○
西山登紀子君 継続的に
検討していただけるわけですけれ
ども、やっぱり八十があれば八十まではいいやないかと、八十以下だったら
基準値クリアしているからいいじゃないかと、こういう反応になるんじゃないかなと思うんです。この点はやっぱり
見直しを、各
自治体も一生懸命努力をしていらっしゃるわけですから、既にうんと下げようという努力を始めていらっしゃるわけですから、やはり私はもっと
見直しを急ぐ必要があると思います。
それから、このダイオキシンの
汚染というのは、例えば埼玉県が母乳の全県調査をするという
対策をとっていらっしゃるように非常に重大です。しかも、これはにわかに起きた問題ではありません。母乳に出てくるということは、かなり前から空気が
汚染され、水が
汚染され、土壌が
汚染されていたからこそ母乳に出てきているわけですから、これは非常に重要です。私は、こういう経過を
考えるときに、やっぱり日本の政府のダイオキシンに対する
対策が甘かったし、大変おくれていたんじゃないかなということを
指摘せざるを得ません。
日本で焼却炉のダイオキシンが確認されたのは一九八三年であります。厚生省は八四年に
専門家会議というのを開いて
検討をされているんですね。この八四年の
専門家会議でも、今後の課題としてこういうふうに述べています。
米国EPAは、「ダイオキシン戦略」を作成し、ダイオキシン問題に対し総合的に取り組んでいるので、我が国と米国との国情は必ずしも同一でないが、これに注目することも必要である。
廃棄物処理におけるダイオキシン問題については、微量とは言え、
ごみ焼却に伴って発生する焼却灰や集じん灰中にダイオキシンが検出されていることは、
廃棄物の適正
処理の確保の上でも、
環境保全の観点からも重大な問題として受け止め、幅広く取り組むべきである。一九八四年ですから、およそ十三年ほど前に
専門家会議はこういう報告をしているわけです。
それから、その後、じゃどういう
対策がとられたかといいますと、六年たって
平成二年のガイドラインを出しているわけですけれ
ども、新設炉の全連続炉は期待値を〇・五ナノグラムというふうにしましたけれ
ども、既設の炉については燃焼の方法、燃やし方の方法について指導をしただけで何もしておりません。それで、ことし一月のガイドラインで緊急
対策として八十ナノグラムというのを決め、恒久
対策として新しい炉は〇・一、古いのは〇・五というふうな数値を決めていったということですから、私は、この
平成二年のときにダイオキシンの、古い既設の炉についても検査とか報告を求めて厳格に規制をしていくという
対策を、そのときになぜおとりにならなかったのかということをお聞きしたいと思います。