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赤桐操君 徐々にこの
促進費が重ねられておるところでありますが、これは私もちょうど昨年の今ごろ、
予算の
委嘱審査の中で軽く一遍触れたことがございますが、これは五十三年から実はもうついておる
予算でありますね。そして、これは五十二年の
予算の
委員会でちょうど長谷川四郎
建設大臣がおいでのころでございまして、この大臣のもとで私どもが
予算委員会で論争をいたしたことを思い起こすのでありますが、この論争の後で、大分この問題が浮かび上がってまいりまして、大蔵省も大分動き出したようでございまして、
具体化の方向が出てきたように思います。
その論争してきた経緯をまとめてみまするというと、その趣旨は、欧米におけるところの
住宅建設の中では、いわゆるこういった公的な負担分というものは国と州
政府ないしは自治体がこれを持っている、そしてここに居住する入居者に負担をかけるということをやらないという建前になっているということが明らかにされたわけであります。これは私も実は欧米諸国を見てまいりましたが、そのとおりでございます。
それで、要するに、言ってみれば公的負担分といえば、
道路とか公園とか学校とか遊水地とか、いろいろ団地をつくるに当たって、町をつくるに当たって必要な公的なものがございます。そういうものの公的負担分については、用地から造成費から
金利の一切を国なりあるいは
地方自治体が持つ、こういう建前で進んできておるということを私ども確認いたしております。したがって、入居者はこれの負担をいたしておらないわけであります。
ところが、我が国におきましては、当時の状況はもう丸っぽで、これは受益者負担と称して、受益者負担という言葉で言われておりましたが、
土地もすべてのものが全部用地費にかぶる、こういうことでございましたから、
開発の認可が出たときには、もう素地で用地費は倍になる、こういう状況でありますね。
それで、公共の負担率というのは大体五〇%前後になっていますから、大体もう公共負担で半分持っていかれてしまう。残ったのは、いわゆる
住宅建設の純然たる用地費で、この用地費というのに全部かぶるんですから、これはもう造成費も
金利も何も全部入るわけですから、公園から何から学校もみんな入ってくる、こういうことになりますというと、大変な額になるわけですね。これが実はその当時の状況で、反省の中からこうしたものがいささかつき始めたというのが実態であったと思います。
五十三年についたのが三百億ですね。自来、三年間三百億ずっついた。このときに私が、多分あのとき
住宅局長さん、どなただったか思い起こせませんが、お伺いしたところによりまするというと、これはこれから先ずっと続きますので相当これは大きな役割を果たすと思いますと。私は当時余りよくわからなかったので、零が一つ足らぬじゃないかと、こう言ったら、最初の項目から三千なんとつくわけありませんということで笑ったことがあるのでありますが、いずれにしても、そういう経緯の中でスタートを切ったというのが事実でございます。
それが今日までついてまいりまして、それが大体今、
本当を言えば、もう五千億を超えておると思うのでありますが、延長は一時ストップした時代もありましたから、二千億をようやく超えたと、今
局長から御答弁があったような数字になったと思います。こうした状態で今来ているのでありますが、これは公団だけではなくて、民間も使っておるわけでありまして、強くこれは大きな影響を与えておることは事実でございます。
そこで、そうした状況の中で、私は一つ、この前の
委員会でも若干触れたのでありますが、時間がなくて申し上げ切れませんでしたが、大体東京から五十キロ圏、百キロ圏とよく言われるのでありますが、大体
建設省あるいは公団等もそう思っていると思いますが、
住宅の一番の標準的なものは、四LDKで
土地が五十坪から五十五、六坪、建坪が四十坪前後というところであろうと思うのであります。こういうのが標準だということになってくるというと、それで値段の問題等も加味するというと、千葉県なんかでは大体佐倉あたりになりますね。佐倉、成田、この辺のところが大体の標準になってくるように思われます。
ここの例で、一つ佐倉の例で見たのでありますが、取得額が五千万強、五千百万ぐらいのものでありますが、これが大体
土地面積が五十八坪、建坪が三十九坪、約四十ちょっと欠いておりますね。こういう標準型のものに四LDKとなっておるようでございます。これを五千万ということで中堅層の人が得るためには、まず百四、五十万の税金を払って取得をすることになります。それからあと、いわゆる固定資産税やら何やら入ってずっと長く続くことになりますが、この場合の
土地費と建築費との区分で申し上げるというと、
土地費が二千八百万、建坪が三十九坪で二千二百万という、これは丸めてありますが、大ざっぱな数字になります。
要するに
土地の方が高いわけでありまして、大体この
土地の二千八百万の中の千四百万相当のものと思いますが、半分が公共負担分なんですね、率直に申し上げますというと。面積で五十坪ですから、若干違いがあるかもしれませんが、大ざっぱに見て半分とすれば、千四百万程度のものが公共負担分になっている。それを大体用地費にかぶせられるというと、二千八百万になる。
したがって私は、ヨーロッパ
社会におけるものと比較するというと、まあ五千万という額も、ヨーロッパじゃこんな額にならぬと思いますが、一応同じ額と考えましても、
土地費については、これは結局倍のものを買っているということになると思うんですね、日本の場合は。ですから、日本の私の友人がパリの郊外に住んでおりますが、この人はやっぱりしみじみ言っておりますが、日本より
住宅ははるかに安いと、日本の場合においては、これはもう
土地そのものが高いということをやはりかなり強調しておるような状況ですね。
ですから、そういうように見るというと、やっぱりこれは少しく国際的な標準から見ていってもうまくないんじゃないかなと。千四百万全部を今発想の転換を行って欧米
社会並みにするということにすれば一番いいかもしれぬけれども、これは
予算その他の関係がありまして、にわかにできないかもしれぬけれども、言ってみれば、そういう方向に持っていかなきゃならないんじゃないかなと私は考えているんですが、どうですか、これ
局長。