○青木
薪次君 私は今回の
河川法の
改正である樹林帯の
関係等について非常に関心を持っておりました。そのときに、例えば
ダム湖というものがある、その
ダム湖を取り巻く保安林がある、保安林が今財政的にも非常に御苦労なさっている。林野庁の
努力というもの、私はこの辺は非常に昔から関心があったものですから、長い議員生活の中で何回も何回も、いわゆる
日本の森林
行政というものを何とか立て直していかなきゃならぬし、推進しなきゃいかぬということで山へも登りました。
その中で私は、今日の林野庁の御
努力というものがあったにもかかわらず、単なる
行政的な
努力だけではいけない構造的なものが出てきたということに着目しなきゃならぬと実は思っているわけであります。
例えて申し上げますならば、
日本の材価が非常に安くなっちゃったということから、南洋材がもう六割とか七割とかという単位で
日本へどんどん入ってくる、しかも非常に安い。林野庁で、あるいはまた国有林にしても民有林にしても、樹木を伐採いたしまして、そうして中流並びに下流に持ってくる、この運賃だけでいわゆる外材が買えるというような時代に入ってまいりましたから、材を切って、そしてその金で当面の財政運営を賄っていくなんということは当然できないし、仕事をすれば赤字が出る、この現状というものは何としてもこれは解決しなきゃならぬというように実は思うのであります。
私なんか、国産品、特に
日本の杉やヒノキは立派でありまして、今、林野庁に終戦後期待いたしましたのは、大
都市を中心として
地方の
都市に至るまで、それこそ爆撃やその他によって焦土と化してしまった、これを復興しなければならない。それにはやっぱり木を植えなきゃならぬ。木は大体若いので杉で三十年、それからヒノキでもって大体五十年。今は三十年から四十年、ヒノキで五十年から六十年。もっとも、
日本の材を高く評価するためにはもっともっといい材をつくっていかなきゃならぬということで六十年以上というような議論も出ておりますけれ
ども、いずれにしても仕事をすれば赤字になるということは、これはどうともならないと思うのであります。
しかも、林野庁の国有林の
関係だけでも私の知っている限り七万人ぐらいおりました。この人が今次幾人になったか、一万七千人を切って一万六千人近くなっているというこの現状について、私は、林野庁の皆さんの物すごい
努力、しかも私の方で見ますならば、例えば静岡県でも水窪町とか千頭とかというようなところ、町ぐるみで、我々の町の生命線はこれはもういわゆる森林とともにあるというようなことで、営林署の皆さんと、あるいはまた民有林の皆さんとそれこそ兄弟的なつき合いをやっている。もう至るところで一杯飲もうとしてもすぐ山林の話が出る、営林の話が出るというような状態に実はあるわけであります。
しかも年齢といえば、国有林の
関係は五十歳以上になってきたんじゃないかと思っているわけでありますが、そういう現状というものは、私はやっぱり何としてももう国家的な立場でこの問題を
考えないと
日本の国土がおかしくなる。いわゆるある
意味では焦土と化して、バランスを崩したときには、災害は発生するはもうどうともならない。緑はなくなる。しかも、山林がなくなるということについては、これはもう雨が降れば
洪水というようなことで、しかも少雨期にはそれこそ干ばつが始まるというような事態になってくると思うのであります。
この点について、私は先ほど申し上げたように、新聞を見ておりますと
ダムの湖畔林というものがある。その中で林野庁は林野庁としていろんな
考え方を持っている、
河川局は
河川局として
ダム湖をしっかり守るために
考え方を持っている。その間にいろんな縦割り
行政が響いて、それこそお互いに引っ張り合いが生ずるというようなことをよく見ました。しかし、これは非常に残念なことであって、そんな枝葉末節的なことじゃないのであります。
したがって、今も
大臣がいみじくも言われましたように、我々と林野庁と
一緒になるかもしれぬ、まさにそういうことだと思うんです。そういうことがあっても、単なる
環境庁の一部門なんという問題じゃないと思うのであります。国家的な問題だと思います。今日三兆三千億の累積債務を生じました。国鉄の二十八兆一千億という累積債務がありますが、この問題よりも私はさらに深刻だと
考えております。そういう点から、
亀井建設大臣はかつて運輸
大臣当時に、成田の空港に乗り込んで農民を説得して、いろいろこちらの遺憾な点は遺憾だとして謝って、しかも今日の飛行場の問題等についても解決をしたというすばらしい実績を持っていると私は思うんです。
今日も、そういう点でいろんな意見を吐いていらっしゃいますけれ
ども、実力閣僚としてこの問題について閣議においても強力な発言をしてもらって、全体として林野
行政と
河川行政とはこれはもう一体である。しかも、一番の上流については林業がある、中流は農業がある、それから下流は漁業があるというような状態というものを
考えたときに、私は
河川行政と一体のものであるという観点から縦割り
行政を排して、先ほど言いました余りラップしたような
行政だと金がかかり過ぎるというようなことを
考えつつ、ひとつこの辺で御意見をお伺いしたいと思います。