○今井澄君 今の国保なんですけれ
ども、実は
国民健康
保険法第八十二条に、治療、
医療給付だけではなくて健康づくりをやるということがあって、それがもとになって国保というのは
地域医療活動をやる。
健康づくりとかなんかでは、岩手県の沢内村を初め有名なところはみんな国保なんですね。そういう
意味では市町村単位でやる。また、
国民健康
保険法にそう規定されているという歴史的なことからあるんですが、ただそれは市町村単位がいいかといいますと、例えば岩手県の沢内村というところは有名なんですけれ
ども、岩手県全体はどうか、広島県の御調町というところは日本のリーダーですけれ
ども、広島県はどうかということを
考えたときに、自分の長野県のことを申し上げるのは大変気が引けますけれ
ども、長野県の場合は長野県のどこどこということだけじゃないんですよね。長野県の国保連合会が
中心となって全県の国保の
医者と国保の保健婦と住民とが一緒になってやってきたという、ある
意味では健康づくりは県単位でできるということ、長野県を
一つ例にとってもこれは県単位にしていくことは何ら障害がないと私は思うんです。
今は
一つは、県単位にしたときに大きなお金の上での障害があるのに
保険局長はわかっておられながら時間の
関係もあって言われなかったんじゃないかと思うんですが、
保険料の徴収なんですね。県に移した場合、県の役人が
保険料を集められるかというと、とてもそんなことはない。結局、市町村に依存するということになるわけで、そこが痛しかゆしの面だろうと思います。
一方、日本では、
年金にしても
医療費についてもそうですけれ
ども、税金を納めなかったら罰則があるから納めます。だけれ
ども、
保険料を納めなくても罰則がないから未納者がいるという、これは払える払えない以前のシステムの問題として日本はおかしいんじゃないだろうか。ドイツは
保険料を納めないとペナルティーなんですよね。例えば、
医療保険でも介護
保険でも納めなければ五千マルク。五千マルクということは、購買力平価で大体百円ぐらいと
考えていいとすれば五十万円の罰金なんですよね。やっぱり税金と同じように
保険料をきちっと納めるというシステムを整備する必要があるだろうと思います。
そういう関連で私は政管健保についても国が
保険者で全国のっぺらぼう一律でやっているというのは非常におかしいと。これもむしろ都道府県単位ぐらいにした方がいいだろうなというふうに思っております。
さて、組合健保ですけれ
ども、一般的に規模が小さいほど経済的には苦しいだろうと。それで国保なんかも
経営が市町村から都道府県へという話が随分あるんだろうと思うんです。実は組合健保についても組合の六割以上が赤字になっているというので、
厚生省の方にお願いして組合の規模、被
保険者の数と赤字の程度をグラフにしていただいたんですね。ところが、全然相関
関係がないんですね。被
保険者の数が二十万人を超えるところ、あるいは十七、八万というところも大赤字のところがあるんですよね。むしろそっちの方が多いということ。非常に小さな最低の規模である七百人をもう割っちゃったようなところでもちゃんと黒字でやっているところもあるんですよ。だから、
保険料率も小さい組合ほど
保険料率が高いのか、大きい組合ほど楽々やっているのかというと、そうではないんですよね。これは
厚生省からいただいた
数字で、私びっくりしました。その後、
厚生省にお願いしておいたんですが、
財政が全くこの規模に
関係ないと。
そうすると、一体ほかにどういうところにこの赤字、黒字になる要因があるとお
考えか、お願いします。