では、
第一勧銀が総会屋への不透明な融資の発覚を恐れて隠ぺい工作を始めたのが九〇年九月からの
大蔵省による
第一勧銀への
検査で、通常の
検査項目に加えて財テク資金のための融資を厳重に監視する方針を
決定したことを
銀行側が事前に入手したということによるんだというふうに言われております。
検査部長は午前の
質疑の中で、抜き打ちだから漏れることはあり得ないんだということで御答弁がありましたけれども、都銀の行員自身がそういうことに対して、
検査日が事前に入るので隠ぺいなどの準備は幾らでもできるということを言っているというわけですよ。そうしますと、この問題も一体どうなのかということになります。
それから、九四年の二回目の
検査のときに、これは六月五日の読売新聞に出ていたものですが、六億円の追い貸しの直後に本店の各部と各支店あてに内部文書を
第一勧銀が出して、
検査があることを事前に知っていて、準備していた詳しい資料を
大蔵省の
検査では全部は見せるなということを指示しているということが書いてあって、私、非常に驚きました。近藤頭取は
検査に当たってのマニュアルというような言い方をこの間されていましたけれども、この内部文書はそんなものじゃないと思うんですよ、写真にも映っていましたけれども。「対外厳秘」ということでマル秘扱い、そして「読了後必ず破棄のこと」というのが書いてあって、「
検査前に事前準備作業を行っていることは、
検査官に対しても厳秘」と、厳しく秘密にするということも書いてある。そういうことが一連書いてあると思うんです。
大蔵省の
検査のスケジュールを事前に
銀行側が把握した上で、そして周到に隠ぺい偽装を準備していたということは明確ではないかというふうに思うんですけれども、この点、
大蔵大臣、どういうふうに受けとめておられるか。私は、こういうことがあれば、抜き打ちどころかなれ合い
検査をやっているんじゃないかと。大蔵内部の問題としてきちっとそういう問題も正していくのかどうか。一体どういうことなのかということをきちっと御答弁願いたいと思います。