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西山登紀子君 確かにその対象になるわけですけれども、問題は、今、全国で、父母会の自主運営で行われている学童保育所で、全くどこからの補助もない自主運営をしているところの
実態を御存じでしょうか。
私は京都なんですけれども、実は二十年ほど前になりますけれども、自宅を開放いたしまして文字どおり自主運営の共同学童で
子供を育てた
経験がございます。しかし、二十年もたっているのに、京都市内ではまだどこからの補助もない、そういう自主運営の共同学童保育所が、京都市内なんですが、十二カ所もあります。その
実態を少し御紹介したい、知っていただきたいと思うわけですね。
京都の伏見区というところにあるんですが、そこの学童クラブ、既に自主的に運営されて九年目になります。これは建物は築八十年、京都ですから古い木造の建物。夏はきかないクーラーと狭さのために
子供たちの靴のにおいでむんむんすると。冬はすき間風のためにとても寒い。部屋の中にくみ取りのトイレがあるんですね。二階の天井は少し屋根裏が見えるというふうな、
施設はそういうところです。それでも
子供たちにとっては大切な場所です。
職員はどうかといいますと、
指導員の先生がいらっしゃるんですけれども、基本給は七万五千三百七十二円、一時金は年二カ月であります。もう一人の
指導員の方は、基本給七万二千八十円ですね。
保護者の負担というのは、もちろんどこからの補助もないわけですから、年間を通じまして、公設の学童はほぼ三千円程度なんですが、約三倍、一万円程度の保育料を払わなければならないために入りたくても入れない
子供たちがその
地域にはたくさんいる。この点も非常に問題であろうと思います。
さらに、もう
一つ違うところなんですけれども、やはりどこからの補助もありませんから同じような状況なんですね。これは南区というところにある共同学童保育所ですけれども、築三十年、一軒借りた家賃は三万円です。六畳三間をぶち抜いて、
指導員が二人と二十人の
子供たちが今、
生活をしているわけです。とにかく非常に狭いという状況に置かれているわけですね。ですから、そこで二十人の
子供が一斉に暴れるわけですから、コピー機が壊れたり、いろんなことが起こっているわけであります。
ここもやはり
指導員の先生は月給十万円足らずで、二人の若い男性の
指導員が、非常にボランティア的ですが、情熱的かつ献身的にやっていらっしゃるわけであります。父母の負担もやはりどこも同じです。
子供一人、月二万円を払っている。母子
家庭や父子
家庭の
方々は割り引いて月額九千円というふうにお話し合いでしていらっしゃるわけですけれども、こういう状況であります。
ですから、こういうところの要求というのは、願いというのは、市が責任を持った学童保育所を一日も早く設置してほしいけれども、それができるまでの間、せめて共同学童保育所に年間を通じての助成をしてくださいというのが要求であります。
これはもう十二カ所、それぞれ同じようなひどい状況なんですけれども、私はいろんな
実態を、手元に届けていただいたのを見て、皆さん金閣寺を御存じでしょうけれども、この金閣寺の近くに金閣子どもの家という共同学童があるんですけれども、ここの共同学童は場所が定まらないので、第二・第四土曜だとか、長期の休暇のときに場所が借りられなくなっちゃうのでジプシーのように場所を探していると、こういう
実態がある。これを見て、本当に私も二十年前を思い出しまして、法制化と同時に、こういう状態がなくならないと法制化の本当の意義が薄れてしまうんじゃないかなと思うわけですね。
ですから、この法制化を機会に——こういうのは京都市だけではないと思います。こういう何の補助もなく自主運営で頑張って共同学童をやっていらっしゃるようなところを市町村の対象事業に参入させるように、そうなるように国のイニシアをぜひ発揮していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。