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平野貞夫君 隣には元
環境庁長官がいらっしゃいます。五年ごとに
法律改正やっていますから、私は本来なら入れるべきだと思います。しかし、ここで修正しろと言っても、この時期でございますから、それ以上のことは言いませんが、少なくとも法律に義務づけはされていなくともやっぱり十分な協議はやっていただきたいということを要望しておきます。
それと、この
治山治水緊急措置法というのは、実は私個人のことを言いますと非常に思い出のある法律でございます。昭和三十五年の制定でございますので、六〇年安保のときに、安保大騒動しているころ国会
審議された法律で、私はそのときに衆議院事務局に入局したということで非常に印象が深い法律だったんですが、そのときの法律のネックは、
国土の保全と開発ということにプラスして、当時の村上勇
建設大臣が
経済基盤の強化という
言葉を提案理由で入れていたということを記憶しております。
この法律は
国土の保全ということにウエートが、前年に伊勢湾台風がありましたからあったと思いますが、やはり高度成長
政策を推進する法律の一つであったというふうに見ております。それはそれでいいと思いますが、それ以降どういうふうに世の中が社会構造、産業構造が変わったかということを
建設省、
農水省の皆さんにはお
考えいただきたいと思います。
昭和三十五年
時代には、スーパーや飲食店で水を売っていませんでしたよ、今みたいに。今、コンビニでもデパートでもどこでも、水道の水を大都会では飲む人は少なくなっています。それだけ
状況は変わっています。私は間もなく空気を缶詰にして売る
時代が来ると思うんです。もう始まっているかもしれません。それから、昭和三十五年
時代は花粉症もなかったんですよ、花粉症のせいを林野庁には持っていきませんが。
本当にやはり、水とか空気というものの大事さというのを我々
政治はもっともっと認識せにゃいかぬと思います。率直に言いまして、私の国は四万十川がある土佐ですが、これは
建設省と林野庁のおかげで非常にいい
治水治山をやっていただいて、最近では土佐湾に鯨が生息するようになりまして、鯨の数と種類で世界でも唯一になっております。そういうふうに、やはり
治山治水に必要な金をかければ国はよくなるんです。そこら辺の認識は
大臣は非常によくされていると思いますが、私はむしろ中
山間地域なんかには空気供給交付金みたいなもので
治山治水なんかをちゃんとやってもらいたいような気持ちを十分持っておるんです。
そういうことで、しっかりと今後、
環境庁長官と協議すれば何か規制ばかりされるということじゃなくて、ともに
治山治水、
生命をやっぱり、これは人間だけじゃございません、地球
環境という全体の問題としてとらえていただきたいと思います。
それから、
最後の質問になりますが、今度の改正案というのは二十一世紀にまたがるものでございます。次の五年、私は
政治家をやっているかどうかわかりませんが、恐らく行革で
建設省があるのか
農水省があるのかもわかりません。そういう大きな激動の中で、どんなことがあってもやっぱりこの
治山治水事業というのは守っていっていただきたい。
そこで、この五年ごとの延長という、
計画はともかく、この法律の改正というのは私はやめるべきじゃないか、今回で
最後にすべきじゃないかと思っております。でき得れば、なかなかそうもいかぬと思いますけれ
ども、私は、新しい憲法というものの中で、
国土の保全、
環境の保全についての国家の
責任、
国民の義務、こういうものもやっぱり新しい憲法の中で規定して、それに基づく、山と川と海ももう一緒にしなきゃならぬ、
国土といったってもう領海も一緒にすればいいんですよ、これを一体とした
国土の保全と活用についての恒久法というものをつくって、そして必要に応じてその
計画というものを推進していく、こういう新しい
国土行政をこれからはやっていかなきゃいけないと思います。
そのこと自身が新しい
日本の社会がどうなるかということの一つのベースになりますし、こういうことが本当の
行政改革であり、
経済構造改革であり、
財政構造改革ではないかと、こういう主張を持っておりますが、
大臣から御所見をいただいて。